ネクラで眼鏡でキモオタな優等生は“受け”るとイイよ!

委員長、地味な真面目くん、オタク少年…そんな“優等生受け”BLが大好きな腐男子のブログです~。

 

スポンサーサイト


Category: スポンサー広告   Tags: ---
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

[レビュー]なげやりな瞳の優等生が心を開かされ…“優等生受け”の歴史的傑作! 高岡ミズミ『不器用な唇』


Category: レビュー 小説単行本   Tags: 受け-ガリ勉  受け-真面目・カタブツ  特徴-高校生  攻め-不良  ●タ行-高岡ミズミ  
不器用な唇不器用な唇
(2002/03)
高岡 ミズミ

商品詳細を見る
 いやもうどう褒めれば、この本の良さが伝わるのか…。
 すべてが最高というしかない“優等生受け”BLの金字塔です。
 とにかく読んでみてください。
 以上。
 終わり。

 と言い切ってしまいたいぐらい、この本はくだくだとこんなブログで紹介するのもおこがましいほどに“凄い”一作です。

 カップリングとしては、不良×優等生という王道中の王道。
 不良といっても、チンピラとかじゃありません。
 走り屋集団のヘッドとして、すでに高校生にして伝説の存在となったものの、親友の事故死をきっかけに走るのをやめた男の中の男が、主人公(攻)・小田切洋治(おだぎり・ようじ)です。
 そのときのゴタゴタで、小田切は高校を2年ダブっています。
 もちろん校内でも異色の存在。
 周りには、走り屋時代から小田切を崇拝する後輩たちが集まり徒党を組んでいますが、小田切は「好きにしろ」という態度で、超然と学生生活を送っています。

 文中ではこんな描写がされています。

 小田切洋治は、そんな賀陽(高校)の中でも特に際だっていた。
 百八十を大きく上回る身長。がっしりと張った肩や胸筋、長い手足は体育教師にも劣らない。けれど恵まれた体躯を部活に活かそうとする気はないようで、走ったり飛んだりする姿を、裕紀は体育の授業を窓から眺めるとき以外目にしたことがない。
 いつもひとを馬鹿にしたような薄ら笑いを貼り付けて、視線ひとつで教師すら黙らせる。右の目尻に走る傷跡も、不遜な顔つきにはあまりに似合いすぎている。

 いま名前が出てきた裕紀が、もう一人の主人公(受)です。
 私立の進学校に通っていた優等生でしたが、家庭内の不和で父母が別居し離婚。
 その影響で学校に通うのが馬鹿馬鹿しくなり登校拒否に。
 そのまま退学し、この“素行の悪い人間の掃きだめ”といわれる賀陽高校に再入学したのでした。
 フルネームは、吉岡裕紀(よしおか・ゆうき)。
 不良高校に似合わない優等生の転入は、賀陽高校でも注目を集めました――小田切を囲む“不良生徒”たちからはとくに。
 転校して数日、裕紀は彼らに廃部となった野球部のクラブハウスに連れ込まれたのでした。

「やっぱり近くで見てもかぁいいね。裕紀くん結構噂の的だよ。こんなクズ学校にメチャ優等生が編入してきて、これがまた可愛いってさぁ。ついさっきも町田に紹介しろって言ってたとこ」

 ふいに伸びてきた手が顎に触れてきて、裕紀は考えることをやめ、身をすくませた。

「目、大きいね。髪もサラサラだし、ホッペなんてツルツル」

 遠藤が近づくぶん、後ろに下がる。

「気に入っちゃったぜ。小田切、コイツ俺貰っていい?」

 言い終わらないうちに体重をかけられた。抵抗する隙もなくテーブルを背に組み敷かれ、両手首を頭の上で拘束されていた。

「な、なに…っ」

 なにがなんだかわからずに、振り解こうとして手足をばたつかせた。

 クラブハウスには小田切がいました。
 その目の前で、裕紀は小田切の“金魚のフン”遠藤から襲われそうになるのです。

「つーかさ、最近俺、男のがいいかも。この子みたいに華奢で可愛い子が最高」

 そのセリフにようやくこれがどんな意味を持つのか気づき、パニックになって、無意識のうちに周囲を縋る目で見回していた。
 苦い顔をして町田が目をそらす。小田切のほうはなにも感じないのか、壁にもたれて素知らぬ顔で裕紀を見下ろしている。
 開襟シャツの前がはだけられた。

「うわ、たまんねえ。乳首ピンクじゃん」

 むき出しの素肌を手のひらで撫で回され、気持ちの悪さに目尻に涙がたまる。

「いやだ…やめ…ろっ」

「下も見せてな」

「いやだっ」

 必死で足をばたつかせたが、あっという間にベルトを抜かれ、一気にズボンをおろされた。

「お、白のブリーフ、可愛い」

 遠藤と、裕紀を押さえている男が笑う。

「いやっ、いやだぁつ」

「お口が小さい子は、下のお口も小さいって言うから、楽しみだね~」

 恐怖と嫌悪に涙がぽろぽろ流れた。手足を拘束されて動けず、せめてもと首を振る裕紀の目に、相変わらず覚めた表情の小田切が飛び込んでくる。含み笑う声や荒い息に全身を触られて、考える余裕もなく小田切に向かって助けを求めていた。

「お願い…助けてっ」

 この中で裕紀を助けられるのは小田切だけだと、本能的に察していたのだろう。

「助けて、助けて小田切!」

 小田切は裕紀に目をとめたまま、落ち着き払った仕草で煙をひとつ吐き出した。

「助けたら、なにかいいことがあるのか?」

「なんでもするっ。助けて!」

 必死だった。いまの状況から逃れたい一心で、でもこのときは救ってくれたらなんでもすると本気で誓いながら、小田切に縋ったのだ。

「遠藤」

 ピッと吸いさしを指で弾いて、小田切が壁から離れた。

「そのへんでやめとけ」

「なんでだよ。べつにいいだろ」

「遠藤、やめろって言ってんのがわかんないのか」

 はぁぁ。
 思わず著作権法の限界ギリギリまで引用してしまいました…。
 切迫した状況の中で、優等生・裕紀が不良の親玉である小田切に助けを求める緊迫の描写に思わず息をのんでしまいます。
 これが2人の出会いでした。
 ところが、小田切は正義の味方などではなかったのです。
 遠藤を部室から出て行かせると、小田切は呆然とする裕紀の身体を、遠藤の代わりに自分の思い通りにしたのでした。

 一度きりだと思っていたこの関係は、小田切からの呼び出しで否応なく続けられていきます。
 学校が終わると、近くのスナックの2階に連れ込まれ、小田切に抱かれる裕紀。
 嫌で嫌でたまらない身体の関係でしたが、一緒にいる時間が長くなるにつれ、小田切と会話を交わすことも増えていきます。
 なんとはなしに、自分の家庭の事情や転校の理由までを小田切に話してしまった裕紀は、耐えられない居心地の悪さを感じ、小田切に噛みつきます。
 
「もしかしておれのこと可哀想がってんのかもしれないけどさ、おれはそんなのぜんぜんなんだよ。ほっといてくれない?」

「おれは少しも自分を不幸だなんて思っちゃいなかった。親が恋しい年でもなかったし、仕方のないことだって理解してたよ!」

 こう激高し、小田切を睨み付ける裕紀。
 ところが小田切はそんな裕紀の前に立つと、こう言います。

「俺は吉岡の事情なんて知らなかったし、べつに可哀想だとも思ってない。俺のほうがたまには他人と飯を食いたかっただけだ」

 ポンと肩を叩かれて拍子抜ける。思いのほか昂奮していたことを自覚し、バツが悪くて目をそらす。

 小田切はオトナなのです。
 親友の事故死とそれによる走り屋からの引退。
 それにともなって湧き起こった身の回りの嵐。
 そんなことを乗り越えてきた小田切と、世間知らずの優等生くんとでは勝負にならないわけですね。
 なんていうか、このあたりの2人の関係が深まるというか交差していく描写は、さすが高岡ミズミ先生と言いたいグルーブ感に満ちています。
 ひとつひとつのエピソードはどうということもなく、それによって2人の関係が深まるような直接的な描写もないんですが、2人が身体を何度もつなげていく中で、裕紀が激高するこのエピソードのような小さな日常がいくつも描かれていき、それを高岡先生の筆にのって読んでいくと、気がついたら大波にさらわれているかのように、かたくなだった裕紀の心が小田切に少しずつ開かれていたことに、読者も気づかされてしまうのです。
 もちろん裕紀はこの段階でも、自分をレイプ同然に奪った小田切を許してはいません。
 でも、気がつくと裕紀の心が開かれていきつつあることを、読者も自然に受け入れてしまっています。
 そして、裕紀のこんなモノローグが出てきます。

 一番変なのはこの関係だろう。小田切がどうして裕紀を何度も抱くのかわからない。そんなことを考えてからふと気がついた。いままで一度でも厭だと訴えたことがあっただろうかと。
 最初のうちはすごく怖かったし、言ったところで無駄だと決めてかかっていた。
 でもいまはどうだろうか。
 小田切のことをまったく恐れていないわけではないけれど、満足にしゃべれないほどでもない。
 もし裕紀がいま、もう厭だといって拒絶したなら小田切はなんと答えるのか――想像もつかない。


 裕紀は、徹頭徹尾受け身なんですね。
 それは家庭の不和で登校拒否になったこともそう、その結果、進学校を退学して賀陽高校に転校することになったときもそう、そして小田切に犯され、肉体関係を続けさせられていることについてもそう。
「言ったって変わらない」という諦念に支配されて、自分からは何も行動を起こさないのです。
 小田切との関係も、自分は被害者だと信じて疑わないわけです。
 もちろん最初は裕紀が被害者です。
 でも、その後に関係を続けていることは、裕紀自身が心の中で独白したように、裕紀は一度も拒絶せず、受け入れてきたことなんですね。
 小田切がやれと言うから、小田切が無理強いするから――そんな言い訳のもとで、裕紀は小田切との関係を続けているのです。

 ところが、そんな日々の中で事件が起こります。
 小田切に裕紀を奪われた遠藤が、小田切の名前をかたって裕紀を呼び出し、犯そうとしたのです。
 今度は目の前に小田切はいません。
 それでも「助けて! 小田切!」と叫ぶ裕紀。
 まさに陵辱される寸前、小田切が駆けつけ、裕紀は危ないところを救われます。
 正気を失い、遠藤を殺さんばかりに殴り、蹴りつける小田切を、不良たちでさえ「もうこうなったら誰も止められない」と逃げ腰になる中、裕紀だけは小田切に抱きついて「遠藤が死んじゃうよ!」と、暴行を止めさせます。
 そして、小田切と2人きりになった裕紀に、なぜか小田切は事故死した親友のことを語り始めるのです。
 これまで知らなかった小田切の壮絶な過去を知らされた裕紀は、得体の知れない恐れに襲われます。
 小田切のすべてを自分の中に受け入れてしまいそうな…。
 どうしようもなくなった裕紀は、小田切に叫ぶのです。

「なんで…そんなことまでおれに話すわけ…おれには関係ないって言ってんじゃん」

 ズキズキと痛み始めた胸に堪えきれなくて、小田切の視線から逃れるように顔を背ける。喉の奥がひりひりと焼け付くようだった。

「ああ、そうだな」

 卓袱台にほおづえをついた小田切が、覗き込むようにして裕紀をみてくる。

「他人なんか関係ない。なにもかもうざい。放っといてくれ…吉岡はうちの学校に来たときからずっとそんな態度だった」

「……」

「そのくせときどきひどく不安そうな目をする。俺はなんとなく気になってて、だからあの日、クラブハウスの前で偶然会ったときは、ちょっとした好奇心だと自分でも思っていた」

 胸が痛い。すごく痛い。痛くて堪らない。

「さっき」

 屈み込むように背を丸めた裕紀に、小田切はいったん言葉をとぎれさせ、こういった。

「遠藤にやられそうになったとき、俺の名を呼んでたな」

「……」

「どうしてだ」

「……」

「どうしてどうでもいい他人を呼んだりするんだ」

「それは…っ」

 なにか言わなければと思うのに、考えれば考えるほど自分でもわからなくなる。

 こう言う小田切に裕紀は強引に抱かれます。
 そして、それがこれまでのセックスとはっきり違うことを裕紀は身体で自覚させられるのです。

「あう…っ」

「どうしたよ」

 揶揄するような声には同時に驚きが滲む。

「勃起してる」

 指摘されてようやく己の状態に気づいた裕紀は、すっかり混乱していた。

 挿入する前に先にいかされるのはいつものことだが、触られる前からこんなふうになったことなど一度もなかった。
 身体の奥が疼いて、耐え難いようなどうしようもない気持ちが沸き上がってくる。

「…吉岡」

 身体中を弄られ、口づけられて簡単に追い詰められた。熱い吐息が性器を掠めたその瞬間、あまりに呆気なく射精していた。
 顔を上げた小田切が今度こそ心底驚いた表情をする。

「願射されたのは初めてだな」

 あああ、もうどの部分も好きすぎて、たまりません!
 ところが!
 ここから物語はなんともう一波乱、それも最高潮に胸がキュンキュンさせられる展開を見せるのです!
 神!
 まさに高岡先生は神!
 凡百のBL作家なら、もうこれで大団円ですよ。
 ところが!
 ここから!
 しかもですね、なんとここまででまだ70ページほどなんです。
 それでこれだけのうねりというか厚みというか、小田切と裕紀の2人の関係をものすごい筆力で描ききっているんです。
 もう驚異的ですよ。
 普通の作家さんなら、70ページ進んでも、まだ登場人物の紹介やってたりしますからね!

 さて、このあとの神展開はどうなっていくんでしょう…。
 はっきりと関係が深まった裕紀と小田切ですが、なんと裕紀はこの期に及んでも、「これは小田切に無理強いされて…」という例の受け身を捨てないんです。
 裕紀の父が出張先で倒れ、小田切のバイクで病院に駆けつけた裕紀ですが、裕紀は小田切にこんな態度をとります。

「あの…もう平気だから」

 言外に帰ってほしいと匂わせる。

「そうか」

 小田切が立ち上げる。

「こんなとこまで付き合わせて悪かったよ」

「べつに。俺がしたくてしたことだ」

「でも…小田切には関係ないのに」

「吉岡が関係ないって言うなら、ないんだろうな」

 振り返りもせず小田切は出て行った。

 さすが世間知らずの優等生!
 関係ないんじゃなくて、お前が関係を拒否しているだけだろう――小田切はきっとそう言いたかったんだと思います。
 こつはこの直前、父親の処置を待つ病院の廊下のシーンで、小田切がこんなセリフを言っていたのです。

「他人は去っていくぞ。何度も背中見せられたら」

 そして、その言葉通り、何度も自分に背中を見せた裕紀に、小田切は別れを告げたわけでした。
 もうですね、この部分、小田切が去っていった場面は、何度読んでも胸が張り裂けそうになりますよ!
 裕紀が馬鹿で馬鹿で!
 小田切に強制されているとばかり思っていた2人の関係が、じつは小田切によってこそつながれているものだった――そう思い知らされた裕紀。
 この日を境に、学校で会っても小田切は裕紀と目すら合わせなくなります。
 さあ、さあ、さあ!
 裕紀は小田切の心を取り戻せるのでしょうか!
 世間知らずの優等生くんが、一世一代の大勝負に出ることはできるのでしょうか!

 もうですね、読んでください。
 買って。
 いまやハイランドは倒産してラキアノベルズは入手困難ですが、アマゾンやヤフオクでなら何冊か古本が出ているようです。
 じつは本書には、この2人の続編も収められています。
 この続編が、また泣かせるんですよ!
 気持ちが通じたけど、お互いに手探りで身体をつなげ、関係を深めていく2人の、もう不器用な恋が…。
 し、しかもですよ。
 この『不器用な唇』は、売れ行き好調だったのか、同じ年の10月に続編本となる『不器用な唇2』が発売されたのです。
 もう小田切と裕紀の恋の行方をたっっぷり楽しめるんですよ。
 とにかくカッコイイ男の中の男・小田切と、意地っ張りで真面目ででも小田切のことが好きで好きでたまらない裕紀が、2巻あわせて400ページも読めるのです!
 またですね、気持ちが通じてからの裕紀が可愛いのですよ(笑)。
「触って…触って…洋治ぃ」なんてことを言っておねだりする裕紀を、もちろん小田切は優しく愛撫してやるわけですが、「あう…あ、あ…いい…きも…いいっ…もっとぉ」なんて息も絶え絶えになる裕紀を抱きしめて、小田切はつぶやきます。

「…やらしい…たまんねえ」

 読みたいですか!
 2人のラブラブ場面読みたいですか!
 ならば、速攻買って読んでください(笑)。

 もうですね、この作品読まないんだったら、生きてる価値ありません。
 ちーけんなんか、読み用と保存用と資料用に3冊持ってます!(アホ)
 誰でもいいので、ぜひ読んだら感想教えてください~。
 3日3晩寝ないで語り合いましょうよぉ~。 

不器用な唇〈2〉不器用な唇〈2〉
(2002/10)
高岡 ミズミ

商品詳細を見る
関連記事


Comments

Leave a Comment



08 2017
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

07

09


 
FC2カウンタ
 
プロフィール

ちーけん

Author:ちーけん
FC2ブログへようこそ!

 
最新つぶやき5件

Twitter < > Reload

 
最近のコメント
データ取得中...
 
 
 
 
Lc.ツリーカテゴリー
 
Lc.ツリータグリスト
 


Archive   RSS   Login

債務整理太陽光発電
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。