ネクラで眼鏡でキモオタな優等生は“受け”るとイイよ!

委員長、地味な真面目くん、オタク少年…そんな“優等生受け”BLが大好きな腐男子のブログです~。

 

[レビュー]マンガを描くのが趣味な、でっかい眼鏡のオタクっ子に、なぜかクラスの人気者が接近してきて!? 高将にぐん『放課後カタオモイ』


Category: レビュー 小説単行本   Tags: 特徴-高校生  受け-眼鏡  受け-オタク  受け-地味・ダサい  受け-コンプレックス持ち  攻め-クラスの人気者  ●タ行-高将にぐん  
放課後カタオモイ (ダリア文庫)放課後カタオモイ (ダリア文庫)
(2012/01/13)
高将 にぐん

商品詳細を見る


 仮にも“優等生受け”大好きブログとか銘打ってる以上、この作品を取り上げないわけにはいきますまい…!
 高将にぐん先生の最新刊『放課後カタオモイ』です!

 何が素晴らしいって、イケメンとオタクっ子という、主人公2人のあまりに対照的なキャラ設定と、そしてその2人が恋愛的な意味でどうにかなっちゃうという関係性が、まず“神”ですよ!
 早速ですが、本文からそれがよくわかる部分を引用してみましょう。

 丹波くんは、このクラスで一番目立つ存在だ。
 明るくて元気が良くて爽やかで、男子にも女子にもたくさん友達がいて、いつでも人の輪の中心にいる。
 ふわふわと無造作にまとめた栗色の髪も、軽く着崩した校則違反のカーディガンも垢抜けていて、モデルみたいにかっこいい。
 暗くて、いつもオタク仲間数人とひっそり教室の隅で過ごしている俺とはまるで正反対だ。
 共通点といえば、二人とも眼鏡を掛けていることくらい。
 それでさえ、丹羽くんはお洒落なセルフレームで、俺はごくごく普通の地味眼鏡。


 おおお…。
 クラスの人気者×地味で暗いオタクっ子…!(歓喜)
 ここで自分のことを「俺」と言っているのが主人公(受)の池袋順(いけぶくろ・じゅん)です。
 変な名前~と思ったアナタ、本書の後書きに主要キャラの命名の秘密が、高将にぐん先生ご自身の説明で明かされてるので、どうぞご一読を(笑)。
 さて、この主人公(受)・順は、人気アニメ『魔女っ子ゲーマー』の主人公・るりかが大好きで、部活はマンガ研究会に所属しています。
 でも、中学のころにマンガを描いていることを同級生に冷やかされたりからかわれたりしたので、今ではクラスの友達なんかには秘密でマンガを描いてます。
 インドア文化系だけあって、身体はひょろひょろで、眼鏡なんか顔の半分くらいあるんじゃないかというくらいでっかいのを掛けてたりします。
 ただ、オタクをこじらせて人間関係がまったく築けなくなってしまったようなタイプのネクラっ子ではありません。
 日常生活もちゃんと営めますし、すごく思いやりがあって優しいタイプの男子です。
 あれですね、周りの人間の気持ちが見えすぎちゃって苦労するタイプ。
 そんな順に、ある日の放課後、同じクラスの人気者男子・丹羽太陽(にわ・たいよう)がいきなり声をかけてきたところからお話は始まります。

 上でも書かれているとおり、本作の攻めキャラである丹羽は、順とは対照的なリア充ちゃんです。

 な・の・に…!

 じつは順と丹羽の2人は、アニメ『魔女っ子ゲーマー』の主人公・るりかをどちらも好きだったという共通点から急速に親しくなるのです。
 リア充・丹羽は、順がイラストが上手だと知り、「るりかを描いてくれよ!」みたいに仲良くなっていくのですが、いつからか、順が描くるりかが可愛いのか、それを描いてる順が可愛いのか、丹羽は自分でもわからなくなっていくんです。

「丹羽くん、ホンットに好きなんだね!」

 途端に丹羽くんがむぐっとむせて、げほげほ苦しげに咳き込んだ。
 呼吸もままならないらしく、顔を急激に真っ赤にしている。

「だっ、大丈夫!?」

「ゲホッ、だいじょ…大丈夫、大丈夫」

 丹羽くんは赤い顔で何度か頷くと、ごほっと1回大きな咳をしてから、口元に拳を宛がった。
 そうして、ちらりと横目で俺を見た。

「あー、うん…す、好き、だと、思…」

(略)

「あのさ、るりかのどういうトコが好き? 好みの表情とか衣装とか、なんかシチュエーションのリクエストがあれば聞きたいんだけど…」

 尋ねると丹羽くんは再び顔を真っ赤に染めた。
 そうして俯いたり夜空を仰いだり一人で散々じたばたした後、観念したようにぽつりと言った。

「顔…」

 顔?
 確かに、大きな瞳といい、小さな鼻といい、るりかは美少女キャラの王道といった顔をしている。
 なるほど、ああいう顔が好きなのか。

 と、納得しかけた俺に向かって、丹羽くんが慌てて付け足した。

「いやあの、顔つっても顔じゃなくて! ひょ、表情?」

「表情」

「なんか、こう…もちろん、顔もかわ、可愛いんだけど…好きなことに熱中してるのがなんか、活き活きしていじらしいっていうか…」


 やだ、なにこの青春…(照れ)。
 マンガやイラストを描くときの順を、丹羽はこういう風に言ってるんです。

「お前ほんっと描いてる時、登場人物とおんなじ表情するんだもん。すっごい面白い」

 そういって、熱中する順の顔をいつもしげしげと見つめていたのが丹羽だったのですが、上の引用部分で告白しちゃってるとおり、丹羽はそんな順を見ているうちに、

「なんか、こう…もちろん、顔もかわ、可愛いんだけど…好きなことに熱中してるのがなんか、活き活きしていじらしいっていうか…」

 という気持ちになっちゃったんですな!
 オタクっ子のオタクっ子たる一番の所以のところに惚れちゃったと!
 そして本作の素晴らしいところは、優等生受け、オタクっ子受けが大好きなブログ主からすると、物語としてのこの軸が最後まで一ミリもぶれることがないところです。

 2人は、お互いに惹かれるものを感じながら、だんだんと距離を詰めていきます。
 一緒に帰りながら、一本のジュースを飲んじゃって、「あっ…それ俺が飲んだやつなのに…」とか思いながら、赤面しあっちゃったり。
 アニメをちゃんと見たことがないという丹羽のために、順の家で“お泊まり会”をやっちゃったり。
 でも、読者の目からすれば、早くくっつけよ! どう見てもお互い好き同士だろ!!! とヤキモキしちゃうんですが、そこは恋愛初心者というかまったく経験がない順が一方の当事者なので、誤解は重なるわ、不運は重なるわで、もう本当に読者はジリジリさせられます。
 また、丹羽も思い切らないんだ!
 お前、順みたいなおぼこいオタクっ子が相手なんだから、どーんといけや、どーんと!!!(プンスカ

 さて、先ほどこの物語が素晴らしいのは、最後までオタクっ子のオタクっ子たる一番の所以のところをリア充な丹羽くんが好きになっちゃうという物語の軸がブレないところだと書きました。
 それを象徴するのが、ついに2人の気持ちが結ばれたあとに描かれる、嬉し恥ずかしきゃっきゃウフフなあの場面ですよ!!!

「気持ち悪いなんて思わなかった。……に、丹羽くんの、だから…」

 最後の方は恥ずかしくって、ついついごにょごにょしてしまう。
 丹羽くんはぱちくりと目を瞬かせると、むちゅっと勢いよく唇を奪った。

「あ~~~~~~もうっ、可愛すぎるんだよ、お前っ!」

 角度を変えて繰り返し、深く、深く口づけられる。
 丹羽くんの眼鏡がずり落ちて、俺の眼鏡とカチャリとかち合う。
 俺はそっと腕を上げると、丹羽くんの眼鏡に手を伸ばした。

「これ、外した方がいいんじゃない?」

「やだ、お前の顔、よく見たいもん」

「じゃあ、俺が…」

「わっ、待った待った!」

 自分の眼鏡を外そうと、無骨なフレームに手を掛けたら、その手をがしりと捕まれた。

「眼鏡は外さないで! 順は、眼鏡掛けてるのが可愛いんだから」

 ちゅ、とレンズの隅にも唇が触れる。

「外しても可愛いんだけどさ、けど…ずっと見てたの、この顔だから」

 返事なんか浮かばない。
 言葉なんて出てこない。
 俺は赤面しながら、眼鏡の奥から覗き込んでくる丹羽くんの視線から逃げるので精一杯だった。


 おいおいおいおい、丹羽くんよ。
 お前、デキるな…!
 眼鏡掛けさせたままって…(笑)。
 いや、わかる、あのでっかい眼鏡を掛けたままの順が超絶可愛いのは、一読者の俺にもよくわかる。
 あれが喘ぐとか考えたら…うっ…(鼻血)。
 それにしても、最後までオタクっ子な順のことを可愛がる丹羽の一途さには感服です(笑)。

 ほんと蛇足ですけど、最後に付け足しておくと、この丹羽の「順、可愛い」という思いも、そしてその反対方向からまた熱烈に放射されている、「丹羽くん、すごい…かっこいい、大好き」という思いも、どちらもそんな薄っぺらいものではないということだけは、強く言っておきたいと思います。

 先ほどご紹介したえっちぃ場面もブログ主は大変心に残りましたが、じつは結構ストーリーの前半で出てくる次の場面が、本作で一番思い出深い場面だったりします。
 2人が“お泊まり会”で初めて順の家に泊まり、わいわい言いながら夜を明かすシーンです。

「ホントにさ…俺なんて、漫画以外なんにも出来ないから、なんでも出来る丹羽くんが、ホント、すごいと思う」

「逆だよ」

 静かに、けれど力強い言葉に、俺ははっとして丹羽くんを見た。
 丹羽くんはじたばたさせていた足を抱きかかえると、膝頭に頭をうずめた。

「俺は、なんでも出来るんじゃなくて、何にも打ち込めないだけだ。お前みたいに、『コレ』! っていうものを持ってない。平坦な男だよ」

 淡々と、けれどどこか苦しげな告白に、胸がどきりと竦み上がる。

 クラスの人気者で、なんでも出来て、俺にとっては、憧れるようなところしかない丹羽くんに、そんな悩みがあったなんて。


 単純に、イケメン×オタクっ子な関係にとどまらない本作の2人の恋愛模様が、この場面には凝縮されているとブログ主は思ってます。
 丹羽は丹羽で、オタクっ子の順のことを自分だけの眼で見てその価値を鋭く見抜いてますし、順のほうも、単純な憧れから脱して、丹羽という“すべてに恵まれた男”の上っ面ではない深い部分を知り、その思いを深めていくのです。
 これぞ、本当のオタクっ子受けというかネクラ受けというか優等生受けだよ! ぶるぶる

 本作は、御山ひわ先生のイラストも大変素晴らしいです。
 表紙に描かれた順のオタクっ子ぽさも満点なんですが、本書を買われたら、ぜひ口絵のカラーイラストを見ていただきたい…!

 放課後の教室で、風に舞うカーテンに隠れて2人が口づけあう場面が描かれているんですが、全体の雰囲気の素晴らしさもさることながら、この場面での順の表情の可愛いこと…(マジはぁはぁ
 学校でキス、なんてことをしたことがない順が、ちょっと緊張したような、でもすべてを丹羽を信じて身体を預けきってるような表情で今まさに唇を奪われようとしています。

 うおおおおおお…(内に溜め込んだマグマ)。

 このイラストは本当に萌えます。
 優等生かわいいよぉぉぉおおおおおおおおおおおおおお!!!!!

 高将にぐん先生は、デビュー作の『キミログ』もそうでしたが、オタクっ子受けの傾向が大変強い作家さんですね!
 次回作も大変期待してお待ちしてます…。

関連記事


Comments

Leave a Comment



02 2017
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 - - - -

01

03


 
FC2カウンタ
 
プロフィール

Author:ちーけん
FC2ブログへようこそ!

 
最新つぶやき5件

Twitter < > Reload

 
最近のコメント
データ取得中...
 
 
 
 
Lc.ツリーカテゴリー
 
Lc.ツリータグリスト
 


Archive   RSS   Login

債務整理太陽光発電