ネクラで眼鏡でキモオタな優等生は“受け”るとイイよ!

委員長、地味な真面目くん、オタク少年…そんな“優等生受け”BLが大好きな腐男子のブログです~。

 

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[年頭社説]あけましておめでとうございます! ブログ主が勝手に予測…2010年BL界はこれがメインストリームになる! ~BLにおける禁断の受けキャラ考~


Category: 当ブログ社説   Tags: ---
 みなさま、新年明けましておめでとうございます。
 よい年を迎えられましたでしょうか。
 本年も細々とブログの更新を続けていければなと思っております。
 もしよろしければ、引き続きお付き合いのほどをよろしくお願い申し上げます(平伏)。

 昨日の夜はまいりました。
 独身ブログ主の食の命綱であるオリジン弁当に深夜バイクを走らせてみたら、なんと年末年始休業だったのでした。
 てっきり年中無休かと…。
 おかげで新年一発目の食べ物はコンビニ弁当でしたよ(笑)。
 学生時代ならまだしも、いい年した社会人がこれじゃねぇ…。
 今日は友達と初詣に行ってきました。
 ええ、もちろんお互いに独身で暇な者同士で…。
 社会人1、2年目までは、こいつも含めた仲のいい友達8人ほどで、毎年大晦日と元旦にはクルマで有名な神社や寺に初詣に行くのが仲間内での習慣だったんですが、1人結婚し、2人結婚し、3人結婚し、さらには転勤で東京にいなかったりで、今年はこいつと2人きりという寂しさです(笑)。
 こいつも一時は彼女がいたっぽいんですが、この数年はそんな素振りを見せません。
 てか、もう25年以上の付き合いなんですが、こいつの彼女って一度も紹介されたことがないなぁといま気づきました。
 もしかしてエア彼女なのだろうか…。
 だとしたら不憫な…(涙)。
 仲間内では、ブログ主もこいつも早く結婚する組だろうと言われていたのに、結局残ったのはこの2人という。
 いやー、人生ってわからないものですねぇ(笑)。

 さて、新年も明けてしまったわけですが、ここはBLを扱うブログらしく、2010年のBL界の展望などを勝手に予測してみたいと思います。
 といいますか、正直に言いますれば、このネタはもう去年の9月くらいから書こう書こうと思っていたところ、忙しくてのびのびにして結局年を越してしまっただけという(笑)。
 独断と偏見を並べますが、どうぞ正月ということでご笑覧くださいませ~。

 で、あっさりと結論から書いてしまえば、何度かこのブログでも書いてきましたが、ぶっちゃけ今のBL界はすでに業界(?)としてのピークを過ぎているとブログ主は思っております。
 たぶん07年の年末か、08年の前半あたりが最高潮だったんじゃないでしょうか。
 現在は明らかに小説もマンガも商業的に見れば過当競争になってます。
 これでBLというものに勢いさえあれば、多すぎる作品供給をしっかりと受け止めるだけのファンの需要があったんでしょうが、少なくとも商業誌だけで見れば、今のBL界は需要<供給の関係に陥ってまして、早晩、いくつかのアンソロやBL雑誌が休刊に追い込まれるのではないでしょーか。
 あ、去年すでに何冊か休刊しちゃってるので、さらに増えるということですかね!

 で、ブログ主がBL界を「行き詰まってる」「ピークを過ぎてる」と見るのは、そのような商業的な見地からだけではありません。
 90年代中盤に、JUNEや二次創作やおい同人誌を母体にして生まれ落ちたBLという書籍分野は、まずはどうにもこうにもストーリーや背景に「暗さ」を引きずっていたJUNE、もしくは耽美小説から独立し、「明るい」少年同士の恋愛を描くことによってそのアイデンティティを確立したとブログ主は思っていますが、そこから始まった「ボーイズラブの歴史」というのは、一面においては、そんな少年たちの恋愛を描く際に、一般的に世間で「タブー」「禁忌」とされるものを飲み込み、咀嚼し、消化してきた歴史だと思っています。
 言い換えると、BLの歴史とは、外部からさまざまな“モチーフ”を取り入れて進化してきた歴史だとブログ主は思っているんですね。
 あえて単純化していいますれば、最初期のBLというものが、男の子同士のいちゃいちゃや可愛いキスを描くための物語だったとしたら、90年代後半には、だんだんと男の子同士のセックス描写が登場するようになってきました。
 そして21世紀に入るころには、そのセックス描写が精緻を極めるようになり、最初期のBLではそんな描写はほとんど考えられなかった「白濁」とか「ねっとりした精液」なんて生々しい描写が取り入れられ始めました。
 はたまた、初期のセックス描写では、肝心の部分がまったく描かれず、受け子ちゃんが「ああっ…!」なんて叫んだらもう翌朝(笑)なんてことも大変多かったわけですが、その頃には「前立腺をこすりあげる」なんて表現や、受けキャラの性器を「きつく縛り上げ」たりして、「い、いかせて…っ!」なんて受けキャラに懇願させる攻めキャラなんてものも登場するようになってきます。
 別角度から見ると、これはJUNEへの先祖返りのようでもありましたが、兄弟の禁忌な交わりを描くBLが登場したり、さらには親子がカップリングになってるBLなんてものも登場したり…。
 また、BLに出てくるヤツはみんないいヤツという不文律に反するような、木原音瀬先生描く本当に人間としてゲスな野郎が主人公なBLなんてものも登場したりし始めます。

 今ではごくごく普通のBLキャラになっている「眼鏡」や「女装少年」も、少なくとも90年代後半のBL草創期においては、本っ当に珍しい設定でした。
 眼鏡っ子が受けキャラのBLなんて、たぶん年間に3本もなかったんじゃ…もちろんBL界でその年に出た全作品の中での話ですよ。
 女装してる受けキャラなんて、もっと少なくて、だから当時、アイスノベルスから出た鈴木あみ先生の歴史的傑作『東京あまとりあ』なんて、ブログ主は3兆回は読み直しました(笑)。
 華族のお嬢様の身代わりで女物のドレスを着せられて傲慢な貴族のもとに嫁ぐことになった主人公は…という作品で、いやもうこんな作品は当時ほかにまったくありませんでしたよ!!!
 ブログ主はもちろん男性でして、何度も書いてますとおり、当時も今もBLのことを現実世界でおしゃべりしたりする相手がいない寂しい人生を送っているものですから、当時のブログ主は、「うーむ、これはBLの世界の中では眼鏡っ子や女装少年みたいな“男としてダメなヤツ”は攻めキャラでも受けキャラでも存在しちゃいけないお約束があるんだな!」と勝手に思ってました。
 あれから10数年経って考えてみると、その見方はあながち間違ってもいなかったなという気がしますが、いずれにせよ、BLという世界のお約束、言い換えると“BL文法”の中では、とくに初期のころは、女性的な属性を備えた受けキャラというのが忌避されていたというのは間違ってないと思うんですよね。
 あくまで普通の「少年」「男の子」が、何を間違ったか同性と恋に落ちちゃうのがBLとしては本筋であって、「女の子として育てられた美少年」や「女にしか見えない美人」な少年たちは、それが初期のBLでまったく登場しなかったとは言いませんが、少なくとも彼らは、女として扱われることを厳しく拒絶したり(例・俺を女扱いすんなよっ!)、そんな自分の境遇を厳しく呪ってたりしているような男の子であって初めてBLの世界に登場することを許されていたような気がします。
 それと同じ論理で、「眼鏡」という記号もBLの中ではかなり厳しく拒絶されてきたと言うのも、間違いではないと思います。
 実際、ほっっとんど見ませんでしたしね、眼鏡っ子の受けキャラとか(笑)。

 だから、今でも鮮明に覚えていますが、あれは隔月刊誌『少年天使』の創刊号だったかなぁ、みなみ遥先生が登場して、顔も体も性格も女の子にしか見えない、なんだかフリルのついた女性用下着を何の違和感もなく身につけながら男に抱かれちゃうような、本当の意味で“女の子にしか見えない”受けキャラが主人公のマンガを巻頭カラーでドーンと描かれたときには、ブログ主はひっくり返るほど驚きました。

「えっ、BLの世界でこーゆーのって許されるんだ!」

 と。
 そして、腐男子であるブログ主の立ち位置からすれば、これは、

「えっ、腐女子のみんなにこれってOKなんだ!」

 というのと同義なわけですが、長年ブログ主は女装少年とか眼鏡っ子なんてのは、BL界では絶対に許容されないものだと思っていたので、もの凄く驚かされたわけだったのでした。

 それが今や…。

 ご存じのとおり、同人界での「女体化」ブームはいやはやすごいものがありますね!
 10年前にブログ主が「女体化本」なんて見ていたら、こう言っていたでしょう。

「受けキャラの身体が女性になっちゃう!? いやいやいやいや、腐女子に絶対受け入れられるはずがないから!」

 だって一時は「なぜ女性がやおいに走るのか」という論争が起きたときに、ブログ主はすいません、そーゆー論争にほとんど興味がないのであまり詳しくはないのですが、「女性である自分を拒否しているから」とかいう議論が大手を振ってまかり通っていた記憶がありますよ。
 ブログ主はそーゆー難しいことは正直なところよくわからないので、えらい評論家の人たちがそう言うならそうなんだろう…ぐらいの気持ちでそんな論争をたまーに見ていましたが(笑)、それが今や「女体化」ですってよ、奥さん!

 しかも、「女装少年」が受けキャラなんていうBLはすっかり普通のものになりました――というか、遠野春日先生やら、愁堂りな先生やら、和泉桂先生やら、名だたる大物作家のみなさまがこぞって書いてバカ売れしてますよ。
 そこでは、かつての初期BLに登場した「少女のようにしか見えない少年」や「女の子として育てられた男の子」のような、そんな自分を拒絶する受けキャラというのは存在しません。
 現代の女装少年な受けキャラたちは、するするーっと「女装する自分」「女の子な自分」を受け入れちゃってます。
 いやー、時代も変わったもんだ(笑)。

 もちろんこの数年の「眼鏡男子ブーム」も同じ文脈で理解できましょう。
 というか、今やBL雑誌を1冊買ったら、その中で眼鏡っ子な受けキャラが登場していないほうが珍しい。
 いや、もしかしたら半分以上を眼鏡男子が占めている雑誌だってありますよ。
 「男らしくない」という文脈でかつてはBLの世界に入ることを拒絶されていた眼鏡男子たちは、今や堂々の市民権を得て永住しています。
 いやー、本当に時代は変わったもんだ…。

 さらにしつこく例を挙げれば、09年にブログ主が気づいたこととして、「とらのあな」や「快適本屋さん」といった同人誌通販サイトで、「男性向け」「女性向け」を分ける基準が融解しはじめているなぁということがあります。

 お気づきの方もいるかもしれませんが、いま「とらのあな」の通販ホームページとかで女性向け同人誌を漁っているとカオスですよね、カオス(笑)。
 もちろん主流は男同士のいちゃいちゃBL本なんですが、先ほど例を挙げた「女体化」同人誌が大手を振ってその中を歩いているばかりか、なんだか普通に男性キャラ×女性キャラの成人向けエロ同人誌が「女性向け」というカテゴリーの中で売られてますよ。
 例えば、『魔人探偵脳噛ネウロ』の主人公(男)・ネウロ×ヒロイン・弥子とか、光栄とかの女性向け恋愛シミュレーションゲームの男性キャラ×女性主人公のエロ本だったり。

 ブログ主は最初に見たときはすげー混乱しました(笑)。

 えーと、女性向けってホモってことだよね…?
    ↓
 でも、女体化とか、普通に男性キャラ×女性キャラのエロ本があるなぁ…
    ↓
 でも、それって「男性向け」ってくくりになるんじゃないの?
    ↓
 あー、もう、男性向けとか女性向けとかよくわからん! 意味あるの!?

 なんだかぐるり回って一回転したみたいな不思議な感じがしました。
 男×女エロ本を、「とらのあな」の女性向け同人誌通販サイトの中で見つけたときは(笑)。
 で、何が一番不思議って、「女体化」とか「普通の男女カプ」なエロ本を、BL作家さんたちが書いてることなんですよね。
 ここが一番不思議。
 せめて、まったく新興の別の作家さんたちが書いてるならばまだわかりやすいんですが、これまで男×男の18禁同人誌をバシバシ描いて来た作家さんが、いつの間にか「女体化」や「普通の男女カプ」なエロ同人誌を描いてたりして、いやもうこれが大混乱。
 でも、このことからもわかるように、すでに「BL」「ボーイズラブ」という言葉が表す領域は、初期のようなはっきりとした境界を持てなくなっており、だんだんとその周辺分野と溶解しあい、侵蝕しあって、これまでよりも広い意味を持つようになってきていると思うんですね。
 うーむ、ちょっと言い過ぎかしらん(笑)。

 さて、ここまで歴史の話が長くなってしまいましたが、ブログ主の言いたいことを一つにまとめるとこういうことです。

 「ボーイズラブ」はすでに外部から取り入れられるものをほとんど取り入れきってしまい、よく言えば爛熟、悪く言えばすでに行き止まりにぶち当たりつつあり、すでに衰退期に入っている、と。

 最初に書いたとおり、商業的な意味でもBLはすでに「部数が出ない」という意味で衰退期に入ってるとブログ主は思っていますが、内容的に見ても、つまりはBLを歴史的な進化の見地から見ても、「ボーイズラブ」というものはすでにピークを過ぎ、言い換えると大抵の“モチーフ”は書かれてしまっていて、もう新しいものが残っていないのではないかと思っているわけです。
 だって、大体の“禁忌”“タブー”は、これまでに読んだBLの中でもう見ちゃったと思いませんか?(笑)

 先ほど挙げた女装少年や眼鏡っ子がそのハシリだったわけですが、最近じゃスカトロやらSMだってごくごく普通に商業BLの中に登場してきますからね!
 もちろんあと10年ほどは、こういった最近出てき始めた新しめの“モチーフ”をいろいろ個別に深化させたりすることで革新的な作家さんも出てくるでしょうし、BLとしてもまだまだやり残したことがあるだろうとは思いますが、やっぱり下り坂になってることは間違いないような気がします。
 超オタ腐男子としては、残念としか言いようがないんですが…。

 さて。

 そんな風に「BLではだいたいのことは描かれちゃってる」なんて断言したばかりのブログ主ではありますが、じつはこれだけは絶対にBLでは出てこないモチーフだと長年思っていたものが、一つだけありました。

 それは、受けキャラの「妊娠」「出産」です(笑)。

 これって、受けキャラを「女性化」する最たるものですからねぇ。
 かつてのブログ主が思っていたように、こんなものはBL界つまりは腐女子のみなさまに絶対に絶対に受け入れられるはずがないものだったんですよ。
 受けキャラがまるで女性であるかのようなところを見せるこーゆー要素は、何度も言いますがかつてのBLではほっとんど見かけなかったものなわけです。

 ところが、いつごろからですかねぇ、ぼちぼちとそんな作品を商業BLの中で目にするようになり始めました。
 ブログ主がはっきりと覚えている、BLでの「妊娠」「出産」の最初の作品は、S・稔也先生が01年にキララノベルスから出された小説『ぼくのたまご』です。
 これは衝撃的でしたねぇ~(笑)。
 ファンタジーの要素が入った現代高校生の伝奇ものBLなんですが、受けキャラの男子高校生・拓哉は、「人とトカゲの姿を持った呪われた血筋を継ぐ」一族の生まれで、「男性の直腸からたまごで生まれる」一族の一員なのです。
 この設定がすでにぶっ飛んでますが、なんとストーリーの早い段階で、主人公(受)・拓哉は、攻めキャラである同級生・俊介と交わり受精させられ、でっかいたまごを産み落とします。
 で、S・稔也先生が凄いところはここからなんですが、ちゃんとこのたまごは孵化して、子供が生まれるんです。
 あまつさえ、この子供トカゲはストーリー上も重要な役回りを演じるという。

 ちゃんとお腹が大きくなったとかいう描写もありますからねぇ。
 しかも、この小説の凄いところは、「妊娠」「出産」という視点でいけば、いまだにBLの歴史の中でこれを上回る作品が出てきていないというところにあると思います。
 だって、みなさん、商業誌で受けキャラが妊娠させられて出産までして、子供も育てちゃうなんてBL読んだことあります?(笑)
 第一号が最高傑作というのは、創作の世界ではよくあることとはいえ、ここまで鮮やかだと恐ろしいくらいですな!

 とはいえ、このあたりから、BLマンガや小説の中で、ちょびちょびっと「妊娠」「出産」を思わせる表現が出てくるようにはなりました。
 でも、そのものずばりの妊娠や出産を描いたものはほとんどないですよね。
 せいぜい、「俺の子供を孕ませたい…!」とか攻めキャラが呟いちゃったり、「これだけ中出しされたら子供ができちゃうんじゃねーの! ヒャッハー!」なんて悪役キャラが嘲笑っちゃったりするくらい。
 そのものズバリ、受けキャラが妊娠したり出産したりというBLは、S・稔也先生の作品以外、ほっとんどなかったと言っていいでしょう。
 そしてブログ主は、「うんうん、やっぱりBLの世界では受けキャラが完全に『女性』になっちゃうのはダメなんだね!」という風に理解してきたわけだったのでした。

 ところが、先ほど長々と書いたように、今では女体化も普通、普通に女性キャラが男性キャラとエッチする本も「女性向け」として売られるという時代になりました。
 BLが女装少年だの眼鏡っ子だのスカトロだのSMだのをその中に取り入れていくうちに、最大のタブーだったはずの、受けキャラが女になってしまうという“BL界最後の砦”もいつの間にか崩れてしまっていたのでした。
 当然、その行き着く先は、S・稔也先生が描いた受けキャラが妊娠・出産しちゃう世界ですよ。

 そしてこの1年ほど、なんと商業BLでも本格的にこの“妊娠・出産モチーフ”を描くムーブメントが実際に出てきているんです。

 例えば、09年8月に発売された高尾理一先生のBL小説『天狗の嫁取り』。
 詳細なストーリーはこのブログですでにレビューを書いてますのでそちらをご参照いただきたいですが、本作の最後は、攻めキャラの天狗・剛籟坊と「生涯の伴侶」として結婚した主人公(受)の高校生・雪宥のこんな会話で終わっています。

「俺、これからはちゃんと伴侶らしくする。なにか手伝えることはある? こういうことをする以外に」

「伴侶の一番大事な仕事は…」

 剛籟坊が珍しく口ごもったので、雪宥はぴんと来た。

「それ、知ってる気がする。その…、新しい生命の誕生に関する仕事、じゃない?」

「蒼赤に聞いたのか?」

「うん。びっくり仰天して、息が止まったくらいだけど、本当なんだ?」

「まったく。おしゃべりな烏の嘴を、しばらく縛り付けておくべきだな。こういうことは俺の口から言うべきなのに」

 言葉ほど不機嫌そうには見えない表情で、剛籟坊は雪宥を見つめている。
 その瞳の意味は明白だったが、一応訊いてみた。

「う、産んでほしいの?」

「お前がいやなら、無理に孕ませたりはしない。だが」

「だが?」

「お前に似た子なら可愛いだろうと思っただけだ」

「…!」

 なんてことを言うのだろう。
 ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、自分と剛籟坊の子供が見てみたいと思ってしまった。

 どーですか、これ(笑)。
 重要なのは、主人公(受)の雪宥はもちろんながらただの男子高校生であるということと、そしてこの物語世界では、天狗はその伴侶を(男でも)妊娠させられるという設定だというところでありましょうか。
 つまり、今回の小説の中で描かれなかっただけで、主人公(受)・雪宥は実際には妊娠&出産を「準備OK!」というわけです。
 いやー、初期BLからはとても考えられない~(笑)。
 本作では、具体的な妊娠・出産の方法は、以下のように描かれてます。

「神通力にて種を胎内に宿し、頃合いを見て取り出すと聞いておりますが、私も詳しくは存じませぬ」

 うーむ、このあたりはまだはっきりしませんねぇ(笑)。

 さてその半年前、昨年2月にビーボーイノベルスから発売された加納邑先生の人気シリーズの最新作『皇帝は紫の褥を濡らす』を見てみましょう。
 古代中華風の世界を舞台に描かれる、加納邑先生の代表作といってもいい「皇帝シリーズ」ですが、本作では主人公の皇帝・紫用が受けキャラ。
 線の細い、でも芯は強くて美しい少年皇帝として描かれてます。
 対する攻めキャラは家臣の冬波です。
 堂々の偉丈夫で、堅い忠誠を紫用に尽くしてくれる精悍で寡黙な男として描かれてますが、信じられない彼の裏切りなどを交え、2人の波瀾万丈の恋が描かれます。

 そして、じつは本作では、手っ取り早くいえば2人がくっついてラブラブになった後に、なんとこの2人に子供が生まれてるんです。
 可愛い子虎が(笑)。
 この「皇帝シリーズ」は一作ごとに主人公が違う連作シリーズですが、シリーズ共通の特徴として、主人公の皇帝が聖なる虎の子孫として、人の姿にも虎の姿にもなれる超人的な力を持っているということがあります。
 で、本作では、皇帝・紫用と忠臣・冬波がラブラブにゃんにゃんした結果、なんと子虎の姿をした皇子が生まれてるんですな!
 うわお(笑)。
 ただ、出産のシーンの具体的な描写などは一切ありません。

 三ヶ月前、雪が舞い散り始めた頃に生まれた子虎。

 生まれてからしばらくは、虎の姿になったり人間の姿になったりを繰り返していた。

 (略)

 彼との間にできたこの子が、今は第一位の、この大国の皇位継承者だ。

 えー、この子虎・昴(こう)は、母親(?)の紫用に抱き上げられると「きゅっ?」なんて鳴いちゃったりしてえらい可愛いんですが(笑)、ストーリー上はこうしていつの間にか生まれてきてる感じです。
 生々しい妊娠・出産シーンは一切ありません。
 唯一、クライマックスでのエッチ場面で、

「冬…波、冬波、あ…ん、ぁー…っ!」

「…紫用…様っ」

 汗の浮いた冬波の背中をしっかりと抱き返し、射精する。
 その瞬間、紫用は、冬波の濃い精液も自分の身体の奥深くに放たれるのを感じた。

 という描写があり、暗示的に妊娠の瞬間を描いているのかな~というくらいです。
 でも、ここではこれまでのBLの歴史では数少ない例として、ちゃーんと男同士カップルのもとに子供が生まれ、しかも可愛く育てられちゃう姿まで描かれてるんですな!
 これはやっぱり特筆すべき作品です。

 もう一つだけ例を挙げておきましょう。
 今度は商業誌ではなく同人誌から。
 一昨日の冬コミで買ってきたばかりの同人誌ですが、商業誌でも活躍されるショタ&BL作家・柊征葵先生の超人気シリーズ『少年メイドクーロ君~妊娠編~』です。
 おおっと、ここでは本のタイトルにすでに「妊娠編」という言葉が入ってます。
 そして気になる中身ですが、ツンデレな少年メイドである主人公・クーロ君が、表向きは「嫌い!」なんて言ってる本当は大好きなご主人様・ミースの子を妊娠しちゃったことが判明して騒動が…というストーリー。

(妊娠…俺がミースの子を…)
(奴の子が俺の中に…)
(もう抵抗できない…な…)


 ここで「抵抗」といってるのは、もうツンツンできないな、ぐらいの意味ですから念のため(笑)。
 そして、自分が男としてありえない「妊娠」をしたことを知ったクーロ君は、これまでのツンツンぶりもどこへやら、ミースに抱きついてぽろぽろと涙を流しながらこんな可愛いことを言うんです。

「…今まで殴ったりしてすまなかった」

「どしたの?」

「…だから、捨てないで…くれ…(涙)」

 うわー、可愛すぎー!!! という、ブログ主が猛烈に胸キュンさせられちゃった名場面なんですが(笑)、この後2人は、

「辛かった? ゴメンね。でも君が私の子供を身ごもったと思うとつい嬉しくてね。(お腹に頭をつけて)赤ちゃーん、パパでちゅよ~」

 なんてイチャラブなエッチをしちゃったり。
 そして最後、本当に「出産」する場面が描かれるんですが、えーとこれ以上はまだ発売されたばかりの同人誌なので内容紹介は控えておきましょう。
 でも、ちゃんと産んでます(笑)。
 しかもクーロ君は、

「俺はどうなってもいい…。だけど、お腹の子だけは…コイツだけは助けてくれ」

 なんて母性を前面に押し出したセリフを吐いたり。
 ここでは完全に受けキャラが女性=母そのものになってますよね。
 いったいBLはどこまで行くのか、ビックリしてしまう例ではあります。

 えーと、他にも最近のBLでの妊娠・出産の例は、枚挙に暇がないんですが、この辺にしておきましょう。
 ただ、“本当に産んじゃう”場面が描かれてることは、これまでのBLの歴史に鑑みれば凄いことだというのはおわかりいただきたい。
 これまでは、妊娠することはあっても、実際に産むBLの受けキャラなんて、まず存在しなかったんですから。
 08年のたしか夏コミで発行された、ブログ主が大好きなハルヒの古キョンサークル「マダマヨ」さんの長編マンガ『これは僕の願望かもしれませn』は、ハルヒの願望なのか、なぜかキョンの身体に女性器ができてしまい、古泉とセックスしたキョンが妊娠してしまうという超シリアスストーリーでした。
 これを読んだとき、「うわー、相当思い切ったストーリーだなぁ」と思ったものですが、最後はやっぱりキョンが流産するという悲劇的な結末になってるんですね。
 これを見たときに、ブログ主は「ああ、やっぱりBLの世界では妊娠はしても、絶対に産んじゃダメなんだな」なんてことを思ったりしたものですが、その翌年である09年には上のような様々な商業作品でも堂々の妊娠・出産ネタが描かれるようになったのでした。
 これは本当に驚くべきことですよ…。
 でも、みなさんもそういえば最近読んだなぁという記憶がありませんか?
 BLで受けキャラが妊娠したり、そこまでいかなくても、それっぽいセリフを攻めキャラが吐いちゃったりするようなBLマンガや小説を。

 というわけで、ブログ主は今年のBL界について、「いよいよ妊娠・出産ネタが本格化!」という予測を大胆に言ってしまうわけです(笑)。
 上で書いたさまざまな例のとおり、これは多分にブログ主の体感的な感覚から導かれた推測でして、えー、外れたらすいません(笑)。
 でも、やっぱりBLで描かれる様々なモチーフ、つまりは愛の形には残された余地が少なくなってきてるなぁと思うなか、09年のBL界は一言でいえば「アラブもの」と「結婚もの」の一年だったわけで、やっぱりそうすると今年は「妊娠・出産」じゃねーの? と率直に思うんですね~。
 というか、去年流行りに流行った「結婚BL」でさえ、かつてのBL界ではありえなかったわけで、それが数年前からちらほら見るようになったなーなんて思っていたら、爆発的に「結婚もの」が出てきたわけですよ。
 ブログ主としては、ひしひしと皮膚感覚で、妊娠・出産BLがそんな状態にあると思うんです。
 そしてもしこの予言が成就するとすると、ブログ主として注目したいのは、BL史上初めての受けキャラ男子の「出産シーン」をどの作家さんがどういう形で書くのか! という点ですよ。
 上に引いた例のとおり、高尾理一先生は「妊娠可能な受けキャラ」までは書かれたものの、その先にはまだ到達されず、加納邑先生の場合は、具体的な妊娠・出産場面はすっ飛ばして、気がついたら生まれてたという感じ。
 柊征葵先生の場合は、ちゃんと産んでるんですが…、いやこの先はネタバレになるので詳しく書きませんが、まあ本当の意味での出産ではないんですよ(笑)。

 というわけで、さあ、どの作家さんがどういう風にちゃんとした「妊娠・出産シーン」を書くのか、ブログ主は本当にもう興味津々なのです。
 もちろん、その前提として、「男が子供を産める」という設定をどういう理由付けで正当化するのかも興味を惹かれるところです。
 高尾理一先生や加納邑先生、そして第一号でもあるS・稔也先生の場合は、ファンタジーの世界の中でそれを実現していましたが、これを現実世界の学園ものとかでうまく読者を納得させてくれるストーリーが出てきたらすごいなぁと(笑)。
 ううう、ごく普通の男子高校生同士のBLで、神通力とか超能力とかじゃなくて妊娠・出産するストーリーが出てきたら、ブログ主は相当読みたいかも…。
 なんだろう、すごい医学の発達とかでうまく処理するのかなぁ…ドキドキ(笑)。

 そして本当に子供が生まれるBLが出てきたら、一気に作品世界が広がる可能性はありますよね。
 男同士で“本当の子供”を子育てするBL(笑)。
 いまビーボーイで御影椿先生が「できちゃった男子」シリーズを連載されてますが、あれはやっぱり養子設定ですからね。
 本当の自分たちの子を育てちゃうというBLは空前絶後です。

 うーむ、こうして夢が広がる2010年のお正月ですが、BL大好きなブログ主としては、何とか自分の予想なんか覆して、BLが思ってもみなかったような分野に発展していってくれることを祈ってます。
 でも、どっちに転ぶにせよ、BLで妊娠・出産ネタが爆発的に普及するのは、もはや遠くないとも思っています。
 えへへ、そんなことないですかねぇ?(笑)
 当たるも八卦当たらぬも八卦、ま、ゆるりと今年のBL界の動きをウォッチしつつ、本年もブログ更新を頑張りますので、ありがたくもこんなブログを読んでいただいている皆さまには本年もどうぞヨロシクお願いいたします!

 いきなり長い記事でホントすいません…。
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Comments

大胆ですね・・・!☆ 
ちーけんさん、新年おめでとうございます~♪
今年も更新楽しみにしております。よろしくね!^^

大胆な予想、大変興味深く読みました。
出産ネタなら寿たらこのセクピスにもふれてほしかったけど
知らない作家作品を数多く網羅なさってて、さすがちーけんさんだにゃーと舌を巻きました。
(クーロくんもそんなことに・・・!)


アタイ自身は旧いヲンナだからか、ニョタや出産はNGですう><。


「今までにないパターンで・・・」というジャンル開拓的な期待では、
デブ受けやブサイク受けがもっともてはやされればいいのに!と期待してます。^^

木原さんの「don't worry,mama」もおもしろかったけど
あれは結局デブ専というよりショタ(年上なのに^^)だったし、
もち肌の魅惑・・・とか誰か書かないかなあ?


ブサイクも、受けが勝手にひがんでるパターンじゃなくて、
『恋は盲目』的に赤烏帽子?^^つうか、
傍から見たら全くわかんないような魅力を俺だけがわかってるぜ!的な^^
惚れてしまえばアバタもえくぼなお話が・・・・読みたいぞぉっ!!!

それでどんどんお互いを美化するバカップルとか。^^
んで実際、恋に磨かれちゃって垢抜けてしまったりとか。^^そゆの。



・・・と、勝手な妄想を吐いて去ります。今年もよろぴく☆^^
 

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