ネクラで眼鏡でキモオタな優等生は“受け”るとイイよ!

委員長、地味な真面目くん、オタク少年…そんな“優等生受け”BLが大好きな腐男子のブログです~。

 

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[レビュー]歴史もの、坊主受け、兄弟BL…読み手を選ぶ三拍子だけど、思いもよらぬ快感に惑乱する美貌の優等生がかわゆす… いとう由貴『凍える月影』


Category: レビュー 小説単行本   Tags: 受け-美人の優等生  受け-坊主  特徴-歴史もの  特徴-兄弟もの  ●ア行-いとう由貴  
凍える月影 (プラチナ文庫)凍える月影 (プラチナ文庫)
(2010/05/10)
いとう由貴

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 先月末より1週間、東南アジア出張してたことはブログでもご報告したとおりですが、旅行中、一冊もBL読めないのは寂しいなと思い、スーツケースの底にじつは4冊ほど文庫本を忍ばせていきました。
 その一冊がこちら。
 いとう由貴先生の最新刊『凍える月影」です。
 ページをめくったら一番エロそうだったので、4冊の中で最初にこれから読みました(笑)。
 そうしたらエロもストーリーも大当たり。
 大変充実した海外出張を過ごさせていただきましたですよ。
 いとう由貴先生の作品って、これまでじつはあまりハマれなかったんですが、本作はよかった…。
 昨年出た、悪人皇帝×純真農民っ子なBL『愛よ、灰にかえれ』も傑作でしたし、なんだか最近(勝手に)いとう由貴先生と波長が合ってきた気分です…。

 本作は、日本の戦国時代っぽい雰囲気の歴史ものBLです。
 東国の有力大名・中江義康のもとに、京から使者が訪れるところからストーリーは始まります。

「相覚寺の僧侶、月永(げつえい)でございます。このたびは将軍家からの書状をお届けに、まかり越しました」

 そう言って顔を上げた仏僧の顔容の美しさに、義康は息を呑みます。

 そこには、男にしておくには惜しい美貌があった。
 いやむしろ、還俗しておらず、僧形であるからこそ、いっそ艶めかしく見えるのかもしれない。
 そんな不思議な容貌だった。

 切れ長の涼やかな双眸、すっと通った鼻筋、ほんのりと色づいた上品な唇、白皙の額。

 すべてが、完璧と言ってよい整い方をしていた。

 身長は高からず、低からず。
 墨染めの衣を着ているせいか、全体にすっきりとして見える。
 黒が、その僧侶の美貌をよりいっそう高める効果を上げていた。

 それでいて、美貌の者にありがちな浮ついた気配はない。
 僧侶となっていかほどの歳月を過ごしたかは知れないが、静かな落ち着いた空気を、その者は身に纏っていた。

 むふふ。
 でも美貌の受けでもアホだと困りますが、さすが京から来た僧侶だけあって、月永はインテリ具合もバッチリです(笑)。

「――東国の鶯(うぐいす)も、京の鶯も、変わらぬ鳴き声なのですね。まことに麗しい」

 このへん、さりげなく田舎であることを諷(ふう)する都人(みやこびと)の気位の高さも出ていて、ブログ主的には大変美味しい素材です。
 うまうま(笑)。
 そりゃ鳴き声が違うはずもないのに、わざわざこーゆーことを表面上は褒めるような口ぶりで言うところが、都人の嫌なところ。
 つーか、まあこの時代の貴族とか知識階級ってのは、こーゆー嫌みっぽいところが人間としての魅力なわけで(オンリーBL的な意味で)、これが東国の荒くれ者にいろいろされちゃったりするからこそBLって楽しいんですが(笑)。

 でもじつは、本作の主人公(受)・月永の当ブログ的に美味しいところは、こーゆー都人っぽさにあるのではありません。
 読み進めていくとわかりますが、月永には隠された秘密があるのでした。
 使者としてそのもとを訪れた武将・中江義康と月英は、じつは異母兄弟なのです。
 先代の当主である父が側仕えの女に手を付けて密かに産ませたのが月永です。
 その時、すでに嫡子・義康を産んでいた正妻・泰恵尼(たいけいに)は嫉妬深い女性だったため、後難を恐れた月永とその母は城を出て故郷の土地に隠遁しましたが、それでも泰恵尼は月永の存在を許さず、一族は闇討ちに遭い滅亡。
 一人、月永だけが難を逃れ京都の寺に落ち延びていたのでした。
 これらはすべて当主・中江義康の知らぬ間に泰恵尼がやったこと。
 義康は、自分に異母弟がいることすら知りません。
 だが月英は、自分の一族を滅ぼした泰恵尼と、何も知らずにのうのうと育ち今では有力大名家の当主の座にある異母兄・義康への復讐を誓い、京での辛い日々を過ごしてきたのでした。
 将軍家の使者として中江家を訪れたこの旅は、月永にとってついに訪れた復讐のチャンスなのでした。

 ストーリーの前半、月永はとっても悪いヤツです(笑)。
 頭が切れるし、肝も据わってるしで、義康に取り入っていき、家臣たちにも接近して次々と争いの種を落としていきます。
 そして兄・義康は、実の弟であるとも知らず、月永の美しさに心を奪われてしまい、「京に帰らず留ってほしい」と月永に頼むのです(もちろん性的な意味含みで・笑)。

「月永、わたしはおまえと過ごすのは楽しかった。いま少し…いやできれば、わたしの相談役として、この国に残って欲しい」

 でも月永は、そんな真摯な義康の心を弄ぶんですよ~。
 表面上はしおらしく、でも本当は義康の心が自分のことを好きで好きでたまらなくなるようにし向けていきます。

「…お許しくださいませ。殿には立派なご家臣方がおられます。わたくしなど、なんのお役にも立てません」

 だからもう京に帰りたい…そういう月永の姿は、いかにも義康との別れを惜しむかのように儚げで、義康の心はいやがうえにも高まります。

 で!

 ほんと悪いヤツだなぁと思うんですが、月永はわざとらしくここで「手紙」なんか落とすんですよ。
 ハッと気づき、それは何かと訊ねる義康。

「え?」

 月永は思わずといった様子で、義康を見上げた。

「…ぁ、っ」

 月永は慌ててその文(ふみ)を隠そうとした。

「待て、月永!」

 ただならぬ月永の様子に、義康が文を奪い取ろうとする。
 月永は必死にそれを阻もうとした。

「おやめください! 義康様には関係のない文でございます。お放しください!」

 けれど、膂力で義康に敵うはずがない。
 結局、月永は文を義康に奪われてしまう。

「お読みくださいますな…」

 最後に泣き伏しそうな声で月永は言い、床に両手をついて俯いた。

 じつはこの「文」とは、義康の母親である泰恵尼からのものなんです。
 それは、月永にさっさと京へ帰れと厳しく言い渡すもの。
 そう、泰恵尼は月永の正体を見抜き、復讐の目論見にも気づいて、このような手紙を密かに送ってきていたのです。
 それを月永は、必死で息子である義康の目に触れないように隠すかのように振る舞っているんですな!
 で、手紙を読んで愕然とする義康という。
 はかなげでか弱げで、もう東国の田舎武将である義康なんかイチコロですよ、これ(笑)。

 こうして義康の心を掴んだ月永は、さらに中江家を内部から崩壊させるべく、さまざまに手を打っていきます。
 もちろん、義康の心をさらに掴むために、自分の身体を使うことも厭いません。
 そしてじつはここにこそ、当ブログ的に大変美味しい場面が続出してくれるのですな!

 月永は義康からの愛の囁きに応えて、自分の身体を義康に捧げるんです。
 もちろんそれは義康を肉体で縛り、自分の思い通りに動かすため。
 そしてもう一つ、実の兄弟で禁じられた肉の交わりを結ぶことで、にっくき義康の母・泰恵尼に復讐するためです。

(――泰恵尼。おまえの息子は、実の弟を抱いた畜生に堕ちたぞ)

 目を閉じた月永の唇の端が上がる。
 声に出さず、月永は笑った。

 憎い女の大事な息子を、ついに穢してやった。
 地獄に引きずり込んでやった。


 うわ、暗い~(笑)。
 でも、そうまでして月永は、泰恵尼と義康に復讐を遂げたいのですね。
 自分の父と母、一族を皆殺しにした泰恵尼に絶望を味わわせるために…。

 上のセリフを読んでもわかるとおり、すべては計画通り、月永の復讐は順調に進んでいきます。
 ところが!
 復讐のひとつのハイライトである、義康との禁じられた肉の交わりにおいて、月永は思いもよらぬ自分に惑乱してしまうんですね。
 そう、実の兄に抱かれ、月永は大きな喜びに襲われ、我を忘れて溺れてしまうんです。
 男らしく、一途で真っ直ぐな兄・義康の腕の中で…。

 くっくっく…。
 これですよ、これ。
 「すべて計画通りだ…」なんて呟いて、周りの人間を自分の思い通りに動かしていたつもりの優等生が、思いもよらぬ肉欲に溺れ、ぐずぐずにされちゃうという。
 これぞ“優等生受け”の真髄であります!(どどーん!)

 自分が一番、自分の思い通りに何でも動くと信じていた優等生が、これまでバカにしていたような男、一途で真っ直ぐなんていう、優等生の価値観では一文の得にもならないはずの性格の男に抱かれ、惑乱してしまうのです。
 ちーけんー、よだれー、よだれー!
 そしてこのエッチ場面でのいとう由貴先生の描写が秀逸すぐるのです!
 思い通りに義康が自分にむしゃぶりついてきて「しめしめ」なんて思ってる月永が、いつしか本気で乱れ、兄にすがりついちゃう変化の様子が、いやもうあなた!

 これまでにない強い力で、月永が義康にしがみつく。
 義康も月永をしっかりと抱きしめた。

 数度、腰を突き上げ、すべてを月永の中に埋め込んでいく。
 柔らかく、それでいて義康に絡みつく肉襞が、熱く、義康の怒張に吸い付いてくる。

「ぅ…こんな…月永…っ」

「あ、あ、あ…んんぅ…義康様…あぁ」

 熱く、蕩けたような月永の内部が震えながら、義康を食いしめる。
 こんな感触を、義康はついぞ知らなかった。
 抱く、ということがこれほどまでの快美をもたらすとは。

 最後まで月永の中に入れると、月永が絶え入るように呻いた。

「ぁ…嘘…んっ…どうしよう。どうしたら…義康様」

 突き入れたままじっとしている義康に、月永の肉襞がひくひくと蠕動して、快感を貪る。

 そんな自分の身体の反応は、月永にとっても初めてのことのようだった。

「義康様…こんな…違う…あ、あ、あ…お許しを…義康様にだけ、こんな…こんな…あぁ」

 泣きながら、月永が顔を両手で覆う。
 耳が真っ赤に染まっていた。
 柔襞が震える。
 そして、月永の下肢が耐えきれないといった風情で揺らいでいた。

「月永…」

「見ないで…どうか、見ないでください。こんな…こんなこと…今までなかったのに…こんな…どうして…んんっ」

 うぎゃー!!!!!!
 もうこうやって本文を写させていただいててもあまりの興奮に脳内出血しそうですー!!!!
 短い引用ですが、「フフフ…すべて計画通りだ…」の月永クンが、思いもよらぬ快感に襲われ、

「ぁ…嘘…んっ…どうしよう」

 とか、

「こんな…違う…あ、あ、あ…お許しを」

 とか、

「見ないで…こんな…こんなこと…今までなかったのに…」

 とか泣きながら混乱に襲われ自失していく様子がおわかりいただけるのではないかと思います…!!!
 すげー文章だぜ…。
 “優等生受け”エロ場面としてこれは一つの頂点を極めている…ッ!
 いやもう予定外の未知の事態に泣いちゃうとか、優等生可愛すぎだろうという。
 はぁはぁ、だんだん落ち着いてきたぞ。

 そしてですね、ストーリーの後半部分では、さらに月永は驚愕に襲われることになってます。
 前半部分では、兄・義康に抱かれ醜態を晒してしまった月永クンですが、クライマックスシーンで、またもや義康に驚かされることになるんですな!
 これもやっぱり優等生・月永の想定にはなかった事態でして、愕然とする月永クンの可愛いこと…。
 いやもう“優等生受け”として素晴らしすぎるんです、いとう由貴先生の本作は。

 じつは私ですね、これまで坊主BLは苦手だったんです。
 樹生かなめ先生を初めとして、何人かの作家さんがマンガでも小説でもお坊さんBLというのは書かれてきたわけですが、これまでどうも駄目だったんですね。
 本作で初めてハマれました(笑)。
 これまでの坊主受けBLは、みんな坊主が「だめです…仏の道に…!」とか言うばかりでかなりツン成分が強かったんですが、本作の月永は復讐のためとはいえ進んで身体を捧げちゃってくれて、まあある意味ビッチなんですね。
 見かけが禁欲的なぶん、お坊さんBLはこのくらい淫らなほうがいいと思うのですが、みなさまいかがでしょーか(笑)。

 本作はお読みいただいたとおり、坊主受けのうえに実の兄弟BLとなかなか読み手を選ぶ構成ですが、とくに兄弟BLがお好きな方には大受けすると思います。
 最後までベタ甘ですしね。
 じつは血がつながってない…とかいう軟派などんでん返しもありませんし。
 当分、ブログ主的には本作は枕元において何度か読み返す予定です。
 みなさまもぜひ!

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