ネクラで眼鏡でキモオタな優等生は“受け”るとイイよ!

委員長、地味な真面目くん、オタク少年…そんな“優等生受け”BLが大好きな腐男子のブログです~。

 

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[新刊レビュー]自尊心を捨て懇願させられる優等生…村治夜明『囚われの蜘蛛』


Category: レビュー 小説単行本   Tags: 受け-ガリ勉  特徴-兄弟もの  ●マ行-村治夜明  
囚われの蜘蛛囚われの蜘蛛
(2007/09/28)
村治 夜明

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 本屋で新刊を買うとき、今はみんなビニールカバーをしてあるので、中身がわからなくて困ります。
 だいたい表紙のイラストで買うのですが(小心者な腐男子には、店頭で本の裏表紙のあらすじをじっくり読むなんてことは恥ずかしくて無理!)、見分けにくいのが、“優等生受け”と“無気力天才受け”ですよ。

“無気力天才受け”とはですね、能力、才能、成績抜群で何不自由なく育てられた主人公が「こんな世の中つまらねぇ…」と表では優等生の顔をして親や教師を騙しながら、裏では遊びまくったりじつは裏の世界のヘッドだったりして…というキャラ設定のBLのことです。
 困ったことに、キャラ設定の外見上は、優等生受けと見分けがつかないんですよ。
 なので、表紙イラストで「あ、優等生受けっぽい!」と思って買ってみても、中身は“無気力天才受け”だったりして、がっかりすることがあります。

“優等生受け”に興味がない人からすれば、「どっちだって似たようなもんだろ!」と怒られそうなのですが(笑)、“優等生受け”好きにとっては、全然違うんですよ!
 いつも必死に頑張っていて、その築き上げた自分の世界(成績だったり、生徒会長という地位だったり、親から褒められるという日常だったり…)を崩されたくなくてビクビクと毎日を過ごしているのが本当の優等生くんであって、「所詮オトナどもなんてこの程度なんだ…。こんな腐った社会、ぶっ壊れればいいんだ!」とか、一歩間違うと盗んだバイクで走り出しそうな、世間をナメた態度で毎日を過ごしてる“無気力な天才”ってのは、本物の“優等生”とはまったく別物なのです。
 いやまあ、そんな世間をナメた生意気な天才くんが、「お前、オトナを舐めるなよ」とか言われて犯されちゃうのもそれはそれですごく読みたいですが(ヨダレ)、でもそれは決して“優等生受け”ではありません。

 本作『囚われの蜘蛛』(ラピスモア文庫・イラスト=霜月かいり)は、ちゃんとした“優等生受け”ですが、表面的なキャラクター設定などは、限りなく“無気力天才受け”に近いものがあります。

 どのへんでしっかり“優等生受け”になってるかは、あとでゆっくりご紹介するとして、まずはあらすじから。
 つい1ヶ月前に父親を亡くしたばかりの主人公(受)・智也は、ヒステリー気質な母親とアパートで2人暮らしをしています。
 息子を溺愛し、その成長だけが楽しみな母親・麗子は、智也を厳しく管理し、有名大学へ進学させようとしています。
 そんな状況を疎ましく思い、心の底では母親に複雑な思いを抱く智也ですが、表面的には従順を装い、毎日、学校と家とを生き返りするだけの日々を送っているのです。
 最初に書いたとおり、このあたり“無気力天才受け”っぽいキャラ設定なんですよ~。
 ちーけんもストーリーを読んでいって、「げげっ、これは“優等生受け”だと思ったのにハズしたか!」と思ってしまったのですが…。

 あらすじに戻ります。
 日中は働きに出ている母親・麗子によって、家庭教師をつけられている智也でしたが、突然、新しい家庭教師として智也の目の前に現れたのが、9年前に生き別れた兄・真也でした。
 智也と真也は父親が同じですが、母親が違うのです。
 2人の父親は、麗子と結婚する前に、別の女性と結婚し、家庭を持っていましたが、麗子と不倫していたのです。
 麗子が智也を生んだこともあり、結局、父親は妻と別れて、麗子と再婚することになりました。 
 その際、本妻との間に生まれていた真也を2人は引き取ることになったのです。
 ところが父親、麗子、真也、智也の4人で新しい家族として暮らし始めたものの、真也は新しい母親である麗子にまったく懐かず、ヒステリー気質の麗子はつねに自分の実の子供である智也だけを可愛がり、真也に辛く当たる毎日でした。
 それを見かねた父親が、智也を別れた前妻の実家に引き取らせたのが9年前のこと。
 以来、一度も会っていなかった異母兄弟の真也と智也でしたが、こんな形で再会したわけです。

 幼い日、虐待される兄を見て、何もできなかった智也は、この生き別れた兄・真也に対して、ずっと負い目を感じて生きてきました。
 9年ぶりに会った兄の口から、この再会が仕組まれたことだと聞かされた智也は、そんな負い目を振り払うように、兄・真也に叫びます。

「何しに来たんだよ! 父さんの葬儀にも、来なかったくせに。感動の再会なんて、あんた、そんなものがしたいわけじゃないだろう? ただの悪ふざけなら、もう帰ってくれ。母さんはきっと、まだあんたのことを嫌ってるぞ」

 だが、真也は冷たくこう言い放ったのでした。

「あの女が大事にしてるお前を、滅茶苦茶にしてやるのも、また一興だと思ってな」

「…つまり、僕に償いをしろというのか?」

「だとしたら? お前、償ってくれるか?」


 普通のBLですと、ここからまだ話が行ったり来たりするわけですが、エロが大きな売りでもあるラピスモア文庫、さすがに展開がスピーディです。
 エンタテインメントとしては、非常によいことですね!
 そのまま智也は真也の手で陵辱されることとなったのでした。

「怖いか?」

 真也がせせら笑いながら言った。

「ち、違う…」

「怖いんだろ?」

「怖くなんかない…怖くなんかないけど、母さんが帰ってきたら…」

 真也の報復を甘受しようと思いながらも、智也は二の足を踏んでいた。意気地のなさを恥じながら、未知への恐怖に怯えてしまう。


 ムフフフ。
 いいですね、この「母さんが帰ってきたら…」。
 イッツ優等生!
 なんだかんだ言っても、親に逆らえない!
 そんな優等生くんが恥ずかしがりながら実の兄にヤられてしまうこの場面、相当ドキドキします(笑)。 

 初めてながら、真也の手で快感を覚え込まされた智也は、この後も真也に脅され、何度も身体を開かれることになります。
「家庭教師」の名目で、放課後に家に来ては、真也は智也を陵辱するわけです。
 母親に兄と会ってると知られたくない智也は言うことを聞き続けるという。
 で、ここらへんのですね、エッチの描写が“優等生受け”なんですよ~。
 最初のキャラ設定で、一瞬失敗したかと思わされたわけですが、しっかり“優等生受け”な作品だったことが、もうビシビシわかるんですよ~、このあたりのエロい描写で。

「嫌がってるくせに、堅くなってるぜ、お前のここ…」

 ズボンのファスナーを引き下ろされて、中に手を入れられ、下着越しに握りこまれる。
 赤くなる智也を楽しそうに見下ろしながら、真也はそれをゆっくりと扱きあげた。

「はっあ…」

 崩れ落ちそうになるのを支えられて、真也にそのまま軽々と抱き上げられる。ベッドに運ばれて、智也は荷物のように落とされた。

「んぐっ…」

 落ちた角度が悪く、智也は顔から布団に突っこむ。縛られたままうつ伏せの状態に、顔を持ち上げて息をしようと、必死でもがいた。

「これでも、俺の配慮なんだぜ? この前みたいに机でやるのも、ガリ勉クンのお前にお似合いでいいんだけど、背中が痛いだろ? 教科書も机も汚れちまうし。お前は昔から、綺麗好きの潔癖性だったからなぁ」

 はぁぁあああ。
 どうですか、このエッチの最中に攻めキャラが「ガリ勉クンのお前にお似合いでいいんだけど」なんて言うBL、なかなかありませんよ!
 これだけでも重要な“優等生受け”作品認定です。
 で、さらに“優等生受け”の本質を衝く場面が、続いて出てくるのです。
 ここです!

 爆ぜる寸前まで育った己を感じながら、智也は気が遠くなりそうになった。早く解放されたくて、自ら腰を揺すってしまう。その一方で、そんな自分の浅ましさに、この世から消えてしまいたいほど恥ずかしく思った。

「し、んや…っ、もう…」

「どうして欲しいんだ?」

 意地悪く、真也の指がゆっくりと引き抜かれる。開いた孔は、何かを求めるようにひくひくと喘いでいた。

「いれ、るん…だろ、さっさと…いれろ」

 ただ屈するのは悔しくて、智也は精一杯の虚勢を張る。
 けれど、真也はそれさえも嘲笑う。

「お前がどうして欲しいのか、訊いてるんだよ」

「なっ…」

「自分の意志じゃないって思いたいんだろ?」

「あんたがしたんだ…、僕をっ、こんな風にっ…」

「ああ、そうだよ。だけど、今のお前はどうだ? 前も後ろもトロトロにさせて、このまま放ってほいてもいいのか?」

 これ見よがしに指を乱暴に差しこまれて、内部を乱暴にこすられる。それすら快感で、智也を懊悩させる。

「やだ…も…もう」

 もぞもぞと腰を揺り動かす智也に、真也は突き放すように言った。

「お前はいつもそうなんだ。わかっているのに、知らないふりをする。気づいているのに、見えないふりをする。知ることができるのに、知ろうとしない。そうやって、自分の都合のいいように取り繕って弱いフリをしてるやつが、俺は一番嫌いなんだよ」

 意地を張っても、何もならない。大人しく降伏すべきなのは、わかっている。それでも、なけなしの自尊心を捨てきれず、智也はしばし逡巡する。
「自分は少しも望んでいないのに、強要された」ということにしておきたかった。そこに自分の意志が少しも伴わないのであれば、あとから自分にとって都合のいい言い訳ができる。けれど、そんな智也のずるさを真也は見透かしていたのだ。
 やがて、蚊の泣くような声で智也は言った。

「…い、れて…ほしい」

 名場面! 名場面!! 名場面!!!
 ぐはぁー!
 これだけでご飯3杯は食べられますよ!
 もう“優等生受け”の本質をあますところなく描ききっています!

 ルールや常識に縛られた優等生クンは、淫らな自分を受け入れられずに、「自分の意志じゃないのに強要された」という言い訳を必要とするわけです。
 霞ヶ関のお役人たちと同じですよ。
 何かあったら常に言い訳。
 年金がなくなっても「自分たちは悪くない。悪いのは自分じゃない」と(笑)。
 うむ、それでこそ優等生。
 自分に都合の悪いものには知らないフリをして逃げる――それこそが優等生というものの弱さの一典型なわけですね。
 主人公(受)・智也も、真也に強制されたという言い訳を用意しつつ、快感には溺れたいわけです。
 でも、そんな狡さが真也に見抜かれ、智也はついに“本当の自分の姿”を受け入れさせられるわけですよ。
 この場面で、最後の瞬間に「入れて欲しい」と懇願させられる智也の心の中の屈辱感、敗北感を想像すると、ちーけんもうたまりません!
 もちろんこの場面、真也は幼い日の自分への虐待を見ているだけだった弟・智也に、そのことについても「お前は知らないフリをして逃げていた」という事実をあらためて(しかもエッチの場面で)突きつけることで、さらに智也の心を雁字搦めにしようとしているわけですね。
 逆から見れば、すごい執着心です。
 実の弟の身体を自由にするだけでなく、徹底的に彼の心の負い目を攻めることで、心までを支配しようとしているわけですから。

 陥落させられた優等生・智也と、そんな弟に執着する異母兄・真也。
 そのせめぎ合いに、第3の人物が絡んで、この後ストーリーはラストへとなだれ込んでいきます。
 本ブログは“優等生受け”に重点を置いているので、そんな場面ばかり紹介しましたが、この後のストーリーもなかなか読ませてくれますよ。
 もうちょっと2人のラブい部分も書き込んでくれたら、さらにいいのになぁと読後に思いましたが、あのラストはラストで、変なリアリティがあって、ひとつの形なのかなと思います。
 2人の関係が、どのような決着を見るのかは、ぜひご自分の目で確かめていただきたいですけれど。

 それにしても、上で書いたとおり、本作を読んで、“優等生受け”というものについて、「自分は望んでいないのに強制されて仕方なく快感に溺れているんだ」という優等生のココロのあり方など、深く教えられました。
 そして、その欺瞞を打ち破られて、恥ずかしい自分を認めさせられる瞬間の優等生の屈辱感!

“優等生受け”の新たな地平を見せていただいた気がします。
やっぱり世界は広い!
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