ネクラで眼鏡でキモオタな優等生は“受け”るとイイよ!

委員長、地味な真面目くん、オタク少年…そんな“優等生受け”BLが大好きな腐男子のブログです~。

 

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[レビュー]主人公・楓は自分の性格が大嫌い。そして、そんな気持ちを逆撫でする幼馴染みが11年ぶりに戻ってきて… 雨隠ギド『犬とつばめ』


Category: レビュー コミックス   Tags: 特徴-高校生  受け-眼鏡  受け-コンプレックス持ち  受け-地味・ダサい  特徴-幼馴染み  ●ア行-雨隠ギド  
犬とつばめ犬とつばめ
(2012/01/06)
雨隠ギド

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 この年末年始、ずっとこの本のレビューを書こうと思って四苦八苦してました。

 雨隠ギド先生の新刊『犬とつばめ』です!

 コミックスの帯を見たら、BLだけではなく、他のジャンルでも雨隠ギド先生のコミックスが同時発売され、出版社をまたいだちょっとしたフェアになってるんですね。

 でも、どうにもうまくレビューを書けなくて、もう気がつけば2月も目の前です。 

 このコミックスの版元は、あの「まんだらけ」です。
 オタ関係専門の古本屋である「まんだらけ」は、何年か前に出版事業も始めていて、BLでは『エディス』というアンソロを半年に1回くらい出しています。
 BLを読む人でも、『エディス』は存在すら知らない人も結構いそうな…というくらい、あまり本屋では見かけないアンソロジーです。
 でも、学園ものに特化してる素晴らしいアンソロなんですよ!
 非常に淡いというか、趣味的(笑)というか、ちょっと不思議な味がある作品が並んでいます。
 今日ご紹介する『犬とつばめ』も、この『エディス』で連載されていました。

 本作を当ブログでご紹介したくなる理由は2つです。

 1つめは、主人公(受)・山田楓(やまだ・かえで)のルックスです!
 表紙だとちょっと見にくいかもしれませんが、テキトーに中分けした髪と、顔の半分くらいあるんじゃね? というでっかい眼鏡。
 うおおおお、ガリ勉っぽいというか、オタクっぽくて可愛ぇぇええええええええ!
 しかもガリガリに細くて、制服をふつうに着てても、なんだか制服に着られているように見えちゃうという。
 やばい、俺歓喜(笑)!

 2つめは、楓が隠し持つ“コンプレックス”です。
 ブログ主はBLで何が好きって、「こんな俺なんか…誰も好きになってくれないんだ…」ってネクラにぐちぐち思いこんでるタイプの男子が可愛がられちゃうお話が大好物ですよ!(ペロペロ)
 本作の主人公・楓は、まさにそーゆータイプなんです。
 コミックス1冊分をまるまるかけて、この“コンプレックス”持ちな主人公・楓が心を開かされ、素直にぎゅっと抱き締められるようになっていくのが本作のストーリーなのです(かなりブログ主の個人的な理解ですが・笑)。
 優等生スキーならば、これを読みのがす手はありませんよ…!

 となると、まず重要なのは、楓が抱え込んでる“コンプレックス”についてですよね。

 楓は自分の性格が大嫌いです。
 ストーリー中で、楓がこんなことを叫ぶ場面があります。

「あー! 俺も気ーつかえる子になりてーよーっ」

 楓は自分のことを、わがままで、好き勝手に動いては、最後は周りの人たちに迷惑をかける人間だと思いこんでいます。

 例えば、冒頭場面で登場してくる幼馴染み・野呂(のろ)との幼い日のエピソード。
 野呂は、高校生である楓の前に、転校生として11年ぶりに姿を現します。
 
 楓と野呂は幼いころ、ひと夏を一緒に過ごした仲なのですが、それ以来、一度も会っていませんでした。

 楓には幼いころから大好きな兄・朝日がいます。
 優しくて聡明で、楓はいつもこの兄の後をついてまわっていました。
 ところが11年前の夏、兄・朝日は海外へホームステイに旅立ってしまったのです。
 残された楓は、毎日べしょべしょになりながら泣き暮らします。

「うわああーーん! にいちゃーーーん! さみしいよーーー! ふあんだよーーー!」(涙でべしょべしょ)

 そのとき楓が出会ったのが、東京から近くの祖母の家を訪れていた野呂でした。
 両親の離婚のゴタゴタで、夏休みの間だけ預けられていたのです。
 自分自身、家庭の不和に巻き込まれて無口で無愛想な子供になっていた野呂は、楓になぜか懐かれ、その面倒を見てひと夏を過ごすことになります。

「にーちゃんみたく、あそんでくれる? 兄ちゃんはよしよししてくれるよ」
「だっこしろよぉ! ぎゅってしろ! おんぶしろ!」


 無茶な楓の要求を、同い年の野呂は毎日毎日献身的にかなえてやったのでした。

 ところが…。
 当時のことを回想して、野呂が心の中でつぶやくセリフをご紹介しましょう。

(わがままで周りが見えてなくてどうしようもない楓)
(憶えてないだろ、お前)
(夏の終わりに帰ってきたお前の兄貴に夢中で)
(俺との別れはずいぶんそっけなかったんだ)


 なんとー!
 楓、マジにひどいやつではないですか(笑)。
 夏の間、ずっと自分の世話をしてくれた野呂のことを、兄が帰ってきたとたん、ポイッと捨ててしまったというのですね。

 今は高校生になった楓が、自分の性格を嫌いになってしまうのもわかるというものです。

 そして、楓のコンプレックスを病的にまで高めてしまったのが、ストーリーの冒頭で明らかになる、大好きな兄・朝日の死です。
 楓が高校生になって兄が就職してからもずっと大好きだった兄・朝日がある日、マンションのベランダから突然の“転落死”を遂げたのです。
 じつはその数日前、楓は兄のマンションを訪れていました。
 そこで楓は、まったく無邪気に兄の部屋をいじっているうちに、兄が家族にも隠していた重大な秘密を暴いてしまいます。
 兄・朝日がその時に見せた蒼白な顔。
 しかも楓は、なんとかその場を取り繕おうとして、決定的に兄を傷つける言葉を口にしてしまったのです。
 兄の死の知らせが届いたのは、その数日後でした。

 自分ではそんなつもりはないのに、いつの間にか周囲の人間を傷つけている――。

 楓が自分の性格に抱くコンプレックスは、決定的なものになったのでした。

 うーむ。
 こうやってまとめてみると、暗いですね(笑)。
 でも、ブログ主からすると、あんなひょろひょろっとした優等生っぽい外見の眼鏡っ子が、毎日の学校生活は明るい顔で送りながら、じつは内心に大きな暗い闇を抱えて頑張ってるというところに、激しい萌えを感じたりします。
 楓は、クラスメイトとの会話など、ちょっとした日常の出来事をきっかけに、兄の死や自分の性格を思い起こさせられ、たまらない気持ちになります。
 こんな自分は、みんなと楽しく過ごしてちゃいけないんだ…! とでもいうかのように。
 ブログ主は、そんな場面が出てくるたびに、楓をかいぐりかいぐりしたくなってたまりませんでした。

 さて、本作のストーリーは、最初にご紹介したとおり、こんなふうに他者から自分への関わりを拒絶するかのような眼鏡っ子である楓が、コンプレックスを解放し、他人にぎゅーっと抱き締められて顔を真っ赤にしちゃうようになるお話です!(なんという個人的理解)

 楓を暗い穴の中から引っ張り出し、「おいで」とでも言うかのように、大きく両手を広げて抱き締めてくれる相手は、もちろん幼い日を一緒に過ごした幼馴染み・野呂ですよ。

 野呂が何を考えてこの街に戻ってきたのかは、本作を読み進めているうちにだんだんと明らかになりますが、野呂は一貫して楓の側に立ちつづけます。

 まるで、

「お前はそのままでいいんだ。俺がそばにいてやるから」

 とでも言うかのように。

 野呂は楓のわがままなところ、身勝手なところを全肯定するわけではありません。
 だいたいにして、この街に戻ってきたのだって、幼いころ、必要なくなったとたんに自分のことをポイッと捨てた楓に復讐してやろうかと思って帰ってきたのですから。
 でも、野呂はずっと立ちつづけます。
 楓のそばに。

 お互いを見つめ合う中で、楓も、野呂も、自分を信じる――たとえ自分で自分が嫌いであっても――とはどういうことか、他者を受け入れるとはどういうことなのかということに、自分なりの答えを見つけていきます。

 もちろん、若い2人は手探りです。
 時には傷つけあったり、反発しあったりもします。
 でも、ふとした瞬間に、2人の気持ちは重なりあいます。

 ブログ主の目には、この微妙な空気感を描き出す雨隠ギド先生が上手すぎて…!

 物語の前半で出てくる、ブログ主が大好きな場面をご紹介します。
 ずっと自分のことが嫌いで、自分の価値というものを信じることができなかった楓を、野呂が強引に穴の中から引きずり出すシーンです。

 2人が楓の家で放課後、制服のままゴロゴロしています。
 楓は不機嫌です。
 幼馴染みの自分を差し置いて、野呂がクラスの女子と仲良く遊んだりしているからです。

「……お前さー、三島たちと遊ぶの?」

「別に」

「三島、お前のこと好きじゃん」

「まじで?」

「そーだよ! バーカ」(布団にぼふっ)


 スネてる楓が可愛いですね(笑)。
 ここで、健康に育ってきた男子なら、なんのわだかまりもなく野呂に「俺と遊んでよ!」と言うのでしょう。
 でも、それができないのが楓です。
 うおー、ハァハァする!

 ここで、野呂はストレートに楓に優しくしたりしません。
 それどころか、不穏なことを心の中では考えてます。

(泣かないかな…)

 うわー。
 屈折してますね。
 野呂は、ワガママで自分勝手で、幼かった自分のことを切り捨てた楓が、今度は自分だけにすがりついてくるところを見たいのです。
 でも、楓にはそんなことはできません。
 自分にそんな価値はないと思ってるんですから。
 「愛して!」とでも言うかのようにすがりつくことなんて絶対できません。
 楓はつねに受け身です。
 この場面、楓のコンプレックスが鮮やかに描かれていますよ。

 だから、野呂はまたもや自分から動きます。
 ベッドに転がってる楓の上に乗っかってみます。

「重!!!!!」

「犬だと思えばいーだろ」(と言いながら楓の顔をぺろんと舐める)

「おま…おまえ…女子すきって言ってた…!」

「言ったな」(ぎゅーっと抱き締める)「今は楓のほうがいい」


 真っ赤になる楓。
 そりゃ真っ赤にもなりますよね。
 愛されないと思っていた自分に、「そんなことない」と言ってくれる人間が現れたんですから。
 この場面での楓の心の中を妄想すると、ブログ主は萌え萌えしてたまらなくなりますよ。

 そして、真っ赤になった楓を見て、野呂は喜ぶのかと思えば、またまた心の中でこんなことをつぶやいてます。

(気持ち悪いって言うかな)

 うおおおお。
 なんでしょう、この甘酸っぱいやりとり!
 くっついたり抱き締めたりしてるくせに、嫌がって怒ってくれたら面白いな! みたいな!

 でも、野呂には見えてるんですよね。
 自分に素直になれない楓の心の中が。
 真っ赤になってるくせに、「俺のことを好きになって」と言えない楓の複雑な心を、野呂はわかっているのです。
 繰り返しますが、楓は受け身です。
 自分のことが大嫌いな楓は、野呂が言う「お前が好き」という言葉も信じられないし、素直になれないのです。

 だから、野呂は無理やりに楓を、その隠れてる穴から引っ張り出すんですよ。
 はい!
 ストーリー前半の最大の萌え転がり場面来るよ!

 楓は、ぎゅーっと抱き締められていた余韻を消そうとするかのように、真っ赤な顔のまま、「ほーーー…」と息を吐いて落ちつこうとするのですが、その刹那!

「ちゅ」

 と音を立てて、野呂は呆然となっている楓の顔に手を添えて強引に上を向かせると、楓の唇を奪ってしまうのです。

 ああああああー。
 絵でお見せしたいー。
 ワガママで自分勝手だと自分のことを思いこんでて、こんな俺のことなんか誰も…とか思ってる眼鏡っ子が、自分のワガママを聞いてくれるだけの存在だと思ってた幼馴染みに、いきなり抱き締められたあげく、「ちゅ」とか言って唇を奪われて茫然自失になってる顔を、みんなにも見せてあげたいぃぃいぃいいいいぃいい!!!

 でも、楓はこのキスのおかげで気付くのです。
 こんな自分でも、「好き」と言ってくれる人間がいることを。
 「可愛い」と言ってくれる人間がいることを!
 自分を真っ暗な穴の中から引っ張り出してくれた幼馴染みが、楓の目にどれだけまぶしく見えたのか、想像するとブログ主なんかもうブルブル震えてきちゃうくらい萌えますよ。

 そして本作の素晴らしいところは、コンプレックスの塊である主人公(受)・楓が、こうして幼馴染みである野呂の手によって救われるというだけでなく、その過程で、野呂のほうも楓からさまざまなことを教えられ、気付かされ、同じように救われていくというところです。

 2人が、「ちゅ」とキスをしたあとに(というか、野呂が一方的に楓の唇を奪ったあとに)、どうやって手探りで距離を詰めて、成長し合っていくのか、あとはぜひご自分でコミックスを買って確かめていただきたい!
 物語の最終盤で、野呂はこんなセリフを心の中でつぶやきます。

(お前に会うまで知らなかった)

 野呂が何を知らなかったのか、そして楓に会ったことで気付くことができたのか。
 この後の場面でブログ主はマジにちょっと涙ポロリしてしまいました。

 あ、最期にひとつだけ言っておかないと。
 ちゃんとお楽しみエロ場面もあるよ!(笑)
 そこでは、愛される喜びを知った、コンプレックスの塊っ子である楓が、とっても可愛いことになっちゃってます。
 むふ。

 本作は、雨隠ギド先生のストーリーの語り口の上手さを堪能できる傑作です。
 平易な構成なのに、登場するキャラクターたちにはひとりひとり深い陰翳があり、読み終わった時、読者は間違いなく「ほう…」とため息をついているでしょう。
 この世界にもっと浸っていたいという去りがたさが胸に押し寄せてくるのです。
 人によっては、早くも2012年度のベストBLに挙げる人もいるのではないでしょうか。
 ぜひ! ぜひ! 読んでみてほしいな!

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