ネクラで眼鏡でキモオタな優等生は“受け”るとイイよ!

委員長、地味な真面目くん、オタク少年…そんな“優等生受け”BLが大好きな腐男子のブログです~。

 

[新刊レビュー]「喧嘩上等」で「大人なんか手玉に取れる」と思いこんでた“あばずれ”少年が味わわされる最大の屈辱…今日は“不良受け”をレビューしまーす! 中原一也『あばずれ』


Category: レビュー 小説単行本   Tags: 受け-不良  特徴-高校生  ●ナ行-中原一也  
あばずれ (ビーボーイノベルズ)あばずれ (ビーボーイノベルズ)
(2009/05)
中原 一也

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 みなさん、こんばんは!


 昨日は記事をアップした後に、記事に書いた「とらのあな」ではなく別の某腐向け書店でお買い物をしました。
 で、BL本でパンパンに膨らんだカバンとともに、40時間近い勤務の果て、ようやく帰路に就こうとしたのですが…。
 ――なんと納品したものにミスがあり、そこから会社に戻るハメになりました(号泣)。
 ミス自体は些細なものでしたが、解放されたのは夕方の5時過ぎ。
 家に着いた途端、即寝ましたが、身体が疲れすぎててなかなか寝れません(笑)。
 なかなか深く眠れず、今日の朝3時に完全に目がさえてしまいましたが、いやー、疲れが抜けきらないままの起床なので、全身がだるいだるい。
 そこから2週間ぶりの家の大掃除を始め、掃除機を全室にかけ、洗濯もやり、終わったところで近くのカフェに飯を食いにいきました。
 帰ってきたところで、ようやく眠気に襲われ就寝。
 夕方に起きました。
 最近、年の話ばかりしてる気がしますが(笑)、徹夜すると疲れが抜けないんですぅ。
 もう明日からはまた出勤か…。
 がくっ。

 しかもさっき、オリジン弁当に「ホイコーロー弁当」を買いに行ったところ、「188番のお客様~」の声とともに出てきたのが「豚トロ弁当」…。
 もうガックリ。
 夜のお客殺到時で店員さんも悪気ないし感じのいい人だったから、「もういいや」と思って「今日は豚トロ弁当喰ってみるか」とそのまま帰宅しましたが、ううう、油っこい…(笑)。
 すげーな、豚トロ!
 もう年で胃が…(以下略

 正直なところですね、もう全身がだるくてレビューを書く気持ちにもなかなかならないんですが(笑)、今日を逃すとまた当分書けないので、死力を尽くして書かせていただきます…!!!!
 うおー!
 やるぞー!
 しかし疲れが抜けないんじゃー!

 で、本日ご紹介させていただこうと思うのは、中原一也先生の最新刊『あばずれ』です。
 お読みになった方はご存じかと思いますが、これ全く“優等生受け”じゃありません(笑)。
 受けキャラは、生傷の絶えない元・暴れん坊の惣流陸(そうりゅう・りく)、19歳です。
 高校時代は喧嘩々々で街中を暴れ回り、板金工場で元気に働く今でも、喧嘩をふっかけられればもちろん買いますし、もっと悪いことだってやっちゃってます。
 見かけだけは薄幸の美少年に見えるその外見を活かし(?)、寄ってくる男を手玉にとっては、金を巻き上げちゃうのです。
 もちろん、暴力で言うことを聞かせようとしてくるようなアホだけに相手は絞っていて、自分から進んでそんなことをしてるわけではありませんが…。
 というのも、陸の家はぐうたら親父のせいでド貧乏なのです。
 しかも子だくさん。
 陸は弟たちの面倒を見ないといけないのです。
 したたかで大人なんか信用していない陸は、利用できる“機会”は全部利用しているだけなのです。
 外見だけはか弱そうな美少年だけど、正体は暴れん坊でしたたか…。
 それが、本作の主人公(受)・惣流陸という少年なのでした。

 ――というわけで、全然“優等生受け”じゃないわけです(笑)。
 でも、本ブログで何度か書かせていただいたとおり、ブログ主の持論としては、“不良受け”と“優等生受け”というのは、根底に流れる精神としてはまったく同じものなのですよ~。
 それについては、こちらの記事をご覧いただくとして、一言でいえば、どちらも「自分が一番強い(=偉い)と思いこんでる傲慢な主人公(受)が、自分よりももっとすごい男と出会って鼻っ柱を散々に折られる屈辱にまみれつつ、どうしてもその男に惹かれてしまう自分を抑えられない…というストーリーの構造を持っているところで同一なんですな、この2つは!
 今日ご紹介する『あばずれ』はまさにそんな一作なのです。
 毎回毎回同じような“優等生受けマンセー!”な記事ばかりではさすがにアレかなとも思いまして(笑)、今日はちょっと目先を変えてそんな“不良受け”の皮をかぶった“優等生受け”な一作をご紹介してみようと思います~。

 主人公(受)・陸は、いつものことなのですが、顔に生傷が絶えません。
 街での喧嘩でつけられるものもありますが、じつはこれは父親との喧嘩でいつもできてしまうものなのでした。
 父親はぐーたらでロクに働きもせずに過ごすゴクツブシなんですが、とっても器が大きくて、豪快なオッサンなんですね。
 しかも、全部で8人姉弟という陸の家族ですが、母親は全部で4人(笑)。
 父親が外で作った子供もどんどん合体してきて、今ではこんな大家族になってしまってるんですね。
 なのに、ロクに稼ぎもせずに「がっはっは!」なんて家でナイターを身ながら笑ってる父親のことがどうにも我慢ならなくて、陸は仕事を終えて家に帰ると、父親と派手な喧嘩を毎晩してしまうのでした。
 これはもう一家の日常風景。
 幼い弟たちは、「にーちゃんガンバレ!」「父ちゃん負けるな~」と声援を送るほどで(笑)、まあ一種のじゃれ合いみたいなものなんですね(本人たちは思いっきり本気で殴り合ってますが・笑)。
 で、外では喧嘩上等の陸も、この親父の強さには今でも歯が立ちません。
 おかげで、顔にはいつも生傷が絶えないというわけなのです。

 そんな陸と、攻めキャラである若手ヤリ手弁護士の上月要(こうづき・かなめ)は、通勤電車の中で出会います。
 顔に眼帯と包帯を巻いた陸の姿を気にしている要の視線を、陸がキャッチしたのです。

 陸を見ていたのは、二ヶ月ほど前から時々この電車に乗り合わせるスーツ姿の男だった。
 ジロジロ見るのは失礼だと思ったのか、男はすぐに陸から視線を逸らしたが、まだこちらを気にしているのはわかる。

 年齢は二十七、八といったところだろう。

 しっかりとした躰は自己管理ができる者のスタイルを保っており、努力だけではどうにもできない長身という立派な肉体を持っていた。
 外見には自信のある陸だが、男は陸とは異なるタイプの恵まれた容姿の持ち主だ。

 目鼻立ちははっきりとしているが、くどさはなく、品がある。
 白いタイツを履かせて踊らせたら、きっと似合うだろう。

 こんな男が、電車に乗っているのが不思議なくらいだ。

 しかも、全体から育ちのよさが滲み出ていて、中身が空っぽで外見ばかりを飾り立てるような連中とはわけが違う。
 このところ、車内の視線があの男に集中しているのも、全身から醸しだされる雰囲気が一般人のそれとは違うからだろう。

 だが、そんなことはどうでもいい。

 陸は男がもう一度自分を見るのを待ち、視線が合うなりすぐに逸らした。
 いかにも何か事情を抱えているというような外見とその態度で、男の興味がいっそう増したのがわかる。

 これは確信だ。

(貢がせてやるから、食いつけよ…)

 悪いヤツですね~、陸は(笑)。
 傷だらけの自分を心配そうに見つめる“デキる男”を引っかけて、金を巻き上げようとしていますよ。
 陸の論理では、こんな手合いは、みんな自分の美少年ふうの外見に引きよせられた下心でいっぱいのヤツなので、どう料理しても構わないというわけなんですね(笑)。
 高校時代、喧嘩に明け暮れて普通の高校生じゃ体験できないような生活を送ってきた陸は、すっかり大人をというか、自分の回りの人間をナメてます。
 自分の思うように動かしてやるよ、とでもいうよーな。
 こうして陸は、心配して「大丈夫かい?」と声をかけてきた要に、「父親に殴られて…」という(嘘じゃありませんが・笑)かよわいDV被害者を演じた嘘を並べて同情を買うことに成功したのでした。

「心配しなくていいよ。僕が力になるから。こんなに傷だらけになって、可哀想に」

 こんな風に心配してくる要の相手をしながら、陸はこんなことを心の中で思います。

(本当の苦労なんて知らないくせに)

 どう見ても育ちのよさそうな苦労知らずのボンボンに見える弁護士センセーのことを、心底バカにしてるんですね!
 ――ええ、この辺がみんな後半への重要な伏線になってますから、どーぞみなさまお楽しみに(笑)。
 ま、陸がこんな反応をするのも当然といえば当然なんですが…。
 これまで、同じように寄ってきた男たちは、みんな最後は陸のカラダが目当てだったんですね。

(どうせお前も、あいつらと同じなんだろ…?)

 そんな思いを抱きつつ、この優しげな男からどうやって金をふんだくろうか、陸は思いをめぐらします。
 でも、何度会っても、要は心から陸のことを心配してくるばかりで、下心など何も見せません。
 いったい何が狙いで、要は自分のことなんか手助けしようとしているのかと、陸は警戒するのですが…。

 はい~!
 だいたい本作の基本ストーリーが見えてきたのではないでしょーか!
 何の代償も求めずに陸のことを心配してくる優しげな要と、その狙いがわからなくて困惑する(外見だけ)美少年・陸。
 陸は、世間知らずそうな要のことを、うまくコントロールしていると思いこんでます。
 ええ、ぶっちゃけ言ってしまいましょうか…。
 こんな高慢ちきな主人公(受)・陸くんが屈辱にまみれるのは、もうすぐそこです~~(笑)。

 じつは、本当にひょんなことから、陸の嘘はすべてバレてしまうのでした。
 詳細はなかなか面白いので(ここで登場してくる脇キャラがなかなか味わい深い・笑)、ぜひ本作を読んでみていただきたいですが、陸がか弱い薄幸の美少年などではなく、単なる暴れん坊で要からも金をせびり取ろうとしていたことが露見してしまうんですね。
 ところが、絶対に激怒すると思った要は、まったく態度を変えません。
 そんな要に不審を抱きつつ、すべてがバレた席で、陸はふてぶてしく要に言います。

「な、あんた俺になんか言うことねぇの?」

 さっきからいつもと同じ態度で接してくる上月に、陸はわざと横柄な態度を取った。

 咥えタバコにふて腐れた態度。
 椅子に浅く座り、背もたれに背中を預けて横着に座っている。
 半分、当てつけでもあった。

 いつまでも、幻想を見てもらっては困る。

「今までの俺は全部嘘。DVとか言ってたけど、クソ親父とよく殴りあいするからだよ」

「そうだったのか」

「そーいうことだからさ。俺、もうあんたとは会わない。会いたくもねーだろうけど」

 タバコを灰皿に押しつけて立ち上がるが、上月はテーブルに置いた陸の手に自分の手を重ねるようにして握ってくる。
 ぎょっとして見下ろすと、真剣な眼差しを注がれているのに気づく。

 目線の位置がいつもと逆だが、やはり上月はいつ見ても整った顔をしていた。

「どうしてだい? 僕はこれからも会いたいな」

「俺の正体わかっただろ? あんたがイメージしてる、手を差しのべたくなるような薄幸のDV被害者じゃねーの。好き勝手想像すんのは自由だけど、ただのあばずれだよ」

「あばずれ、ね…」

 クス、と笑う上月に、馬鹿にされた気がした。
 まるで、子供のたわごとでも聞いたような顔をしている。

「何笑ってんだよ」

「ごめん。あばずれって言うほど、世間ズレしてるのかなって思ってさ」

「んだと?」

 挑戦的に言ったが、上月は怯むどころかおもむろに立ち上がって陸に躰を密着させてから耳元で囁く。

「君は、本当に世間ズレなんてしてるのかい?」

 ハッとなって顔を上げたが、それがいけなかった。
 かなり近い位置から、上月が自分を見下ろしている。
 このまま抱きしめられるのではと思い、ゴク、と無意識に喉を上下させた。

「僕も白状するよ。一目惚れなんだ」

 周りに聞こえないように極力声を抑え、囁くように自分の気持ちを口にする上月は、やたらとエロティックだった。
 注がれる熱い視線は、言葉で「好きだ」と言われるより雄弁に陸に対する好意を語っている。
 目を逸らしたくても、できない。

 このまま、唇を奪われるのではないかとすら思った。

「最初は傷だらけの君に興味が湧いた。どうしていつも傷だらけなんだろうって。守ってやりたいって思った。でも今は違う。君みたいな人は、初めてだ。また会えるかな?」

 さあ、ここからは要のターン!(笑)
 優し「そう」で世間知らず「そう」に見えた、ボンボン弁護士の「はず」の要が、陸の前でどんどん本性を現していきますよ!

「僕をたらし込んで金を巻き上げたいなら、そうすればいい。僕は君を口説いて落とすから。今度、僕とデートしてくれるかい?」

 最後、そうまで言われて、これまで手玉に取っていたはずの相手に主導権を握られてなるものかと、陸は勢いで「デート」を承諾してしまうんです。
 ここからの展開は、正直とても面白いです。
 ブログ主は、ラブ→エロの即展開を求める、余裕がないタイプのBL読者なので、こーゆー恋の進行を描くようなぬるいデートの場面とか、ふだんは「あー、たるい」と思いながら読むんですが(笑)、本作のこの部分は非常に楽しめました。
 意外な展開で。
 しかも、要という男の器のでかさや抜け目のなさが、他愛のないデート場面の中でしっかりと描かれ、これまでは陸→要だった上下関係が、いつの間にか逆転していくようすが如実にわかるんですね。
 そして、気がついたときには、陸はなぜか要の実家(大豪邸)のヒノキ風呂にいっしょ浸かり、浴衣姿で要に抱きしめられ、傍若無人なキスを与えられていたのでした。
 ――要、手ぇ早っ!(笑)

 ようやく唇が触れた時には、自ら唇を開いて舌の侵入を許していた。

「ぁ…ん、…んっ」

 上月のキスは、思ったより乱暴だった。
 傍若無人に口内をなめ回し、唇を噛み、舌を強く吸う。
 痛いくらい、乱暴な愛撫だ。

 どうして自分がおとなしく上月なんかとキスを交わしているのか、わからなかった。
 こんな奴、好きじゃないのに…、と思うが、その思いに行動が伴わない。
 自分の中に、上月を求めるもう一人の自分が、確かにいる。

 こうして、上月の“侵入”を許してしまった陸は、あっという間に要に翻弄されます。
 で…。
 本作は、ここからのエロ場面が出色のデキなんですね…(ため息)。
 ブログ主は、もちろんストーリーの面白さにもやられましたが、本作のエロ場面の筆致には心の底からやられました(笑)。
 単純に性描写が激しいとかそういうことではありません。
 「自分こそが偉い」と思いこんでる傲慢な受けキャラが、圧倒的な力の差を自覚させられた男の手で陥落していくその姿を描く中原一也先生の筆が素晴らしすぎるのですよ!
 ほんのごく一部だけご紹介させていただきましょう…。

 まずは、好きじゃないはずの上月に“支配”されてしまっている自分を自覚させられ、陸が屈辱を感じる場面!

「はぁ…っ、…あぁ」

 整わない陸の吐息が、静まりかえった部屋の空気を揺らしていた。
 離れの静けさのせいか、吐息がやけに耳につく。

(嘘、だろ…)

 今、陸は畳の上にうつ伏せにされ、膝をぴったりと閉じた状態で太腿の間に上月の猛りを挟まされていた。
 両肩を畳に押しつけたような格好で、完全に組み敷かれてしまっている。
 右手首を押さえられているが、動かそうとしてもビクともせず、力の差を見せつけられた気になった。

 殴り合いなら負けないのに、なぜこんなことになってしまったのか――。

 素股なんて、女にしてもらったことはあっても、男にしてやったことはない。
 あそこに上月の太さを感じながら、自分も獣のように行きを挙げているのが、不思議だった。

(なん、で…)

 上月はゆっくりと腰を前後に動かし、陸の身体を揺すっていた。
 セックスをしているのと同じだ。
 挿入されていないだけで、身も心もこの男の下に組み敷かれ、支配されている。

 さあ、そして覚醒した(笑)要が、どんどん意地の悪いことを突きつけてきます。

「陸、入れたい」

 うなじに噛みつかれて、小さく悲鳴をあげる。
 痛みに、肌が応えていた。
 先ほど、上月を求めていたもう一人の自分は、今度はもっと噛んでくれと、痛みを欲しがっている。

 こんな被虐的な嗜好があったなんて…、と戸惑わずにはいられなかった。

 信じられない。

「でも、挿れないよ。…君が自分から挿れて欲しいって言うまで、挿れない」

「じゃあ、…っ、一生、無理、…だ」

「挿れて欲しくなったら、ちゃんと言うんだよ」

 さあ!
 そしてブログ主がやられたのがこの部分!
 喧嘩上等で腕っ節には自信があり、これまでも自分の身は自分で守ってきた暴れん坊の陸が、屈辱にまみれ泣きたい気持ちの中で、ついに“ある自分”を自覚するシーンです。
 あれほどこだわってきた「男である自分」を捨てさせられる場面です。
 きゃっ!(赤面)

「陸」

 はだけかけた浴衣の合わせから手を差し入れられたかと思うと、胸の突起を指で探られた。

「んぁ…っ!」

「勃ってるね。感じちゃった?」

 陸は恥ずかしさのあまり唇を噛んだ。
 敏感になった躰は、上月の思うままに反応してみせる。
 そんなところが感じるなんて、信じられない。

(中略)

「…やめ、…っ、や…めろ、って…。――頼む、よ…」

 勘弁してくれ…、と懇願するが、まったく聞き入れてくれない。
 こんなのは自分じゃない。
 よがって、泣いて、欲しがるなんて、男じゃない。
 何度そう自分を叱咤しただろうか。
 しかし、いくらそうしたところで、自分の深いところで眠っていた女が上月を求めて目覚めていくのを、どうすることもできない。

 ふうぅぅうううううううう。
 思わず大きなため息が出てしまいます(笑)。
 息するのも忘れて文章に没頭しちゃうせいで。
 要のことなんて手玉に取っていたはずの陸は、あろうことか、自分が一番こだわっていたはずの「男である自分」まで、要の手で捨てさせられてしまうんですね!
 「自分の深いところで眠っていた女が上月を求めて目覚めていく」――そんな自分を自覚させられる陸は、どんなに悔しくも屈辱だったでしょうねぇぇぇえ。
 いや、想像すると唾液が28リットルも噴出してどうにも止まりませんよ!(笑)
 そしてまた刮目すべきは、この「自分の中の女が目覚める」という直接的な文章表現です。
 もちろんこれまでBL小説の中でこの種の表現が皆無だったわけではありませんが、そうポピュラーだったわけでもありませんでした。
 これまでの日本BL界の中では、受けキャラはいくら可愛かろうと可憐だろうとあくまで「男の子」であって、決して女の子であってはいけないというのが暗黙にして絶対のルールだったわけですから。
 それが本作ではあからさまに「自分の中の女が目覚める」というふうに表現されているんですねぇ。
 これは…新しい!

 ブログ主は正直にいえば、中原一也先生のそう熱心な読者でもないんですが、時々気になる作品があり、ちょぼちょぼ買わせていただいてはおりました。
 本作の前に買ったのが、シャレード文庫から今年の1月に出た「水底に揺れる恋」。
 田舎町で育ち、惹かれあう幼馴染み同士が、ある誤解から高校卒業とともに進路を分かち、方や地元で漁師に、方や都会に進学して警察官にという別々の道を歩みます。
 そんな2人が、10年ぶりに故郷で再会し――というストーリーでしたが、この作品でも、中原一也先生は、この「自分の中の女」に恐れおののく受けキャラというテーマを扱われています。
 つーか、文庫の裏表紙に書かれている「あらすじ」でこんな風にストーリーが紹介されてるんですね。

「誰よりも男らしくあることに拘る高田は、自分の中に潜む女を認められず必死に目を背けるのだが…」

水底に揺れる恋 (二見シャレード文庫)水底に揺れる恋 (二見シャレード文庫)
(2009/01/23)
中原 一也

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 この『水底に揺れる恋』でも、結局はそんな自分を屈辱とともに受け入れさせられる受けキャラの姿が描かれているわけですが、本作の陸は、もともとのキャラ設定が「喧嘩上等」で「大人なんかいくらでも操れる」と思っている生意気な美少年という設定なので、受けキャラのそんな屈辱がより鮮明に浮かび上がってくるんですね!!!
 いやー、萌えましたわ~(笑)。
 で、この「自分の中の女」に戦(おのの)く陸というモチーフは、本作『あばずれ』の中で、何度も、そのものズバリの「女」という言葉を使って描かれるんですね。
 ブログ主的には、それこそが本作の一番先鋭的なところであり、読みどころだと勝手に思ってます(笑)。
 何度も何度も「女のように」なってしまう自分を嫌悪する陸の姿が出てくるんです…。
 でも、最後は上月の前で恥ずかしい姿を見せて抱かれてしまう陸。

 うぎゃぁああああああああああああああ!
 このギャップ!!!!!!!
 たまらんばい! イカンばい!!!!
 な、なんというエロス(笑)。
 これは必見だと思います。
 ぜひ、お手にとって読んでみていただきたい…!

 ――って、なんだかずいぶんブログ主の個人的な変態性を吐露してしまったようですいません(笑)。
 でも萌えちゃうんだからしょうがないよなぁああああ。
 うん。
 「萌えは正義」って言葉の意味が、ようやくわかりました(笑)。
 変態ついでにさらにいえば、ブログ主が唯一本作に不満なのは、「女みたいになっちゃう」陸が、それでも最後まで男の子っぽく振る舞おうとして、上月の激しい攻撃(笑)に「やめろっ!」とか「いいかげんにしろ!」とか返してるところですね!
 ここは…。
 もう上月にぐずぐずにされてワケがわからなくなっちゃって、「やめてっ!」とか「も、もうダメっ」とかちょっと女の子っぽい感じのセリフを吐かせていただきたかった…!!!(吐血)
 えー、すいません、完全に個人の好みでモノを話してまして(笑)。
 あれほど「漢」と書いて「おとこ」と読む的精神に拘っていた陸が、最後そこまで堕ちちゃったら最高だったんですけどねぇぇええ!
 …すいません、みなさん引かないでください(笑)。

 ま、かようにですね、BL作家さんというのは2つのタイプがあって、受けキャラが最後ぐずぐずになっちゃうタイプの受けしか書かない方か、あくまで男らしいままというのしか書かない方か、すっぱりと分かれるようにブログ主は思います。
 中原一也先生は、間違いなく後者なんですね~。
 前作の『水底に揺れる恋』も、そんな一作でした。
 反対に、五百香ノエル先生なんか、受けキャラが人格崩壊かってほど徹底的に女の子っぽくなっちゃいますし、これは人さまざまなのでありましょう。

 ――というわけで、極めて“優等生受け”と近似した構造を持つ“不良受け”たる本作『あばずれ』の素晴らしさをご理解いただけましたでしょうか。
 自分こそがこの学校の成績ナンバーワンと思いこんでいた高慢優等生クンが、転校してきたスーパー高校生(or不良でも何でも可)に敗れ、ぐずぐずにエロいことされちゃうというのと、基本的に同じストーリー構造を持っているわけですよ、“不良受け”というのは!
 うふ。
 というわけで今後は本ブログも宗旨替えをしまして、“優等生受け”ブログをやめて、タイトルも、

『強気で眉ナシでイケメンな不良は“受け”るとイイよ!』

 というふうに変更し、立派な“不良受け”ブログとして再出発させていただこうと思います!(嘘)

 …それはそれで面白そうですけどね(笑)。

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Comments

 
ちーけんさんに煽られて、不良少年受けに目覚めるべくこちらの本を購入して参りました!
「自分の中の女」という表現は確かに新しいですね!
女の子みたいな受けは好みじゃないのですが、この受け少年は、本当に言動が男っぽいので(正直”美少年”な外見が想像出来ない程)、「女」の部分を持っているという描写でも女々しい感じはせず、楽しめました!
しかし、やはりちーけんさんと同様、おねだりv-238は「やめて」とか「もうやだ(涙目)」とかの方が萌えるなーと思います♪
 

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