ネクラで眼鏡でキモオタな優等生は“受け”るとイイよ!

委員長、地味な真面目くん、オタク少年…そんな“優等生受け”BLが大好きな腐男子のブログです~。

 

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[新刊レビュー]幼なじみに「好きになってほしい…」と願う、元可愛い系→成長してカッコイイ系になった生徒会長サマが主人公!! でも成長して可愛くなくなっちゃった自分の姿にコンプレックスを抱いて… かわい有美子『流星シロップ』


Category: レビュー 小説単行本   Tags: 特徴-高校生  受け-美人の優等生  受け-生徒会長・委員長  受け-成績優秀  特徴-幼馴染み  ●カ行-かわい有美子  
流星シロップ (クロスノベルス)流星シロップ (クロスノベルス)
(2009/06)
かわい 有美子

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 みなさま、こんにちは~。
 今日一日、タイ・パタヤビーチにて、完全にリゾート気分でリラックスしていたブログ主です(笑)。
 昼過ぎから、滞在しているホテルのプールサイドに設えられている長椅子に寝そべって、さんさんと日光を浴びていました。
 で、暑くなったらプールにどぼん。
 喉が渇いたら、ボーイさんを呼んでココナッツジュースを持ってきてもらいます。
 極楽…まさに極楽。
 その間、日光浴をしながら日本から大量に持ち込んだ文庫本を読みふけってました。
 もちろんBL本…ではありません。
 だって、南国の強い日差しの下で大切なBL本なんか読んだら、あっという間に退色しちゃいますからね!(笑)

 さて、寝そべっていると、まあ南国のことなので、周りをハエが飛び交います。
 これが結構しつこい。
 日本のハエと違って、ちょっと腕を動かしたぐらいじゃ逃げていかないんですね。
 しょうがないのでハエにたかられるままにしておいたのですが…気がついたら、足なんか5、6匹のハエが気持ちよさそうにとまってます。
 それを見て思いました。

 我、まさに腐男子なり! と。

 ハエに聞いてみたかった~、そんなに俺から腐臭が出ているか? と(笑)。

 そんなことを思いつつ本を読んでいると、横に座っていたタイ女性に、60歳がらみと思しき白人のおっちゃんがしきりに言い寄ってるんですね。
 30分以上、ずっと話しかけてます。
 女性はまったく相手にしていないかと見えたのですが…気がついたら、おっちゃんが女性の腰を抱きかかえてプールの中で超チチくりあっていたのでびっくり(笑)。
 おっちゃん、やるなぁ。
 てか、ほとんどプールの中でペッティング状態になってました(笑)。
 ブログ主もあんな勢いのあるおっさんになりたいものですな!(やや嘘)

 というわけで、今日は南国パタヤの地より、BL本のレビューをお送りしてみようと思います。

 ええ、じつは旅行カバンの隅に、2冊ほどBL本を忍ばせてきたのです(笑)。
 最近、ずーっとBL本のレビューを書く時間がなかったので、このパタヤでの休日を利用して1冊か2冊くらいは記事をアップできないかと。
 とにかくね、ブログ主本人が嫌なんです。
 このブログがBL本と関係のないブログ主のどーでもいい日常話だけで埋まっていくのが(笑)。
 そんなブログ、一円の価値もありませんですがなまんがな!
 これから夕ご飯を食べにパタヤの街に出る前に、まずは一冊だけでもレビューを挙げさせていただくといたしましょう~。

 はっ!
 もしかして、海外からBL本のレビューをアップするって、腐男子界(あるのか?)でも空前絶後史上初の快挙なのでしょうか!!!!!
 うーむ、なんという身に余る光栄…。
 って、ネットの記事を海外から書こうが日本から書こうが関係ないだろという気がしますが(笑)。
 それでは、窓の外に広がる青空と椰子の木(?)、笑いさざめくプールサイドの人々を打ち眺めつつ、今年のBL界最大の収穫のひとつといっても過言ではない一冊、かわい有美子先生の『流星シロップ』をご紹介いたしましょう!

 でも、いきなり話の腰を折るようですが、この本、あまりに素晴らしすぎて、こんな糞ブログのレビューを待たずとも、すでにみなさん読んでいらっしゃるのではないでしょうか?
 もう読んだ人、手ぇあげてー(見えない)。
 なんとなくたくさん手が上がった気もしますが、まだこの宝物のような一冊に出会っていない方もいると信じて、記事を書かせていただこうと思います。

 本書は、たしか今年頭か昨年後半に出た同じかわい有美子先生の傑作『空色スピカ』とシリーズ連作になってます。
 といっても心配ご無用。
 前作を読んでいなくても、別カップルの話なので、まっっっったく何の問題もなく物語世界にずっぽり浸れます。

 ブログ主が本作で大変気に入っている要素がいくつかあるのですが、まず、幼なじみものであることがひとつ。
 このブログで何度も書いていてうざくて申し訳ないのですが(笑)、ブログ主は基本的に甘甘べたべたが大好きなのです。
 なので、受けキャラに本当は他に好きな人がいて、でもいつの間にか攻めキャラの良さに気づいて…みたいな三角関係めいたお話や、ストーリーの最後まで受けキャラが「お前のことまだ好きなのかどうかわかんないけど、とりあえず一緒にいてやるから、それでいいだろ?」みたいな友情以上恋愛未満みたいなまどろっこしいお話は、絶対にノー! です(笑)。
 その点、幼なじみものはいいですよねぇぇえ(夢心地)。
 小さい頃に出会った二人がなんとなく意識しあって、思春期を迎えてそんな気持ちが大爆発。
 でもお互いちょっと素直になれなくて、でもいっしょにいたくてたまらなくて…みたいな、最初から好きあってる2人の微妙な気持ちの揺れが描かれたBLが、ブログ主は大好物なのです~。
 げへ。
 げへへへ(超ヨダレ)。
 本作の基本ストーリーはまさにこれ(↑)なのですよ。

 表層的なストーリーとしては、受けキャラが幼い頃、攻めキャラに大きな傷を負わせてしまい、それ以来、2人は一時疎遠になっていたけれど全寮制の中学校で再会して…みたいな、BLとしても少女マンガとしてもよくある設定なのですが、そういう外見的な装いは、言い切ってしまうと語弊がありますが、どうでもいいっちゃどうでもいいのです(笑)。
 そんな関係性に縛られつつ、攻めキャラである寡黙な高校生・衛守啓士(えもり・けいじ)と、幼い頃からまるで女の子みたいと言われつづけてきた美人な受けキャラ・峰秀一(みね・しゅういち)の2人が再会し、全寮制高校・清泉学院を舞台に微妙な感情を交差させつつ、幼い頃の気持ちそのままにお互いを求め合ってしまう過程が、そこから一点のぶれもなく描かれているんです。

 ええ、もうね、衛守の怪我とか、そーゆー外面的な設定はどうでもよくなっちゃいます(笑)。

 もう少し詳しく言いますと、思春期つったら、心も大人びてきつつ、でも肉体はぐんぐん成長して、それは恋心というものを単に幼いころの思慕の情といった程度のものから、生々しい欲望を伴ったものに変質させていくわけですよ。
 本作には、衛守&峰という主人カップル2人が、幼い頃からの純粋な恋心が成長して、どうしようもなく魅かれあっていきつつ、でも綺麗事では済まない生々しい肉体的な欲望にも直面して、まるで溺れるようにそこに堕ちてもいく様子が、たっぷり、まさにたっっっっっっっぷり描かれてます。
 他の余計なことは一切出てきません。

 さてここでみなさんにひとつ問いかけを…。

 そんな幼い頃からの恋心を抱きつつ、やがて自分の中に相手への生々しい性欲を見つけてしまい、その浅ましさを恥じてしまいながら、でもそんな淫らな自分をどうしようもない受けキャラといったら、さてみなさん、どんなキャラが一番似合うとお思いでしょうか。

 ええ、もちろん優等生です(笑)。 ※このブログは“優等生受け”推奨ブログですのであしからず

 本作の受けキャラ・峰秀一は、先ほど書いたとおり、小さい頃から、まるで女の子みたいと言われ続けてきた美人さんなキャラです。
 衛守と再会した中学時代には、まるで少女が男装しているようだと言われるほどの可愛いさで、無体な先輩に襲われそうになったりもしますが、ここでも衛守にピンチを救われ、九死に一生を得ます。
 でも、この頃までの、ストーリーでいえば本書のごく前半までの峰は、性格もどちらかといえば気弱げなところのある女の子めいたところの残っていた少年でしたが、ストーリーが本格的に展開する高校時代になると、峰はそんな自分と決別するかのように成長を遂げ、しっかり者の寮長、そして生徒会長へと成長していくのです。
 もちろん成績も優秀。
 周囲の寮生や先輩からの信頼を集め、しっかり者の美人な優等生として認められていきます。
 学院の重要な行事である学院祭の準備でも辣腕を発揮し、美しい顔でにっこり微笑みつつ、有無を言わさず周囲の人間を駆使して、祭りを成功に導いていったりするんです。

 はい!

 いいですか、ここからとっても重要です(笑)。
 先ほど、本書のいいところの第一は甘甘な幼なじみものであるところだと言いましたが、じつはもっともっと素晴らしい要素が本作にはあるんですよ~。
 もちろん“優等生受け”的な意味で(笑)。

 清泉学院で、幼なじみの衛守と再会し、またもやピンチを救われたりした峰は、寡黙ながら男らしい優しさがあふれるような性格を持つ衛守に、あらためて強く惹かれていくわけです。
 もちろんそれは衛守にとっても同じこと。
 幼い頃、女の子のように可愛かった峰を見て、一目で心を奪われていた衛守は、峰と再会した後も、寡黙さが仇になってその気持ちを決して表には見せませんが、輝くように成長して今では生徒会長として活躍するようにもなった美しい幼なじみのことを大事にしてやりたいと思い続けています。
 もちろん思春期の少年同士のことですから、なかなかお互いの気持ちをそうとは口に出せません。
 2人がくっつくまでにはかなりの紆余曲折があり、そこもものすごい勢いで読者の胸を揺さぶってくれるわけですが、えー、すいません、2人がどうやってくっつくかは、今回は完全にはしょらせていただきます。
 BL本のレビューがそれでいいのかという気もしますが(笑)、ブログ主としてはやはり本ブログならでは(?)の視点で本作の素晴らしさをご紹介したいのです!!!

 先ほど、主人公(受)の峰が、少女めいた気弱な少年から、今ではしっかり者の生徒会長として成長していったという話をしましたよね。
 じつは…。
 その間、峰はBLキャラ設定的な意味で大きな変貌を遂げるのです。

 成長するにつれ、峰はもちろん美貌の生徒会長ではありつつ、いつしか年相応の男らしさも備えて、周辺の女子校の生徒たちからは「清泉学院の王子様」と呼ばれるような、つまりは“少女が男装したような”可愛い男の子から、完全に「男子」として周囲から騒がれるようなカッコイイ高校生へと変貌を遂げていくんですよ。

 タオルで口許を拭う時に、目の前の鏡に何気なく目がいく。

 鏡の中からは、春休みを終えてまた身長が伸び、どこか大人びた顔立ちの自分がこちらを見ている。
 少し目許の甘い、よく整った王子様仕様の顔だった。
 くっきりとした二重の瞼はやや動きが重めで、単に爽やかばかりではない色香があり、わずかにくせのある柔らかい色味の髪によく合っている。

 しかし、細い鼻筋はもともとよく通っていたが、いつのまにか鼻梁は付け根から高くなり、目鼻立ちが以前よりもさらにはっきりと目立つ、少し骨張ったラインになった。
 口角の上がった唇は薄く、品よく柔らかそうだが、すでに女性的とは言いがたい。

 清泉入学時には平均に満たなかった身長も、中学二年の半ばあたりから急速に伸び、高等部に入って初めて行われた昨日の身体測定では、背丈はすでに百七十五となっていた。

 肩幅も体格も、気がつけばいつのまにか妙に骨張って、節々の長さが目立つようになってきている。
 タオルを持つ手なども、ずいぶん筋っぽく大きくなった。
 峰はその骨張った手を持ち上げ、顔の横で表、裏と返して、鏡に映してみる。
 やはり、どう見ても筋の目立つ若い男の手だった。
 しなやかで指も長いが、この手を見て女の子の手だと思う者はいないだろう。

 甘くやさしそうな基本の顔立ちは変わらないが、もう以前のように女の子と間違われることもない。
 かっこいい、王子様みたいだと騒がれ、何度となく他校の女の子から人づてにラブレターもどきの手紙をもらったりすることはあっても、数年前のように峰をお姫様のようだという人間はいない。


 控えめな文章ですが…。
 そうです。
 峰は、この成長してしまった自分の身体に、複雑な思いを抱くのです。
 すっかり“カッコイイ高校生”になってしまった自分なんかに、衛守は興味を持ってくれないのではないかと…。
 いいですか、外見的には才色兼備の生徒会長で全校生徒の信頼を一身に集め、学業も優秀、誰もが憧れる高校生活を送っている優等生が、内心ではそんな自分をコンプレックスに感じ、ぐじぐじ悩んじゃってるんです。
 ううううう、た、たまらんちん…(笑)。
 なんでしょうか、この美味しい設定は。

 「可愛くなくなってしまったこんな僕じゃ衛守に好きになってもらえない…」

 しかもこれ、BL的にはかなり冒険的な設定でもあるんですよね。
 古来、数々のBL作家たちが無数のBL本を描いてきてくださったわけですが、そこでは一貫して“女々しい”受けキャラというのは歓迎されてこなかったようにブログ主は感じます。
 もっと直接的にいえば、BLの受けキャラが「女の子みたいに可愛いままでいたい」と思うなんてことは、とくにBL発生初期においては、一種のタブーですらあったと思うんですよね。
 でも最近、同人界においても、受けキャラの女体化が一種のブームになってきていますが、そんな動きと軌を一にするように、本作では主人公(受)の峰は、女の子のようには可愛くなくなってしまった自分に強いコンプレックスを感じ続けるんです。
 しかも本作のその点で新しいところは、文章上の単語としても、繰り返し「女の子のような」とか「お姫様」とかいう言葉が使われ、それらのことに主人公(受)の峰が強いこだわりをもっていることが描かれるという点にあります。

 いやー、ぶっちゃけ言いますとですね、ブログ主はずっとこーゆーBLを待ってました(笑)。
 主人公(受)が「いつまでも女の子のようにありたい」と思い続けるというBLを。
 で、ぐじぐじ悩み続けるんです。
 こんな僕じゃ好きになってもらえない…って。
 その意味で本作はストライクど真ん中(笑)。
 完全にブログ主の欲望を充足してくれる一作なんですよ。

 で、ここが重要なんですが、この「女の子みたいに可愛いままでいたい」と願う主人公(受)の内心の密かな気持ちというのは、これが攻めキャラ唯ひとりにのみ向けられているということが重要だとお思うわけですよ。
 単に「(万人に向けて)女の子みたいでありたい」と思っているだけじゃ、それは「女の子になりたい男の子」のお話でしかないわけで、そうではなくて、本作の峰もそうですが、そんな女々しい自分からの脱皮を願い、実際に成長を遂げ変貌を遂げつつ、でも攻めキャラに対してだけは、せめて自分の容姿でだけでも彼の興味を惹けるようにと「可愛いままでいたい」と願ってしまうという、そんな気持ちであることがBLというファンタジー世界では重要だと思うわけです。
 現実世界にはそんな男子は絶対いないだろうと思うわけですが(笑)、だからこそBLはファンタジーなわけでして、BLにおける主人公(受)としてはそうであってほしいとブログ主は強~く思うわけですね!

 本作では、何度も何度もこんな峰の屈折した「衛守の前では可愛いままでいたい」という気持ちが描かれます。
 いやもうほんとにこれがたまらない描写の連続なんですが…。

 峰は、少しでも衛守といっしょにいたいと願い、剣道部の活動に励む衛守を迎えに、生徒会を終えると毎日、道場まで彼を迎えに行くんですね。
 すでにこのへんが「女の子のように可愛い」峰の魅力満開なわけですが――そしてそれをやってるのがあくまで「王子様」と言われてしまうようなカッコイイ生徒会長サマというところもお忘れなきように…――、峰は胴着を着替える衛守のたくましさをそっと見ては、まるで少女のように胸をときめかせます。

 衛守の額にも、まだうっすら汗が浮いている。
 外はすっかり暗くなって、雨のために少し気温が下がってきているのに、稽古を終えてしばらくしても、まだ汗が引かないらしい。
 峰は夏の制服の上にグレーのニットベストを着ていてもまだ肌寒いと思うのに、暑いのか、衛守は無造作に諸肌を脱ぎ、タオルで首筋や胸元に浮いた汗を拭う。
 峰の邪な視線になど、いっこうに気づいていない様子だった。

 それをいいことに峰は後ろのロッカーに身を預け、さりげないような顔で、見た目以上にしっかりと筋肉の乗った衛守の背中を、思う様、視姦する。

 中学の頃も体格はよかったが、あの頃と異なり、肩や胸回りに厚みが増し、骨格が完全に青年のものとなっている。
 浅黒い背中に浮いたしなやかで無駄のない筋肉は、衛守の動きに伴って綱をよりあわせたようにくっきりと浮き上がる。
 ボディビルダーのような不自然な盛り上がりを見せる筋肉ではなく、若々しく引き締まった、どこまでも実用的でストイックな印象のある身体つきだった。


 そして自分の姿を顧みてこんな思いを抱きます。

 衛守の身体もしっかりと大人びたが、峰もあれからずいぶんと身長が伸び、可愛いといわれる立場から、かっこいいと言われるまでにすっかり体格ができあがってしまった。
 もう、かつて衛守が背中に庇ってくれた時のような、華奢で少女めいた骨細な雰囲気には戻れない。
 あれほどあった身長差も、ずいぶん縮まってしまった。

 今も衛守の身体を、まるで飢えた獣のような目で眺めている。
 可愛いと思ってもらうことなど、とても無理なまでに育ってしまった。


 あうーーん(笑)。
 か、可愛すぎる!
 全校生徒から憧れられる美貌でカッコイイ生徒会長サマが、じつは内心こんなコンプレックスを抱いて、好きな男をあきらめきれずに見つめてるとは…。
 これに萌えずして、いったいどんなBLに萌えられるというのでありましょうか(笑)。
 優等生が抱え込む密かな屈折。
 衛守に可愛いと思ってもらいたいのに、それを許してくれない自分の身体。
 しかもこんな描写が何度も何度も出てきてくれるんです。
 ブラボー、かわい有美子先生!

 そして…。

 いま引用させていただいた部分で気づかれた方も多いと思いますが…。
 最初に書きましたとおり、本作は幼い頃に恋心を抱きあった2人が再会してゆっくりゆっくり気持ちを確かめ合う幼なじみものBLであるわけですが、時はまさに思春期。
 そこには肉体的な欲望が濃厚に染み出てくるわけです。
 本作では、主人公(受)の峰が、己の中の浅ましい欲望にずっと苦しむストーリーになってるんですよ。
 今の場面でも、峰は完全に衛守のことを一人の男として見つめ、必死で自分の中の欲望を抑えつけようとしているわけです。
 さあ、もう一度思い出しましょう。
 衛守に「こんな自分でも可愛いと思ってほしい…」と必死ですがりつき、抱いてほしい…という気持ちを密かに募らせるこの峰秀一という受けキャラがどーゆー属性のキャラであったかということを。

 もちろん…。

 全校生徒憧れの生徒会長サマ、つまりは優等生サマなのであります~!!!(笑) ←超歓喜

 はうー。
 外から見れば、性欲なんかまったく縁のなさそうな成績優秀な生徒会長サマが、じつは好きな男にそんな後ろ暗い欲望を抱き、それを必死に隠しているとは…。
 なんという美味しい設定!!!(笑)

 そして本作の後半は、衛守の前で、このまるで媚態としか言いようのない淫らな、でもどこか清純な欲望をさらけ出す峰と、それをしっかりと受け止めてやる衛守との、まさに思春期の高校生同士としかいいようのない、肉体で恋心を確かめ合っちゃう2人の姿がえんえん描かれていくんですな!

 重要なのは、峰がそんな自分をつねに恥ずかしがって、衛守にさまざまなセリフで許しを請うてしまうところです。

「ケイ、嫌いにならないで…」
「イヤらしいヤツだって、思わないでね…」


 えー、このセリフ、峰がどんなことを衛守にしたあとで口にしたのかは、ぜひご自分で本書を購入して、その目で確かめてくださいまし(笑)。
 エッチの最中も、峰はずっと「衛守に可愛いと思ってほしい」とでもいうかのように、こんなけなげというかエロ可愛い受けキャラで居続けてくれてます。
 衛守に愛されて乱れまくる自分を恥じつつ、必死で言いつのるんですよ。

「やだ、嫌いにならないで…」

 初めての経験なのに、いきなりこんな好色さを見せたら引かれただろうと、峰は半ばパニックを起こして泣き声をあげる。

「嫌いになんかならない」

「…だって…」

 おかしい…、と峰は泣きながら喘ぐ。

「おまえ、俺でこんなになったんっだろう?」

 うんと峰は涙混じりに頷く。

(略)

「嫌いにならない…」

 大丈夫だ、衛守の声がささやいてくれる。
 受け止めてくれる。

「ケイ、好きっ…、好きだから…ッ」

「知ってる…、ちゃんと知ってる…」

 答える衛守の低い声も、快感に濡れて、ぞくっとするほどに色めいている。

「可愛いから、シュウ、ちゃんと可愛い…」


 うひゃー、甘っ!(笑)
 これですね、“衛守のために可愛くありたい”という生徒会長サマ・峰のこんなけなげな気持ちを、今ご紹介した場面のように衛守がきっちり受け止めて、「ちゃんと可愛い」なんて許しを与えちゃうところがまたイイんですよね。
 ええ、学校では王子様なんて呼ばれてる美貌の生徒会長さまが、衛守に対してだけは、完全に一人の可愛い生き物になっちゃってます。
 この落差よ!!!!!!!
 重ね重ね申しますが、ブログ主はかねてBLではなかなかなかった、本作の峰のような“女々しい”受けキャラが、しかも外見的にはしっかり者の優等生キャラであるというこの落差に、本作の何よりの魅力があると、勝手ながら言い切らせていただきます(笑)。

 おっと、お嬢さん、まだ話は終わっちゃいませんよ(笑)。
 じつはブログ主は、そんな本作の魅力の神髄は、2人がくっついたさらにその後、ページでいうと最後の最後で出てくる“ある場面”だと思っているのです。
 でも、この場面はみなさんの目で楽しみに確かめていただきたいので、ここではいっさいご紹介しません。
 場所だけ書いておくと…。
 240ページめの1行目から約10行ほどに渡る一連の段落がそれです(笑)。
 衛守にだけは可愛いと思われたい…。
 そう思い続けてきた主人公(受)・峰と、それをちゃんと受け止めて、思いっきり峰のことを大切にしてくれちゃう最高の攻めキャラ・衛守のそんな関係性が、この場面に凝縮されてます。
 何度も書きますが、BLで絶えてこんな場面はありませんでした。
 ここでの峰と衛守のセリフのやりとり…。
 ブログ主は、これだけでご飯を100杯でも200杯でもおかわりできます。
 それほど、ブログ主の好みに直球ど真ん中の場面でして、こんなに可愛い受けキャラ優等生と、この儚き現世で出会えたことを、これから伊勢神宮にでもお参りして感謝してきたいぐらいです(笑)。
 一言だけ重要なキーワードを書いておくと…。

「お姫様だっこ」

 これです(笑)。
 うーん、この場面は、ブログ主がこれまで呼んできた数千冊のBL本の中でも、間違いなくトップ5に入る名場面ですよ。
 いや、あくまで個人的な基準に基づいているので、万人にそうかといわれるとちょっと困りますが(笑)。

 さあ、ブログ主のように海外にでもいるというのならば話は別ですが、そうでない方はすぐに本屋さんに向かおうではありませんか!
 絶対のオススメ!
 ちなみに、本書の前編にあたる『空色スピカ』も、受けキャラが生徒会長設定の一作で、じつは本ブログでもレビューを書きたかったのですが、どうにも時間がなくその機会がありませんでした。
 じつはこちらも“優等生受け”的にオススメなのです。
 2冊!
 宝の山がそこに2冊も眠っているのに、これをみすみす見逃す手はありません。
 ぜひ読んで、感想を教えてください~。
 そしてともに語り合おうではありませんか~(笑)。

 ごちそうさまでした!!!

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Comments

読みました! 
ちーけんさん、こんにちは!

読みましたよ!「流星シロップ」!
てか、「これはちーけんさん大好物だろうな~」と思いながら読んでました(笑

そうそう、受が「可愛くなくなっていく自分」を気に病んでたり、お姫様みたいだった頃を懐かしく思うなんていうのはなかなか無い設定ですよねv

だいたい、「カワイイカワイイ」っていう声に、「俺はかわいくなんかねーよ!」とか反応するのがありがちなパターンですし。

個人的には、ほかの生徒会役員に「身長181センチ」といわれて、「そんなにデカくない!」と必死に反論する峰くんがツボでした(^^* まぁなんていじらしい・・・

かわいさんは同人誌の「小夜啼鳥の啼く夜は」がすごくよかったので読み始めたのですが、人の人に対する執着とか、コンプレックスとかを描くのがとてもお上手ですよね。

次の新刊も楽しみです~☆
 

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