ネクラで眼鏡でキモオタな優等生は“受け”るとイイよ!

委員長、地味な真面目くん、オタク少年…そんな“優等生受け”BLが大好きな腐男子のブログです~。

 

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[新刊レビュー]何度も何度も勝手な勘違いで恋人のもとを去ろうとするネクラ優等生…でもそれが可愛い! 洸『恋―La saison d’amour』


Category: レビュー 小説単行本   Tags: 受け-真面目・カタブツ  受け-眼鏡  受け-エリート  特徴-年下攻め  特徴-社会人  ●ア行-洸  
恋―La saison d’amour (ガッシュ文庫)恋―La saison d’amour (ガッシュ文庫)
(2009/06/27)


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 夏休み、あと1日しかないです…。
 やろうと思っていたこと、ほとんどできなかった…。
 くぅっ…!

 そんな中、溜まりに溜まっていたBL本をかなり読み進めました。
 この3日間で100冊以上は読んだ気が…(笑)。
 まず雑誌を全部読み返して、見落とした“優等生受け”がないか再チェックしました。
 ビーボーイ、ガッシュ、花音、ダリア、ディアプラス、花音DX、オペラ、ハーツ、コミックJUNE、ボーイズピアス、ルチル、リンクス…。
 だいたい一つの雑誌について4ヶ月分くらい遡ったので、これだけで50~60冊は読みました(笑)。
 いつかレビューを書こうと思った作品に付箋を貼りつつ読了。
 それから、マンガ&小説の単行本もガシガシ読みました。
 これも相当な数を読みましたが、じつはまだ30冊くらい未読のものが残ってます(笑)。
 やっぱり単行本は、とくに小説は一冊読むのにどうしても30分はかかりますからねぇ。
 自慢じゃありませんがブログ主は、それがどんなにクソつまらないBLであっても、読むのが嫌とか疲れるということはいっさいありません(笑)。
 どんなBLでも、何冊でもいくらでも喜々として読めます。
 でも、物理的にですね、目がしょぼしょぼしてきたり、腰が痛くなってきたりして、やっぱり集中して読み続けるのは3時間が限度ですよ(笑)。
 そこで一度メシ食ったり、外出したりして気分を変えないと、そうはBL本ばっかり読めません。
 この休み中は、時間さえあれば布団に横になって(←ブログ主の読書スタイル)BL本を読みましたが、それでもまだ30冊ほどは未読のものが残っているというわけです。
 いやー、これ年内には処理したいなぁ。
 つーか、買う量が多すぎるんだろうなぁ。
 月に少なくても50冊は買ってるもんなぁ…。
 しかしそれでも飽きないのがBLの不思議なところでありましょう(笑)。

 そんなわけでですね、以上、溜まってた本の中から「レビューを書きたい!」というBL本を可能なかぎりチェックした結果、いやー、もの凄い数がピックアップされてしまったんですが、とても書ききれそうにありません。
 今日明日の夏休み最後の2日で、できるだけレビューを書いてみようと思っていますが、はてさてどこまでいけるものやら(笑)。

 というわけで、まずは1冊目。
 発売前にチェックしていた段階では、まったくブログ主の関心を呼んでいなかった一冊が、いざ手にとってみたらあまりに素晴らしかったのでご紹介させていただこうと思います。

 洸(あきら)先生の最新刊「恋 La saison d'amour」です~。

 うーむ、今こうして読み返してみても、この本はブログ主が嫌いな要素満載。
 今ではとても大事な一冊になってしまったのは、不思議としか言いようがありません。
 まず、受けキャラが年上の上司(もちろん男)と不倫というか、都合のいいように身体を弄ばれているという設定なんですが、いやー、ふだんのブログ主なら、これだけでもう読むの止めちゃいたいくらい嫌いな設定ですよ(笑)。
 そして、攻めキャラがですね、都心のオシャレなレストランの格好いいギャルソンという…。
 個人的な好みばかり書いて申し訳ないんですが、ブログ主は、この“ショップ店員”“ギャルソン”系の攻めキャラが、なぜかどうにも嫌いでしてねぇ…。
 なんかスカしてるでしょ、あの人たち(笑)。
 で、ブログ主が好きな優等生な受けキャラとかって、こっちはこっちで大抵の場合に別の意味でスカしてたりするんで、カップリングとして据わりが悪いんですよね。
 で、なんか言うセリフもたいていスカしてて、

「お客さま、私を本気にさせた責任は取っていただきますよ」

 みたいなこと言っちゃったり(笑)。
 ああ~、こーゆー攻めキャラ、全然受け付けないぃぃいい。
 こうして書いてみて気づいたんですが、うん、ブログ主はこーゆー敬語攻めが嫌いなんですね(笑)。
 ほら、大人しくてプライドの高い優等生の硬い心の殻を破るには、もっと荒々しい男じゃないと!

 というわけで、本書はまったくブログ主がハマる要素は皆無に等しかったのですが…。

 いやー、すいません、読んでみたら本当に名作でございました(笑)。

 本作の主人公(受)は、「我が国の中央銀行」に勤務する和泉雅弘(いずみ・まさひろ)です。
 入行して4年目と文中で紹介されているので、いま27歳くらいという設定ですね。
 業務の中枢であるシステム情報局で重要な仕事を任されている和泉は、学生時代から自分が同性しか愛せない性癖の人間だと自覚していました。
 エリートとして就職した後も、そんな自分の性癖が表に出ないようにと思い続けていたためでしょうか、極度に人付き合いの悪いクールビューティとして行内で有名です。
 無口で仕事だけはしっかりとこなす存在として、和泉は極力目立たず平凡に毎日を過ごそうとしていたのでした。

 そんな和泉の日常は、ある意味、無気力という言葉に支配されているつまらない毎日ともいえます。
 エリートで優等生な受けキャラにありがちですが(笑)、好きな同性ができても、告白して気持ち悪がられたらどうしようと思うと、気持ちを口に出すことなく終わっちゃうタイプなんですね。
 その代わり、妙な男たちに目を付けられ、いつのまにかずるずると身体の関係だけを結ばされることが多いのでした。
 どうやって感づくのか、同性しか愛せない和泉の性癖を見抜いた男たちに、これまでの和泉は人生をいいように弄ばれてきたんですね。
 今も、直属の上司である塚本に、気の向いたときにホテルに呼び出されては、何の愛も思いやりもないセックスを強要されています。
 和泉の、男臭さを感じさせない、中性的な整った容姿が好きだという塚本は、後ろからのし掛かり、自分の欲望を吐き出すと和泉を置いてひとりで帰ってしまうような男です。
 でも、和泉は諦めたように塚本に抱かれ続けています。
 それは、束の間でも、塚本との逢瀬が、自分が他人から愛される夢を見せてくれるからでしょう。
 でも、終わったあとに襲ってくるのは空しい後悔の念ばかり。
 そんな憂鬱な毎日を、本作の主人公(受)である和泉は送っていたわけです。
 もう、こんな自分が幸せな伴侶を得ることなど、一生ないだろうという諦念に支配されながら…。

 どーですか、この受けキャラのネクラっぷりは(笑)。
 和泉は、行内では同期社員から嫉妬されるくらい、仕事では高い評価を受けてるんです。
 たたずまいはまさに優等生。
 いつも敬語でしゃべり、凛としているという。
 でも、私生活はお先真っ暗、無気力な日常に支配されているわけですよ。
 そして、こんな人生に甘んじている自分が幸せになれることなんかないと勝手に思いこんでるんですね。
 まずこの時点で、ブログ主の大好きな“優等生受け”の匂いがぷんぷんしてますよ(笑)。
 「こんな僕のこと、誰も好きになってくれないんだ」――、そんな絶望の闇の中にカッコイイ攻めキャラが颯爽と現れて優等生クンを救い出していく…、それこそが“優等生受け”BLの醍醐味というものですからね。

 さて、そんな無気力な毎日を過ごす和泉ですが、ある事件がきっかけで、都内のお洒落なレストランに通うようになるんです。
 そこで出会ったのが、清潔なウェイターの制服に身を包んでテキパキと店内を動き回っていた攻めキャラ・若月伶人(わかつき・れいじ)だったのでした。

 それは、突然目の前に現れた。
 憂鬱な気分を貫くように。

 水が入ったグラスを差し出した手。
 細くて長い指。
 優美だが、女性のものとは違う。

 和泉はつられるように指先から視線を上げていった。
 白いシャツの袖。
 きっちり上までボタンをとめた襟元。

 さらにその上の端整な顔が、温かな微笑を浮かべて言った。

「いらっしゃいませ」

 続いて目の前にメニューが広げられる。

「お決まりになりましたら、お呼びください」

 深みのある、耳に心地いい声。

 ウェイターが立ち去っても、和泉はその姿から目を離せなかった。

 ぴんと張った背筋に、すらりとした長い手足。
 歩き方もダンサーのように優雅で、ちょっとした仕草にすら不思議と目が惹きつけられてしまう。

 文字どおり、一目惚れをしてしまったわけですね。
 若月に会いたくて、和泉は何度も何度もレストランに通うようになります。
 さらに憧れを掻きたてるこんな出来事も…。

 化粧室の表示を見ながら、奥の一角へ向かう。
 ぼんやりしていた和泉は、床の低い段差に気づかなかった。
 がくっと足がもつれる。

 すると横から急に腕が伸びてきて、つんのめる和泉の身体を受け止めた。

「あ…」

「大丈夫ですか?」

 慌てて顔を上げると、目の前に若月がいた。

 自分を支える腕は、思いのほか力強い。
 間近にある彼の身体からは、ほのかに甘い麝香のような香りがする。

 和泉の心臓が止まりそうになった。

「申し訳ありません。足元が暗いものですから」

「い、いえ、俺がぼんやりしてたから…」

 和泉は慌てて離れようとした。
 触れられたところに、びりびりと電気が走るようだ。
 止まりそうだった心臓が、今はすごい勢いで跳ね回っている。

 たたずまいも立ち居振る舞いもすべてが優美な若月ですが、意外な力強さに触れて、和泉はぽーっとしてしまうわけですね。
 いったいどこの少女マンガだという(笑)。

 若月は端麗な容姿をしていても、ちゃんと男らしくてたくましかった。
 硬い腕の感触がまだ腕に残っている。

 痛いほど高鳴っている胸を手で押さえ、大きく息をつく。
 ふと顔を上げると、鏡に自分の顔が映し出されていた。
 全体的に線が細く、「中性的」と言われる顔。

 思わず目を伏せてしまう。
 和泉はこういう自分の容姿が嫌だった。
 外見だけではない。
 中身も「男らしい」とは程遠い。

 さーて、ここまでで押さえておくべきポイントはですね、攻めキャラ・若月のスカしっぷりです(笑)。
 まさに「お客さま、私を本気にさせた責任は取っていただきますよ」みたいな、しょーもないことを言いそうなイケメンでしょう?
 もちろん、店で和泉に給仕するときも、若月はつねにこんな感じです。
 笑みを絶やさず、つねに敬語で、どんな無理でも聞いてくれそうな。
 そして、ある夜、和泉は近くのラーメン屋で偶然、若月がひとりで食事しているのを見つけるんですね。
 思わず声をかけてしまう和泉。
 そんなプライベートな場面でも、やっぱり若月はとってもスカした優美なイケメンなんですね(笑)。

「いくらなんでも、僕もいつもイタリアンを食べてるわけじゃありませんよ。普段の格好はこんなものですしね」

 そんなことを言いながら、和泉にニッコリと笑いかけてきたりするわけです。
 如才なく、「ぜひまた店のほうへいらしてください」なんて社交辞令も言いながら。

 ところが、仕事であるトラブルが発生し、その責任が上司である塚本から、和泉ひとりに押しつけられるという事件が発生します。
 愛のない不倫相手とはいえ、それでも身体を交えている愛人として、少しは塚本のことを信じていた部分もあった和泉ですが、そんなささいな気持ちすら塚本によって踏みにじられ、和泉は自暴自棄になって会社を飛び出しちゃうんですね。
 向かったのは、若月がいるレストランでした。
 そして深夜、仕事を終えた若月が出てくるのを待って、若月の目の前に、和泉は飛び出します。
 そうです。
 パニックになった優等生が、暴発しちゃうんです(笑)。

 若月が現れたのは、深夜の少し前だった。
 店は十一時に終わるから、片付けなどをすればこれぐらいの時間になるのだろう。

 和泉は立ち上がり、彼の姿を目で追った。

 いつも、見ているだけだった。
 好きになった相手に、告白したことすらなかった。

 学生時代に好きになった男には、彼女がいた。
 そのあとの相手にも、いつも他に誰かがいた。

 和泉は、自分がその誰か以上に愛されることがあるなどと、考えたこともなかった。

 ずっとこのままなのだろうか。
 自分はただ見ているだけで、性欲を満たしたいと思う相手に抱かれ続ける。
 ただの女の代わり。
 愛情も何もない、セックス。
 これからも、そんな男たちに抱かれる? 自分では何もしないままに?

 和泉はぶるっと身体を震わせた。
 遠ざかっていく若月の背中。
 それが唯一の救いのような気がする。

 一度でいいから、好きな相手の傍にいたかった。
 好きな相手に触れてもらいたい。

 気がついたときには、駆けだしていた。

「若月さん!」

 感情のままに呼び止める。
 若月は驚いたように足を止めて、振り向いた。

「若月さん、俺を、抱いてくれませんか…!」

 一息に言って、頭を下げた。
 若月の顔を見ないように、道路を凝視した。

「一度だけでいいんです。俺、絶対あなたに迷惑はかけませんから…!」

 全身ががたがたと震えた。
 狂ったように心臓が早鐘を打ち、下を向いた顔に血が上った。
 恐ろしい沈黙があったあと、若月の声が聞こえた。

 …というわけで、まずここが本作の最初のクライマックスシーンになってます。
 って、じつはまだ40ページ目くらいなんですけど。
 いっぱいいっぱいになっちゃった優等生が暴発して、とんでもないことを口にして迫っちゃうこの場面、結果がどうなるかとっても知りたいところですが、えー、ぶっちゃけ言ってしまえば、若月は面食らいつつも和泉を自分の部屋に上げ、話を聞いてあげようとするんです。
 え、ネタバレするなって?
 いやー、BLなんだから、この2人がうまくいくことなんかわかりきってるわけで、しかもですね、本作の魅力はですね、2人がくっつくまでの過程にあるのでは断じてありません!
 ここから!!!
 ここからの残り200ページ!!!!!
 優等生の決死の告白で2人がくっついちゃった後にこそ、読者の胸をぎゅんぎゅん絞りまくる魅力の源が存在しているのですよ!

 さーて、どこからご紹介していきましょうか…(笑)。

 まずですね、この決死の告白を受けて、若月の家に和泉が上げてもらった後の会話場面が、ものすげー萌えるんですよ。

「気楽にしてください。ここは俺一人だから」

 和泉は隣に座った若月の顔を見られないまま、口を開いた。

「あ、あの、ご家族は…?」

「九州に両親と妹がいます」

「そ、そうなんですか」

「大学進学のために東京に来て、そのままこっちにいるんですよ」

「お、俺はずっと東京で…」

「そんなに硬くならないでください。俺は二十五歳になりますが、和泉さんは?」

「に、二十六点」

「ほら、和泉さんのほうが年上だ。緊張することないですよ」

 思わず顔を上げると、若月が笑った。

 すいません、最初に27歳ぐらいとか書きましたが、ここで26歳って出てました(笑)。
 で、若月はその一つ年下と。
 和泉の優等生っぽい受け答えというか、世慣れない感じがまずブログ主には大変な萌え要素なわけですが、両膝に手をおいて固まっちゃって会話しているだろう和泉のようすが読者の心に浮かんでくるようなシーンですよね。
 そしてこんな場面でも、若月は客とウェイターの関係を崩さないように、丁寧な言葉遣いを和泉にしてますよ。
 にこやかに、優しく。 
 そんな若月に、和泉は必死で迫るんです。

「あなたは、何もしなくていいから…。俺が全部やるから…。う、後ろからなら女性と同じだと思うから…」

 出た~! 優等生の得意技「ネクラ迫り」!!!!(笑)
 いやー、ブログ主の大好物です。

「目をつぶっててくれれば女の子と同じだから…」
「あなたは何もしなくていいから…」
「僕には何もしないでいいですから…」

 これですよ、これ(笑)。
 自分の身体なんか、そして自分自身になんか、何の価値もないものだと勝手に思いこんで、必死で「女の子よりも気持ちよくするから…」みたいなこと言って迫るという、ネクラ優等生受けっ子の秘技です、秘技!
 そして和泉は、言葉通りに一方的な奉仕に入るんですね。

 和泉は若月の手に口づけて、ソファから滑りおりた。
 座っている若月の足の間に跪く。
 そっとズボンのファスナーを下ろし、彼のものを取り出した。

 和泉は捧げもののようにそれに口づけて、丹念に舌でしゃぶった。

 若月の形のいい眉が寄り、わずかに声が漏れた。
 和泉はたまらない気持ちになって、それを口に含んだ。

 そ・し・て…♪
 ここでですね、若月が豹変するんです(笑)。
 いえ、べつに悪い男になったりするわけじゃなくて、“普通の青年モード”に戻るんです。
 客とギャルソンの関係じゃなく、一対一の個人の関係に自分たちの立ち位置を変化させるかのように。

 彼が笑う気配がした。

「いいよ。和泉、なんていうの?」

「え…?」

「名前だよ」

「あ、雅弘…」

「俺は伶人(れいじ)だ」

 若月が和泉に顔を寄せ、その耳元に囁いた。

「雅弘」

 途端に和泉の身体が跳ねた。
 若月の指が和泉の首筋を這い、唇が寄せられる。
 それだけで、和泉はびくびくと全身を振るわせた。

「あっ、あ、ああっ」

 触れてもいないのに、和泉のものはすでに勃ち上がっていた。 
 若月の手が下に移動するのを感じて、和泉は慌ててその手を押しとどめた。

「あ、あなたはそんなことしなくていいから…」

「雅弘?」

 和泉は後ろを向いて四つんばいになった。
 自ら濡らした場所を、指でさらに押し開いた。

「こ、ここに、あなたのものを…」

 和泉は、上半身は服を着たままだった。
 背広とシャツだけを身につけ、下半身をむき出しにして誘っている。

「い、入れて…!」

 いろいろ指摘したい場面ではありますが、まず何よりも豹変した若月のカッコイイこと(笑)。
 ここまでずっと、丁寧な敬語で「大丈夫ですか?」とか言ってただけに、セックスの場面になった途端、普通の青年に戻って、和泉のことを呼び捨てにして命令しちゃったりして、なんだか若い男の色気がむんむんしてますね。
 そして、そんなカッコイイ若月にさらにぽや~んとなっちゃってる和泉。
 初めて、好きになった男から名前を呼ばれ、抱きしめられたわけで、この後、若月にペニスを挿入された和泉は半狂乱になって喘ぎまくってます~(笑)。
 これがですね、孤独だった優等生が初めて愛を知った瞬間というか、幸福感に満ちたセックス場面でして、“優等生受け”的にはものすごいクライマックスシーンになってます。
 いやー、ついに無二の相手に出会った優等生クン、これにてめでたしめでたし――ではありませんので念のため(笑)。

 何度も言いますが、ここからですよ、ここから!

 なぜブログ主がここまで本作のことを大好きになってしまったのか。
 それはですね、もうここからの和泉のネクラ優等生っぷりが筆舌に尽くしがたい“可愛さ”にあふれてるんですよ~♪
 そう、暗いけど可愛い(笑)。

 だってですね、この幸福感に満ち溢れて絶頂に達したセックスの翌朝、早くも和泉はネクラっぷりを満開にして、トンチンカンな行動に出てしまうんです。

(彼はきっと後悔している…)

 そう思いこんだあげくですね、一人で逃げるように若月の家を飛び出し、逃げ帰るんです。
 え? そんな場面はBLによくあるだろう?
 いやいやいやいや、焦らない、焦らない(笑)。
 本作の“優等生受け”として優れているところは、この数日後、怒った若月が仕事帰りの和泉を捕まえる場面にこそ現れていますから。

「あんた、いったいどういうつもりなんだ!」

「若月さ…」

「コンビニに行ってる間に鍵も掛けずにいなくなっちまって、俺がどんな思いをしたと思ってるんだ!」

「あ、鍵、かけられなくて…」

「そんなことはどうでもいい!」

 うふふ(笑)。
 まず和泉の反応が可愛すぎですねぇ。
 鍵だって、鍵(笑)。
 論点はそこじゃないだろ! という。
 いいですねぇ~、世間知らずな優等生っぽさ満開で(笑)。
 そして、この本気で怒る若月というのが、もうですね、全身で「お前のことが好きなんだ!」という気持ちを和泉に対して表していて、とにかくネクラで寂しんぼうな優等生である和泉を包み込むような、かっさらうような攻めキャラとしての熱い気持ちに溢れていて、“優等生受け”BLとしては、読んでいると読者の心がじーんとしてくるんですな。
 カッコイイよ、若月…!
 そして、和泉は早くその愛に気づけよ…と言いたくなるわけですが、お約束というか、以後も和泉はずっとネクラで自信がないままです(笑)。

「その場の勢いで俺みたいな男とやってしまって、あなたが後悔してるだろうと思ったんだ。だから、あなたに謝らなきゃいけないと思って…」

「俺は、あんたの出勤前に朝食を作ってやろうと思ってたんだ。ちょうど冷蔵庫にはなんにもなかったから、コンビニまでひとっ走りしてたんだよ。帰ってきたらもぬけのカラで、驚いたったらないね」

「ご、ごめん。あなたが俺の顔を見たくないだろうと思って…」

 く、暗い…(笑)。
 ああ~、でもこんな2人のラブストーリー、優等生スキーとしてはもう堪らないモノがあるわけですよ。
 自己否定の優等生と、そんなネクラくんをぐいっと引っ張っていこうとする年下攻めという。

 さらに場面は進んで、ちゃんと恋人同士になった後の2人にも、こんな魅力的な場面が満載なんですね。

「も、もっと、もっとさわって…」

 なんて恥ずかしいことを言わされながら、思うさま、若月に可愛がってもらった和泉は(その素晴らしすぎる詳細なエロ場面はご自分で本書を買ってお楽しみください・笑)、終わったあとに、こんなことを聞いちゃうんです。

 若月が自分の中からいなくなっても、和泉は動けなかった。
 狂ったように彼が欲しいと思った感情と、感じすぎた感覚が相まって、まるで治まらないのだ。
 震えが止まらない身体に、そうっと若月が触れてきた。

「雅弘? ごめん、キツかった?」

 和泉はきつく目をつぶったまま首を振った。
 身体の全部が、性感帯になってしまったようだった。
 どこに触れられても、はしたないほどに感じてます。

 今までにも肉体関係を持った相手は何人かいたが、こんなことは初めてだった。
 これではまるで肉欲の塊だ。

 和泉は恥ずかしくて若月の顔が見られなかった。

「大丈夫?」

「う、うん、あの…」

「なに?」

「俺、ヘンじゃなかった…?」

 ぐああああああ!!!!!!!
 出た!!!
 好きな人に抱かれて悶えまくっちゃった優等生が聞く、「俺、ヘンじゃなかった…?」爆弾!
 これですよ、これ(笑)。
 好きな人の前で淫らな自分を見せちゃった恥ずかしさから、思わず聞いちゃうという。
 このモチーフはですね、ブログ主は遠野春日先生の歴史的大傑作『恋する僕たちの距離』で初めて目にして、そのあまりのいやらしさというか爆発するエロティシズムに腰を抜かした覚えがあります(ちなみに当ブログでのレビューはこちら)。
 『恋する僕たちの距離』でも、クラスで孤立するクールビューティーな優等生が、じつは大好きな同級生に初めて抱かれた翌朝、こんなセリフを口にするんです。

「僕があんまり…その、こういうことが好きだから、呆れる?」

 げへー(笑)。
 今回、和泉が若月に聞いた「俺、ヘンじゃなかった…?」というセリフを読んで、ブログ主の脳裏にはすぐさまこの遠野春日先生の小説の一節が思い浮かんだわけですが、淫らな自分を恥ずかしがっちゃう優等生というこのモチーフは、もう本当にブログ主は大好きでして、なんでもっともっと他の作家さんが描いてくださらないのだろうかと、毎日毎日悔しくて涙を流してます!!!(大げさ)
 でも、いい場面ですよねー(笑)。
 そこはかとない幸福感と、そして自分が嫌われたんじゃないかという疑いを拭いきれない、自己否定な優等生っぽさのアンビバレンツなせめぎ合いという。
 そして本作では、こんなことを聞かれた若月の返答がまたステキなものになっているんですが、これはご自分で本書を買って読んでいただくといたしましょう。

 さて、ここまで読んだみなさまは、これでようやく和泉も若月の気持ちを完全に信じられるようになったんじゃないかとお思いではないでしょうか。

 これが…。

 いやもう和泉のネクラっぷりは底なし沼に近いものがありまして(笑)、この後も何度も何度も何度も何度も和泉は「こんな僕のこと、若月は気まぐれで抱いてくれてるだけなんだ…」みたいな誤解をして、そのたびに騒動が巻き起こっていきます。

 和泉とのセックスを、若月は気に入ってくれているようだった。
 彼が興奮してくれて、快感を感じてくれればそれでいい。
 けれどいつか、若月がそれを必要としなくなる日がくるかもしれない。
 失いたくなかった。
 けれど、和泉はいつか彼を失う日のことを考えずにはいられなかった。


 和泉はずーっとこんなことを考えながら若月と付き合ってます。
 若月は、いつでもそんな和泉を優しく、時には怒りながら「なんで俺の気持ちがわからないんだ!」と抱きしめてくれるんですが、いやもう和泉のそのネクラっぷりというかわからないっぷりは異常(笑)。
 菊田一夫の『君の名は』ばりにですね(ネタが古くてすいません・笑)、主人公2人がすれ違うというか、読者をやきもきさせてくれます。
 こーゆーすれ違い型のやきもき小説って、著者が下手くそだと単に同じような場面を何度も読まされるだけで、しかも「なんでそんな簡単な誤解なんかするんだ!」みたいにいい加減怒りたくなってくることがあるじゃないですか。
 でも本作ではまったく心配ご無用!
 これがですね、もうわかりきってる展開なのに、身体の芯から読者の胸をギューギューに絞ってくれるんですよ、洸先生は。
 そのあたりが本当にお上手。
 そして、いい加減うざくなってきそうな、そんな和泉のネクラっぷりが、なぜか嫌みじゃないんですね。
 とても可愛い(笑)。
 読者は全身全霊で応援したくなってしまうんです、和泉のことを。
 この可愛い暗さこそが、本作の特色といえましょう。
 ホントに嫌みじゃないんですよね、この和泉の自己否定っぷりが。
 普通なら、うざくなるんですけどねぇ、こーゆーキャラって。
 
 あ、みなさんもうすうす感づいておられるかと思いますが、そんなわけで、本作はですね、折々に挟まれるエッチ場面も超充実してます(笑)。
 和泉が、「こんな俺なんか…!」と言って若月から離れようとするたびに、若月が和泉を抱きしめ、そのまま仲直りエッチ…というパターンなわけで、とってもハッピー。
 それから、今回のレビューでも触れませんでしたが、出てくる脇キャラがまた味があって充実してるんですわ~。
 和泉の同僚の川島!
 お前、ホントにいいヤツだよなぁ…。

 えー、とりとめがない上にまたもや長文のレビューになってしまってすいません…。
 でも、この作品に対するブログ主の愛だけは感じていただけたのではないかと…(笑)。
 優等生受けがお好きな方には自信をもってオススメする一冊です!!!!

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