ネクラで眼鏡でキモオタな優等生は“受け”るとイイよ!

委員長、地味な真面目くん、オタク少年…そんな“優等生受け”BLが大好きな腐男子のブログです~。

 

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[新刊レビュー]ネクラ少年受け…! 報われない恋をする者同士、慰め合わない…? 桜木ライカ『空にちょっとだけ近い場所』


Category: レビュー 小説単行本   Tags: 受け-ネクラ  受け-地味・ダサい  特徴-高校生  ●サ行-桜木ライカ  
空にちょっとだけ近い場所 (シャレード文庫) (二見シャレード文庫 さ 6-2)空にちょっとだけ近い場所 (シャレード文庫) (二見シャレード文庫 さ 6-2)
(2008/05/28)
桜木 ライカ

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 “優等生受け”なBLを探す以前に、そもそも学園ものBL自体がほとんど見なくなった昨今。
 ブログ主としては非常に残念な情勢であるわけですが、それでも高校生同士の甘酸っぱいお話しが、月に2~3冊は出ていますね。
 最近のそんな学園ものの中で出色のできだったのがこの1冊。
 桜木ライカ先生の『空にちょっとだけ近い場所』です。

 読みどころは、主人公(受)のネクラさとけなげさ、そして後半、どんでん返しが起きた後に、ネクラで意地っ張りな受けキャラが素直になって“本当の自分”を見せるところがあるんですが、そこでのクラクラ来ちゃう可愛さ、そんなあたりでしょうか。
 またねー、紺色ルナ先生の挿絵がずっぽりハマってましてね…。
 何回も読み返せる名作だと思います。

 ストーリーとしては難しいお話しではありません。
 主人公(攻)・西脇賢士(にしわき・さとし)は、活発な美少年タイプの同級生、中越匡(なかこし・きょう)が好き。
 でも、中越は同級生の関川大(せきかわ・まさる)が好き。
 そんな叶わぬ恋に苦しむ西脇に、ほとんど口をきいたこともないぐらいの付き合いしかなかったクラスメイト・夏目充穂(なつめ・みつほ)が「身代わりに俺と身体を慰めあおうよ」と誘いをかけてくる――そんなお話しです。

 で、この受けキャラ・夏目がとってもクラスでも目立たず、友達が一人もいないような孤立した存在なんですな!
 優等生かどうかはわかりませんが、ネクラで孤立した存在であることは間違いありませんですよ。
 主人公(攻)である西脇の視点からは、夏目クンはこんな描写をされています。

「いたんだ…」

 朝に挨拶を交わすでもなく、いつの間にかひっそりと席に着いてるから、一日の終わり近くになってからようやく「きてたのか」と周囲に気付かれるような男。
 無口で影が薄い。その上平均よりいくぶん低い身長が災いして、クラスの中での存在感は西脇のさらに下をいっていた。
 授業中に指名でもされなければ、まずその声を聞けない。「今日、夏目の声聞いちゃったよ」がホームルーム後の話題になるほど、口数の少ない男だった。

 いいですねー。
 暗くて、いるかどうかわからなくて、誰とも口をきかない孤高のクラスメイト。
 本ブログ的には相当萌える物件です(笑)。

 で、こんな夏目クンが、主人公(攻)・西脇に驚愕の申し出をしてくるところから、ストーリーは本格的に始まります。
 西脇は、ハイジャンプに打ち込む陸上部員です。
 なかなか思うような記録が出ずイライラしてるところへ、同級生・中越への報われぬ想いにも苦しみ、いろいろ気持ちがささくれ立っています。
 そんなある日、練習を終えて教室に戻ると、誰もいないはずの夕暮れの教室で、夏目が一人座っているのを見つけるんです。

「お疲れさま」

「え? 夏目…?」

 窓際の定位置で似つかわしくない声音で西脇を迎えた夏目の表情は、いつも通りの仏頂面だった。見ると話に自然と視界に入り見慣れてはいるけど、今は妙に現実味のない光景の中で薄気味悪くさえ見える。

「な、なんで残ってるんだよ」

 西脇の声は不覚にも擦れてしまった。「別に…」とぶっきらぼうに一言だけ呟いた彼に疑問が増していく。

「く、暗くなってっから、おまえも早く帰れよ」

 普段声さえ聞いたことのないクラスメートにいきなり声を掛けられて腰が引けてる西脇ですが、暗くなりかけた教室でぼーっと浮かび上がる夏目の白い肌は、まるでこの世のものではないような雰囲気です。
 とにかく自分の帰り支度を整えてこの場を去ろうとする西脇。
 そこに、夏目はとんでもないことを言ってきたのでした。

「ねえ、西脇」

「え?」

「西脇って中越のことが好きなんだろ?」

「――え…?」

「いつもいつも、あいつのことばっかり見ててさ。可笑しいくらいバカ面下げて見つめてて」

「な…っ おまえ、なんで…」

 隠していた思いに気付かれてしまい、西脇が暗い気持ちになった瞬間、すーっと夏目が近づいてきます。
 西脇から見た夏目は、こんな描写で描かれてます。

 二本の指でつまんだだけで折れてしまいそうな細く尖った顎。男にしては長めでたっぷりボリュームのある睫毛に西脇が思い浮かべたのは、会社員と水商売を掛け持ちしている年上の従姉妹だ。たった5つしか年が離れていないのに、会うごとに化粧が派手になっていった。
 夏目はまさかつけ睫毛なんかしていないだろうけど。
 下瞼に落ちた濃い影に目を留め、西脇は胸の中で呟いた。


 まるで悪女というか。
 完全に西脇のことを手玉にとって遊んでいるような風情です。
 ここ重要なので、みなさんよーく覚えておいてくださいね(笑)。

 そんな綺麗だけど不気味で棘がある夏目は、西脇に顔を近づけるとこう言うのでした。

「俺、関川が好きなんだ」

 おさらいしましょう(笑)。
 西脇は中越が好き。
 で、最初に書いたとおり、その中越はまた別の同級生・関川のことが好きなのです。
 そして今、夏目はその関川が好きだと告げてきました。
 西脇→中越、夏目→関川、そんな報われない恋が2つあるというわけです。
 そしてここに至って西脇はその事実に気付いたのですが、ふだん無口な夏目は、顔だけ見れば、西脇が大好きな中越にとても似ているのでした。
 元気が良くて生意気そうな、ちょっと気の強い美少年というその一点で。

「西脇」

「え?」

「お互い、代用品で我慢してみないか、って言ったんだよ」

 おもむろに顔を上げた夏目は、根性悪の野良猫の表情を浮かべていた。誰かに、と比較する相手を探す必要もなかった。西脇は一瞬呆けた後、まじまじとあまりに中越に似た笑顔に魅入られてしまった。

「ええと、ごめん。だ、代用品…?」

「だから、報われない者同士、慰め合わないかって」

 どうやって、と問い返した直後。夏目の手がゆっくりと西脇の胸を這い上がってきた。

「溜まってるだろ」

 同じ性を持ち、同じ制服を身にまとい、同じ男の生理を揶揄する。首筋にたどり着いた指先には、獲物を仕留める鋭い爪を隠しているのではないか。そんな怯えを抱きながら西脇が立ちつくしていると。

「シたくないのかよ」

 薄暗い夜の教室の中には、身動きもできずに狼狽える男を嗤う者はいない。
 赤い唇がそっと吐き出した言葉は夢か現実か、あるいは冗談なのか。どれとも判断がつかないうちに、夏目の唇がゆっくりと西脇の目の前に近づいてきた。

 さあ、さあ、さあ!
 こうして“悪女”夏目の手に絡め取られてしまった西脇は、誘惑に勝てずにそのまま夏目の自宅に引っ張り込まれ、お互いに“性欲処理”をすることになってしまったのでした。

 むふふ。
 いやー、ここまでの設定でかなり萌えるものがあるわけですが、本作の素晴らしいのはここからですよ。
 まずは、2人のエッチ場面。
 余裕いっぱいで西脇のことを「もしかして初めて?」なんて嘲った“悪女”なはずの夏目は、なぜかいろんなウブなところを西脇の前で見せまくるのです。

 互いの唾液が混じり合って唇の端からこぼれ落ちるころには、西脇の手は夏目の身体のありとあらゆる部分を這い回っていた。

「ば、か…そんな、とこ…っ」

 中でもとりわけ、まろみを帯びた尻の真ん中がダイレクトに欲望を高めてくれた。ここに入れるのかと内部を探るたびに、脚の付け根で涎を垂らすペニスがグンと硬くなった。

「ひ…っ、いた…っ」

「あ、ごめ」

「嘘だよ、ばーか」

 涙が滲んでいるのに?
 慣れた仕草で誘うくせに、夏目は時々妙に幼い表情を見せた。急に首をすくめたり、いきなり腰を引いたり。西脇の手が好奇心に駆られて新たな場所を求めて彷徨いだすと、決まってそんな反応をする。

「か、感じやすいん、だよ、俺は…っ」

 うひゃひゃひゃ!(笑)
 なんという可愛さ!
 で、いざ挿入された後もこんな弱音を…。

「ひ…、に、西脇…だ、め…俺、死ぬ…っ」

 ここでは以上ちょっとしかご紹介しませんが、桜木ライカ先生の描く濡れ場は、とっても生々しくてリアルです。
 いま書き写していて、新しく気付きましたが、この作家さん、とってもこーゆー場面の描写がうまいのですねー。
 夏目だけが●●●●●を付けてエッチするというエピソードなど、いかに夏目が西脇に感じさせられちゃってるのかというのが読者によくわかる面白いエピソードで、単に直接的な表現を連ねるエロ場面のうまさではなく、そーゆー細かいエピソードで読者の妄想が広がるタイプの描写が山盛りなので、読んでいると、すんごくエロい場面なのに胸がキュンキュンしてきてしまいます(笑)。
 下品ではないというところがまた魅力的ですなー。

 さて、こうして2人はお互いに代用品として“セフレ”の関係を築き、何度も身体を重ね合うようになっていきます。
 ところが、ここでついに夏目の嘘がバレる時が来るわけですよ…!
 もう、みなさんも想像がついてると思いますが、じつは夏目は関川のことを好きでもなんでもなく、もともと西脇のことが大好きで、何とか西脇の歓心を買いたいがためだけに、「お互い代用品でいいからセックスしよう」とか言って、西脇と身体を重ねていたんですな!
 自分がエッチの経験豊富なフリまでして…。

 夏目の嘘がどうやってバレてしまったのか、そのときにどれだけ夏目が可愛く嘘を告白するかについては、これはもう本書を買って実際にお読みいただくしかないのですが、こうして「身代わり」の嘘がバレた後、西脇と夏目はお互いのことをとっくに好きになっていたことに気付くわけですよ。
 このあたりはBLの定番ですが、本作の見所はここからです!

 すっかり可愛くなっちゃった夏目は、西脇の前で“素顔の自分”に戻るんです。
 そう、夏目は少しでも西脇に好きになってもらおうと、元気が良くてちょっと生意気で…という中越の性格を真似て、西脇の前で「活発な美少年」を演じていたんですな!
 うわー、いじらしい…。
 で、じつは本当の夏目は、自分のことも「俺」じゃなくて「僕」と言う大人しくてネクラな少年だったのですよ。

「中越が“俺”だから、“僕”じゃ西脇が興ざめすると思って…」

 こんなことを言われた日にゃぁ、西脇でなくたって、あんまりの可愛さにノックアウトされてしまうわけですが、夏目は今まで一度もエッチの経験なんかなかったこと、ジェルとかスキンとかは通販で必死で用意したこと、そんなことも告白して、西脇はあまりの申し訳なさと愛しさで目が回りそうになってしまいます。
 で、最初のときのエッチのことも、半分泣きながらこう告白するのですよ…。

「気持ちよか、った…だって、西脇に抱かれてたんだもん」

 あんなにウブなところをチラチラ見せてたのに、この告白…!
 なんなの、このネクラ少年…可愛すぎでしょう!
 もうたまらなくなった西脇は、そのままベッドに夏目を押し倒すと、初めての恋人としてのエッチに雪崩れ込んでいくというわけですよ…!

 というわけで、前半あれほど蓮っ葉で悪女だった夏目は、すべての事実が明らかになった後半には、単なるネクラでいじらしい暗め高校生として、ビシバシに西脇に愛されちゃいます。
 中越のフリをすることをやめて、素直に感じちゃう夏目の可愛いことと言ったら!
 これはねー、一読の価値がありますよー。
 “優等生受け”というより、ネクラっ子受けですが、大変素晴らしいできあがりです。

 以上で、西脇×夏目編は終了ですが、本書ではこの後、番外編として、2人にいいように名前だけ使われていた夏川&中越カップルのお話も載っています。
 こちらは元気で生意気な中越が、眼鏡で腹黒い関川に手籠めにされちゃうお話しで、まったく“優等生受け”ではありませんが、相当面白いです。
 意地っ張りな中越が、だんだんずぶずぶに関川にしつけられちゃう様が可愛すぎて(笑)。

 いやー、久しぶりに学園ものを堪能した気になった一作でした。
 やっぱりBLはこうでなくちゃね!
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Comments

見つけました! 
 すいません、受験勉強で忙しくて、なかなかちーけんさんのブログをみる時間がつくれないのでコメントを書くことができませんでした。     というか本屋に行く機会もあまりなく、BL欠乏症になったらどうしよう……といらぬ心配をしていました。                      そんなふうに悶々としている時にたまたま入った例の本屋で見つけたのがこの本でした。                               けっこうエロかったですね。いや、ちーけんさんのレビューを読んでわかっていたんですが、実際に地味なキャラがこいつ悪女?と勘繰りたくなるような言動をとる作品は新鮮だなと思いドキドキさせられました。西脇の部活の顧問がいい味出してました。桜木さんの文章もあっていて、<私>の珠玉の一冊になりました。
 
 
沙来さん、お久しぶりです~!
受験勉強は順調そうですね。
よかばいよかばい←すごく不自然な九州弁(笑)
あと半年の我慢ですが、ここが苦労のしどころ、歯を食いしばって何とか頑張ってください!
きっと幸せが待ってるはずですから。

いま会社なので、手元に本がなく、詳しいお返事ができないのですが、ぐっと心にくる一冊だったでしょー?
僕もたまに読み返したくなります。
顧問の先生ふくめて、また脇キャラがいい味出してるんですよねぇ。
…って書いてたら、また読みたくなってきたー(笑)。

 

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