ネクラで眼鏡でキモオタな優等生は“受け”るとイイよ!

委員長、地味な真面目くん、オタク少年…そんな“優等生受け”BLが大好きな腐男子のブログです~。

 

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[レビュー]“優等生受け”史上最高傑作かも…『小説ピアス』03年9月号より鹿島田しき&水戸泉『デビル・ロック』


Category: レビュー 雑誌   Tags: 受け-眼鏡  受け-生徒会長・委員長  特徴-高校生  攻め-不良  受け-成績優秀  受け-高潔な優等生  ●カ行-鹿島田しき  
 新刊レビューを書くだけで精一杯で、優等生受け“珠玉の一冊”を紹介する暇が全然ありませんでした。
 で、久しぶりに書くからにはと思い、とっておきの一作を紹介します!

 記事のタイトルに「“優等生受け”史上最高傑作かも…」と書いたのは、大げさではありません。
 何をもって「最高」というかは難しいところですが、本作は“優等生受け”というBLの一分野で、誰も登ったことのない高みに達しているのは間違いありません。

 掲載されたのは、4年前の小説ピアスです。
 水戸泉先生が原作で、鹿島田しきさんが絵を担当された24ページの短編マンガです。
 鹿島田しき先生の他の“優等生受け”マンガについては、本ブログでもレビューを書いたことがありますので、そちらもよろしければご一読を。

 主人公は、修堂学園高等部2年で生徒総長を務める優等生、中津川秀而(なかつがわ・しゅうじ)です。
 華道の家元の御曹司で品行方正を絵に描いたような優等生である秀而は、学園中の生徒から信望を集める存在です。
 メガネをかけ、制服をぴしっと着こなしたその姿は、一般生徒たちから「総長…今日もキレイだなぁ…」と感嘆の声をあげられるほど。
 でも、女性的というわけではなく、背も高く威厳のある容姿を備えています。

 本作『デビル・ロック』(DEVIL LOCK)は、この完全無欠の優等生・秀而が、1学年下のアウトロー・室井重政(むろい・しげまさ)に“自由”を奪われ、彼のオモチャとしてとことん堕とされていくようすを描いた作品です。

 この秀而の転落ぶりが容赦ない筆致で描かれます。
 良家の子息しか集まらないはずの修堂学園で、重政は異質の存在として登場してきます。
 教師の言うことなど一切聞かず、奔放に振る舞いつづけているのが重政です。
 物語は、生徒たちの前で完全な優等生を演じ続けてきた秀而が、一人きりのはずの生徒総長室で自慰にふけるところを重政に見つかるところから始まります。

 家元の息子として、修堂学園の生徒総長として、つねに生徒や教師たちの前で自分を殺し、優等生でありつづけたきたのが、秀而です。
 父母や教師からは、「あなたは清く正しく美しく生きねばならない」と言われ続け、自分でもそうあろうとして無理をし続けてきた秀而は、もちろん性=セックスについても、“禁忌すべきもの”と思いこまされて育ってきました。
 でも高2ともなれば、少年であれば自慰ぐらいします(笑)。
 秀而もいつしか自らの性欲を発散するために、一人きりになったときには、自然と自慰にふけるようになっていたわけです。
 でも秀而自身、それは「これはしてはいけないこと」と思いこんでいます。
 それでも自慰を止めることができない秀而は、いつしか自らの性欲と、それを忌避する意識とに、引き裂かれそうになっていたわけです。

 作中、この秀而の“二律背反”な心理が、重要なモチーフになっています。

 さて、生徒総長室での自慰行為を重政に見つけられた秀而は、絶望に襲われる暇すらなく、その場で重政の手で陵辱され、逐情する姿を携帯電話のカメラで撮影されてしまうのです。

「生徒会室でオナニーなんてダメだよなあ!? ナマイキにデカいなー。顔は女みてーなのに」

「う…うっ…ふあァ…ッ…」

「お? まだ出るの? つーかこんな状況で勃つってすごくね? カワイイなぁー生徒総長様は」

「んんっぅ」

「ほら もっとハデに精液飛ばせよ!さっきみてーによ!」

「や やぁあっ」


 この場面でも、秀而は心の中で「嫌だ! 嫌なのに…!こんなの絶対に…」と叫び続けています。
 自慰をすることすら自分の行為として受け入れられない優等生ですから、当然ですね。
 でも、重政に「じゃあ痛くしねーでやるから、足開きな」と命じられると、おずおずとその声に従って、重政の前に自らの性器をさらけ出す格好をとってしまいます。

(あのときどうして自ら足を開いたりしてしまったのか私にもわからない…)
(あの日からずっと私は私がわからない…!)
(あんなところ…口でっ)
(あの日から私は――この男の玩具だ)


 心の中でこんな自問自答を続けつつ、重政の命令に従い、その後も陵辱されつづける秀而。
 でも、心の中ではそんな自分を許すことができず、悶々とし続けているわけです。
 だから秀而は自分の性欲を満たされたいという思いと、それを許せない意識との間で振り子のように振れ続けます。
 前者に振れているときの秀而は、重政に進んで身体を開き、快感に溺れますが、後者の場合は、何とか重政の魔の手を逃れて、以前の“きれいな自分”に戻ろうと足掻くわけです。

「もう…っ こんなことやめてくれ…っ 金ならいくらでも払う! だから…っ」

「あー これだから世間知らずのお坊ちゃんは! オレのオヤジさー、民自党の加藤重三つーの。名前くらい知ってるよな? あんたんとこの親戚にもゼネコン関係者いるだろ?」

(そんな――)


 切り札を出して重政の魔の手から逃れようとしたものの、自分と直接関係のない“大きな力”によって、嫌でも重政の言うことを聞き続けなければいけないことを知った秀而の絶望の深さはいかばかりでしょう。
 徹底的に優等生が堕とされていく話だと言ったのがおわかりいただけるでしょうか。
 身体の自由を奪われ、自らの心が「してはいけないこと」と叫び続ける性行為を強制されることで心の自由まで奪われ、そして重政の正体を知ることで、それを拒絶する最後の自由まで奪われてしまった秀而。
 しかもなお絶望が深いのは、秀而の心の中では、重政に圧倒されその支配に服することを密かに望む気持ちがあることでしょう。
 人間の尊厳というものを考えると、突き詰めれば、それは死ぬ自由ということに帰結しますが、それがどういうことかといえば、自らの意に反することを強制され、しかもどうしてもそれに服さざるを得ない場合に、自らの死を以てそれを拒絶することが、人間に残された最後の尊厳だということです。
 だからこそ日本はもとより世界中の多くの国の刑法典において、自殺は(法的には)罪ではありません。
 それを禁じることは、ある意味、人間の尊厳を奪うことですから。
 ところが、本作の秀而は、決して心の底では、重政の無体を嫌がっていないわけです。
 いやむしろ本心では彼に陵辱されることを望んでいるといってもよい。
 極論すれば“死を以て”でも重政の行為を拒絶するという選択肢は、秀而にはもとから残されていないわけです。
 これは、それまでの人生を清く正しく生きてきたと自負する優等生・秀而には耐え難い屈辱と絶望をもたらします。
 どうしても重政に惹かれる心を止めることができない自分。
 本来の自分ならば、死を以てでもそんな恥辱にまみれることは許すはずがなかったのに、現実の秀而は、重政に陵辱されることを待ち続けてさえいるわけですから。
 秀而は、“最後の尊厳”を自らの手で捨ててしまったに等しいわけです。
 それは言い換えれば、進んで重政の“奴隷”に秀而自らが身を落としたということに他なりません。

「金なら払う」などと愚かなことを言って重政を怒らせた秀而は、生徒総会の壇上に、肛門にローターを入れられたまま登壇することを強制されます。
 そのまま壇上で意識を失い、保健室に運ばれた秀而は、そこで保健教師に恥ずかしい状態であることを見破られ、犯される寸前の状態に追い込まれます。

(助けて――)

「しっ重政ぁっ!!!」


 そのとき秀而が心の中で、そして声に出して読んだのが、重政の名前でした。
 もちろんこれは彼の本心からの叫びでしょう。
 でも、憎むべき重政に助けを呼んだことに気づいた秀而の心はいかばかりだったでしょうか。
 助けに来た重政は、保健教師に啖呵を切ります。

「そいつはさぁ オレ専用の『穴』に仕込むの!」

 何という圧倒的な身勝手さでしょう(笑)。
 でも、この圧倒的な力こそが、自分の信念で生きることなく周囲から作り上げられた優等生として生きてきた秀而には、逆らいがたい存在として映るのかもしれません。
 そう考えると、今や重政の“奴隷”に身を落とした秀而ですが、少なくともその選択は秀而自身が選び取ったものだとも言えます。
 優等生が初めて自分の気持ちに従って選び取ったもの。
 言い換えれば、それは秀而が初めて自分の人生を自分の足で歩き出したということですが、それゆえにこの暗いストーリーの中で、最後に一条の光が見えてくるのを読者は鋭敏に感じ取るはずです。
 そして物語はラストシーンへと続いていきます。

 あらためて読み返すと、優等生・秀而が身も心も堕とされていく様子が、これでもかというほどに描かれきっていますね。
「優等生には絶望がよく似合う」というのは、本ブログの提唱するところでありますが、生徒総長として学園の輿望を一身に集め、将来も保証されている秀而が、なすすべなく「政権党の幹事長の息子」という存在に蹂躙され、反抗すら許されないどころか、身も心も惹かれていくのを止められずに、心の中で覚える絶望の強さは、ちーけんがこれまで読んできた“優等生受け”作品の中でも段違いです。
 絶望の中で犯され、のたうちまわる生徒総長さま…。
 でも逆説的ですが、そうなってもどこか気高さを失わない秀而のようすこそが、本作の“優等生受け”としての良さをさらに強めてもいます。

 受けがいじめにいじめぬかれ、その果てで愛を見つけるというストーリーは、本作の原作者・水戸泉先生のお得意のテーマですが、この『デビル・ロック』もその流れにあります。
 4年前、本作を読んだちーけんはあまりの感動にわなわなと震え、続編が掲載されはしないかと、1年近く『小説ピアス』を買い続けてしまいました。
 でも、続編が載るどころが、本作は未だにコミックスにも収録されていません。
 このままではこの不朽の名作、“優等生受け”の最高峰マンガが埋もれてしまいます。
 ここでご紹介しても、実際に手に入れて読んでいただくことは現状では難しいと言わざるをえないのですが、もし機会があれば、ヤフオクなどでバックナンバーを入手してでも、ぜひ優等生受け好きな方には読んでいただきたい傑作です。
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