ネクラで眼鏡でキモオタな優等生は“受け”るとイイよ!

委員長、地味な真面目くん、オタク少年…そんな“優等生受け”BLが大好きな腐男子のブログです~。

 

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[レビュー]戦国時代の小姓、それもけなげで真面目で優等生な小姓の恋… 時逆拾壱『愛のかけ橋』


Category: レビュー コミックス   Tags: 特徴-歴史もの  受け-真面目・カタブツ  受け-コンプレックス持ち  ●タ行-時逆拾壱  
愛のかけ橋 (ジュネットコミックス) (ジュネットコミックス 総天然色シリーズ)愛のかけ橋 (ジュネットコミックス) (ジュネットコミックス 総天然色シリーズ)
(2010/06/21)
時逆拾壱

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 ジュネットから「オールカラーコミックス」なるものが創刊(?)されました。
 表紙や口絵だけでなく、中のマンガまで一冊まるまるフルカラーです。
 こーゆー外面的に(?)派手なタイプのものって、昔なつかしいバブル景気のころ、さまざまな分野で発売されていた気がしますが、いやー、世界同時不況真っ只中の平成日本で、こんなものが出てくるとは…。
 お値段は税込み770円。
 やっぱり微妙にお高いんですが、さてこのシリーズは以後も続いていくのでしょうか。
 全ページフルカラーということで、マンガ家さんの負担は並大抵ではないような気がするんですが…。

 さて、この「オールカラーコミックス」の第一号として発売されたのが、時逆拾壱先生の最新刊『時代耽美 愛のかけ橋』です。
 上に載せたのが、amazonでの表紙画像。
 さかもと麻乃先生だ、古街キッカ先生だと「ニューウェーブ系BL」が席巻する今のBL界で、ともすると「古くさい」と言われてしまうような雰囲気の一冊ですが、こーゆー「BLの基本形」はやっぱりいいですよね(しみじみ)。
 構えずにゆったり読めますよ(笑)。
 時逆拾壱先生の描かれるマンガは、絵柄によく似合うレディコミとか昼メロとかの味が色濃く漂っていまして、感覚としてはやっぱり昭和です――と思ってカバー裏の「作者コメント」を拝見したら、「1970年代、80年代の歌謡曲にはまってます」と自ら書いてらっしゃいました。
 わかるなぁ~(笑)。
 まずセリフが大仰で、いちいち時代がかってます。
 善悪の区別がはっきりしていて、基本はわかりやすい勧善懲悪。
 悪役たちもとってもわかりやすく悪役で、真面目で素直な主人公を妬んだり逆恨みしては、害をなそうと襲いかかってきます。
 もちろん絵もごらんのとおりの昭和的な「濃い」絵柄。
 でも、これが魅力だと思うんですよね。
 ぐじぐじした現代っ子の細やかな心情を描く「ニューウェーブ系BL」とは違った、ストレートでプリミティブなBL。
 かつてのレディコミや、90年代の秋田書店系少女マンガと近接する、こーゆー古典的メロドラマなBLをもっと読みたいなーとブログ主などはいつも思っていますが、古くは矢萩貴子先生以来、あまり活躍される作家さんが出てきません。
 時逆拾壱先生はこの分野の期待の星!
 そんなわけで、最新刊『愛のかけ橋』をさらっとご紹介させていただこうと思います。

 ブログ主がこのブログで紹介させていただくからには、“優等生受け”BLとしてレビューさせていただくわけですが、本書に収められてる3作品は、全部時代ものです。
 表題作にもなっている『愛のかけ橋』は、有名な戦国大名である上杉謙信の養子・上杉信虎の家中が舞台。
 小姓として主君・信虎の側近くに仕える亀丸(かめまる)は、男色家として知られる信虎に、夜ごと愛される役目を負っていました。
 武士は元服すると前髪を落として前頭部を剃りあげ、月代(さかやき)を作って大人として認められるわけですが、亀丸はお小姓ですから、もちろん前髪は残ったまま。
 ストーリーの最初のほうで、登城のために小脇に文書を抱えて城下を急ぐ亀丸の姿が出てきます。
 聡明そうな顔と、元服前であることをしめす前髪の幼さがアンバランスで、しかも夜になれば信虎に身体を捧げねばならぬ役目への憂愁でしょうか、陰を伴った伏し目がちの眼差しは、現代に例えれば、カンニングがばれて悪徳教師に脅されて肉体を自由にされてしまっている眼鏡優等生といった趣で、そりゃもうそそること(笑)。
 この主君・信虎というのがですね、骸骨みたいなジイサンでして、まあそりゃいくら主君とはいえ、亀丸が役目を嫌で嫌でたまらないのは、簡単に理解できますよ。
 でも、数々の戦場で上杉家を勝利に導いてきた主君・信虎を亀丸は尊敬していますから、嫌な顔など絶対に見せません。
 なんとか殿を喜ばせようと、必死で頑張ります。
 このあたりの一生懸命さも、ブログ主的にはなかなかポイントが高いわけですが、中級武士の家の次男に生まれた亀丸は、気性の激しい兄に疎まれ、家ではあまり居場所がありません。
 だからこそ、お役目も必死で頑張っちゃったりするんですが、その様子はけなげで可哀想なくらい…。
 主君・信虎は、そんな亀丸に執着し、「お前は永遠にワシのものじゃ」なんて言うほどですが、亀丸からすれば、いつ終わるとも知れぬお役目に励むしか、生きていく術はないのでした。

 だがある日、登城途中の亀丸は、出会い頭に一人の武士とぶつかってしまいます。
 ――このあたり、何回も書いてるとおりのベタな感じでいいでしょー(笑)。
 御蔵奉行に仕える若き武士・中條慎吾(なかじょう・しんご)との出会いでした。

 で、この攻めキャラくん、中條慎吾がまたですね、典型的にかっこいいというか爽やかというか、でもちょっと甘ちゃんっぽい若さが充ち満ちているというか、レディコミ~、昼メロ~な感じのイケメン攻めキャラなんです(笑)。
 不遇な境遇にもめげず必死で頑張る優等生と、そんな世界から優等生を連れ出してくれそうな明るさと若さを持った男の出会い。
 とにかく中條の目は輝いていて、理想に燃えているんですが、だいたいこーゆーヤツは最後悲しい運命をたどりますよね。
 ストーリーの結末とも関連するのでその点については詳述は避けますが、本作ではこの輝くような若さと真っ直ぐさを持った攻めキャラ・中條慎吾は、辛い日々を送る亀丸にとって、一筋の光となって降り注ぎます。
 主君・信虎に肉体を開発され「お役目」に励まねばならない自分の境遇を汚らしく思う亀丸のことを、慎吾は徹底的に肯定し、受け入れていくのです。

 運命の出会いを果たした2人は、いつしか心を寄せあい、主君・信虎に秘密で2人だけで会う間柄になりますが、そんなけなげな2人だけあって、最初はとってもピュアラブです(笑)。
 城下の人気のない寺の本堂で身を寄せあって語らうだけ。
 でも、亀丸にはそんな慎吾との逢瀬が何より楽しみでしたし、慎吾は慎吾でけなげで美しい小姓・亀丸に心惹かれてやみません。

 ところがある日…。
 寺の本堂で夢中で話をしていた2人でしたが、外はいつしか嵐となっていました。
 ピカッ! ガラガラ! という轟音とともに、雷が近くに落ちたのです。

「…慎吾様!」

 雷が苦手な亀丸は、思わず横にいる慎吾に抱きついてしまったのでした。

「亀丸…? ハハッ、大丈夫だよ。怖がることはない」

 安心させるように言う慎吾。
 だが、そんな慎吾に抱きつきながら、亀丸は心の中で湧き上がるこんな感情を抑えられません。

(とても温かい…慎吾様の大きな手…すごく安心する)

 慎吾にすがりつくように身を寄せる亀丸に、慎吾は慎吾でもういろいろ我慢がなりませんよ。
 全身で寄り添ってくる亀丸の身体に押されるように、慎吾はついに一線を超える決意をしてしまうのでした。
 …主君・信虎に知られれば、とても許されないことだと知りながら。

「亀丸…ずっとこうしたかった…そなたが好きだ! そなたを私にくれ!」

「…嬉しゅうございます…ん…んん…慎吾様…」


 で!!!!!!!

 ブログ主が本作を素晴らしいと思うのは、ここからの亀丸の描写にあるんですよ~。
 先程、慎吾という明るく若い攻めキャラは、主人公(受)・亀丸のことを徹底的に肯定し、受け入れていってやると書きましたが、この場面、まさに亀丸は慎吾に抱かれることで、一度過去の自分を捨て、自分で自分を好きになることができる新しい自分へと生まれ変わります。
 逆説的ですが、優等生というのは、心のどこかでそんな自分を嫌悪し、受け入れがたく思っているものなわけですよ。
 でも、「お前はそれでいいんだ」と言って、そんな自分を受け止め、受け入れてくれる人間と出会ったとき、優等生は初めて優等生である自分を自分でも受け入れることができるのです。
 この歓喜の瞬間をいかに描くかが、“優等生受け”の一つのポイントであるわけですが、本作での時逆拾壱先生のそれはパーフェクトに近いですよ!
 
 では実際の場面はいかに――。

 ついに一線を越え、慎吾に口を吸われ、陶然とした亀丸は、いつも主君・信虎に抱かれて身体に教え込まれたままに慎吾へすがりつき、痴態をさらしてしまいます。
 真面目でけなげな優等生・亀丸が、ふだんはそんな香りをちらともさせないのに、愛しい男・慎吾の前でだけは恥ずかしい姿を惜しげもなく見せ、心から乱れてしまう――まずこの落差の描かれ方が時逆拾壱先生のマンガにおいては、とっても素晴らしいんですが、亀丸はこんな自分を心のどこかで受け入れがたく感じているわけですね。

 でも、情欲の命ずるがまま、慎吾のものを自分の体内に導き入れ、老いさらばえた主君・信虎とはまったく違う、若さで充実したその質量に圧倒された亀丸は、夢中で慎吾の肉体に溺れてしまいます。
 この場面、亀丸が感じてる表情がですね、いやまあぶっちゃけ最高なんですが、どう言えば伝わるんだろう!
 身体の中から湧き起こる快感に惑乱しつつも、何とかそれを押さえようとする亀丸は、優等生らしい凛々しい眉毛をハの字に下げ、必死で何かを我慢するように耐えるんですが、顔は紅潮し、声が止まりません。
 うーん、まるで城中の御用部屋で大切な書類を扱っているのに、後孔でピンクローターがウイーンって動いちゃってそれを必死に我慢してるみたいな、いやなんだかわけわからなくて申し訳ないんですが(笑)、優等生が快感を我慢する顔として、素晴らしいレベルでこのコマは描かれているんですよ。
 でも、そんな顔を見せてしまいながらも、亀丸は必死で慎吾から与えられる快感を我慢しようとするわけです。
 何度も書いてますが、亀丸はそんな浅ましい自分を、主君に開発されてしまった卑しい身体を、愛する男・慎吾に気づかれたくないんですよ。
 だから必死で我慢する。
 溺れてしまう時分を嫌悪しながら。

 亀丸は慎吾に貫かれて涙を流すほど快感に溺れながら、必死で謝るんです。

「すっ、すみませんっ…慎吾様…私は汚れているのです。こんな…」

 ふだんどおりの清冽な自分しか、愛する男には見せたくない――これぞ優等生な受けキャラの究極奥義でございます(笑)。
 でも、身体はぐずぐずに崩れてしまうと。
 その二律背反、自分ではどうしようもない惑乱に優等生は怯え、我を忘れていってしまうのですよ。
 おっと、やばい、よだれが…(笑)。

 でも…!

「なっ、何を言う! 亀丸…愛を知ってるお前は汚れてなどいないよ」

 慎吾はそう言って、亀丸の影の部分まで引き受けようとしてくれるのでした。
 さあ、ここに救いが生まれます。
 それは魂の歓喜。
 亀丸は、生まれて初めて自分で自分を受け入れることができるようになるんです。
 こんな自分のままでいいんだ…このままでいいんだ…。
 この瞬間、亀丸は、家で兄に疎まれ居場所がないこと、主君・信虎への辛い役目…すべてを昇華して、初めて自分を解放することができたのでした。

(こんな私でも…愛してくれる人が…いるの?)


 涙を流して心の中で呟きながら、慎吾にすがりつく亀丸。
 そして、ここからの場面がまさに出色になるわけです。
 嫌いだった自分を受け入れ、本当の自分を慎吾の目の前に全部投げ出す勇気を手に入れた亀丸は、浅ましい肉欲も、焼け付くような慎吾への恋慕もすべてひっくるめて素のままで慎吾にぶつけていくわけですよ。
 ここでは、さっきまでの我慢していたような表情は亀丸から消え失せています。
 素直に声を挙げて、慎吾にむしゃぶりつく亀丸。
 亀丸はぎゅうぎゅうと慎吾に抱きついて、快感をねだるのです。

 これが最初に言いました、本作の素晴らしいところでありますよ。
 自分を肯定され、受け入れられることで、本当の自分を解放し、快感を我慢することをやめた優等生・亀丸の豹変ぶりが堪能できるんです、本作では(笑)。

「し…慎吾様…」(ポロポロ)

「うん…」

「あっ ああっ アッ…う あン 慎吾様… もっと…もっと奥へ…!」

「亀丸…!」

「んっ あァ 熱い… イク、イ、あッ!!!!」


 うーん、セリフだけだとその豹変ぶりがわかりにくいんですが、亀丸はもう快感を我慢しません。
 このですね、たった一人の男の前でだけ、本当の自分を解放して、素の顔を見せる優等生というモチーフ。
 まさにこれが“優等生受け”の醍醐味になる部分そのものズバリなわけですが、時逆拾壱先生の今回のコミックスでは、収録されてる3作すべてでそれが味わえます。

 掲載2作目の『雨月の宿』という短編も、ストーリー自体は今昔物語や宇治拾遺にでも出てそうな一種の怪異譚なんですが、けなげで可愛い主人公(受)・月王丸は、男同士ながら夫婦のような生活を送る相手・源九郎の前でだけ、これまた本当の自分をさらけ出してるんですね。
 源九郎に拾われた戦災孤児の月王丸は、まるで奥さんになったかのように甲斐甲斐しく源九郎に仕え、2人だけの生活を送ってるんですが、いやまあ、まるでしっかり者の奥さんみたいに昼間は振る舞う月王丸が、夜の寝床の中でだけ源九郎に見せる顔といったら…ハァハァしちゃう落差があるのです(笑)。

 そして収録されてるもう一作、『耽美 八犬伝』。
 タイトルからわかるとおり、「南総里見八犬伝」を下敷きにした歴史ものなんですが、ご本家ではヒロインが里見家のお姫さまだったと思いますが、本作ではそれが里見家の若様ということになってまして、この若様が主人公(受)になってます。
 またこの若様がですね、聡明で気位が高くて…という典型的なお坊ちゃんなんですが、8人の義士に守られ、里見家の再興を目指すうち、そのうちの一人・若くて粗野な親兵衛に心惹かれていっちゃうというお話です。
 義士に守られ、かしづかれてる若様が、粗野な親兵衛の前でだけは、昼間の気位の高い顔と別な表情を見せちゃうというところが、当ブログ的には大変オススメポイントになってますよ(笑)。

 うーん、駆け足でご紹介したので、うまく魅力が伝わってるか心配なんですが、まとめれば、たった一人の相手の前でだけ“本当の自分”を見せちゃう受けキャラ――。
 収録されてる3作品に共通して、そんな秘密の表情(エロ含む・笑)を堪能できる一冊になっているとブログ主は思います。

 なかなかとっつきにくい表紙で、買うのをためらってる方もいるかもしれませんが、優等生スキーにはかなりオススメの一冊ですよん。
 最初に書いたとおり、フルカラーなんで、上のストーリー紹介で「顔が紅潮」と書いたところは、本当に亀丸の顔が快感で真っ赤になったりしてて、とっても臨場感ありますし(笑)。
 あ、ただですね、レディコミ&昼メロテイストと言っただけあって、ストーリーは必ずしもハッピーエンドばかりとは限りませんので、その点、苦手な方はご用心くださいませ。

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Comments

昭和テイスト 
ちーけんさん、コンニチハ!

相変わらず歪みない「優等生BL」への果てしない愛着を感じるレビュー、ありがとうございます☆^^


この作家さんのことは全く知りませんが、
古臭い絵柄のBLに妙に心惹かれることってあるよね~★と思って思わずコメントしちゃいましたv-238


アテシはなんだか最近「紅迫青美」さんが気になってしょうがないんれす><。
古臭いし下手なんだけど、
下手だからこそ、不潔な隠微さ?といった印象で^^

でもやっぱり下手なので買う勇気もなくて
ブコフに行くたびにためつすがめつしてしまうんれすの。あうん><。


吉原ユウカ先生や浜田みかえ先生は買って正解、大正解!だったんですけどねえ・・・。
(絵が古い方は発表頻度は関係なく人生経験の深さが作品に表れる・のかな?)
 
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