ネクラで眼鏡でキモオタな優等生は“受け”るとイイよ!

委員長、地味な真面目くん、オタク少年…そんな“優等生受け”BLが大好きな腐男子のブログです~。

 

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[新刊レビュー]身長も高くて体格がいい優等生が受けキャラなマンガが最近多い… 楽田トリノ『愛なんて食えるかよ』より、『奇跡の人』


Category: レビュー コミックス   Tags: 特徴-高校生  受け-眼鏡  受け-真面目・カタブツ  攻め-クラスの人気者  ●ラ行-楽田トリノ  
愛なんて食えるかよ (ドラコミックス 168)愛なんて食えるかよ (ドラコミックス 168)
(2008/05/24)
楽田トリノ

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 知らぬ間に、“がっしり型な優等生受け”がBL界で流行り始めているのでしょうか…?

 先日、北別府ニカ先生の新刊『別れる2人の愛の劇場。』をご紹介しました。
 中に収められている“優等生受け”マンガが2本とも、ある特徴を持っていたからです。
 それは、どちらのマンガでも、受けキャラの優等生クンは背が高いしっかり者で、みんなから頼られるようなお兄さんタイプで、身体もがっしりしていて…なんていう設定だったのです。
 ブログ主は、そんな背が高くてしっかり者な受けキャラ優等生が、可愛く乱れちゃうという北別府ニカ先生の“優等生受け”ストーリーにかなり萌えてしまい、その感動をレビューしたわけだったのですが、その時はあくまで北別府ニカ先生の個人的なお好みでこういうお話しになったんだろうなぁと思っていたわけです。

 ところがですよ!

 今月発売されたばかりの楽田トリノ先生の新刊コミックス『愛なんて食えるかよ』を読んでみたら、ここにも印象的な“がっしりお兄さんタイプ”な優等生受けマンガが載ってました…!
 何とも興味深い現象ではありませんか~。
 う~む、いったい今のBL界で、いや“優等生受け”界で何が起こり始めているというのか…。
 遠野春日先生タイプの、線の細い綺麗な優等生キャラは絶滅しようとしているのか…!!
 ――そんなわけありませんね(笑)。

 とまあ、前置きはそのくらいにして、楽田トリノ先生のBL初コミックスより、巻末に収録された短編BL『奇跡の人』をご紹介いたしましょう!

 マンガには著作権というものがあるので、実際の絵をお見せできないのが残念ですが、このマンガは扉絵がまず眼を引いてくれちゃいます。
 描かれているのは、「ああ、こいつが攻めキャラなのね」と読者がつい思わされてしまうような、立派な体格の高校生です。
 なかなかがっしりした体格を、きっちりと襟元までホックを締めた学ランで包み、黒髪に眼鏡を掛けて落ち着いた風格を漂わせるその姿は、どうにもこうにも生徒会長タイプというか、妹思いのお兄ちゃんタイプというか、そんなしっかり者な感じにしか見えません。
 パッと見、攻めキャラにしか見えないわけですよ。

 ところが!

 よく見ると、彼の後ろには、彼よりほんのちょっとですが背の高い高校生の姿が描かれているのです…!
 それを見て読者は初めて気付くんですよ。
 もしかして、このがっしり眼鏡クンは受けキャラなの!?――つまり、攻めキャラは後ろに立ってる方なの?、ということに(笑)。
 でも、最初はまったく逆に誤解しちゃうくらい、本作の受けキャラ・石川和人(いしかわ・かずと)は、体格もよくしっかり者な攻めキャラに見えちゃうんですよ!
 …これは最後の1ページまでずっとそうなんですけどね(笑)。

 で、そんな“本当は受けキャラ(笑)”な和人は、中学からの親友である高戸(たかと)のことを密かに想っています。
 高戸――扉絵で後ろに立っていたキャラです――は、いかにも女の子にモテそうな外見をしたイケメンくんで、性格も明るく、いつも回りには同級生の女の子たちの笑い声が絶えません。
 そんな光景を毎日見せられて、和人はもちろん自分の恋が成就することなどありえないとはわかりつつも、ため息をつく日々を送っていました。
 といっても、基本的にギャグ風味のマンガなので、シリアスに物思いに耽るという感じではないんですけどね(笑)。

(男で 女好きで 親友で)
(よりによってなんでコイツなんですか)
(神様――!)


 同性の友達に恋してしまった自分を哀れむかのように、内心、そんな叫びを挙げていた和人ですが、ある日、クラスの女の子・エミちゃんから苦手な数学を教えてくれないかと頼まれます。

「――あ、そうか! ここでこの公式を…」

「そう。そうするとこっちの式も…」

「うん、うん! すごーい! ここだけどうしても引っかかってたのに。やっぱり石川くん、教え方上手なんだね!」

「やっぱり?」

「うん、あのね、高戸くんが石川くんに聞いてみろって。数学とか教えるのすごく上手だからって」

「そう…高戸が…」


 そうなのです。
 エミちゃんは、高戸に言われて石川に勉強を教えてもらいに来たのでした。
 それを聞いて、高戸のそんな行動の意味を“モテない自分を気遣ってくれたんだ…”と解釈した和人は、「いいかげん、あいつのこと諦めないとな…」と強く心に思います。
 なんとも切ない場面ですねぇ…。
 それにしても、この場面でエミちゃんに数学を教える和人の姿は、本当にしっかり者のお兄さんが妹に勉強を教えているような感じというか、先生からも頼りにされる生徒会長サマが頼まれて勉強を教えているような感じというか、何度も繰り返しますが、とにかく受けキャラには到底見えません(笑)。
 実際に絵を見てもらわないと、このあたりはなかなか実感していただけないとは思うんですが…。

 で、高戸への思いを諦めようと決心した和人でしたが、そんな折も折、学校帰りに和人と高戸が2人でファストフード店でダベっているところに、和人の携帯へエミちゃんからメールが届いたのでした。

「エミです♪ 大事な話があるので明日、中庭に放課後来てほしいな♪」

 も、もしやこれは“告白”というものでは…。
 思いもしなかった事態にあたふたする和人でしたが、「来た――!」と大喜びしてくれたのは、またしても高戸でした。

「やっぱ そうだと思ったんだ! エミちゃん最近、お前のことばっか聞いてくるんだもん。彼女いるかとか」

「ちょっ…俺のケータイ勝手に! だいたいまだ告白とは限らな…」

「この分だとついにお前も童貞卒業かぁ」(ニヤニヤ)

「えッ! な…に言ってんだよ、俺、つきあうなんて」

「なんでだよ、可愛いじゃんあの子」

「だからって、それだけで…!」

「大丈夫だって、和人なら絶対上手くいく! 親友のオレが保証してやるって!」


 そう言うと、高戸は和人の携帯を取り上げて、勝手に返信を打ち始めるのでした。

「『バッチリ行く』って返信しといてやるから♪」

「自分でやるって! おい、高戸!」

「エミちゃんへ、と。むー、他人の携帯は打ちにくいな…」

 まったく和人の“本当の気持ち”には気付いてくれず、でもこんなに親身になって自分の恋を応援してくれる親友・高戸の姿に、和人は“やっぱり好きだ…”と思いつつ、“だからこそこの想いは諦めないと…”との思いを強くします。

(…ほんとにいい奴なんだ)
(オレはお前にだけは嫌われたくないんだ)
(だから――)

 高戸への想いを諦めるべく、和人は高戸がお膳立てしてくれたとおりにエミちゃんと会い、“お付き合い”というものをしてみようと決心したのでした。

 ところが…。

 翌日の放課後、メール通りに中庭でエミちゃんが来るのを待っていた和人でしたが、待ち人はついに来なかったのです…!
 日も沈み、とっぷりと暮れた中庭で、それでもエミちゃんが来るのを待ち続ける和人。

(ハメられた? いや何か事故とか…!)
(とにかくメール…でももしもからかわれただけだったら――!)
(…行動早いって言ってたから、もう俺に飽きたのかな)
(そうだよな 俺があの子だったらやっぱり――)

 待ちぼうけで頭がわやくちゃになる和人でしたが、結局エミちゃんは姿を現しませんでした。
 その代わり――。
 そこに現れたのは、和人が諦めようとしている相手、高戸その人だったのでした。

「和人? 何でまだお前こんなところに…」

「高…戸…? お前こそなんで…」

「って……ああ~…分かった! 言わなくていいから!」

 ぽつんと立ちつくす和人の姿を見て、事情を察したのでしょう。
 高戸はそう言うと、ずんずん和人のところまで歩いてきて、泣きそうになっていた和人を抱きしめてくれたのでした――。

「オレは分かってるから。お前は悪くないよ」

 そして、オレの肩で泣けとでも言うように、和人の頭を抱えこむ高戸。
 その瞬間、我慢していたものが切れたように、和人はぽろりと涙を流してしまいます。

「ごめん、高戸――」

「気にすんな。たまにはこういう事もあるさ。ほら帰ろうぜ。何かおごってやるから」

 体格のいいしっかり者のお兄ちゃんみたいな受けキャラである和人が、高戸に抱きしめられポロポロと泣いちゃうこのシーンで、読者はやっと「あ、やっぱりこっちが受けキャラで良かったんだ」と安心するわけですが(笑)、両者とも体格がいいため、この高戸が和人を抱きしめるシーンも、なんつーか、体格のいいキャラ同士が抱擁してる絵になってまして、全然BLっぽくありません。
 だからこそ、そんな和人がぽろりと泣いちゃうのが、読者の心にグサッと突き刺さるわけでもありますが。

 そして、ストーリーはクライマックスへと突入していきます。

 場面は変わって、帰りの電車の中。
 夜遅くになって、すでにガラガラの電車の中で、2人は並んでシートに座っています。
 たぶん、エミちゃんを待ち続けた疲れが出たのでしょう。
 和人は眼鏡をしたまま電車の中で寝込んでしまい、隣の高戸の肩にもたれかかっているのです。
 それだけならば、よくBL雑誌の『目撃! やおいコーナー!』みたいなところに投稿される、「今日帰りの電車で超ラッキーな2人連れを見ました♪ 電車で隣り合った美少年2人が肩を貸し合ってて…。あの2人はどんな関係なの!? と思うと、もうたまりませんでした!(><)」みたいな腐女子萌え的光景にすぎないわけですが(笑)、この場面、和人は高戸に寄りかかりながら「ぐうぐう」と寝ているだけではなく、その目からは、ぽろぽろと涙がこぼれ落ちています。

「あーあ。寝ながら泣いてるよ。ったく…。ほら、和人」

「ん…」


 声をかけられても起きない和人。
 さあ…。
 本作最大の萌えシーンがここで登場します…。

「ペロ」

 泣きながら完全に寝込んでいる和人の眼鏡をそっと外してやった高戸は、なんと目じりからあふれる和人の涙を、自分の舌を出して舐めとってあげるのです!
 でも、和人は高戸がそんなことを自分にしたとも気付かず、ぐうぐうと眠り続けています。

「…ごめんな、オレ、やりすぎたな」

 このセリフの意味するところは、「ペロ」っと涙を舐め取ったことを謝っているのではありません。
 じつはエミちゃんが来なかったのは、和人が飽きられたのでも、エミちゃんがすっぽかしたのでもなく、高戸の仕業だったのです!
 「オレが返信してやると」と言って、高戸が和人の携帯を取り上げ、勝手に返事を打ち始めたあのシーン。
 あの時、高戸は「明日は彼女とデートだから行けない」などと断りの返事を勝手に打ち、エミちゃんに送っていたのでした。
 じつは高戸のほうこそ、和人のことを大事に大事に慈しみ、他の子に取られないようにと頑張ってきた男だったのです。
 物語の前半、読者はずーっと、このお話しは、報われない恋に悩む和人が親友を諦めようと思って頑張っちゃう話だと思って読み進めて来たわけですが、最後の最後、このクライマックスシーンにて、真実はまったく逆だったと教えられるわけです。
 いやー、その構造転換の鮮やかなこと!

 で、ですよ。
 ここではもう一つの重要な転換が行われています。

 ここまで和人は体格もいいしっかり者として描かれてきて、読者もそうだと思ってきたわけですよ。
 そして、ここまでのストーリーの根幹である、「和人が親友への報われない想いを諦めようと頑張る」というエピソードは、和人が自律心に富んだしっかり者な優等生だというキャラ設定があったからこそ、活き活きと息づいていたわけですよ。

 ところが!

 実際には、高戸こそが和人のことを好きで、“悪い虫”を付けないためには、卑怯な手段を使ってでもライバルを排除しちゃう男だったということが、最後の最後に明らかになったわけです。
 そしてそれは、しっかり者で隙なんかなさそうだった和人という優等生キャラクターが、じつは高戸にそんな風に愛され、大事にされていることにもまったく気付かない“可愛いキャラ”だったということが分かった瞬間でもあるんですね…!

 「しっかり者だから攻めキャラに見える」から、「しっかり者なのに受けキャラにしか見えない」への大転換――。

 こうなると、和人というキャラが、高戸に愛されるためだけに生まれてきた真性の受けキャラのように見えてくるから不思議です(笑)。
 …外見は、最初からずっと体格も身長もしっかりしているお兄さんキャラのまま変わっていないのに!
 なんという萌えでありましょう!(笑)

 そんな風に、読者の目に和人というキャラが可愛くしか見えなくなったところで、ものすごいトドメが刺されます。
 高戸は、「ペロ」っと和人の涙を舐めただけでは気が済まず、寝入って自分に寄りかかったままの和人を自分の方へそっと抱き寄せて、こんなセリフを耳元で囁くのです。

「…な、和人。もっとオレの事で頭いっぱいにして。もっともっとオレの事 好きになって」

 甘い! あっまぁぁああああああいいいいいいいいいいいっっっ!!!(笑)
 なんつー甘いセリフ!
 しかも萌えるのは、言われてる和人本人が、最後の最後まで寝てて、そんなセリフを言われたことを気づきもしないというところです。
 ぐうぐう寝たまま、高戸に甘い言葉を囁かれてしまう和人は、先ほどまでの“しっかり者”ぶりはどこへやら、こうなるともう単に精一杯の頑張り屋さんな可愛い受けキャラにしかまったく見えません。
 でも、外見はしっかり者で体格もいいお兄ちゃん…。
 このギャップがものすごい萌えを読者に与えてくれるんですなー!

 ふう。
 長々と『奇跡の人』をご紹介してきましたが、じつはコミックス全体ではこれが一番短いマンガになってます。
 というか、このマンガ以外は、みんなシリーズになっていて、キャラクターなども重なっていますが、『奇跡の人』だけは独立した作品になっているという状態です。
 なので、このレビューを読んでも、本コミックスを買うかどうかの判断の助けにはまったくならないでありましょう(すいません)。
 ただ、本ブログ的に、つまりは“優等生受け”大好き視点から見れば、このコミックスは間違いなく「買い」です。
 表題作『愛なんて食えるかよ』は、生徒攻め×教師受け(しかも幼なじみ)の年下攻めBLで、受けキャラが無理して年上ぶろうとしちゃったりして、これがなかなか“優等生受け”っぽい匂いを出してます。
 もう一作、『ねじれた音符の奏で方』は、教師(生徒たちのカウンセラー)×音楽教師というカップルの学園もので、こちらは完全に“優等生受け”。
 プライドの高い腹黒優等生な音楽教師(しかも淫乱)が、攻めキャラを翻弄するストーリーで、かなり長くて読み応えもあります(表紙の2人がそうです)。
 なのに、なんで『奇跡の人』のほうを詳しくご紹介したかといえば…。
 “優等生受け”な視点では、圧倒的に『奇跡の人』のほうに斬新さというか新進性を見いだしたからであります!
 受けキャラの体格がいいことも含めて、すごく新鮮な読後感がある作品なのでした。

 楽田トリノ先生は、別ペンネームで4コママンガ家としても活躍されているそうですが、BL界での今後のご活躍がとっても楽しみな作家さんですね!
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