ネクラで眼鏡でキモオタな優等生は“受け”るとイイよ!

委員長、地味な真面目くん、オタク少年…そんな“優等生受け”BLが大好きな腐男子のブログです~。

 

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[レビュー]ヴィクトリア朝英国…神学校を舞台に、生きることに飽きた高位悪魔と無気力な優等生が惹かれあい… かわい有美子『天国より野蛮』


Category: レビュー 小説単行本   Tags: 受け-真面目・カタブツ  受け-成績優秀  受け-高潔な優等生  受け-努力家  特徴-ファンタジー  ●カ行-かわい有美子  
天国より野蛮 (リンクスロマンス)天国より野蛮 (リンクスロマンス)
(2010/05)
かわい 有美子

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 月末のBL新刊ラッシュで嬉しい悲鳴を挙げてるブログ主です。
 いい作品揃いですわ~。
 どれもレビューを書きたくなってしまい困るのですが、やはり当ブログの本旨に立ち返り“優等生受け”な一作ということで、かわい有美子先生の最新刊『天国より野蛮』をご紹介させていただこと思います!

 …って、なんかこのタイトル見たことあるなと思ったら、小林蒼先生がラピス文庫で12年前に同名のBL小説を出されてましたね。
 懐かしいな~。
 さらに元をたどると、中谷美紀さんのシングルCDがその1年前に出ているようですが、もちろん一般芸能界に興味のないオタ野郎のブログ主ですので、そっちのほうは知ったこっちゃありません(笑)。
 ちなみに、小林蒼先生のほうの『天国より野蛮』も名作です…それも“優等生受け”の!
 当時のブログ主はもうむさぼるように読み返したものです(しみじみ)。
 ああ、やばい、いま本棚から引っ張り出して中を見たら、腰を据えて読み返したくなってきてしまった~。
 こちらもいつかこのブログでレビューを書く予定ですが、とりあえず今日はかわい有美子先生の新刊のほうの『天国より野蛮』をレビューさせていただきます!
 とても傑作だと思いますが、じつは本書にはひとつだけ大変な欠点があります。
 そのあたりは後ほど…。
 ますはストーリーをご紹介していきましょう。

 本作の主人公(受)は、英国ヴィクトリア朝時代、田舎の港町の神学校で暮らす神学生・セシルです。
 今も昔も英国は階級社会ですが、セシルは下層階級の中でも極貧の一家に生まれました。
 兄弟姉妹は病気や貧しさで次々と命を落とすなか、ひとり優秀だったセシルは神学校への入学を許され、寮で暮らすかたわら神に仕える日々を送っています。
 厳しい現実を生き抜き、なんとか衣食住を心配しないで済む暮らしを手に入れたセシルは、神学校に通いながら、神の教えなど信じていません。
 神がいるというならば、なぜ世の中にこんな酷い暮らしを強いられる人々がかくも多くいるのか。
 セシルは自分で見聞きしてきた厳しい社会の現実を前に、神のみならず、自分以外の人間に期待するということを、いつしかやめてしまっていたのでした。
 誰も自分たちのことなど助けても気に掛けてもくれない。
 だから悲しみも喜びもすべて閉じこめ、なすがままで生きるしか道はないんだと――。

 神学校にいるのは、そうすれば暮らしに不自由しないからです。
 そんなセシルは、友人たちからは表情にとぼしく、感情をあらわにしない優等生と思われています。

 でもセシルには、神学校で知り合ったレイという快活でみんなを惹きつける親友がいました。
 明るい金髪でどこにいても目立つレイのことを、セシルは心密かに想っています。
 もちろん、そんな自分の恋心が成就するとも考えず、レイの恋の相談に乗ったりして、ずっと横にいられればいい…というぐらいの儚い想いだったのですが…。

 そんなセシルの目の前に現れたのが、本作の主人公(攻)である高位悪魔・オスカーだったのでした。

「君が彼(レイ)に抱く想いは知っているよ。君がこの堅苦しい服と十字架の下に隠した欲望も…」

 オスカーは、かつて天界で能天使の地位にあった高級天使でしたが、罪を犯し天界を追放されました。
 堕天使=悪魔として地獄と地上を行ったり来たりしながら、永遠の命を退屈に過ごしている魔界でも有力な悪魔です。
 オスカーはある出来事をきっかけにセシルを知り、「暇潰しぐらいにはなるだろう」と、真面目な神学校の生徒であるセシルを堕落させ、その魂を食い尽くそうと目論みます。
 わざわざ自分も神学校の生徒になりすましてセシルに近づいてきたのでした。

 さて、オスカーは高位悪魔ですから、セシルの心のうちなんかお見通しなんですね。
 表面上は神学校の優等生を装いつつも、絶対的な禁忌である同性への恋心を抱いてしまっているセシルの内心を見抜いたオスカーは、ある日、出会ったセシルにずばりとそのことを指摘したのでした。
 それが上でご紹介したセリフです。
 内心、うろたえたセシルですが、顔色ひとつ変えずにシラを切りますよ。

「何をおっしゃっているのかわかりません」

 きゃっ! 優等生っぽい!
 このへんからすでに“優等生受け”臭が濃厚に漂いはじめるわけですが、高潔な雰囲気でオスカーの言葉を否定するセシルの態度は、デキのいい優等生そのもの。
 でも、そんなセシルの拒絶もなんのその、オスカーは「毎晩、君がどんな夢を見ているか僕は知ってる」なんて言って、セシルの腕を掴むと、その指を舐め上げてきます。
 さっさと肉欲の味を覚えさせれば、こんな優等生、すぐ堕ちてくるだろうとでもいうように…。

「…ぁ」

 されるがままに男の口中に指を含まれたセシルは、想像よりもはるかに熱く潤った粘膜の感触に、抱かれたままの腰を震わせた。

 (略)

 男はまっすぐにセシルの目を覗き込むようにしながら、含んだ二本の指をゆるやかに口腔内で前後させた。
 下が指の腹をくすぐるようにまとわりついてくる。
 温かくなめらかな男の口中に指を含まれ、セシルはまるで自分自身が男の大きめの口中にすっぽりと含まれているような錯覚に陥った。

 下肢が急速に熱を帯びてゆくのが、自分でもわかる。
 あからさまな自分の欲望に、セシルは耳元まで朱に染めた。

 同性であるレイ・エヴァンスを相手に何度となく夢の中で思い描いた猥(みだ)りがましい行為。
 聖職者志望の者にあるまじき欲望と、同性相手に欲望を抱いてしまう二重の禁忌。

 誰にも打ち明けたことがないのに、なぜ、この男はそれを知るのだろう。

 セシルは、表面上は神学校の優等生として過ごしながら、じつは同性の親友であるレイへの禁忌の想い、それも肉欲を伴った想いに苦しんでいます。
 ここがまず優等生スキーには美味しすぎる設定です(笑)。
 この世に神などいない――そんな風に人生をあきらめ、生きるためだけに日々を生きている優等生・セシルが、じつはそれとは真逆の“生”そのものと言ってもいい肉欲にとらわれ、しかもそんな自分を恥じている風情なんですから。
 こんな無体をしかけてきた謎の先輩(に化けている)・オスカーに返すセリフも、また優等生らしくて最高ですよ。

「離せっ。妙な真似をすると、あたなの今の恥ずべき行為を寮の舎監に報告します」

 そんな優等生・セシルに、どんな女でも心を奪われぬ者はないだろう美貌に謎めいた微笑を浮かべたオスカーは、こう囁くのでした。

「心に抱えた秘密に耐えられなくなったら、来るといいよ。君の中の飢えを満たしてあげる」
「マタイ寮の三階の東奥の部屋だ。興味があったら、おいで」

 以後の本作では、神学校の優等生・セシルと、彼を気まぐれに堕とそうとする悪魔・オスカーに、下位の淫魔であるロジャーや、オスカーの使い魔・ヒューズといった脇役たちが絡んでストーリーが展開していきます。
 でも、見かけだけの優等生など少し誘えばすぐ落ちるだろうと侮っていたオスカーは、甘い言葉を掛けてもなかなかなびかないセシルに苛立ちを覚えたりします。

 逃げるように出て行くセシルのほっそりした背中を見送るオスカーの足元で、影ががさがさとした声で呟いた。

「あんなつまらん神学生などに目を付けたのはロジャーのせいかと思っていたが、そういえばおまえはいつも、あんなお綺麗で堅苦しい優等生様が好きだった」

 これはオスカーの影の中に潜んで一部始終を見守っていた使い魔・ヒューズのセリフ。
 オスカーは答えます。

「好きだね、あんな鬱々とした未来の聖職者の卵は。根が潔癖だから、友人に対する欲望を告解もできないだろうに、精一杯に虚勢を張る様子がたまらない。見たか、あの顔を。血の気が引いたり、真っ赤になったり、久しぶりに面白いものを見た」
「次に来たときは、あの無垢な身体をドロドロになるまで貪ってやる」

 うわっ、オスカー様ったらうらやまし最低すぎます!!!
 でも、「次は…」というオスカーのセリフでもわかるように、セシルはさすが優等生クンだけあって、なかなかオスカーの手に落ちてこないんです。
 堅いカラに籠もったかのように本心を見せず、カラダは許してもオスカーに心から甘えてきたりしないのです。
 このあたりの、悪魔×優等生のせめぎ合いが前半の読みどころでございます~。

 オスカーは、セシルのことを「ただの気取った優等生」と思って堕落させようと思い近づいてきてるわけですが、最初に書いたとおり、セシルは辛い人生を歩んだ結果、神すら信じぬ現実主義者に、ひいては近づいてくる男の甘い言葉なんかはなっから信じない性格になってるわけですよ。
 だから、オスカーの甘言にもセシルはなびかず、カラダだけは許したりもしますが、まるで恋人同士のように睦言を囁いてくるオスカーという謎の先輩に、セシルは決して心を許しません。

 そして、なんとかセシルを堕とそうと言葉のかぎりを尽くすオスカーは、いつしか自分でもわからぬ情熱で、セシルの歓心を得たい、その心を向けてほしいと思うようになります。
 え、なんかよくある都合のいい話っぽい?
 いやいや、このあたり、じつは過去の因縁やらなんやら、複雑な設定があってのことですが、ここでは詳しく書くヒマがないので、ご都合主義で簡単にそうなる安易な話じゃないから安心して読みなよ! とだけざっくり申しておきましょう(笑)。
 とにかくいつしかオスカーは自分でもわからない情熱で、セシルの心を得ようと頑張ってしまうわけです。
 もちろん悪魔ですから、「何とかこの優等生を堕落させよう」という元の目的も捨てたわけではないのですが…。

 そんなある日。
 幼いころから身体が弱く頭痛持ちのセシルが耐え難い痛みで寮の自室のベッドに突っ伏しているのを見たオスカーは、甲斐甲斐しくセシルの世話を焼きます。
 薬を飲ませ、温湿布をほどこし、凝り固まった肩や首を揉みほぐしてやると、初めてセシルが心を許したような表情をオスカーに見せてくれるんですね。
 セシル自身、こんな想いを内心でオスカーに抱きます。

 こんなにやさしく気持ちのいいぬくもりを誰かに与えられることなど、これまで考えたこともなかった。

 実の母親にも、ほとんど撫でられた記憶がない。
 不潔な部屋でヒステリックな声で追い立てられ、ぶたれ、はたかれ、空腹を訴える泣き声がうるさいと、阿片チンキを数滴口に含まされた記憶ばかりだ。

 (略)

 でも、こんなやさしいぬくもりが得られるなら、少しでも長くじゃれあいたいという世の恋人たちの願いもわかる。
 耐え難い苦痛も、これなら確かにやわらぐ。

 ようやく自分に心を許したか――。
 でも、そう思ったオスカーに、セシルは言います。

「あなたはとても不思議で、魅力的な人だと思います。…でも、多分、僕自身に誰かとそんな関係を持つこと自体が不釣り合いなんです。色々とご親切にありがとう。でも、今のままで、僕には十分です」

 はい、きっぱりと拒絶するんですね、オスカーのことを(笑)。
 ここまで読んでいただくと大体わかっていただけたと思いますが、セシルは自分以外の人間への希望をいっさい捨ててしまってる人間ですが、でもどこかでそれにすがりたいと思ってるんですね。
 そんな彼の前にあらわれたのが、自分に尽くし、優しくしてくれる上級生・オスカーです。
 セシルも、オスカーの優しさにぐらりと来ますが、どうしても心を投げ出すことができないんです。
 いつかきっと裏切られる…そんな風に、この優等生クンは思いこんでるわけですね。

 そんな優等生・セシル相手に、いつしか目的と手段が逆転してしまったかのように、その心を得ようと努力する高位悪魔・オスカーがいるわけですが、こりゃ話が盛り上がらないわけがありません。
 だって、オスカーは毎日、バラの花をセシルに届けたりするんです。
 そしてある日、そのバラから自分がケガしないようにと棘が全部除かれているのを知り、赤面するセシル。
 甘い~。甘すぎる~。
 おいおい、どっちもさっさと素直になって気持ちをさらけだしちゃえよ! と読者はやきもきするんですが、ここからストーリーは魔界に飛んだり、セシルが他の神学校に転校していっちゃったりして、さらにとんでもないことに…。

 さて、最初に本作には欠点がひとつだけあると書きました。
 いったいそれはなんでしょう。
 これ、大変重要なネタバレというか、本を買う買わないに直結するかもしれない情報を含みますから、そーゆーのが嫌な方はここで読むのやめてくださいー。





 では、いいですか?





 じつは、エロい場面が少ないんです(笑)。
 ぶっちゃけ、1カ所のみ!
 あ、ほら、そこのあなた、この本買うの止めようとか思ったでしょう!

 そんな唯一のH場面ですが、結構前半で出てきてですね、その場面自体はとってもエロいんですよ。
 優等生スキー的にちょっと萌えた一文がこのあたり。

「ぃ…やあ…」

 いくらか中をまさぐり、オスカーが探り当てた敏感な箇所をえぐるように押し上げると、セシルの両脚が悲鳴とともに跳ね上がった。

「あっ…はあ、あぁっ…」

 指先に力をこめるたび、セシルの身体が面白いように跳ね、反応を見せる。
 すでに色づいた性器は堅く立ち上がり、浅ましい形になっていた。
 セシルは無意識なのか、オスカーの指を強く食い締め、泣き声を漏らし続ける。

「知らなかっただろう? こんな感覚を」

 ささやくオスカーに何度も頷きながら、セシルは助けてほしいと何度も譫言のように呟く。
 すでにオスカーを飲み込んだ箇所は、さっきまでとは別の生き物のように濡れ綻んで、まるで充血した女性器のようにひくついていた。

 この最後のあたり、「知らなかっただろう? こんな感覚を」と言われて、素直に優等生が肯定しちゃうというのがブログ主的にツボでありまして、大変萌え萌えさせていただいたのですが(笑)、この一連の交わりが本書で最初で最後のエロ場面になってまして、ブログ主は「2回目はどこかな~ るんるん♪」とか言いながらページをめくっていたらいつの間にか「あとがき」にたどり着いていたので、愕然として腰が抜けて立てなくなってしまいました!
 いやだってあの書き下ろし分の後日談では間違いなく2回目のエッチぐらいあるだろうと…。

 でも!!!!

 ブログ主は自信を持って言いましょう!
 それでも本書は「買い」だと!

 というのはですねぇ、ストーリーの中盤以後、だんだんと気持ちをオスカーに開いていくセシルの様子が可愛すぎて、それだけでお腹いっぱいになれるからです(笑)。
 すげー、可愛いよ!
 花がほころぶという表現がありますが、オスカーに甘えるようになってからのセシルはまさにそんな感じ。
 髪の毛をオスカーの手でいじられてうっとりと身体を預けちゃったり、何日も帰ってこないオスカーのことを心配して震えちゃったり、一度他人に気持ちを許した優等生がどんなに可愛くなっちゃうかの見本市が本書の後半部分には詰まってます。
 ま、だからこそ、そんなラブラブな2人の甘い場面を見たいよというご意見もあろうかとは思いますが(ブログ主もそう思う・笑)、でもそれを差し引いても十分お釣りが来ると思います。

 乞う、ご一読!

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