ネクラで眼鏡でキモオタな優等生は“受け”るとイイよ!

委員長、地味な真面目くん、オタク少年…そんな“優等生受け”BLが大好きな腐男子のブログです~。

 

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[新刊レビュー]白くて細くて文化系でもやしっ子…そんな優等生のラブストーリー 恋煩シビト『図書委員の恋』より、『夏の終わり』


Category: レビュー コミックス   Tags: 受け-美人の優等生  特徴-高校生  特徴-幼馴染み  ●カ行-恋煩シビト  
図書委員の恋 (POE BACKS Babyコミックス)図書委員の恋 (POE BACKS Babyコミックス)
(2008/06)
恋煩 シビト

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 先日、恋煩シビト先生の最新刊『図書委員の恋』に収められている短編マンガ『冷たい手は君の中に』のレビューを書きました。
 その中で、もう一作どうしてもご紹介したいマンガがあると書きましたが、それがこの『夏の終わり』です。

 幼なじみな高校生同士の恋愛を描いた、学生ものが好きな人なら堪えられない一作ですが、これが素晴らしい“優等生受け”BLになってるんですな!
 といっても、作中では受けキャラである多々良一(たたら・はじめ)がどういうキャラクターかについて、さほど言及されているわけではありません。
 ところどころで、断片的に人となりがわかるような場面が出てくるんですね。

 幼なじみでもある攻めキャラ・宇野は、一についてこう言ってます。

「一は文化部だから夏休みまるっきり休みでいいよなー」
「おまえ本当に白いな。細いし小六くらいからあんま変わんなくねぇ?」
「マジもやしっ子だなぁ」

 宇野の彼女である、ちよりはこう言ってます。

「多々良君ていつも学校では大人しいから」
「見た目が何てゆーか、細くて白くて…。現実の人じゃない感じで、ちかよりがたくて…」


 だいたい一がどんな高校生か、想像が湧いてきたと思いますが、物語の舞台は田んぼに囲まれた地方の高校。
 一と宇野は、一が小学4年で引っ越してきたときからの幼なじみです。
 細くて白くて文化系な一とは対照的に、宇野はいつも元気なガキ大将。
 でも不思議にウマが合い、高校生になった今でも2人は親友として付き合っているというわけです。

 本作の魅力は、この一というキャラクターに尽きます。
 高校生になった一は、真夏でも汗をかかないようなイメージの少年です。
 「細くて白くて」「文化系な」「もやしっ子」と、先ほど宇野やちよりに評されていましたが、何だか血が通っていないような、この世の人間ではないような、世間離れした雰囲気を一は醸しだしています。
 じつはこの雰囲気は、悪魔的な冷酷さを感じさせるようなものなんですね!
 初めて読んだとき、ブログ主は一のルックスを見て、まるでキツネのようだと思いました。
 細面で、少しツリ目で、いつも他人の心の中を見透かしたような目をしていて――。
 冗談じゃなくて、本当に夜になったら邪悪なものに変身したりして、気に入らない友達とか呪いころしちゃいそうな雰囲気の少年なんですよ、一は(笑)。

 でも、そんな危うい一のキャラクターは、恋煩シビト先生の手で、読者たちにしかけられた罠なのでした!
 先ほども書きましたが、ブログ主は最初に読んだとき、ストーリーの後半では絶対にこの一というキャラクターが“正体”を現すはずだと思いました。
 本当はキツネか何かで、今は人間に化けているんだけど、最後は正体がバレて周囲の人間たちを不幸のどん底におとしちゃったりするアンハッピーエンドなストーリーに違いないと(笑)。
 何度も書きますが、一はそういうぞっとするような雰囲気と美貌を持った少年なんです。
 ブログ主は、絶対にそうなると思いましたもん(笑)。

 ところが~!

 最後まで読んでも、このお話は本当に普通の学生ものなのです(笑)。
 これが罠なんですよ、罠!
 雰囲気とは違い、じつは一は幼なじみである宇野のことを一途に好きなだけの“普通の受けキャラ”であるということが、ストーリーを最後まで読むとわかるんですな!
 当たり前なんだけど…当たり前なんだけど、一が普通の少年で、それも一途に恋する綺麗な心を持った少年だとわかったときの驚き!
 “絶対こいつ悪いヤツだ”と思いこんでるだけに、あまりにピュアで可愛い一の恋する心を見せつけられた読者は、脳天逆落としを食らったようなショックを受けますですよ(笑)。
 普通の男の子なのにねー。
 ごめんよ、一(笑)。

 なぜ一がそんなにもピュアな恋心をずっと胸に秘めたままなのかといえば、もちろん幼なじみである宇野が可愛いちよりちゃんという彼女もいる“ノンケ”だからです。
 2人が高校3年生になったこの夏も、一の家に宇野はちよりちゃんと一緒に遊びに来たりするので、一は秘めたる恋心を押さえつけ、笑顔で2人を迎えています。
 運動部に所属する宇野が、一の家で「あちー!」と言いながら扇風機を独り占めしていても、一はまったく涼しげです。
 ここでちょっとそそられるシーンが出てきます。
 「暑い暑い」と騒ぐ宇野が、ワイシャツのボタンを外し、胸をはだけて扇風機に当たるんです。
 それを見た一は、先ほどまでの涼しげな顔はどこへやら、ちょっと顔を赤らめ、不自然に宇野の身体から視線を逸らすんですよ!
 まるで、赤い血を持たない冷血動物のような顔をしていた一がパッと赤くなるこの場面、美貌の優等生が急に肉感的になってわれわれ読者の前に登場したような雰囲気があり、本ブログ的にはとってもそそられます(笑)。
 でもそれは一瞬のこと。
 すぐにまた涼しげな顔に、一は戻ってしまうんですけどね。

 夏休み中、宿題をこなすために毎日3人は一の家に集まります。
 最初にご紹介したセリフにもあったように、宇野の彼女のちよりは、それまで一のことを“近寄りがたい”と思いこんでいたのに、宇野と一緒ならば普通に笑ったり話したりする一の素顔を知り、だんだん惹かれていくんです。
 それを感じて穏やかではないのは宇野です。
 でもある日、宇野は気付いてしまうのでした。
 自分の綺麗な幼なじみを盗ろうとしているちよりと、自分の彼女に接近されている一、どちらに嫉妬しているのか自分がわからなくなっていることに。

 そして夏休みも終わろうとするお盆祭りの夜。
 昔のように2人でお祭りに出向いた一と宇野は、小学校時代に2人で楽しんだ花火をやることにします。
 闇の中で線香花火を手にしゃがむ一。
 弱い光に照らされた一の綺麗な顔を見て、宇野は小学校のころの同じ花火の夜の記憶を思い出します。

(俺はずっと目を離せないでいた)
(あの時も)
(派手な花火にはしゃぐみんなの外で)
(一は静かに線香花火をしていた)
(喧噪の中 ひどく静かでとても涼しげで)
(暗闇に浮かぶ白い顔は)
(綺麗だった)


 そのまま吸い寄せられるように、宇野は一に顔を近づけるとキスをします。
 顔を離すと、2人ともゆでだこのように真っ赤になっているのでした。

「信じられない…何やってんのさ」

「ほんとだよな。ごめん、キモかったよな」

「……ううん。気持ち悪くなんてないよ」


 この場面も、冷血人間なはずの一の顔には赤みが差し、長年恋心を抱いてきた宇野にキスをされた驚きと喜びに心を支配されている一のようすが手に取るようにわかります。
 とっても普通の少年めいて、読者は「ああ、妖怪でもキツネでもない普通の男の子じゃないか!」と懺悔してしまうわけですよ(笑)。
 どうしようもなく報われない恋に身を焦がしていた少年が、思いもよらず思いが成就してとまどっているという、本当に当たり前の場面なだけなんですけれどね!
 でも、何か起きそうという雰囲気だけがあったまま、最後まで不思議なことは何も起こらず、無力な少年が無力なままでストーリーは終わってしまうわけで、それだけにより一層、何の不思議もない普通の少年だった一という高校生のピュアな恋が浮かびあがって、読者は感銘を受けてしまうんですな~。

 こうして真っ赤な顔のまま、2人は手をつないで帰宅の途につき、ハッピーエンド…というところでストーリーは大団円を迎えます。
 孤高に見えた少年が、秘めたる思いを実らせて、初めて知った恋の甘さに頬を染めてしまう――最後は見事そういう“優等生受け”な地点にストーリーは収束していくのでありました。

 さて、最後に“優等生受け”とは何の関係もないのですが、本書を読み終わった感想をひとくさり。

 ブログ主が思ったのは、今のBL界を象徴する一冊だなぁということでした。
 つねづね、BLマンガというのは2種類に分けられると、ブログ主はじつは思ってきました。

 「宝塚型」と、「純文学型」です(笑)。

 といっても、ブログ主は宝塚とか一回しか見たことないんですけどね。
 何年前だったかなぁ。
 東京の宝塚劇場に男一人で行ってきましたよ~。
 回りはみ~んな女性だけ。
 あれは辛かった…。
 劇場の中は男子トイレ少ないし(笑)。
 で、見た感想は、素晴らしい大衆演劇だということです。
 “大衆演劇”というのは悪い意味じゃありませんからね(笑)。
 それは良質なエンタテインメントだということ同義でもありますが、宝塚の特長が徹底したスターシステムにあるのはご承知のとおり。
 1人のトップスターをいかに格好良く見せるか、脇役のみんなはその目的のみに奉仕するのが、宝塚的なスターシステムなわけですよ。
 で、これまでのBLマンガというのは、基本的にこの“宝塚型”だったと思うわけです。
 攻めキャラと受けキャラ、2人のトップスターを可愛く格好良く見せるためにストーリーは存在し、それ以外のことはほとんど考慮されないという。

 対して、ごく少数ですが「純文学型」な作家さんというのも存在していました。
 ブログ主は、その代表が今市子先生だったと思ってますが、では「純文学型」とはどんなものかといえば、主人公2人はもちろん存在するものの、彼らはストーリー中にあっては単なる登場人物の1人に過ぎません。
 本来の言葉の意味としての「純文学」においては、表面的に描かれてる事件やエピソードそのものではなく、その裏にものこそが作者の書きたいものだったりするわけですが、BLマンガにおける「純文学型」というネーミングも、そういう意味合いだと思ってください(笑)。

 で、今のBLマンガ界というのは、旧来の宝塚型なマンガ家さんたちが力を失っているとは言いませんが、純文学型なマンガ家さんたちが大きく勢力を伸ばしているのが現状だと、ブログ主は思うわけですな!
 『BE×BOY』を見れば、遙々アルク先生が一挙に人気作家になってますし、『Hertz』や、今回の恋煩シビト先生のマンガが最初に掲載されていたBLアンソロジー『Baby』などは、明らかに純文学型なマンガ家さんたちこそが主力作家として頑張っておられると思います。
 そこに掲載されている多くの作品を読むと、大げさに言えば、主人公たちが“特別な登場人物”になっていないそのストーリー作りが雑誌を貫く特徴だな~とブログ主などは感じてしまうわけです。

 今回ご紹介した恋煩シビト先生のマンガ『夏の終わり』もは、その意味で「純文学型」なBLマンガの最たるものかも…とブログ主は思っています。
 もちろんラブは充実してますし、BLとして非常に高度な作品であることは間違いないのですが、読み終わると、恋煩シビト先生がこのマンガで描きたかったのは、宇野と一のラブだけでなく、2人の心がそういう変化を迎えた高校3年生の夏休みという危うい季節そのものなのではと思ったりします。
 そのために、宇野と一という主人公2人がストーリーに登場してくる必要があったと。
 完全に主客逆転の構図なわけですが(笑)、そんなあたりを含めて、恋煩シビト先生は「純文学型」なBLマンガ家の最右翼だなぁと感じたわけです。

 今後のBL界は、当分の間、純文学型の作家さんがどんどんメジャーな場に進出してくる季節だとぬログ主は思ってます。
 今までのBL界ではあまりに宝塚型が偏重されてきましたからね!
 その反動で、あと数年はこの情勢が続くのではないでしょうか。
 で、ここで試されるのが、各雑誌の編集者の力量だなぁと思うわけです。
 純文学型のBLマンガって、一歩間違えると、昔のJUNEというか、“BLマンガじゃないもの”になってしまう危険性をじつは秘めているのです(笑)。
 何年前でしたかねぇ、『コミックJUNE』だか『ボーイズピアス』だかが、小説家・団鬼六先生の名作『美少年』をマンガにして掲載していたことがありました。
 いやほら、単純にマンガとしては面白く読みましたが、あれはBLマンガだったかと言われれば、なんかちょっと答えを迷っちゃうような…(笑)。
 また、高口里純先生がかつて『月刊ASUKA』で描かれていたような、少年同士の恋愛が出てくるような作品も、うーん、あれがBLだったかと言われると、ブログ主には微妙に違ったような気が…。
 これには異論も多いと思いますが(笑)、ともあれ、それほど「純文学型」なBLマンガというのは一歩間違えると、単に「少年同士の恋愛“も”描かれてるマンガ」になってしまう危険があるわけですな!
 いかにBLマンガとしての魂を失わずに、それ以外のものを描いていくのか――編集サイドがハンドリングを間違えると、作家さんが明後日の方向に行っちゃいそうで怖いです(笑)。

 えー、どうでもいい感想をえんえん書いてしまいました。
 まだ書きたいんですが(笑)、長くなるのでこのへんで。

 いずれにせよ、恋煩シビト先生のマンガは要注目だってことですな! ←大ざっぱなシメですいません…
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