ネクラで眼鏡でキモオタな優等生は“受け”るとイイよ!

委員長、地味な真面目くん、オタク少年…そんな“優等生受け”BLが大好きな腐男子のブログです~。

 

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[レビュー]ダメ大学生×生意気な優等生…さとうかずこ『秘密色の空』


Category: レビュー コミックス   Tags: 受け-ガリ勉  特徴-小学生  特徴-年齢差  受け-眼鏡  ●サ行-さとうかずこ  
秘密色の空秘密色の空
(1995/09)
さとう かずこ

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 紹介してきた本が、気が付いたらみんな高校生の話ばかりになってました。
 せっかくなので、そろそろ中学生ものをご紹介したいと思います。

 さとうかずこ先生の『秘密色の空』(GUSTコミックス)です。
 出版元の桜桃書房も今はなくなってしまいました。
 よく考えたら、草創期のBL界の二大名門企業(?)、ビブロスと桜桃書房のどちらも倒産してしまったんですね。
 ビブロスの『BE×BOY』はリブレ出版がそのまま引き継ぎましたが、桜桃書房が出していた『GUST』や『エクリプス』は、倒産時にブランドも消滅してしまいました。
 現在は、他社から『GUSH』『リンクス』と名前を変えて出ていますね。

 そんな初期のBL商業誌界の雄『GUST』(当時は隔月刊)に掲載されたのが、『秘密色の空』です。
 コミックスの奥付を見ると、95年の1月号と3月号に前後編として掲載されたようです。
 毎月買っていた『GUST』でこのマンガを初めて読んだ時には、ほんっっっっっとにあのころは優等生受けや眼鏡受けなんてものがほとんどなかった時代でしたので、そりゃもう嬉しかったものです。
 ドキドキしたなぁ。

 さとうかずこさんは、もともと好きな作家でした。
 たしか白夜書房からその2~3年前に出されていた『アメリカの少年』というBL短編集を読んで、大好きになりました。
 初めて絵を見たときには、「う~む、いかにも光GENJIの同人誌出していたようなかんじの絵だなぁ」と思ったことを覚えています(本当に出されてたかどうかは知りません…)。

 『秘密色の空』の主人公は、大学4年生の鬼原徹雄(きはら・てつお)。
 名前もいかついですが、なんと言っても顔が怖い(といってもBLマンガなので、作中のルックスはブサではありません(笑))。
 道行く子どもには「ママ~、あの人こわい顔~」と指をさされ、可愛い女子高生に視線を向けようものなら「や~ん、なんかにらまれたぁ」と逃げられてしまう始末。

 ところが顔と中身は正反対。
 優柔不断、口下手、気が弱いの三拍子。
 おかげで就職もまったく決まらず、クリスマスイブの1週間前には、彼女に「徹雄くんって見かけ倒しだね」と言われてフラれてしまったのです。

 下宿で「俺なんて誰にも必要とされてないんだ…」と頭を抱える鬼原。
 ところがテレビで銀行強盗のニュースを見て、突然ひらめきます。

「これだ! どこも俺を雇う気がないなら、一生働かずに食える金を手に入れてやる!」「どうせ俺なんかもともと悪人顔を言われ続けてたんだ。だったら本物になってやる!」

 おそるべき短絡思考ですが、現金輸送車のスケジュールを調べ、地図、手袋、スタンガンを用意し、いよいよ決行当日の朝を迎えてしまいました。
 ところが生来の小心さが出てしまって、前日まったく眠れなかった鬼原。
 はっきりいって、ここまで読んだ時点で、読者は「こいつ…絶対失敗する…」と思わず鬼原の将来が心配になってきます。

 そして、いよいよ登場するのが、もう1人の主人公・姫本集(中学3年生)。
 銀行の前に止まった現金輸送車を見つめる鬼原に「おじさんなにしてんの?」と声をかけてきたのが集です。
 慌てた鬼原は、懐の凶器をバラバラと取り落とし、幸か不幸か(?)、犯行は未然に露見し、口止め料代わりに鬼原はファミレスへと連れていかれることになります。

「へ~っ、本気だったの? ウソみたい」

 ところが集は、話を聞いたあとで仰天の提案をしてくるのです。
 自分は大病院の院長の息子だから、一緒に組んで狂言誘拐をやろうと。
 親は5億円は軽く身代金として払うはず。うまく手に入ったら半分ずつ山分けしよう――。

 集のルックスは、小学生にしか見えないような感じで描かれてます。
 ところが口を開けばこまっしゃくれた生意気なことしか言わず、学校ではつねにトップの優等生という頭のよさ。
 それに大きな眼鏡をかけている姿です。
 なんとはなしに、名探偵コ●ンにちょっと似ています(笑)。

 集の別宅に陣取って、いよいよ実行にうつる2人。
「同じところから2度電話をかけたらダメだからね!」と集に注意される鬼原。
 どちらが年上かわかりません。

「僕のいうとおりにしてれば、最悪お金は手に入らなくても、捕まることはないと思うよ」

 そう言われて細かく指示を出される鬼原ですが、失敗ばかり。
 ここで集は、鬼原に言ってはならないひと言を言ってしまいます。

「見た目のわりに気が小さいな」

 顔と性格のギャップ。
 そのコンプレックスを吹き飛ばそうと銀行強盗まで計画した鬼原ですから、この言葉に逆上してしまうのです。
 そして怒りにまかせて、集に…。

 ここまででまだ物語の序盤。
 この後のドキドキの展開は、実際に読んでからのお楽しみですが、BL本でよくあるミステリー仕立てと謳ってあるのはいいけれど、つまらない謎解きばかりのストーリーで、肝心の恋愛話がまったく進まないという、編集者がもっとしっかり作家の舵取りしろよ的な怒りを覚える展開には、もちろんなりません。
 意表のストーリー展開でぐいぐい読ませます。 

 物語の後半は、集のこんな告白が重要な鍵を握ってきます。

「…べつに病院を継ぎたくないとか、勉強するのが辛いとかさ…そんなんじゃない。勉強も病院継ぐのもいやじゃないんだ。ずっとそういうものなんだと思ってたし。大人から認められるのは悪い気しないし…。だけどいつの間にか周りの奴より少しでも上に出たいって、そんなことばっかり考えて気を許せる友だちもいなくなって。なんかこんなんでいいのかなと思うようになって…。僕も鬼原さんといっしょなんだ。今の自分から逃げたかったんだ」(本文45-46ページより)

 鬼原といっしょにいると楽しい――そう言って、もう狂言なんか止めようという鬼原に「もう1日だけいっしょに…」と頼む集。
“クリスマスプレゼント”に一緒に遊園地に行くことになった2人ですが、誘拐されているはずの集が外を歩いていてはまずい――ということで、鬼原は集を“変装”させるのです。
 どんな“変装”か気になりますか?
 なるでしょう。
 ああ言いたい。
 でも言っちゃったらつまらない!
  自分の目で確かめてください!
 …ひとつだけヒントとして、“変装”したときの集のセリフを載せておきます。

「(足が)すーすーする…」

 ハァハァハァ…。
 優等生が××!
 優等生が××!!
 当時、このマンガを初めて読んだ時の感動が、いま再び蘇ってきました(涙)。

 前半、あれだけツンツンだった集ですが、一度素直になった後は、まったく変わってしまいます。
 当時はそんな言葉はありませんでしたが、今思えば、集こそが「ツンデレ」だったのですね。
 さすが、さとう先生。
 先見の明がありすぎです。それにしても、鬼原も集もキャラが立ってるので、ホントに読んでいて面白いです。
 また、さとう先生独特のふんわりした世界感が、いつの間にか読者をマンガの中へと引きずり込んでいってくれます。

 最後、こんな胸がきゅーっとするシーンだけご紹介しておきましょう。
 遊園地で疲れ切った鬼原はベッドにごろん。
 その寝室の扉が向こうから開かれます。

「鬼原さん いっしょにねていい?」

「あ…いや…ちょっと…困るかも…」


 怒りのあまり集を傷つけたことを思い出し躊躇する鬼原を見て、恋人になれたと思っていたのは自分だけだったと誤解してしまった集は悲しげに呟きます。

「そ…そうだよね…なんか僕勘違いしてた…」

 このシーン、集が大きな枕を抱えて部屋に入ってくるところの可愛さはもう世界遺産級です。
 外見は幼いけど、中身は超天才。
 ツンからデレになって甘えまくりの優等生が、枕を抱えてくるんですよ!
 たーまーらーんー。

 さあ2人は狂言誘拐にきちんとカタを付けて日常生活に戻れるのか。
 そして2人のその後は…。
“優等生受け”が好きな人なら、読まなきゃ絶対損します!
 『GUST』に掲載された前後編だけでなく、後日談が描かれた番外編まで入ったお得な1冊です。

 またこの番外編がいいんですよね…。
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