ネクラで眼鏡でキモオタな優等生は“受け”るとイイよ!

委員長、地味な真面目くん、オタク少年…そんな“優等生受け”BLが大好きな腐男子のブログです~。

 

[新刊レビュー]祝発売! 単なる不細工受けと思ったら大間違い…この高度な心理描写にブログ主はやられっぱなし! 田中鈴木『アイツの大本命』


Category: レビュー コミックス   Tags: 受け-不細工・ダサい  攻め-クラスの人気者  特徴-高校生  ●タ行-田中鈴木  
アイツの大本命 (ビーボーイコミックス)アイツの大本命 (ビーボーイコミックス)
(2008/07)
田中 鈴木

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 なんと奇跡的に今日の予定の仕事がなくなり、早い時間に帰宅したブログ主です!
 …って、もう日付変わってるけど(笑)。
 明日から金曜までは、また地獄のような忙しい日々が続く予定です。
 もし生きていたら、土曜日にまたお会いしましょう(笑)。

 というわけで、せっかく時間ができたので、寸暇を惜しんでブログ更新です。
 コミックス発行おめでとう、万歳、万歳、万々歳な一冊、田中鈴木先生の最新刊『アイツの大本命』をご紹介しようと思います!

 待ってた…。
 待ってたよ!
 とゆーか、最近は利益追求の姿勢があからさまなリブレ出版が、このマンガをコミックスにしてくれるとは思わなかった!
 それだけ人気があったのかなぁ。
 だとしたら嬉しすぎ。
 本シリーズの第一作が、『b-BOY Phoenix』vol.2の「不細工特集」に載ったとき、ブログ主は嬉しくて嬉しくて布団の上を転がり回りましたが、とてもこのマンガがコミックスになるとは思いませんでした。
 エロい描写も1ミリもなかったし!
 ところが、それから1年以上が経った07年の年末に、突如として『月刊BE×BOY』本誌に続編が掲載されたのでした。
 …しかも実質3回連載で!


 いやー、狂喜乱舞しましたね。
 主人公たち、吉田と佐藤のその後が読めるとは、しかもほんのちょっぴりだけどエロい場面まで読ませてもらえるとは夢にも思っていなかったので(笑)。
 しかも今回それが1冊にまとまったという。
 偉業!
 最近のリブレには珍しい偉業!
 ブログ主としては、一家に一冊の常備をお勧めする次第です(笑)。

 では、いったい本作のどこがそんなにも素晴らしいのか。
 拙い筆ではありますが、力一杯その魅力をご紹介したく思います!

 のっけから何なんですが、本作には“優等生受け”の要素は1ミリもありません。
 というか、攻めキャラの佐藤隆彦(さとう・たかひこ)のほうが優等生ですし。
 学年1位でルックスも完璧、運動能力も抜群で女の子には例外なく優しいというのが、攻めキャラ・佐藤のキャラ設定ですから、“優等生受け”どころか全く反対の“優等生攻め”なわけです。
 ふだんのブログ主でしたら、「優等生攻めとな! ああっ! 何て汚らわしい…! 文句があるならヴェルサイユにいらっしゃい!(意味不明)」とか言って、たぶん読みもせずにコミックスを捨ててたと思いますが(笑)、本作においては、受けキャラ・吉田義男(よしだ・よしお)のキャラ設定がブログ主の好みすぎるのです…!
 そう、ネクラな不細工受け!(笑)

 本ブログはつねづね“優等生受け”偏愛ブログを標榜しているわけですが、ブログのタイトルにもあるとおり、裏芸として「キモオタ受け」大好きという側面を持っています。
 一見、何の関係もなさそうな2つの「○○受け」ですが、ブログ主的には両者は表裏一体なのですな!
 受けキャラが「こんな僕なんか好きになってくれるヤツがいるはずないんだ…。僕は一生誰とも恋に落ちずに寂しく死んでいくんだ…」という諦観に支配されてるという点で、ブログ主はどっちにも萌えて萌えてたまらないのですよ!
 で、本作『アイツの大本命』。
 主人公の受けキャラ・吉田は、まさにそーゆーキャラなのです!
 不細工である自分のことを自覚していて、しかもネクラ。
 同じく不細工仲間である友達たちと、

「お、俺はもう…一生セックスはできないのかもしれない…ううう…」

「しっかりしろ、吉田――!」

「俺たちは根暗不細工にはなってはならん!」


 とか無理やり慰めあったりしてます(笑)。

 では、吉田が実際どれほどの不細工キャラなのかといえば、じつは絵的にはそれほどでもありません。
 ボッサボサの髪の毛に、『忍者ハットリくん』なみの“どんぐりまなこ”、しかも超ツリ目で背も小さいという、“モテない記号”が散りばめられているキャラなのですが、ブログ主なんかは吉田のことを男らしい面構えでカッコイイじゃんと思ってしまいます(笑)。
 で、性格も男らしいのですよ。
 小学校のころから近所でも評判のガキ大将で、しかも正義感が強く、弱いものイジメなどをするヤツがいると、「コラーッ!」と言ってはコテンパンにしていたのが吉田です。
 でも、そのまま背がのびずに成長が止まっちゃった吉田は、今ではモテないキャラに転落してしまってるというわけです。

 でも、ブログ主は本当に吉田みたいなヤツがいたら仲良くしたいと思いますね!
 同性から好かれるタイプというヤツ。
 ツリ目のどんぐりまなこでチビでというルックスで、作中の女の子たちには恐ろしいほどモテていないんですけど(笑)。 

 さて、ここからが本格的なストーリー紹介です!

 ただでさえモテない吉田なのですが、じつは最近、輪をかけて女の子たちからは目の敵にされています。
 女の子たちのアイドルである優等生・佐藤をめぐってです。
 下校時間ともなると、教室の出口には“佐藤クン待ち”の女の子が列を成すほど人気のある佐藤ですが、女の子たちからの「一緒に帰ろうよぉ」という誘いを、じつは最近の佐藤は「吉田と遊ぶ約束してるから」と言って笑顔で断っているのです。
 とばっちりを受けているのは、吉田のほう(笑)。

「不細工なツリ目ザルのくせに、なんで佐藤クンを独り占めするのよ!!!」

 そんな女の子たちからのつるし上げ攻撃に、吉田は完全に参ってしまってました。
 先ほど紹介した「お、俺はもう…一生セックスはできないのかもしれない…ううう…」という吉田のセリフは、学校中の女の子を敵に回してしまった吉田が漏らした心の叫びなのです(笑)。
 しかも。
 じつは、吉田と佐藤は遊ぶ約束なんかしていないのです。
 というか、じつは2人は特に仲の良い友達でもありません。
 単にクラスが同じだけというぐらいの知り合い。
 なのに、女の子たちを断る口実に、佐藤は吉田の名前を勝手に使っているのでした。
 怒った吉田は、ぶち切れて佐藤に文句を付けますが…。

「佐藤~!! なんで俺の名前使うんだよっ! おかげでみんなから…」

「いやー、悪い悪い! もう断る理由考えんのめんどくさくなってきてさー」

「笑い事じゃなーい!」

「まあまあ。そう怒んなって♪ ふっとおまえの名前が頭に浮かんじゃってさ~」(と言って、笑いながら小柄な吉田をぎゅっと抱きしめる佐藤)

「ぎゃーー!! チビ扱いすんな!! やーめーろ~~~~!!」


 で、吉田と佐藤がこんな風にじゃれ合ってる(?)光景を見て、女の子たちはさらに「吉田めぇぇええ。佐藤クンを独占してぇ!」と怒りに震え、厳しい視線を吉田に向けます。

「放せって――! タダでさえモテないのに…このままじゃあ!!」

 じたばたと抵抗する吉田ですが、時すでに遅し。
 完全に学校中の女の子から、吉田は敵視の対象になってしまいます(笑)。

 今のやりとりでお気づきかと思いますが、攻めキャラ・佐藤は、優等生で女の子のアイドルでというキャラではありますが、一癖も二癖もあるキャラなんです。
 もちろん学年1位の頭もあり、先生の受けもいい優等生なんですが、仮面を被ってるというか、本当は腹黒いというか、吉田のことをオモチャ扱いして「ニッ」と笑ってるような、そんな“策士”な優等生という感じで描かれてます。

 そんなある日。
 吉田はクラスで一番可愛い小池さんから

「佐藤クンの本命を知りたいの! 吉田くんなら聞き出せると思う…。ね、お願い! ダメ…かな?(うるるっ)」

 
とか、見え見えの嘘泣き攻撃を受けて、思わず「俺が聞いてやるよ!」と請け合ってしまいます。

 このへんが、普段モテない不細工キャラの悲しさというか(笑)、「女の子に頼まれたらしょうがねーや!」という吉田クンの人の良さというか、そんなのが描かれているところなのですが、吉田はできるだけ関わりを持ちたくなかった佐藤に近づいて本命を聞き出すべく、2人きりでの昼飯を誘うことにしたのでした。

「え? 俺とメシ? へぇー、珍しー。いいよ、オッケー」(ニコッ)

 完全無欠の“優等生スマイル”で返事をされた吉田は、心中、こんなことを思ってます。

(うっ ムカツク…けどやっぱ男前…。そしてこのガタイ…モテるに決まってんだよな…)
(なのに、なんで誰とも付き合ってないんだろ)
(小池さんとか他にもたくさんかわいい女のコ寄ってくるのにさ)
(コイツの本命って誰なんだろ…)

 でも、佐藤はさすがに腹黒優等生。
 突然声をかけてきた吉田の意図はお見通しでした。

「――で、誰に頼まれてきたんだ?(にやり) 小池あたりか? 俺の本命聞き出して来いとか言われた?」

「!!」

「おまえが俺と昼飯なんてありえねーもん。しかも人のいないところがいいなんてさ。どーせ、目ウルウルでお願い(はぁと)とか言われたんだろ。バカだねー」

「おまえ本当にイヤなヤツだな! …じゃあいいよ、もうっ! 本命いるのか!? いるなら誰なのか教えてくれ!」


 さすが男らしい吉田クン。
 真っ正面から直球を投げ込みますが、佐藤はのらりくらりと答えようとしません。

「どーしよっかなぁ~。タダってのもなぁ~」

「かっ金ならないぞ! …っつーか、このインケン野郎!」


 ワナワナと怒りに震える吉田クンですが(笑)、佐藤はあらぬことを吉田に聞いてきます。

「おまえも大変だねー。そんなに嫌ってる俺から話を聞き出そうとするなんてさ…。小池が好きなわけ?」

「いや…そんなわけじゃ…俺はただその…頼まれちゃったからには…やっぱ男として…」

「カワイイ小池の頼みは断れない?」

「(赤面)なんだよ悪いかよー。かわいい女のコの頼みは引き受けるだろ、フツー。あ、おまえにはわかんないかもしんないけど」

「…じゃあもし小池に、付き合ってって言われたら付き合う?」

「え? あんなカワイイコに言われたら100パー付き合う…」(どぎまぎ)


 なんだか話が変な方向に行ってますが…。
 ところがここで佐藤の口から驚愕の一言が!

「じゃあさ…俺が付き合ってって言ったら、付き合う?」

 なんたる急展開!
 思いもよらぬことを言われて、吉田は固まってしまいますが、さらに佐藤はぐっと吉田に顔を寄せると、優しそうな目で吉田を見つめて、さらに言います。

「吉田。俺の本命の話、キスしてくれたら教えてやってもいいよ?」

「……!! そ、そんなん…できるわけねぇだろ…!!」

「しょーがないなぁ」


 そう言うと、佐藤は吉田にゆっくりと顔を近づけ、唇を重ねます。
 いったい何秒経ったのか、吉田のファーストキスを奪った佐藤は、顔を離すとニコッと笑って吉田に告げます。

「俺からキスしたから半分しか教えないよ。…本命いるよ、でも誰なのかは教えない」

 いやー、ここまでですでに相当萌える展開なわけですが、みなさんはいかがですかー!
 女のコにまったくモテない受けキャラ。
 そこに学校一のモテ男が絡んできて、ファーストキスを奪ったあげく、思わせぶりなことを言って消えるという。
 もちろん、吉田も頭が真っ白になったあげく、一晩中佐藤のキスのことを考えて眠れない夜を過ごしたのでした。

 そして翌日。

 すっかり佐藤のことを意識するようになってしまった吉田でしたが、この日は佐藤のほうから昼飯を誘われて、ついフラフラとついて行くことに。
 悔しいけれど男前な佐藤を前に昼飯をパクつく吉田でしたが、優しい目でみつめられると、なんだかドキドキしてしまいます。

 ところが…!

 なぜかとってもマズそうに昼飯を食う佐藤の顔を見て、吉田は突然思い出したのでした。
 目の前にいる女子生徒のアイドル・佐藤隆彦が、小学校時代、自分がイジメから守ってやった肥満児・佐藤隆彦の成長した姿だったということに!
 ものすごくマズそうに給食を食べ、いつも最後まで残していた佐藤は、小学生にして100キロはあろうかというその肥満体型とあいまって、みんなからイジメられる存在でした。
 正義感あふれるガキ大将だった吉田は、彼のことをいつも守ってやっていたのです。
 マズそうに昼飯を食べる佐藤の姿を見て、すべてを吉田は思い出したのでした。

「うわっ すっかり忘れてた…つーか、わかるわけねー!」

「そうだよ、すっかり忘れててさ…どっちがヒドイ奴?」

「イヤ、だからわかるわけねーって! じゃあさ…俺がおまえのこと忘れてたから、ちょっとムカついて俺のことイジってたって事か?」

 なぜ佐藤が大して親しくもない自分の名前を“女子生徒避け”に使うのか、理由がわからなかった吉田は、“そーゆーことだったのか”と納得しようとしますが…。
 佐藤の口からは意外な事実が飛び出すのでした。

「んー、まあそれもあるけど。ちょっと違うかな?」

「あっ、何だよ!」

「再会したらさー、吉田ってばこーんなちっちゃくなっちゃってかわいくなってんだもん」

「はぁ!? 放せよ、何だよ!!」

「俺のこといつもかばってた強くてかっこいい吉田が、俺のやる事にいちいち反応してさ…」

(な、なんか佐藤コワイ…!)

「あーまたそんな顔して…。吉田いいよ、かわいすぎ。俺のサド心をくすぐるなぁ♪」

(ガーン!)

 そして佐藤はとろけそうな笑顔で吉田を抱きしめると、ついに自分の秘密を告白するのです。

「ねー吉田、喜んでよ。俺の本命、吉田なんだよ」

「あ…!」

「小学生の頃から、一途な俺の本命は吉田だけだよ。だから吉田がおそろしくモテてなくて、俺は嬉しい♪」


 真っ赤になった吉田は「お、俺、喜んでいいのか?」と抱きしめられたままで頭をぐるんぐるんさせますが、第一話はここで大団円。
 ハッピーエンドで終わっていたのでした。

 ふう…、長々と第一話のストーリーをご紹介してしまいましたが、いかがでしたでしょうか!
 初めて『b-BOY Phoenis』vol.2「不細工特集」号で、このマンガを読んだときのブログ主の喜びがいかばかりのものだったか、わかっていただけたのではないかと思います(笑)。
 不細工で、それを自覚していて、恋とか女のコとかにはネクラな受けキャラが、学校一のモテ男にじつはメタメタに愛されてて真っ赤になっちゃうという。
 何たる少女マンガ!
 何たるボーイズラブ!
 いやもうホントに最高だった…。
 エロなんか1コマもなかったけど、本当に胸キュンさせられましたからね…。

 この1年後、先ほども書いたとおり、『BE×BOY』本誌にて続編の掲載が始まり、ブログ主は歓喜の涙にむせんだわけですが、じつは本ブログ的に力を入れて本作をオススメするのは、いまご紹介した第一話の素晴らしさもさることながら、以後の続編での佐藤×吉田の恋の進展があまりにドキドキさせられすぎて、“キモオタ受け”好きにはたまらない一作、しかも他ではほとんど見ることのできない一作になっているからです!
 それをご紹介する基礎知識として、第一話のストーリーを詳しくご紹介する必要があったわけですが、この第2話以後ですね、“キモオタ受け”の神髄が大爆発するのですよ…!
 不細工を自覚していて、恋愛に関しては自分にまったく自信のない主人公。
 そこに現れた学校一のモテ男が、じつは自分のことを好きだという。
 でも、主人公はとてもそんな言葉を信じられなくて――。
 コレ!
 とにかく本作は以後こんな基本ストーリーがこれでもか! というほどに展開されていくのです。
 あうー、たまらんー!

 まずはこんな場面から。
 第一話のエンディングで、「じつは吉田が俺の大本命だったんだよ…」と告白された吉田クンですが(笑)、続編ではすっかり佐藤のことを意識して、顔を見るとドキドキしてしまいます。
 夢の中でも、佐藤にキスされた瞬間を思い出しては、何度もその場面を再現してしまうほどです。
 でも続編では、吉田が知らない佐藤の中学時代の友人だという超絶美少女が登場。
 美男美女な2人が並ぶ姿を見てしまったブサイク吉田は、口に出せないほどのショックを受けてしまいます。

(べっ別に 俺と佐藤が釣り合ってないの わかってるし)
(中学の時の知り合いならいろいろ知ってて)
(仲良くたって別に…)


 その瞬間、じわっと涙が出てきた吉田は泣きそうになってしまいます。

(でもやっぱヤダ)
(もうここにいたくない!)


 心中そう呟いて、2人が見えなくなるところまで逃げようとする吉田。
 …あのー、可愛すぎるんですがっ(笑)。

 何度も書きますが、自分に自信がなくて、学校一のアイドルから愛を囁かれても「こんな自分が好きになってもらえるはずないんだ…」とばかりにその言葉を信じられず、つねにネクラでいじけた心を持つブサイクくんを描くこんなBLこそが、本当の“不細工受け”“キモオタ受け”なわけですよ!
 単に顔がマズイだけのBLは、真の“キモオタ受け”に非ず!
 主人公の心がねじくり曲がって自己否定の嵐になっていてこそ、われわれキモオタスキーの心も奪われてしまうというものです!
 そんなキモオタで不細工な受けを、有無を言わさず強引なまでの力強さで攻めキャラが自分のものにしちゃう――そんな場面を読ませてもらったら、ブログ主はヨダレ垂らしてそのへんを徘徊するほどの感動を覚えるわけですよ…!
 そして本作ではそれが見事に実現されているわけですな!

 他にもこんな場面があります。

 佐藤の家に遊びに行くことになった吉田は、一緒に勉強しているところで、またもや佐藤からキスを仕掛けられて、真っ赤になってアワアワしてしまいます。

「なっ なっ なんだよ! 何すんだ、お前は!  は…は…放せって…!」

「は? 何いってんの、吉田? ああいう事されたのに、誘われて部屋にのこのこ来るってのは、つまりこういう事だろ?」(と言って、色気満点な悪そうな顔でキスしようとする佐藤・笑)

「ちがっ…」


 そんなウブな吉田の態度から、第一話でのキスが吉田のファーストキスだったと気付く佐藤。
 でも、嬉しそうに「そっか…初めてだったんだ♪」と言う佐藤の顔を見て、モテない自分のことを笑われたと思った吉田は、意地を張ってこんなことを言ってしまうんですな!

「…初めてじゃない…。し、したことあるよ! お、俺だってそんくらい…」

 どーすか!
 不細工でモテないどんぐりまなこの受けキャラが、絶対嘘だとわかるこんなことを意地張って言ってるシーン、どーすか!(笑)
 しかもここから神展開!!
 その瞬間、佐藤は突然表情を強ばらせて吉田を問い詰めます。

「へーえ…。それっていつ? 誰とどこで? どんな風にしたの? どんなカンジだった?」

 そう言うと、怖い顔になって吉田を押し倒し、馬乗りになる佐藤。

「じーーっくり、教えてもらおっかなー」

 そのまま佐藤は吉田の両手を押さえつけて動けなくしたうえで、ゆっくりと顔を近づけてきます。
 夢で何度も見てしまった佐藤とのキスをもう一度されてしまうのかと、吉田は顔を真っ赤にして動けません。

「吉田…ほら、教えてよ。吉田からしたの?」

「う…」


 徐々に近づく佐藤の顔。

「どんな風にしたの?」

「さ、佐藤…」

 もう吉田の唇は、佐藤に奪われる寸前です。
 緊張して、頭がわやくちゃになって、顔を真っ赤にしながら目をつぶるしかできない吉田――。

「俺にもしてみてよ?」

「佐藤っ…」


 そのまま佐藤に唇を奪われた瞬間!
 意地を張っていた吉田は、張り詰めたものが切れてしまったかのように、佐藤に陥落してしまうのです…!
 キスされてぽろぽろと涙をこぼしながら、吉田は“真実”を告白します。

「し、してない…してないよぅ…。佐藤としたのが、初めて…」

 どきゅーん!!!!!!!(笑)
 なんたるウブさ!
 不細工な受けキャラが!
 学校一モテる攻めキャラに、ちょっとした嘘を責められた挙げ句!
 ぽろぽろと泣きながら「他の人となんかしてないよぅ…」と無理やり言わされちゃう!
 はーうー。
 この場面、完全に蛇足ですが、吉田の心境の一端を解説するとすれば、軽い気持ちでついた嘘に、佐藤があまりにも怖い顔で迫ってきて、このまま嘘を突き通したら、こんな自分を好きだと言ってくれる佐藤のことを失ってしまうのではないか…そんな恐怖が、吉田の心を支配したのだと思うんですよ。
 …いや、そう思いたい!

 こんなモテない自分のことを好きだと言ってくれる佐藤のことを失いたくない!
 そう吉田が思ったからこその“陥落”だったと、ブログ主としては強烈に思いたいわけです(笑)。
 そうだったら萌える~。
 ヨダレ出ちゃう~。
 なんたるネクラで屈折した吉田の心情!
 こんな不細工な自分でも愛されたい。
 そう思って、佐藤に屈服しちゃう吉田の心!
 その瞬間、吉田の心にどんな嵐が巻き起こっていたのかを想像するだけで、ブログ主はオカズなしで白飯を3杯は食べられます(笑)。
 これぞ“キモオタ受け”!
 これぞ“不細工受け”!
 いやもう本当にたまりません…!

 本当にしつこくてスイマセンが、あれだけ不細工でしかも最初は佐藤に反発してた吉田が、こうして回が進んでいくごとに、しだいに佐藤の前で可愛くなっちゃうわけですよ。
 これこそが本作最大の読みどころと言えましょう!
 やっぱり、男が別の男に屈服するかのように可愛くなっちゃうというこの種のエピソードは、BLの華だとブログ主などは思うわけです。
 現実世界では、男が男の前で可愛くなっちゃうなんて、とてもそんなことはありえないわけで、だからこそBLがファンタジーだとか批判(?)される原因のひとつでもあるわけですが、そこをいかに破綻なく描くかがBL作家さんの腕でもあるわけです。

 男が自分の心の一番弱いところをさらけだすかのように、別の男に心を明け渡してしまう――。

 自分も立派な男なのに、あくまでも攻めキャラには嫌われたくなくて、攻めキャラの前でだけは、攻めキャラとの関係においてだけは、恥も外聞もなく泣いちゃったり、可愛くなっちゃったりする。
 男としてあるまじきそんな態度を取ることは、受けキャラが攻めキャラに“屈伏”させられたということでもあるわけですよ。
 でも、受けキャラはそんな“本当ならありえない自分”を受け入れてでも、攻めキャラの愛を欲しているわけですな!
 ブログ主は、そんな関係性に強烈に萌えます(笑)。
 というか、BLマンガにおける受けキャラの可愛さというものは、そこにしかありえないと思うわけですよ…!
 外見が“女のコみたいに可愛い”とか、モテモテで“男子校でアイドル”とか、そーゆー受けキャラ単体での“可愛さ”というのには、ブログ主は全然萌えないんです。
 あくまでも攻めキャラとの関係において、自分も立派に男なのに、それでも攻めキャラには可愛く思ってもらいたくて、まるで屈伏してしまうかのように、いつもなっら絶対にやらないことを攻めキャラの前でだけはやってしまう――これこそがBLの受けキャラの可愛さというものの神髄だと、ブログ主は思うわけです。
 あくまで攻めキャラとの関係性の上にしか生まれないんですな、BLでの受けキャラの魅力というのは!

 で、“優等生受け”や、本作のような“キモオタ受け”においては、そこに「こんな自分が好きになってもらえるはずがない…」という受けキャラの“諦め”がくわわっていることにより、さらにスパイシーな味わいが深まってくれるわけです(笑)。
 本作でも、吉田は、佐藤が自分のことを好きだというのを本当だとはとても思えず、なかなか信用しません。
 でも最後には、その言葉を信じてみたくて、すがってみたくて、佐藤の胸に飛び込んでしまうわけですよ…!
 本当にこんな俺でも好きと言ってくれるの…? と心の中で呟きながら、最大の勇気を振り絞って…!
 なんて萌える関係性!
 
 本作では、今ご紹介したシーンの他にも、そんな可愛い場面は山盛りです。
 ほんのちょっぴりですが、エロいシーンもありますしね…!
 もちろんその場面での吉田の可愛さはMAX!!
 つーか、ゲージ突破!
 …ここではご紹介しませんけどね(笑)。
 吉田の可愛くなっちゃう姿を見たかったら、コミックスを買うといいと思うよ!!

 しかも本コミックスでは、書き下ろしショートも付いてます。
 そこで明かされる(主人公カップルとはあんまり関係ないけど)驚愕の事実!(笑)
 あ、本作に一つだけ文句があります。
 受けキャラ・吉田の名前!
 吉田義男って…。
 あの元阪神の吉田元監督の顔が浮かんできてしょうがないんです(笑)。
 せめて別の漢字にしてほしかった…(笑)。
 まあなんかどちらもチンチクリンで不細工といえばそうなんですが…。←超失礼

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Comments

初めまして。 
初めまして、玲と言います。
ふらりふらりと放浪しておりましたら、たどり着きました。
「アイツの大本命」、私も大好きです!
吉田が可愛い過ぎて、悶えてしまいました…っ!
私もキモオタ、ブサイク受けが大好きなので、同士がいて嬉しかったです^^
あとブログ開設一周年おめでとうございます!
では乱文失礼しました。
 
 
玲さん、初めましてm(_ _)m

吉田、可愛いですよねー!
田中鈴木先生、続編書いてくださらないかなー。
あのドングリ眼が丸くなっちゃうところをもう一度見たい…!w
もうこの1年、私の心は吉田に奪われっぱなしなのですw

キモオタ受け、不細工受けがお好きな同志とのこと、そーゆーBLって少ないので、もしご存じの作品があったら、ぜひ教えてください~。
知らないのがあったりしたら、嬉しくて死ねます(笑

もしよかったら、またふらりとお立ち寄りください…!
今後ともよろしくお願いいたします。
 
今晩は! 
今晩は、吉田に翻弄されて今にも発作が起きそうです。(笑
玲です。

確に、こういうのは少ないですよね~、少なすぎますよね~…(泣
私も色々と探しているのですが、中々見付からず…。
ただ、オタ受けらしいと言われていると思われる物は聞いた事があります^^
でも、確信はないので、何とも言えませんが…。
「あかないとびら」(鈴木ツタ)
「肉食獣のテーブルマナー」の「ここだけのハナシ前編・後編」がオタ受けらしいです^^
「ありのままの君が好き」

とまあ、これくらいしか、聞きませんねぇ(泣
知ってるかもしれませんが…

一応確かめてみるのもいいかもです!
間違っていたらすみません(>_<)
「ありのままの君が好き」はブサイク受けなんだそうです!!

こういう時、マイナーを好きになったら辛いな、とつくづく思います…っ!
でも、それでもキモオタ・ブサイク受けは好きだっ!(何

私は結構、創作BLサイトを中心放浪しておりますので、お役に立てたかどうか…。
それでもお役に立てたのなら、幸いです!!
これからも通わせて頂きます(^o^)/
では、失礼しました^^
 
 
発作ですか!
ええ、わかりますともw

作品名をあげていただいてありがとうございます!
で・す・が…(笑)。
鈴木ツタ先生の「あかないとびら」はもちろんチェック済みですとも!!!
個人的には、去年読んだBL本の中で、年間BEST5に絶対入ってくる傑作と思ってます(><)
発刊当時、じつはここのブログでレビューも書きました。
もう感謝感激感動しまくりでしたよ~(笑)。
玲さんがもしまだ読まれてなかったら、速攻読まれることをオススメします!

「ありのままの君が好き」は樹生かなめ先生の本ですね~!
これは本当に不細工ウケの極地みたいな本でした…。
体重100キロ級のキモキャラ受けという点では、木原音瀬先生の「Don't worry,Mama」シリーズと、BL界で双璧をなすというかこの2作しかないような気がしますが、とにかく強烈な一作です。
しかも木原先生の方は、最後には受けキャラが可愛くなっちゃいますが、樹生先生のこの作品は、最後までこのままですからね!
でも、玲さんに言われるまで、作品自体を忘れてました(^^;
思い出させていただいて嬉しいかぎりですw
そのうちこれも「珠玉の一冊」でレビュー書かないと…。
もともとはたしか樹生かなめ先生が同人誌で発表された作品だった記憶があります。

「肉食獣のテーブルマナー」に入っているという「ここだけのハナシ」。
これ、本は持ってるんですが、そんなマンガがあったとは全然忘れてました。
すいません、コメントを拝見して、「うお、コミックス見返さないと!」と思ったんですが、仕事が超ハードでまだ見ておりません…。
このコメントも会社から書いてるんですが、今日帰宅したら速攻見ます!
楽しみだー!、って、コミックス持ってるんだから、一回は読んでるはずなんだけどなぁ…(笑)。
お、思い出せない!
うおー、どんなマンガだろう!!!

玲さんは創作BLサイトを回られてるんですかー。
ぜひ、オンライン小説のオリジナルBLで、いい優等生受けとかオタ受けがあったら教えてください!
あまりにもサイトの数が膨大すぎて回れないんですw
それでもいくつかは自力でも見つけたんですが…。
たまーにビックリするくらい、素晴らしい小説がありますよね、創作BLサイトって。
 

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