ネクラで眼鏡でキモオタな優等生は“受け”るとイイよ!

委員長、地味な真面目くん、オタク少年…そんな“優等生受け”BLが大好きな腐男子のブログです~。

 

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大阪府でのBL雑誌「有害図書指定」で、不健全とされたページを実際に確かめてみた――『drap』7月号の過剰修正問題とあわせて


Category: 表現規制問題   Tags: ---
 ブログ主はBL本中毒なので、新刊が出ると聞けば少しでも早く手に入れようと東奔西走します。
 といっても、都内・池袋の腐書店街や、神保町の高岡書店などの「早売り」をしてる書店をめぐって、1日でも2日でも早くBL新刊を手に入れようと頑張るぐらいですが、それを繰り返してるうちに20年近い腐男子人生が過ぎてしまった感じですー(笑)。

 月末といえばBL新刊ラッシュ。
 今月もブログ主は少しでもそのBL新刊を手に入れるべく、一昨日の金曜日に神保町の書店街をめぐって、大量にBL本を買ってきたのですが、家に帰って中身を調べてビックリ。
 コアマガジン発行のBL雑誌『drap』が本来は30日発売のところ早売りしてたんで買ってきていたんですが、中を読んだら、エロ場面がすべて大きな修正が入れられ、無惨なことになっていたのです。
 ブログ主の方針として、著作権を尊重しながらレビューを書くというのがありますので、ここで誌面をお見せすることはしませんが、性器の修正なんて生ぬるいものではなく、腰から下は全部トーンを貼って隠してあったりする、男性向け成人雑誌でも見たことがないような酷い修正でした。
 コマによっては、絵の80%ぐらいが消されていて、「あっ…」という声や擬音だけが残されてる改ざんの後も生々しいものや、中にはシーツとシーツのシワだけが消されてなくて、キャラクターの姿が全部見えなくなってるコマもあったりして、最初は印刷ミスかと思ったほど。
 いやもう驚きました。

 マンガの作品性を一切無視して、エロ場面を消すためだけに大きな修正がところどころに入れられた数々の作品を誌面で読むのはあまりにしのびなく、すぐにツイッターで「drapが大変なことになってます!」と発信しました。
 というか、たぶん他の方がもう同様の情報発信をしてるだろうなと思いつつ、それでもつぶやかずにいられなかったのでツイッターで斯様な発信をおこなったのですが、あにはからんや、そうそう『drap』を早売りで入手していた人もいなかったようで、結果的にはブログ主のそのツイートが、“drap7月号表現規制”の事態発生を告げる第一報のようになってしまい、昨晩はブログ主のツイートがあちこちに回覧されたり、いろいろな方からリプライ(返信)をいただいたりして、ビックリ大騒ぎの夜になってしまいました――こんな話題でとても残念なことですが。
 私はたまたま早売りで『drap』をみなさんより早く読んでただけの人間なんですが、びっくり仰天です。

 さて、『drap』2010年7月号でこのような過剰とも思える表現規制がおこなわれた原因は、今年4月30日付けで大阪府がおこなった、ボーイズラブ雑誌8誌の「有害図書指定」にあります。
 「有害図書」とは何かといえば、大阪府でいえば、府の青少年健全育成条例にもとづき、青少年の健全な成長を阻害するおそれがある雑誌・書籍として、審議会等の諮問を経て府知事が指定をおこなうものです。

 『drap』は、その他のBL雑誌とともにこの時に「有害図書指定」を受けた一冊です(指定されたのは5月号)。
  この「有害図書指定」を受けた後に制作された最初の号が、たぶん今回発売された『drap』7月号だと思われます。
 コアマガジンのほうで、また有害図書に指定されちゃたまらんということで、急遽、完成していたマンガ原稿に大きく手を入れたのでしょう。
 Hシーンで腰から下は全部トーンで消しちゃうような過剰とも思える表現規制をおこなって、とりあえず市場に出したのがこの号のようです。

 念のため書き添えておくと、なぜBL雑誌が「有害図書」に指定されると出版社側が困るかといえば、ざっくり言うと、当該指定図書は成人向けコーナーでしか売れなくなってしまうからです。
 これまでBL雑誌は普通のマンガ雑誌などに交じって、全年齢向けの売り場で売られていたわけですが、大阪府の有害図書指定により、指定された雑誌の当該号は、大阪府内では「有害図書」として扱われます。
 いわゆるアダルト雑誌扱いになって、当然販売数は全年齢向けより落ち込むわけです。
 出版社としてはそうなっては雑誌の存続にも関わるというわけで、続く号での「有害指定」を避けるべく、ギリギリの判断をしたということなのでしょう。

 さて、大阪府による今年4月30日付のBL雑誌の有害図書指定が明らかになって以来、ネットは大騒ぎでした。
 数日の間は府による詳細な発表がなかったため、どの雑誌が指定されたのかもわからず、ブログ主もネットでいろいろ情報を集めましたがなかなかわからなくてヤキモキしたことを覚えています。
 じつはそれが今回、大阪府青少年健全育成審議会での審議過程の議事録などとともに、府のHPにて指定雑誌名とどのページが問題とされたかという基本データが公開されました。

 まず、指定された雑誌は以下の通りです

『drap』5月号(コアマガジン)
『Boy’SLOVE』4月号(ジュネット)
『BOY’Sピアス』5月号(ジュネット)
『麗人』5月号(竹書房)
『CharaSelection』5月号(徳間書店)
『Daria』6月号(フロンティアワークス)
『ボーイズキャピ! '10春』(芳文社)
『JUNK!BOYはるやすみ号』(リブレ出版)


 この中で、『drap』が発売日の関係で一番早く“過剰修正”が明らかになったわけですが、当然ながら他の雑誌も追随してくることが予想されますよね。
 また、今回は「有害図書指定」されなかった他のBL雑誌、例えば『ビーボーイ』『ガッシュ』『花音』といったメジャー誌も、自分たちの雑誌が有害指定されてはたまらないと、次号当たりからそもそもエロ場面を減らしたりなくすという誌面作りをしてくる可能性があります。
 なので、今後1ヶ月間は、BL雑誌が出るたびに、変化がないかチェックしていかねばなりませんよ。
 そして、『drap』のような、読者の目に見える修正だったらまだいいのですが、怖いのは読者の目に見えない形で、そもそもお話作りの段階からエロをなくしてしまおうという表現方法、雑誌作りがBL各社の間に蔓延するのではないかという危惧もあります。
 こうなったら、読者にはまったくわからないですからね~。
 5月に東京・豊島公会堂でおこなわれた東京都の非実在青少年条例の反対集会で、BL作家の水戸泉先生が、出版社の編集担当から、子供が銃で人を殺すシーンを削るように頼まれたというエピソードを明かされていましたが、そのような表現萎縮は、読者にはそれがおこなわれたかどうかすら、はっきりとはわからないのです。

 というわけで、今後しばらくの間は、BL雑誌の誌面の動向を否応なく注目せざるをえないわけですが、ブログ主はこの「有害図書指定」が発表されてから、ずっと気になってました。
 いったいどういうエロ表現が問題にされて引っかかったのかと。
 ブログ主は、そもそもこのような「有害図書指定」という表現の自由を侵す制度自体に反対する者ですが、それならばなおさら敵のやることはよーく分析して知っておかねばならないと思うわけです(笑)。

 そこで今回は、前置きが長くなりましたが(ええ、じつはここまで前置きです・笑)、大阪府の2010年4月30日付け有害図書指定において、いったいBL雑誌のどのような表現が問題とされたのか、その点につきご紹介&考察してみたいと思う次第です。

 ブログ主は最初に書いたとおり、それなりのBL中毒者でありますので、今回「有害指定」されたBL雑誌、じつは全部買ってます(笑)。
 ただ、すいません、『Boy’SLOVE』4月号だけが、天に昇ったか地に潜ったか、つまりは家の中が汚くてどこに置いたのかがわからず、どうしても見つかりません(涙)。
 ですので今回は、残る7誌について、府発表のデータをもとに、「有害」と判断されたページを見ていこうと思います。
 …あ、画像の引用はおこないませんのであしからず。
 全体のフォーマットとしては、作者さんのお名前はイニシャルにしたことと、作品中で描かれている主人公たちの年齢(10代ではないか=非実在青少年に当たるか・笑)、性器の描写がどの程度か、同じ作品の他のページと比べて当該ページのどこが特別なのかという当たりに注意を払って記述するようにしました。

 ではまず問題の(?)『drap』5月号から見ていきましょう。
 大阪府の青少年課のHPで公開された資料によると、「主な該当ページ」は当該号の99ページ、261ページ、394ページとなってます。

★『drap』5月号
・99ページ
 H・S先生の連載マンガの最終回でのクライマックスでのHシーン。
 カプは、成長した幼馴染み同士の年下攻め、学生×教師のようです(=未成年ではなさそう)。
 この場面、膝立ちした受けキャラの前に座った攻めキャラが、受けの性器を口で愛撫しつつ、指で後孔をいじってます。
 性器は一部が見えている程度で、トーンなどで修正が入ってます。
 よくわからないのは、すぐ後ろのページに、直接的な挿入シーンがあって、描写としてはそちらのほうが激しいのではないかという点でしょうか。
 なぜこの99ページのほうが「主な該当ページ」になっているのか、不可思議です。

・261ページ
 S・R先生の読み切り漫画で、教師×教師の大人同士カプ。
 想いが通じあった2人が正常位で身体を繋げるシーンです。
 性器の描写はありません。
 これもよくわからないのですが、すぐ前のページに、性器の描写もある、より直接的な場面があり、なぜ261ページが「主な該当ページ」になっているか、理由が不明確です。

・394ページ
 R・T先生の読み切り漫画で、ヤクザ×薬局員という大人同士カプ。
 この場面は、4ページほどあるH場面の3ページ目で、後背位のシーン。
 攻めキャラはズボンの前を開けただけ、受けキャラも上半身はシャツを着たまま、下半身も半分はズボンを穿いたままで、あまり肌色的露出感は高くない場面ですね~。
 性器の描写はありません。
 このR・T先生のエロ場面は、性器の直接的描写などがないので、同じ号でもっと描写が激しいといわれそうな作品が他にあるにもかかわらず、この作品が「主な該当ページ」に挙げられてることは、よく理由がわかりません。

★『BOY’Sピアス』5月号
・3ページ
 雑誌のページ数というのは表紙が1ページ目になりますから、3ページというのは、表紙をめくってすぐのページのことです。
 『BOY’Sピアス』を購読されてる方ならご存じのとおり、ここには雑誌名物(?)でもいうべきカラーのイラストページがあります。
 この号では、S先生の一枚絵が掲載されてます。
 恋人である同期の航空自衛官同士の挿入シーンで、今回の有害図書指定の中で唯一のカラーページであり、イラストページです。
 性器の描写はあります(もちろん修正は入ってます)。
 射精の瞬間の精液なども描かれてます。

・94ページ
 A・R先生の読み切りマンガで、カプは高校生同士のヤンキー少年受け。
 指定ページの前後にかなり長いH場面が続く中の1ページで、正常位での2人が横から描かれたり、受けの性器を攻めがいじる様子がアップで描かれてたり、描写としては激しめのところです。
 性器の描写は、かなり詳しい感じで描かれてます(もちろん修正は入ってます)。
 ただ、他の雑誌もそうなんですが、なぜ一連の場面の中で、このページが選ばれたのかはよくわかりません。
 次のページで受けキャラが絶頂を極める瞬間のほうが、描写としては激しい気もするんですが…。

・312ページ
 K先生のシリーズ作品の最新回。
 SMがテーマになっている作品ということもあり、該当ページでは、縄で緊縛された受けキャラが、男2人に責められる場面が描かれてます。
 受けキャラは後背位で攻められつつ、口で別の男性に奉仕しているという場面です。
 性器の描写は、ぼんやりした感じで描かれてます。
 ただ、レイプなどではなく合意でのシーンです。

★『麗人』5月号
・43ページ
 ツイッターでもすでに話題になっているようですが、今回の大阪府による有害図書指定で、一番不可解なのが、この『麗人』に対する指定です。
 例えばこの43ページ。
 N・B先生の読み切りマンガで、カプは大人の男同士。
 主人公2人が布団の上で抱き合ってる場面ですが、基本的には会話シーンです。
 攻めが受けの腰に巻いたタオルを外そうとする場面がありますが、直接的な性的場面はありません。
 次のページからH場面に突入しますが、この43ページはまったく「有害」と判断される意味がわかりません。

・167ページ
 続けて、こちらはO・H先生のシリーズもの最新回ですが、カプは高校教師×教え子。
 ですが、この167ページも、保健室のベッドの上で2人が会話してるだけの場面で、なぜこれが「主な該当ページ」になっているのか、まったくわかりません。
 2人とも上も下もびっちり洋服着てますし。

・298ページ
 続けてこちらも同じです。
 N・H先生の大人の男同士のラブストーリーのクライマックス直前場面ですが、スーツを着た受けキャラと、ワイシャツ姿の攻めキャラがシリアスな会話を交わす場面でして、まったく性的な要素がありません。
 2ページ後に、パンツを脱がされて性器を露出させられる受けキャラが描かれるHシーンが出てきますが、この298ページはなぜ「主な該当ページ」になっているのか、まったく意味不明です。

★『CharaSelection』5月号
・85ページ
 T・S先生のシリーズ作品の最新回。
 医者×ケータイショップ店員というカプです。
 該当ページは、クライマックスでのH場面の1ページで、正常位の2人を横から描いたもの。
 性器の描写は一部が見えている程度。

・340ページ
 S・H先生の連載マンガ第2回目。
 こちらも医者×若者というカプで、該当ページには、縄で亀甲縛りをされ、猿ぐつわもされた受けキャラが攻めキャラに後ろから挿入される場面があります(レイプではありません)。
 性器の描写は、輪郭がえがかれているような感じ。
 これも描写としては、次のページで受けキャラがM字開脚されてるシーンのほうが激しいような…。

・449ページ
 M・K先生の学園ラブコメ連載第3回目。
 カプは、高校生生徒会長×寮の寮夫さんという年下攻めです。
 このページのメインは、正常位で愛し合う主人公2人の絵で、他に結合部分がアップになったところなどが描かれてますが、性器などはかなり抽象化されて描かれているので、露骨な感じは少ないように思います。

★『Daria』6月号
・169ページ
 K・A先生の連載マンガ第7回目。
 ファンタジーっぽい設定の学園もので、館の主人×高校生(わかりにくいですね・笑)。
 該当ページでは、屋外の森の枯れ葉の上で、正常位で愛し合う主人公2人が描かれてます。
 攻めキャラは上下着衣のままで、受けキャラは着物の前をはだけている感じ。
 挿入ありのシーンですが、直接的な性器の描写は一切ありません。
 この前後にH場面が続いていますが、この作家さんは性器を描かれないのがポリシーなのか(?)、ごく一部をのぞいて性器の描写が出てこないH場面です。

・453ページ
 A・M先生の読み切りマンガ。
 高校が舞台の学園もので、後輩×先輩のリバ気味です。
 該当ページでは、学校の体育館裏とかで、主人公2人が制服をはだけていちゃこらするところが描かれてます。
 先輩が後輩の性器を口で愛撫しつつ、後孔に指を挿入するという場面ですが、非常にコミカルな感じ。
 性器の描写は、陰毛と性器がざざっと描かれてる感じ(くどいようですが修正は入ってます)。
 ただ、このページについても、次のページでは座位での挿入シーンが出てくるのに、なぜこちらが「主な該当ページ」になるのか、よくわかりません。

・524ページ
 Y・R先生の読み切りマンガ。
 叔父×甥という親戚ものですが、甥っ子はたぶん10代ではなさそうです。
 該当ページでは、ベッドの上での正常位の2人が描かれてます。
 売春をやってた受けキャラが、過去の男たちのことを後悔しつつ叔父に抱かれるというシーンで、受けキャラのモノローグがたくさん書かれてるストーリー的にも重要な場面です。
 一つ指摘しておくと、ストーリーの前半で、受けキャラが売春をしてる場面が出てくるんですが、見知らぬオッサンと行為をするこちらのほうが、よほど「青少年健全育成」にはよろしくないと言われそうですが、なぜかこちらの場面が「主な該当ページ」になってます。

★『ボーイズキャピ! '10春』
・31ページ
 花音の増刊である本誌ですが、部数もそんな多くないはずなのに、運悪く(?)指定されてしまいました。
 このページは、H・R先生の読み切りマンガの中の一場面。
 陶芸職人のオッサン×高校生というカプです。
 正常位の体勢で、つまりは仰向けでベッドに転がる受けキャラに攻めキャラが挿入する場面が描かれていて、性器の描写は結構はっきり描かれてます。

・256ページ
 O・R先生の読み切りマンガで、陶芸家×宅急便の配達員というカプです。
 この前後に主人公2人のH場面が続くわけですが、「主な該当ページ」に挙げられているこの256ページでは、受けキャラが後ろ手に縛られてベッドの上に放置(?)されてる場面がメインです。
 つまり、あまり絡みっぽいページではありません。
 性器の描写は、結構はっきり描かれてます。
 次のページでは、攻めが受けを口で愛撫する場面なども出てきたり、前のページでは器具が後孔に挿入されてる場面なんかもあって、こちらのほうが激しいといわれそうな気がするのですが…。

・283ページ
 S・P先生の読み切りマンガ。
 旅館の息子×従業員というカプで、H場面はどちらも着物をはだけてやってます。
 該当の283ページでは、布団の上で後背位で絡み合う2人が描かれてますが、このページについていえば、性器の描写がなく、他のページでは描かれてる場面もあるので、これまたなぜこのページが「主な該当ページ」に挙げられているかが、読者にはまったく理解できません。
 というか、一連のH場面の中で、一番おとなしいページだと…。

★『JUNK!BOYはるやすみ号』
 ・72ページ
 こちらは『ビーボーイ』の増刊。
 該当ページは、N・B先生のショートBLマンガの最終ページです。
 高校生同士のカプで、BL好きの受けキャラが攻めを誘って…みたいなコミカルなお話。
 この場面では、攻めが受けの性器を口で愛撫してます。
 性器の描写は、ほとんど見えない感じ。
 作品全体では、この口でのシーンがクライマックスで、それ以上の描写は出てきません。

・134ページ
 T・B先生の読み切りマンガ。
 大人の男×10代で働く男子というカプです。
 該当ページでは、攻めキャラによる受けキャラの性器への手淫と、口での愛撫が描かれてます。
 性器はかなり抽象化されて描かれている程度です。
 他のページでは、挿入シーンもあるので、なぜこのページが「主な該当ページ」にされたか、例によってよくわかりません。

・162ページ
 M先生の読み切りマンガ。
 現代もののファンタジーで、主人公の男子×妖精さんというカプ(笑)。
 該当ページでは、抱き合って性器同士をこすりあわせる主人公2人が描かれてます。
 性器の描写は、やや詳細という程度です。
 この作品でも、他のページでは挿入シーンやもっと性器が直接的に描かれた場面があるのに、なぜこの162ページが「主な該当ページ」になっているか、よくわかりません。

 ――というわけで、以上手元にある7雑誌での「有害指定」の「主な該当ページ」を見てきました。
 まず全体の傾向を一言でいうと、

「あまりに判断の基準が不明確すぎる」

 ということに尽きると思います。
 つまり、挿入シーンがアウトとされているページもあれば、口舌愛撫(フェラチオ)だけしか描かれてなくても指定されてるページもあったり、それすらなく手での愛撫だけでも指定されてたりします。
 また、「主な該当ページ」で描かれてる場面よりも、より過激とされそうな場面があるにもかかわらず、そちらではなくこちらのページが「該当ページ」になったりしていて、極めてその基準が不明確です。
 また、ひとつの雑誌を全体として見た場合、より過激な表現がある作品が「該当ページ」に挙げられず、より穏当な表現の作品が挙げられたりしていて、これもまったく不可解です。

 法的には、大阪府の青少年健全育成条例における「有害図書指定」には、同施行規則4条第一項が根拠法規となっています。

(有害な図書類の指定の基準)

第4条 条例第13条第1項第1号の規則で定める基準は、次に掲げるとおりとする。

(1)陰部、陰毛若しくはでん部を露出しているもの(これらが露出と同程度の状態であるものを含む。)又はこれらを強調しているもので、青少年に対し卑わいな、又は扇情的な感じを与えるものであること。

(2)全裸、半裸若しくはこれらに近い状態での自慰の姿態又はこれらの状態での女性の排せつの姿態を露骨に表現するもので、青少年に対し卑わいな、又は扇情的な感じを与えるものであること。

(3)異性間若しくは同性間の性行為若しくはわいせつな行為を露骨に表現するもの又はこれらの行為を容易に連想させるもので、青少年に対し卑わいな、又は扇情的な感じを与えるものであること。

(4)変態性欲に基づく行為又は近親相かん、乱交等の背徳的な性行為を露骨に表現するものであること。

(5)ごうかんその他のりょう辱行為を表現するものであること。

(6)青少年に対し明らかに卑わいな、又は扇情的な感じを与える表現が文字又は音声によりなされているものであること


 つまり、行政側の裁量でどうにでも解釈できる規則になってるんですが、今回のBL雑誌の有害図書指定においては、上で各例を見てきたとおり、まさにその恣意的な基準の運用がなされています。
 これの何が問題なのかといえば、どういう表現ならばOKなのかが事前にはっきりと表現者側にわからない仕組みになっているので、出版社もマンガ家もどんどん自主的に表現を萎縮してしまい、本来ならばOKとなる表現さえもが世の中から消えていってしまうことです。
 その結果、今回の『drap』7月号のような過剰と思える“腰から下は全部消す”みたいな表現規制が出てきたりするわけで、やはりそのもととなった4月30日付の有害図書指定での基準運用の曖昧さは、今回の調査でよくわかったと個人的には思います。

 次に、性器の描写の有無は、「有害図書」かどうかの判断には関係ないようだということもいえると思います。
 『drap』5月号394ページのような、直接的には性器が見えない状態のH場面でも、「主な該当ページ」に含まれてますし。
 というか、行政側が「これエロいね」といえば、アウトということなんですけどね。

 次に、作品全体としては挿入場面がなくても、口舌愛撫だけで「アウト」になるということもいえそうです。
 『ジャンクボーイ』72ページのN・B先生の作品はまさにそれで、作品全体では、挿入場面はありませんが、当該ページでの口舌愛撫の場面が「主な該当ページ」に含まれてます。
 つまり、性的行為のどの段階まで描いたらダメとかいう基準があるわけでもなさそうです。

 そして、描かれているキャラクターたちの年齢も、「有害図書指定」ということでは、とくに重視されていないようです。
 何作品か、高校生同士とか、教師×教え子とかなどで、登場人物の片方もしくは両方が「未成年」=「非実在青少年」である作品が今回「有害図書」に指定されてはいましたが、その割合から言っても、特にねらい打ちされているわけではないと思われます。
 かといって、大人同士のアダルティーなラブアフェア(笑)を描けばいいかというともちろんそういうことでもなく、登場するキャラが何歳であれ、「有害図書」の指定の可否という点では、プラスにもマイナスにも働いてないように思います。

 次に、これは上にも書きましたが、『麗人』における「主な該当ページ」がどれもまったくエロくないという問題については、これはまったく不可解です。
 というか、たぶん発表の際にページ数を数え間違えたとか、そういうレベルのミスのような気がします。
 しかし、ここには大阪府の事務方(役人)たちの極めてずさんな法運用の姿勢が端的に表れているように思います。

 今回、この指定された各雑誌の「主な該当ページ」が記載された資料は、大阪府の公式のサイトに報道資料として出ているわけですよ。
 当然、BL雑誌の編集担当者などは、この資料をもとに当該雑誌の当該ページを見て、「この表現だとダメなのか」などと考えるわけですが、その根本資料の数字が間違えているなど言語道断です。
 邪推すれば、とにかくこれまで誰もやってこなかったBL雑誌というものを有害指定するこが大事であって、どのページかなどはどうでもいいと思っているからこのようなことが起きるのではないかと思ってしまいます。
 日本における表現規制というのは、憲法で保障された「表現の自由」を犯すものですから、それを行う行政側には、最大限の配慮と慎重な法運用が求められるのは、これは憲法学および行政法学における基本的な法原則です。
 他のどんなことをやってもダメで、青少年の健全育成のためにはもう雑誌や書籍の表現に規制をくわえるしかない…! ――そういう状況になって初めてこのような表現規制は認められるべきものであって、府の役人たちが軽い気持ちで安易にやっていいようなものではありません。
 なのに、このずさんさ…。
 折から、東京都の非実在青少年条例の成立をめぐり、大阪府の有害図書指定も大きな注目を集めていることはわかりきっているのにこのていたらくですから、いかに大阪府の青少年課の役人たちが、「表現規制」というものを甘く考えているかがわかろうというものです。
 公開されている府青少年健全育成審議会の議事録を読むと、各ページがなぜ指定されたのか、そのあたりの議論については詳細が書かれていません。
 本当に、細かい議論がなされたのでしょうか。
 「あー、いーよ。どっかそのへんのページ適当に言っておけよ」ぐらいの議論しかなかったような気になりますわなー。

 さて、今回は有害指定された「主な該当ページ」を文字で長々と説明してきたわけですが、ブログ主としては、そもそもこのような「有害図書」の制度自体が違憲と思っていますので、それぞれの指定が適当かどうかについては、じつはあまり関心がありません。
 「えっ、挿入シーンがあるの? そりゃ規制されて当然だよ」とか言う人間とはあまり話し合うことがないということです(笑)。
 ですが、現実的問題としては、各BL雑誌は今後、大阪府で再び有害図書に指定されないような誌面作りをせざるをえませんから、どのような表現が今後減っていくのかがとりあえず見えてくるのではないかと思い、今回このような記事を書いてみました。
 今のBL雑誌が決して間違った中身だとは思いませんが、実際問題としてはこれからエロ表現の萎縮が始まるだろうし、現状を把握しておきたかったということです。
 上で見ていただいたとおり、このままいくと挿入シーンだけでなく、大阪府によって「該当ページ」とされた中で描かれているフェラチオや手淫のシーンも含めて、かなりの性的な場面がBLからは消えていくことになると思われます。
 もしこうした場面を残したければ、「成人向け雑誌」になる道を選ぶしかないのです。
 これまでのBLの歴史において、実質的にそうした「成人向け雑誌」的なスタンスで発行されていたBL雑誌がなかったわけではありません。
 90年代後半に発行された『モーリス』や『カノン』、『amuka』などは、実質的には書店でそういう扱いを受けて販売されてましたし。
 『モーリス』『カノン』などは、数年にわたり雑誌を維持していた歴史もあります。
 でも、今と当時では「成人向け雑誌」をめぐり状況が違いすぎます。
 コンビニや書店ではかなり厳しいゾーニングが敷かれている現在、安易に「成人向け雑誌」でいいやーなんてことは出版社としては受け入れがたいことですから。
 だとすれば、現状のままの全年齢向け雑誌として、中でのエロ表現を押さえるしか生きる道はありません。

 そもそも、女性向けBLにおける性表現は、男性向けエロの、緻密に性器を描いたり、陰毛の一本一本を描いたりするような性表現とはまったく違うものとブログ主は考えていますが、役人たちや「ポルノ反対!」を叫ぶ人たちの目から見れば、性表現という点でまったく変わらぬように見えるんでしょうねぇ。
 BLにおける性表現は、登場キャラたちの感情描写と不可分であって、ストーリーにおけるキャラクターたちの気持ちの動きを描くのに、どうしても必要な性表現というのが存在します。
 ゆえに、そもそも「性表現である」という点のみを拡大して規制するような「有害図書」指定にははなっから適合しないのがBLマンガというメディアだと思っていますが、今はそんな原則論を言ってもしょうがないんですよね。

 今後は、商業誌でのBLエロは絶滅するかもしれませんね、残念ですけれど。
 エロは、「販売におけるゾーニングがきちんとできている」とされる同人誌にしか出てこなくなるかもしれません。
 でも、このような数年前なら予想もしなかった結果は、誰も何もいわない状況に甘えて、編集サイドも読者たちも作家たちもBLに関わるすべての人間が、性表現にかぎらず「自分たちはこのままでいいのか」ということをまったく考えず、とくに編集サイドにおいては、隣接領域である男性向けエロの世界や、少女マンガにおける性表現の問題が大きく騒がれはじめたなか、何の手も打ってこなかったことによる当然の結果かと思います。
 大阪府による有害図書指定についても、BL雑誌各社で、抗議の声を挙げたところはあるのでしょうか。
 非実在青少年都条例については、日本雑誌協会や漫画家協会が次々と反対の声明を出して戦う姿勢を鮮明にしていますが、大阪府の有害図書指定については、そのような動きがまったく聞こえてきません。
 自分たちで「これはダメ」と思ってたら、そりゃもうエロはBLから消えていきますよね。
 戦わないと。
 実際どうなんでしょう、そのへん。

 BLにかぎらず、マンガ業界一般にいえることですが、作家べったりの「ライター」や「評論家」は多くいるようですが、ゴシップも含めた業界内部の動きをきちんと報じようというジャーナリストがほとんどいないので、今回の有害図書指定のようなことが起きても、情報がまったく読者に伝わらず、疑心暗鬼ばかりが募ります。
 過剰規制がおこなわれた『drap』7月号でも、誌面で編集部からの読者への説明は一切ありませんでした。
 ぶっちゃけ、よほどの幸運に恵まれないと、商業BLはこのままエロという表現手段を失っていくんだろうなぁ~とブログ主は悲観していますが、じつは業界内部で逆転の秘策が練られている…なんてことはないんだろーなぁ。

 あ、最後に一つだけ追記を…。
 今回、イニシャルにして伏せてしまった作家さんのお名前ですが、ぶっちゃけ人気作家さんばかり揃ってます。
 有害指定された雑誌には、「本誌でデビュー!」な新人さんや、「本誌初登場!」の駆け出し作家さんも多数いましたが、「主な該当ページ」で指定されていた作品の作者は、8~9割方、有名な人気作家さんばかりでした。
 すごくざっくりいえば、エロがうまい人から指定されてった? ぐらいな感じです(笑…えない)。
 みなさん、いーんですか?
 この方々のエロが読めない世の中になっちゃっても…!

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