ネクラで眼鏡でキモオタな優等生は“受け”るとイイよ!

委員長、地味な真面目くん、オタク少年…そんな“優等生受け”BLが大好きな腐男子のブログです~。

 

縮小しつづけるボーイズラブ…このままでは数年内にBL本は消滅してしまう! 今回はそんな危険なBLの現状を、写真でひもとき、歴史から学びます!


Category: BL研究   Tags: ---
 襲い来る非実在青少年都条例の嵐…。
 大阪ではBL雑誌が「有害図書」に指定され、一般書店の店頭から『drap』が消えるという事態も発生しました。
 いまBLは重大な岐路に立たされているといっても過言ではありません。

 90年代中盤にジャンルとして確立してから十数年…。
 だが、BLは年々縮小傾向にあります。
 えっ?
 雑誌数も増えてるし、情報誌「ダビンチ」でも再三BL特集組まれてるし、コミケだって女性向けは大賑わい?
 甘い、甘い、甘~い!!!
 みなさん、見かけの繁栄に騙されてませんか!!!

 じつは、この15年ほどというもの、BLは縮小につぐ縮小を重ねているのです…。
 みなさんがご存じないだけなのです。
 今日は、その証拠をたっぷりとお見せしようではありませんか。
 これを見れば、どんな楽観主義者でも、BLがどんどん小さくなっている現状と、数年内には消滅してしまう危険性さえあることを確信せずにはいられないはずです。

 そう!
 ブログ主は断言します。
 このままいくと、BLは数年内に小さく小さくなって、ついにはなくなってしまうだろうということを!(どどーん)

 では、いよいよ実例をもって、BLがいかに縮小を重ねてきたかをご覧にいれましょう。
 はい、まずは証拠写真その1…!!!

100823a

 おわかりですか…みなさん、お馴染みのBLレーベル、GUSHコミックスが年々小さくなってきた事実を!
 このままでは、GUSHコミックスはさらに小さくなっていき豆本レベルに、そして数年内に消滅してしまうこと必至!
 恐ろしやああああ!!

 …え?
 なんの話かって?
 いやもちろん、本のサイズの話ですよ。
 売れ行き? 市場規模?
 なにを言ってるんですか? BLがなくなるわけないでしょう?
 最初からずっと本のサイズの話してますよ、こっちは。
 BL本の判型がだんだん小さくなってきたなーって話してるんですよ?
 この勢いでさらに小さくなっていったら、そのうち豆粒ぐらいの判型になって消えちゃうんじゃないの? っていう話ですよ。
 何を勘違いしてるのかわからないけど、いやだなぁ。

 …というわけで、本日はBL本のサイズの話です。
 ベタな出だしですいません(笑)。

 個人的な夏の自由研究としてこんな記事書いたら面白いかなと軽い思いつきで書き始めたのですが、実際に書いてみたら、あんまり面白い記事にならなさそうですいません。
 でも、最近よく思うんですよね。
 「昔のBLは、雑誌も本もでかかった! 最近小さくなりすぎじゃねーの!」って(笑)。
 今のBLといえば、小説の主流は間違いなく文庫本ですし、マンガでもジュネットから文庫のコミックスが発売されたりと小型化の道をひた走ってますよね。
 そんな状況に一石を投ずべく、今日はそんなあたりについてのBLの歴史をまとめさせていただこうと思います!

 さて、では上の写真の解説からまいりましょうか。
 BL界三大メジャーレーベルの一角を占める「GUSH」ブランドですが、もともとは「GUST」という名前で桜桃書房が発行していたレーベルでした。
 その最初期のコミックスが写真左の一冊、いくしまみつぐ先生の『ふかふか』(92年)です。
 判型はいわゆる大判コミックス=A5判で、じつは当時のGUSTコミックスはみんなこのサイズでした。
 瑞希ゆや先生の最初期のコミックス『静穏の鼓動』とか。
 文字どおり、「昔のBLはでかかった」わけです(笑)。
 その後、桜桃書房は倒産し、GUSTレーベルは「GUSH」に名前を変えて海王社から発行されるようになりました。
 写真の真ん中、葛井美鳥先生の『ショットガン・マリッジ』(04年)は、そんなGUSHコミックスになってからの一冊。
 現在のBLコミックスの標準であるB6判になってます。
 そして、右端はGUSHコミック文庫として発行された、タカハシマコ先生の『まっかなおとこのこ。』(08年)です。
 すでにGUSTコミックスとして一度発売された本が文庫化されたものです。
 こうして見ると、同じGUSHコミックスなのに、時代を下るにつれて、本のサイズがどんどん小さくなってるのがよくわかりますね(笑)。

 そして、“BLの縮小化”はGUSHコミックスに限った話ではないんですね、当たり前ですが。
 続いての実例はこちら。

100823c

 右端が現在の『コミックJune』です。
 月刊『ビーボーイ』や『花音』と同じ判型、つまりA5判ですね。
 でもご覧のとおり、98年に発行された『コミックJune』の創刊号は、一回り大きな判型(B5判)だったのでした。
 創刊号とはいっても、定期刊行化されたという意味での創刊号で、これ以前に何冊かが不定期刊で発行されてはいましたが。
 やっぱり、昔のBLは大きかったのです。

 そして、左端にある一際大きな判型の本は、『コミックJune』発行の母体となった耽美雑誌の本家『JUNE』が、96年にリニューアルされた際の“創刊号”です。
 もう若い方だと「大JUNE」「小JUNE」といってもわからない方も多そうですが、ボーイズラブという表現物が生まれる母体となった耽美雑誌『JUNE』『小説JUNE』(前者が大JUNE、後者が小JUNE)というのがありまして、明るくハッピーエンドなBLとは違う、「美少年たちの禁断の愛」を扱っていたのでした。
 96年当時、すでに雑誌『JUNE』に代表されていたJUNE系の出版物は勢いを失っており、『マガジン・ビーボーイ』や『GUST』に代表される明るいBLが勃興していた時期でした。
 そのため、かつては斯界の大看板だった雑誌『JUNE』もリニューアルを余儀なくされ、ここに掲げた新生『JUNE』に生まれ変わったというわけです。
 表紙には「ビジュアル耽美雑誌」と書かれており、中身はお耽美な三次元男子のグラビアや、有名ライター(例・唐沢俊一、都築響一)のエッセイ、芸能界の美青年たちのグラビアやインタビューでいっぱいですが、たぶんこの雑誌が、BL雑誌史上もっとも大きなサイズの雑誌だと思います。
 写真だとあまり伝わらないと思いますが、でかいんです、とにかく(笑)。
 判型としては、A4変形判ということになると思うんですが、現在の写真週刊誌や女性週刊誌と同じ判型と思っていただくとわかりやすいですね。
 まあ、中身は相変わらずの「JUNE」ですが。
 あまり売れなかったようで、たしかこの後、2~3号出たところで休刊になってしまいました。
 ブログ主はこの新生『JUNE』を、神保町の高岡書店で買った記憶がありますが、とにかくBL雑誌としては見たことがないくらいでかかったので、店頭でのその光景ばかりが頭の中に残っています(笑)。

 ちょっと話がそれましたが、かくのごとく、『コミックJune』もその源流である『JUNE』から比べると、だんだんと縮小して今のサイズに至ったということがおわかりいただけたでしょうか。
 ちなみに、真ん中の『コミックJune』創刊号は、ご覧のとおり表紙が今はBL雑誌に登場されなくなった水城せとな先生で、時代を感じますね~。

 さー、どんどん行くよ!(テニミュじゃなく)
 今度はこちら!

100823e

 左が創刊から間もないころの『花音』、右が今の『花音』です。
 もうご存じない方も多いかもしれませんが、『花音』ももともとはB5判の雑誌だったんですね。
 それがリニューアルで現在のA5判になって今に至ってます。
 まあ、この大きな判型だったころの『花音』は本当につまんなかったです(笑)。
 ブログ主の個人的趣味に合わなかっただけでしょうが、読むところがありませんでした。
 なので、ずーーーっと長い間、ブログ主は『花音』を読んでませんでした。
 毎月買うようになったのは、この数年の話です。
 偶然ですが、この『花音』も表紙が水城せとな先生ですね。
 当時、どこの雑誌でも大看板でしたからねぇ。
 あ、でも判型は変わっても、今も昔も『花音』のロゴは変更されてないんですね。
 それ以外はまったく別の雑誌といってもいいぐらいリニューアルされてしまってますけれど。

 続きまして、『ボーイズピアス』です。

100823d

 左が98年発行の『ボーイズピアス』です。
 表紙は西炯子先生で、判型は今のものより一回り大きなB5判です。
 右が現在の同誌。
 表紙はかゆまみむ先生です。
 というわけで、『ボーイズピアス』も創刊当初は今よりでかい判型だったんですね。
 で、リニューアルで縮小したと。
 こちらはロゴも微妙に変更されてるのがわかりますね。

 今度は、『麗人Bravo!』です。

100823b

 竹書房の『麗人』レーベルも、BL初期から続くメジャーレーベルですが、その増刊である『麗人Bravo!』も、創刊から時を経て現在は小さくなってるのがおわかりいただけるかと思います。
 じつはこれ以前に、『麗人オータムスペシャル』『麗人スプリングスペシャル』という増刊号が発行されており、それが発展する形で生まれたのがこの『麗人Bravo!』ですが、B5判からA5判へ小さくなって現在に至っています。
 やっぱり、昔のBLはでかく、それがだんだん縮小してきてるというのがよくわかるかと思います。

 さて、BLマンガ雑誌ばかりご紹介してきましたので、今度はBL小説誌で、その縮小っぷりをご覧いただきましょう。

100823g

 写真左は、今ではもう覚えてる人も少なくなったかもしれませんBL小説雑誌『エクリプス』の95年8月号です。
 ブログ主の個人的な想いとしては、この『エクリプス』の創刊こそ、暗くお耽美なJUNEから、明るくハッピーエンドなBLが明確に分離したことを示すメルクマールだったと思っていますが、表紙からもそんな雰囲気を感じ取っていただけるのではないでしょうか。
 でも…この『エクリプス』もでかかった(笑)。
 先程ご紹介した新生『JUNE』よりは一回り小さいんですが、ほぼA4判という、BL雑誌としてはやはり破格にでかいです。
 右は、その後継誌に当たる現在の『小説リンクス』です。
 こちらは今のBL小説誌の標準的な大きさであるB5判になってます。
 あー、『エクリプス』懐かしいなー(笑)。
 本当に発売日が楽しみでした。
 ブログ主は、暗くてお耽美な『JUNE』系の801はまったく身体が受け付けないほうでしたから。
 当時、『ビーボーイ』『GUST』が創刊され、BLがその地位を確立し始めていたころではありましたが、その中でも『エクリプス』は格段に“脱JUNE”でした。
 表紙のなると真樹先生のイラストは、どう見ても『ガンダムW』の影響を受けてるなーと思わざるをえませんが(笑)、そんなところもブログ主は大好きでありました。
 その後、『エクリプス』は現在の判型に縮小して発行を続けますが、発行元の桜桃書房の倒産で、『小説リンクス』へ中身が引き継がれて現在に至ってます。
 
 BL小説ネタを続けます。
 今度は、雑誌ではなくて、単行本を見てみましょう。

100823h

 ああー、これは写真の撮り方失敗しました…。
 よく大きさの違いがわからない…。
 左上①は、BL史上というかJUNE史上に燦然と輝くBL小説『間の楔』(吉原理恵子先生)です。
 90年に初版が発行され、四六判(ほぼA5判)のハードカバーでした。
 当時、まだBL小説などという言葉はなく、「耽美小説」と呼ばれるのが通り相場でしたが、その場合、多くはこのようなハードカバーで四六判の判型で発行されてました。
 ちなみにブログ主は、すいません、『間の楔』はまったくハマれなかったです。重くて。
 当時、同じくJUNE界で一世を風靡した江森備先生の『私説三国志 天の華・地の風』、いわゆる「江森三国志」も同じ判型でしたね。
 カプは魏延×孔明でしたっけ…全然読んでなかったのであやふやです(笑)。

 続けて②は、これも懐かしい、初期のエクリプスノベルスです!
 92年発行、砂原蜜木先生の『みんなみんな大好きなせい』。
 写真だと解像度が低くてわかりにくいんですが、下の茶髪のキャラが眼鏡の優等生なんです(笑)。
 いやもう貪るように読みました、初期BL界で“優等生受け”に餓えていたブログ主は…。
 そして、この初期エクリプスノベルスはですね、A5判より一回り小さいけど新書判よりは横幅が広いという、他ではあまり見ない不思議な判型で発行されていたのでした。
 ①の『間の楔』よりは一回り小さくなりましたが、ハードカバーという特徴は受け継がれています。
 まだこの頃、いやしくも禁断の愛である男の子同士の恋愛を描く本は、ハードカバーでなければならぬという通念が残っていたのでしょうか(笑…いや結構マジ)、耽美小説系の単行本はほとんどがハードカバーでした。
 新書館系など一部の例外はありましたが…。
 当時、この初期エクリプスノベルスはよく書店で見かけたものでした。
 「なんか変な判型の本があるな~。マンガかな? あれ…小説…しかも男の子同士!?」ということで、ブログ主は本屋の店頭で衝撃を受けた覚えがあります(笑)。
 JUNEからBLが分離していくさなかの、つかの間の幻の判型――ハードカバーという特徴は受け継ぎつつ、判型は現在の新書判、文庫版に近接している――だったと言えるかもしれませんね!

 ③は、白夜書房から発行されていた耽美小説の単行本のシリーズです。
 このレーベルも当時はよく書店で見ましたよねぇ。
 新刊が、神保町の書泉グランデの1階のBL新刊が並べられていたコーナーによく置かれていたものです。
 写真は、白城るた先生の『薔薇の微笑』です(懐かしい)。
 本書は92年発行。
 判型は新書判ですが、やはりハードカバーはそのままです。
 上の②よりサイズは小さいですが、“お耽美”であることを示すハードカバーという特徴は保持しているという。
 ちなみに、白夜書房はこのへんの耽美小説の出版経験の蓄積をもとに『小説イマージュ』をその後創刊し、さらに『drap』を創刊して今に至ってるわけですね。
 ②の初期エクリプスノベルスと③の白夜書房の耽美小説単行本は、ほぼ同時期に書店で並んでいましたが、どちらも①のJUNE系小説単行本からのハードカバーという流れを引き継ぎつつ、後から考えれば、時代のBLへの橋渡し的役割を担っていたのでしょう、判型自体は小さくなっています。
 初期エクリプスノベルスのほうが、ストーリーはBL寄りの明るいものが多く、白夜書房の耽美小説単行本は白城るた先生や嶋田純子先生、神崎春子先生などのJUNE寄りのものが多かったですが、表紙のイラストを見ると、②と③の違いは歴然ですよね。
 現在のBL小説の表紙のスタイル――主人公の攻めキャラ、受けキャラの2人のツーショット――を、②の初期エクリプスノベルスはほぼ先取りしてます。
 だから、この②の初期エクリプスノベルスは書店の店頭で目立ったんです。
 それまで、一部のルビー文庫以外にそんな小説本は見たことなかったですから(笑)。

 そして④は、今はなきラキアノベルスから例を取ってみました。
 99年発行の五百香ノエル先生『ハイスクールキャンディ』です。
 これは、現在のBL小説単行本とまったく同じ、ソフトカバーの新書判ですね。
 ③の白城るた先生のハードカバー単行本とは、サイズは同じですが、ハードカバー→ソフトカバーの変化があったわけです。
 これにてBL小説というジャンルのスタイルが確立したといっていいでしょう!
 ワニブックスが出していたBL小説レーベル『キララノベルス』も、新書判でソフトカバーという判型を採用したかなり早い組ですが、こちらは表紙イラストがまだ結構お耽美系の色を残していて、JUNEからBLへの過渡期の特徴を留めています。
 業界の大勢は、上でご紹介した④のような、主人公2人のツーショットという形式に流れていましたが、同じソフトカバー新書判という判型を採用したBL小説レーベルでも、当時はまだ微妙にそんな差異が残っていたのでした。
 …『キララノベルス』の写真もアップすればよかったなぁ。

 最後に⑤。
 水戸泉先生のラピス文庫『セーラー服は誰が着る?』です。
 これは、現在のBL小説の主流である文庫本サイズですね。
 このように、『間の楔』から始まったBL小説単行本の流れは、縮小に縮小を重ね、文庫本にまで現在たどりついているというわけです。
 おわかりいただけましたでしょーか!

 さて、本稿もいよいよ終わりが近づいてきましたが、もう少しお付き合いくださいー。
 現在、BLマンガ雑誌というと、『ビーボーイ』や『GUSH』でお馴染みのA5判がほとんどですよね。
 というか、昔からサイズが変わらない『麗人』や『ビーボーイGOLD』など一部の雑誌を除いたら、ほとんどがA5判で統一されているといってもいいでしょう(花音、ディアプラス、ダリア、オペラ…etc.)。
 でも、90年代後半のBL初期は違いました。
 BLマンガ雑誌というと、それよりも大きなB5判で発行されるほうが多かったのです。

100823j

100823k

 いやー、どれもこれも懐かしい雑誌ばかりですが、右下の『ビーボーイ』は大きさ比較用です。
 上写真の左上から、95年の『カレス』、96年『コミックアドニス』、95年『花組インパクト』、同じく下写真が96年発行の『青蘭』、96年『紫苑』、97年『イカロス』です。
 ブログ主はどれも愛読してました…当時の他のBL雑誌に比べるとどれもエロかったので(笑)。
 『カレス』は、BL最初期に出ていたメジャー雑誌の中では格段にエロくて、しかもJUNE系な暗さがなく、新時代のBLに軸足を置いていた稀有な雑誌でした。
 本当に毎号読むのが楽しみだったなー!
 今回写真を撮ったのは創刊号ですが、エロそうでしょ、表紙も(笑)。
 ともあれ、どれもB5判で発行されたのがおわかりかと思います。

 これが、少し時代が下ると、新創刊される雑誌も、一回り小さいA5判ばかりになってくるんですね。
 お写真はこちら。

100823l

 左上が『ルチル』の創刊号、右上が00年の『drap』の創刊号、左下はリニューアルした『SHY』です。
 正確には『SHY』はかなり古いレーベルで、創刊当初からこの判型でしたが(ごにょごにょ)、かように、BLマンガ雑誌全体の流れとしても、サイズの縮小化は進んできているんですな! ←やや強引(笑)
 しまった、写真撮る雑誌のチョイスをミスった…(涙)。

 では最後に、昔のBLはでかかったという例のだめ押し(?)をいくつかお見せします。

100823f

 左が91年発行の『ロマンJUNE』です。
 これも不思議な判型でした。
 A5変形版とでも言うしかない、変なサイズ…。
 右の『ボーイズラブ』誌は比較対象用です。
 タテは同じサイズですが、横に長いのがおわかりいただけますでしょーか。
 この『ロマンJUNE』というのは、判型だけでなく中身も不思議な雑誌で、ゲイっぽいものやすごくエロいお耽美小説、はたまたBLを先取りしていたような同人作家さんのマンガが載っていたり。
 『JUNE』の名前を冠してるのに、全然JUNEっぽい内容じゃないなーと思いつつ、当時、エロいBLというかJUNEがこんなにまとまった読めるのは『ロマンJUNE』しかなかったので、半年に一回の発行を楽しみにしていました。
 ところが先日、当代きってのおたく学評論家・吉本たいまつ先生が発行された同人誌『腐男子にきく。2』を読んでいたら、ゲイコミックの第一人者・田亀源五郎先生のインタビューがあり、『ロマンJUNE』についても語られていました。
 それによると、『ロマンJUNE』というのは、同じ発行元が出していたゲイ雑誌『さぶ』のコンテンツから、女性読者に好まれそうなものを再編集して出していたものなんだそうですね!
 知らなかった~。
 長年の疑問が氷解しました。
 しかしこの変な判型と、存在感は、当時の書店でも異彩を放っておりましたよ…。

 もう一例。
 初期のBLのコミックスは、やはりA5判の大判コミックスが普通でした。
 というわけで、その実例。

100823m

 左上は光彩コミックス・明治カナ子先生の『甘い針』。
 光彩書房発行のSMBLアンソロ『絶対隷奴』や『モーリス』に掲載された作品を集めた99年発行の短編集です。
 右上は、佐藤真理乃先生の『You Five Love A Badname』。
 92年発行のシップフレンドコミックスです。
 これは本当に何度読み返したかわからないなぁ(涙)。
 JUNEからBLが生まれるまさに瞬間! という感じのストーリーが詰まってます。
 まだだいぶJUNE寄りですが…。

 左下は、96年発行の滝本キリオ先生『地獄の沙汰も君次第』。
 SHYコミックスです。
 このSHYコミックスは、休刊するまでコミックスは全部このA5判=大判サイズのコミックスでしたね。
 滝本キリオ先生、今は活動されてないのかなぁ。

 ちなみに右下は、つい最近発売されたばかりの越谷みなみ先生のBabyコミックスです。
 大きさの比較対象用に入れさせていただきました…が、中身を拝見すると、妙にアンハッピーエンドなJUNE系の作品があったりして、すごく復古調のテイストを感じます(笑)。
 BL界で、JUNEへの先祖返りが起きているのか…?

 というわけで、今日は長々と“昔のBLはでかかった。そして縮小し続けてきた”というテーマを立証すべく、いろいろ書いてきたわけですが、お遊び半分の記事とはいえ、じつはBLがサイズとともに縮小してきているのは、結構真面目にそうじゃないかと思ってるんですよね!
 今回ご覧いただいたように、昔のBLには多様性がありました。
 最近の環境問題での議論を引くまでもなく、生物の多様性の確保は健全な環境の保全に大きな効果があるわけで、それだけ最近のBL界は画一化が進んでいるのかしらと思わざるをえません~。
 BL界の画一化って何かというと、読者目線で言わせていただければ、合理化、コストの最適化、利益追求のビジネススタイルというものに言い換えられるかと思います。
 リスクを取らず、冒険、挑戦をおこないません。
 極論すれば、どの雑誌も同じような顔をしてますよね、最近は。
 そして、BLの判型がどんどん小さくなってきたのも、そのほうが「売りやすい」からであって、何か新しいものを生み出そうとしての到達点ではありません。
 四六判ハードカバーで出すよりも、文庫本で出したほうが、紙代も安いし、ツカが減りますから輸送費も安く済みますし、最近のBL文庫では、口絵のカラーイラストがないものも出てきてます。
 また、今月創刊された『ローズキーノベルス』という新書判の新BLレーベルは、書店で見ると驚かれると思いますが、厚さがとても薄いです。
 BL界では「利益をあげる」ことが今のところ最大の行動原理になってるといっても過言ではないかとブログ主は思ってます。

 もちろん企業ですから、営利追求は当然ですよ。
 でも、だからといって安全な同じ道にみんながみんな殺到する必要はあるんでしょうか。
 その道はどこに行き着くの…? と聞いてみたい気分です(笑)。
 私が個人的に聞いているかぎりだと、BLレーベル各社の収益は、現在も決して悪くありません。
 だからこそ、新レーベルも起ち上げられるのでしょうが…。
 だったら、なぜここまで画一化してくるのかなーと、ちょっと思ってもバチは当たらないと思います。

 ただ、今回の記事にはミスリーディングを引き起こさせるいくつかの“嘘”も混じってます。
 たとえば、“昔のBLはでかかった”という物言いですが…。
 ぶっちゃけ、ちょっと考えるとわかりますが、BLの草創期というのはバブル期の末期に当たってまして、当時はあーゆー派手なものが好まれていたんですね。
 『JUNE』のリニューアル版や、『エクリプス』、それから耽美小説の単行本がほとんどハードカバーで出されていたことを含め、狂乱バブル経済の余燼を被っての“大型化”だった可能性は十分にあるわけです。
 ただ、それでも近時のBLが画一化、少し強引にいえば縮小化していることは間違いないところでもあります。
 バブル時代、ちょっと変なものを出してみようという余力がBL界というか出版界には無限にあったんですね。
 もしかしたら、バブル時代だったからこそ、JUNEというものを母体にしてBLという新たな表現ジャンルがあれほど簡単に離陸を遂げることができたのかなぁとも思います。
 新たな才能が集まった領域ということで、当時と今を比較すると、バブル期のBLに当たるものが、今のニコニコ動画などでコンテンツを提供している個人の皆さまかとも思うんですが、世の中にお金がうなってないので、BLと違って結局商売にならず、無料で提供して無料で楽しむというもののまま、発展する気配がありません。
 新生『JUNE』や『エクリプス』みたいなでっかいもの(笑)をいっちょ作ってみようか!、というITメディア会社がないんでしょうねぇ。

 ブログ主は、正直なところ、昨今のBLは表現物としては行き止まりに当たりつつあると思っていますが、それを打破するために、ここらでいっちょ、星形のA3判の判型という驚異のBL雑誌を作ってみるとか、そーゆーブレークスルー(?)が必要だと思うんですよね(笑)。
 今回見てきたように、歴史はそう教えてくれているのです!
 いつもながら強引なまとめですが、まあそんなみなさんの思弁の一助にでもなれば幸いでございまする(笑)。

 おまけ…ブログ主手持ちのBL雑誌の中でも、なかなかの珍品と思われる一冊。

100823i

 『小説amuka』というBLお耽美雑誌です。
 たしか、2号か3号まで出て、そのあとはぱったりと見なくなりました。
 あまりに粗悪な出来の雑誌だったんで、2号目、3号目は買わなかったんですよね。
 当時は学生でそんなお金もなかったので(笑)。
 もしお手元にお持ちの方いたら、ぜひお譲りください(よだれ)。
関連記事


Comments

 
大変面白く、興味深く、懐かしく拝読しました。BLの歴史を記した傑作です。この知識が必要かどうかわかりませんが、BL好きの方々に是非読んでいただきたいですね。創刊当時のJuneは挑戦の連続だったと思います。購入する少女たち(私)もチャレンジャーでした!後に中島梓先生が「世間との対決の場だった」と書いていらしたし。今は漫画、小説が溢れるほど出回っていてます。かつて決死の覚悟でJuneを手にしていた少女の夢が、現実になったと言うと大袈裟ですが、まさか日本にこのような文化が発展するとは…生きてて良かったなぁ。一つ提言。白夜書房のハードカバー小説の成功は、山藍紫姫子、花朗藤子の功績があっての事だと書き加えて欲しかった!乱文にて失礼しました。
 
すごいいいいいいい><。 
うおー、すごい!

雑誌も全部保管してらっしゃるの!?


つか、見たことも無い雑誌がたくさんあるう☆^^
(ヨネケン先生が改名されたのはちょっとキニナル!牛女漫画でデビューされた頃からのファンなので)




シリアスな話になりますが、BL界の縮小問題(出版全体?)はゆゆしきこと★><
アテシも心配しております。

それでもちーけんさんはこれだけ出版社に資産奉納なさっててご立派なれど
ドケチで性根の腐ったアタイは古本メインなのでデケー面で語る権利はございませんが・・・。


もっと直接作者に還元したい!というか
印税のかわりに気に入った作家さんに報奨金というか
現金を送ってしまいたいくらいなんですけど
いきなり知らない人間から金送られてもキモチわるいだろうし・・・


サポーター制度みたいなのをつくって
読者が作者を支えるようなカタチになればいいのに。
(その再編の道中なのかも?)




あ!最近小冊子商法?とでも言いたくなるような
販促の一環なんだと思うけど
アレって作者は無報酬なんだってね!!ヒドイ。
もともと入手や保管がめんどくさいから手出ししなかったけど、
これからはむしろ能動的に拒否しよう、と思いましたよ。
そんなやり方がますます首を絞めるんじゃね???

ちーけんさんはどう思いますか?


私は出版社はつぶれてもいいけど
好き作家さんには生き残ってほしい☆

同人誌シフトしかないかなあ?
(そうなると安価に手軽に読めなくなるし・・むむ)
 

Leave a Comment



02 2017
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 - - - -

01

03


 
FC2カウンタ
 
プロフィール

Author:ちーけん
FC2ブログへようこそ!

 
最新つぶやき5件

Twitter < > Reload

 
最近のコメント
データ取得中...
 
 
 
 
Lc.ツリーカテゴリー
 
Lc.ツリータグリスト
 


Archive   RSS   Login

債務整理太陽光発電