ネクラで眼鏡でキモオタな優等生は“受け”るとイイよ!

委員長、地味な真面目くん、オタク少年…そんな“優等生受け”BLが大好きな腐男子のブログです~。

 

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[レビュー]ビン底眼鏡に嫌な性格…強烈キモオタ優等生が強引に愛されちゃって… 姫野百合『GO! GO! ハダカ天国』


Category: レビュー 小説単行本   Tags: 受け-キモオタ  受け-ガリ勉  特徴-社会人  ●ハ行-姫野百合  
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(2002/03)
姫野 百合

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 今回は、いきなりですが物語の最終盤、主人公2人がデキあがっちゃった後の、ラブラブなエッチ場面の引用からご紹介しようと思います(笑)。
 詳しいキャラ紹介はのちほどやりますので、とりあえずじっくり読んでみてください~。

 まず最初の場面、重要キーワードは「度のきつい眼鏡を外したふたつの瞳」です(笑)。
 優等生の必須アイテムですからね、これ。

「ひゃっ…」

 知憲の唇から、悲鳴とも喘ぎともつかない声がこぼれ落ちた。
 相変わらず、色気もそっけもない声である。
 もっと、「あん」とか「あぁん」とか、かわいく鳴いてみせられないものなのだろうか?

「や、やだ…」

 しかし、広大は、ぶるぶると小さく首を横に振りながら、上目遣いの涙目で自分を見上げてくる知憲を見て、前言撤回する。
 度のきつい眼鏡を外したふたつの瞳は潤んできらきらと輝いていた。それが、哀願するように自分を見つめてくるこのシチュエーションは、なかなか胸にくるものがある。


 続いての場面。
 ここでの重要キーワードは「稚拙きわまりない動き」です。
 エロいことを経験したことのない優等生クンを表現する定番の“BL語”ですよね(笑)。

 かわいらしくない態度とは裏腹に、かわいらしく乱れていく知憲の身体に、広大の熱もいつしか煽られ、滾っていた。
 衝撃に耐えきれず、ずり上がる知憲の身体。それを引き戻し、身体の奥深くまで突き上げれば、ぬめる粘膜が広大の牡をきつく抱きしめた。

「気持ち、いいか…?」

 耳元でささやくと、知憲は「そんなことない」とでもいうように、首を小さく左右に振る。

「いや…。気持ち、悪い…」

「内山…」

「こんなの…、や…。いや…」

 幼い子供みたいに、舌足らずな言葉。切れ長の美しい瞳には、生理的なものか、涙がいっぱいに浮かんでいた。
 そのくせ、広大に合わせるように、自分から腰を揺すっているあたり、行動が言葉を裏切っている。たぶん、無意識なのだろうが、ひょこひょことしたその稚拙きわまりない動きが、また、そそるというか、なんというか…。

 で、最後は優等生な受けキャラが言葉責めされちゃうクライマックスシーン。
 キーワードは、「駈け引きには免疫がない」&「おずおずと口にする」です。
 ツンツンしていても、結局は好きな相手の言葉には素直なのが優等生。
 思いっきり恥ずかしいことを言わされる場面ですね(笑)。

「ほんとは、気持ちいいんだろ?」

 知憲は、ぶんぶん、と首を左右に振る。

「嘘つけ」

 と広大。

「言ってみろ。気持ちいい、って」

「あ…」

「ほら。気持ち、いい。正直にならないと、いつまでたっても、このままだぞ」

 そんなことがあるはずがなかった。第一、それでは広大のほうがたまらない。
 しかし、ウブと言っていいのかわからないが、こういう駆け引きにはとんと免疫のない知憲は、ためらって、ためらって、最後にはおずおずと口にするのだ。

「…ほんとは…、気持ち、いい…」

 恥ずかしいのをこらえているのが顔を見なくてもわかる。背中から抱きしめている首筋も耳たぶもおもしろいくらい真っ赤だった。

(かわいいヤツ…)


 以上、いきなり長々と姫野百合先生の名調子を引用してしまいました!
 すいません~。

 でも!
 でもっ!!
 本ブログを訪れてくださるような“優等生スキー”のみなさまならば、まずこの部分をご紹介することで、本作がどんなに素晴らしい“優等生受け”か、絶対にわかっていただけると!
 ウブでおぼこい優等生が、いいように身体を開発されちゃって、恥ずかしいことを言わされちゃうこの場面の素晴らしさを理解していただけると!
 そう信じて、以上長々と引用させていただいたわけです。
 ビビビッ(by松田聖子)と本作の“優等生受け”なところを感じていただけたと思うのですが(古すぎ)、いかがでしょうか(笑)。

 しかもですよ! 

 今ご紹介した最終盤のラブラブ場面で、思いっきりウブさをさらけ出して可愛く喘いでいた受けキャラ・内山知憲(うちやまとものり)は、物語の序盤では、まったくそれとは違う想像を絶するキモオタな優等生キャラとして登場してくるのです。
 この落差!
 物語の冒頭、知憲はこんなおどろおどろしい紹介とともに、ストーリーに登場してきます。
 
 右手にはエーゼ。左手には菌液。
 手も足もひょろひょろりんと細長く、痩せこけた身体によれよれの白衣をまとっている。
 ぼさぼさと伸びきって顔を覆う長い髪といい、牛乳瓶の底のような分厚いレンズの黒ブチ眼鏡といい、どこをどう見ても、アレっぽい。
 アレとは、アレだ。
 SFマンガとかファンタジー映画とかに、たまーに出現するマッド・サイエンティスト…。


 うーむ、かなりヒドイ言われよう(笑)。
 続けて、勤務する製薬会社の研究所で、ブツブツとこんなことを呟いている場面が描かれます。

「ふふふふふ…。一郎。次郎。三郎。さあ。みんな。今日も楽しくやろうねぇ」

 この「一郎」たちが人間のことではないのがミソ(笑)。
 知憲がシャーレで大切に培養している白癬菌、つまり水虫菌たちのことなのです。
 シャーレに頬ずりしているところを女子社員たちに見られた知憲は、まったく気にすることもなく白癬菌との楽しい交流(?)を続け、思いっきり顰蹙を買いまくります。

「いやだ…。白癬菌が友達?」
「くっらいもんねぇ。内山。ほかに友達いないのよぉ」
「当然でしょ。だって、あいつが誰かとしゃべってるの見たことある?」


 何とも強烈なキャラですが、本作の素晴らしいところは、ひとえにこの知憲の滅茶苦茶なキャラクター設定にあります(笑)。
 これが、最初にご紹介したようなエッチ場面でのような可愛い受けキャラにどうやって変化していくのか。
 現段階では想像もできないと思いますが、それこそが本書の最大の読みどころと言えましょう!

 では、以下細かくストーリーをご紹介していきます。
 知憲は過保護な両親のもと、幼児のころから「頭のいいお子さん」として育てられてた正真正銘の“優等生くん”です。

 いい幼稚園に入り、さらにいい小学校に入学し、その後も、百人が百人、口をそろえて『名門』と言う学校を、中学、高校と順当に進んできたのだ。
 もちろん、その間は、ただひたすらに勉学に打ち込んだ。同じ年頃の子たちがテレビだゲームだオンナノコだとウツツを抜かしていようがそんなことには目もくれず、一日十二時間机に向かった結果がコレなのである。

 知憲にとって、何よりも大事なのは、テストの点数だった。やればやっただけ成果は残る。
 テストとは、自分を数値化し純然たるデータとして評価できる、なんとすばらしいシステムであろうか。
 そうして、知憲は大学生になった。
 大学。それは、デカダンス漂うモラトリアムのやさしきゆりかご。
 けれども、知憲は、ここでも、自分を変えることはなかった。
 大学院を合わせれば6年間、ただひたすらに自分を数値化することに専念し続けたのである。

 そんな彼の半生に『友人』などというものは一切存在しない。カノジョなんてもってのほか。人づきあいの悪さは、ほとんど対人障害といってもよいほどのものだった。


 そして大学院を修了すると、「他人と必要以上に関わらないで済む」という理由で、知憲は製薬会社の研究所で菌を相手にする生活を就職先として選んだのでした。
 でも、人と協調行動がまったくできない知憲は、研究所でもお荷物的存在。
 一人で好きな研究だけやって過ごしていた知憲に、ある日、突然の異動辞令が下されたことから、ストーリーは展開していきます。
 異動先は、石けん、洗剤、シャンプーなどを扱う家庭用品を扱う部門の研究室でした。
 哀れ「一郎」たちとお別れをせねばならなくなった知憲は悲嘆にくれますが、いたしかたなく異動を受け入れます。
 ま、サラリーマンですから、これはしょうがないところですね(笑)。 

 今までのところ、ちーけんの書いた文章でうまく伝わっているか自信がありませんが、物語の序盤で、知憲はかなり“嫌な奴”として描かれています。
 そんなところは、木原音瀬先生の小説にちょっと似ている感じです。
 主人公の“嫌な性格”を、そこに重点を置いてシリアスに書くと木原音瀬先生の小説に、そこをちょっと戯画化してあくまでコメディとして仕上げると姫野百合先生のこの小説になる感じでしょうか。
 それにしてもこのキモオタキャラ・知憲が、どうやってあの可愛い受キャラに変わっていくのでしょーね(笑)。

 とまれ、異動先で出迎えてくれた研究チームの先輩、奥村広大(おくむらこうだい)にも、知憲は初対面から思いっきり失礼な態度を取ります。
 じつは、受けキャラの知憲が異色キャラなら、攻めキャラである広大もBLとしてはとっても異色です。
 最初はなんと顔面全部ヒゲという“熊キャラ”として登場するのです。

 姫野百合先生、さすが徹底してますね(笑)。

 それにしても、対人障害寸前の自分勝手で唯我独尊な優等生クンという知憲のキャラ設定は、まだ腐女子のみなさまに受け入れてもらえる余地がありそうですが、顔が全面ヒゲモジャという攻めキャラはどうなんでしょう。
「いや、それはワタシはだめだわ…」と結構拒否られそうな気がするのですが、最近はオヤジ受けなんかも多いし、意外に受け入れられちゃうのかな?(笑)。
 もちろん文中イラストでも、広大はヒマラヤ帰りの登山家みたいな思いっきりヒゲ顔で描かれてます。
 対する知憲も、ボサボサの長髪と、レンズに鳴門の渦巻きが描かれているような分厚い眼鏡をかけた姿で描かれていて、この2人が1枚のイラストに収まっている序盤は、とても絵だけみるとBL小説のイラストとは思えない華のなさになってます(笑)。

 さて、そんな“クマ男”に出迎えられて、知憲はビックリして固まってしまいます。

「おい、内山。おまえ、寝てるのか?」

 広大のゴツい手が知憲の白衣の肩を掴んで揺さぶる。知憲は、その瞬間、びくん、と飛び上がった。

「さ、さ、さ、触るな…」

 そう言って、身体をよじってその手を払い落とす。

「ぼ、僕に触るな…。気持ち悪い…」

「気持ち悪い、だと?」

 あまりの言いぐさに広大の眉が、ぴくり、と引きつった。

「俺のどこが気持ち悪いって?」

「…存在自体が気持ち悪い…」

「はあ?」

「人間なんて、なまあったかいし、動くし、気持ち悪いだけじゃないか。そんなもん触って、あんた、よく平気だな」

 広大の双眸が呆れたようにまじまじと知憲を見下ろしている。

「内山。おまえ…」

 知憲は、おどおどとその瞳を見返し、震える声で脅しをかけた。

「わ、わかったな。金輪際、僕には触るなよ。触ったら…」

 たいていのヤツは、これで二度と近寄ってこなくなる。触られるどころか声をかけられることもなくなった。これは快適な日々を保証してくれる呪文みたいなものだ。
 しかし、その呪文もこのクマ男にはあまり効果がなかったようで…。
 しばらく唖然としていた広大は、ふいに手を伸ばすと、だらんと下に降ろされていた知憲の右手を掴む。


(略)

「ひっ…!」

 そうして、上下にシェイク。

「よろしくな。内山」

 恐怖と嫌悪におののく知憲は何も答えない。広大の手に、さらに力がこめられる。

「よ、ろ、し、く」

 仕方なく、知憲は、小さな、小さな、今にも消え入りそうな声で言った。

「…よ、よろしく…」

「よろしい」

 そう言うと、広大はようやく知憲の右手を解放した。すかさず手を引っ込めた知憲は、右手を白衣の裾でごしごしと拭う。

「おまえ、なぁ…」


 だいぶ長く引用してしまいましたが、この場面、本作のキモとなる構造がすべてぶち込まれてますのでご紹介してみました!
 勉強しかしてこず、それ以外のことはまったくダメで、友達も1人もいない、ビン底眼鏡の優等生。
 そんな孤独な受けキャラを、無理矢理太陽の下に引っ張り出し、変えていってしまうのが広大というキャラなわけです。
 最初から知憲は失礼な態度を取るわけですが、広大は気にせずにズンズンと知憲の壁をぶち壊して進んでいきます。
 それにつられるように、知憲が一歩ずつカラを破って出てくるわけですね。

「仕方なく、知憲は、小さな、小さな、今にも消え入りそうな声で言った。」

 この部分なんか、それがとてもよくわかる場面ですが、ビン底眼鏡の優等生が、怒られた子供みたいに「小さな、小さな声」で挨拶させられている場面を想像すると、可愛くてドキドキしてしまうわけですよ。
 むはー!
 さあ、だんだん知憲が変化していく過程が見えてきていませんか?(笑)

 さて、知憲と広大の2人に与えられた新たなテーマは、画期的な温泉入浴剤を開発することでした。
 そこで、有名温泉をいくつも回ってサンプルデータを集めるべく、2人は湯どころを回る出張に出ることになったのです。
 ところが、触られるぐらいであんなに嫌がった知憲は、とても知らない人間と同じ部屋に泊まったり、同じ温泉に入ったりなどできません。
 そんな知憲を、「自分で服を脱がないなら、俺が無理矢理脱がすぞ」と脅して裸にさせた広大は、無理矢理ですが一緒に温泉につかることに成功します。

 さあ、ここでお約束のシーンが出てきます(笑)。
 全面ヒゲのクマ男×ビン底眼鏡の優等生というBL的にはなかなかありえない組み合わせが新たなステージへと昇華する、まず第一弾がここです。

「ほら。内山。眼鏡…」

 広大はうずくまったままの知憲に眼鏡を差し出した。

「だいたい、風呂に入るときは眼鏡外せよ」

「だって…」

 知憲はそれを受け取るためにようやく顔を上げる。

「だって、それがないとなんにも見えないんだからしょうがないだろ…」

 言葉どおりにあたりが見えにくいのか、目を細くすがめる知憲。その顔に何気なく視線を向けた広大は、途端に唖然とした表情になった。

「内山…。おまえ、そういう顔してたんだなぁ」

 しばらくの間、言葉さえないまま知憲を見つめていた広大が感心しきったような声を発したのは、たっぷり、十五秒も経ってからのこと。

「いや、こいつは驚いた。眼鏡の下の素顔は意外な美貌ってヤツか? まるでマンガみたいだな」

「は…?」

「おい、内山。おまえ、そのボサボサの前髪を上げて、ついでに牛乳瓶の底みたいな眼鏡をコンタクトに替えてみろよ。そのキレイな顔なら、たとえ中身に難ありでも、おもしろいぐらい女が釣れるだろうぜ」

 はい、出ました!
 眼鏡が取れたらすごく美人(笑)。
 80年代の『りぼん』ですなぁ(笑)。
 それまで、単に変わり者の後輩としか知憲のことを思ってなかった広大の心に、ちょっとした変化が起こるのもこの場面。
 ドキドキしますねー!
 じつはこの第二段階として、広大のほうも(ルックス的に)劇的な変化をこの後遂げるのですが、その前に、2人の恋の進行に重要なエピソードをご紹介しておきましょう。

 翌日、次の温泉に移り、またもやサンプルデータを取るために裸で湯に入った2人ですが、前日の晩の宿での食事や温泉での触れあい(?)を通じて、だいぶ意思の疎通も図れるようになってきています。
 そんなほぐれた心で温泉につかる2人は、自然と口も緩んでくるのでした。

「おまえ、そうしてると、なかなかの美青年なのにな」

 そう言って、広大はため息を一つ。

「せっかくのいい顔がもったいないと俺は思わずにはいられない」

 ほうっておいてくれ、とは知憲の心の言葉。しかし、広大はさらに言いつのる。

「おまえ、ほんっとーに女に興味ないのか?」

「ない」

 知憲は即座に返答する。

「じゃ、今まで女と付き合ったこともなし?」

「当然だろう」

「てことは、二十七にもなって童貞か? 右手が恋人じゃ淋しくないのか?」

「右手が…恋人…?」

 言われた意味がわからず知憲が首を傾げていると、広大にもそういうシモネタは知憲には通じないことがわかったのだろう。苦笑いしながら質問を変えてくる。

「だから、その、なんだ、本物の女はマスターベーションなんかよりずっといいって話だよ」

 さすがの知憲でも、その言葉は理解の範疇にあった。広大の言わんとするところを察して、知憲はさもつまらなさそうに「ああ」と声をあげる。

「別に、かまわない。僕はそういうこともしないから」

「え? まさか、一度もしたことないのか?」

 うーむ。
 いくらなんでも20代男子で「そういうこと」を一度もしたことがないってのは、我が身を振り返ってもちょっと信じられませんが(笑)、まあBLはファンタジーの世界のお話しですからね(笑)。
 ここまでのストーリーで、知憲がまったくそういうことをしそうにないキャラとして、強烈に読者の心に刻み込まれてしまっているので、それはそれでちゃんと成立しているわけですよ。
 これを「リアリティがない」とか言うのは野暮というものです。

 それにしても、この性的にウブでおぼこい知憲の受け答え…。
 優等生スキーのみなさまには、かなり評価が高いと思うのですが、いかがでしょうか(笑)。
 で、ウブな優等生がエロいことを聞かれて、「そんな下品なこと、僕はしない」なんて潔癖なことを言ったりしたら、どんなことになっちゃうのかってのは、BLの世界では、もう「法則」と言ってよいくらい決まりきってますよね。
 ――もちろん、エロいことをされちゃうわけですよ(笑)。

「どら。見せてみろよ」

「ひっ…」

 知憲の喉から声にならない叫びがほとばしる。
 だって、あろうことか、広大が掴んだのは、知憲の下腹部のさらに下、いわゆる臍下三寸で揺れているとっても恥ずかしい場所だったのだ。
 広大は掌の中の今はまだやわらかなものをあやすように弄ぶ。

「あ…」

 知憲の唇から驚きがため息になってこぼれた。
 まさか、こんなことをされるとは思っていなかった。他人の手で、しかも、戯れに自分の身体でもっともプライベートな場所をいいようにされるなんて、そんなの絶対にあってはならないことだ。

「な、な、な、なんてことをするんだ」

 知憲は抵抗を試みる。しかし膂力の格差はいかんともしがたく、あっさりと手足の動きを封じられてしまう。

「バ、バカっ。やめろっ、変態っ」

 しかし思いとは裏腹に、物理的な抵抗を受けて、知憲のそこは広大の掌の中でゆっくりと張り詰めていく。

「や、やだ…」

 まるで幼い子供がむずかるように、知憲は、きゅうっ、と目を閉じ、小刻みに首を左右に振った。

「も…、離せ…」

 小さくすぼめた肩。細かく震える唇。鮮やかに紅潮した頬はいかにもウブウブといった風情である。

「おまえ…、なんか、かわいいな…」

 ふいに、広大が、ふっ、と失笑した。

「そんなにおびえるなよ。それじゃ、俺が極悪非道の人非人みたいじゃないか」

 なんたって、広大を見上げる知憲の視線は、もう、ほとんど涙目。うるうる潤んだその瞳が『いじめないで』と必死になって訴えている。

 知憲の意外に可愛い面を見せられて、軽い気持ちで悪戯してみた広大も止まらなくなってしまう様子がよくわかりますね~。
 そして!
 そのまま知憲は広大の手で射精させられてしまうのでした。

 広大は、ぐったりと力を抜いた知憲を抱きかかえ、そっと唇を寄せる。

「キスも初めてか…?」

 うなずく気力もないまま、知憲はただぼんやり広大の顔を見つめた。すると、それが合図だったようにキスが降ってくる。
 軽く触れて、すぐに去っていった唇。

「どうだ?」

 聞かれて知憲は、ぼそり、と答える。

「…髭がちくちくして痛い…」

 いやー、マジにドキドキというかたまらない感じの名シーンじゃありませんか? ここ!
 あんなに頑なで人間嫌いだったキモオタな優等生が、ここまで広大のことを受け入れてしまうとは…!
 今まで誰にも優しくされたことがなかったからこそ、優等生クンは自分に向けられる好意に敏感です。
 この画面、どんな気持ちで知憲がキスを受け入れたかと考えると、もうこちとら胸がキュンキュンして張り裂けそうですよ!

 さて、そんなこんなで出張から戻って翌日。
 出社してみると、あの“クマ男”だった広大が、キレイさっぱり髭を剃り落とし、「洗練されたハンサムで有能な研究員」に変身して(?)いるのを、知憲は見つけます。

 はい、これが変化の第二弾(笑)。
 これでようやく、ハンサムな攻×ホントは可愛い受という王道BLっぽい感じになってきましたが、知憲はいまだにビン底眼鏡にボサボサ髪のままなので、正確にいえば、ハンサムな攻×キモオタ優等生という組み合わせですね。
 みんなに嫌われるダサい優等生の可愛さに気付いちゃったカッコイイ王子様。
 うーむ、なんちゅー“優等生受け”的にはそそられる組み合わせになってきたのでありましょうか。
 ヨダレがとまりませんなー(笑)。

 でも、なんで広大が髭を剃ったかわかります?
 そうです、知憲が「髭がちくちくして痛い…」と言ったからです。
 でも、鈍い知憲はもちろんそんなこととは気付きません。
 なのに、温泉出張で広大にエロいことをされちゃった知憲は、もう広大のことが気になって気になってしようがないのです。
 はっきり言って、ヒヨコの刷り込みと同じで、初めて人に愛される実感を覚えた知憲の目には、もう広大しか映らなくなっちゃってるわけですよ。
 でも、もちろん人間関係に疎くて、ちゃんと好きという感情もあらわせない知憲は、広大にツンツンした態度を取るばかり。
 そこに、またもや温泉出張の機会が回ってくるのです。
 さあ、果たして2人はどうやって気持ちを確かめ合って、冒頭ご紹介したようなラブいカップルに変化していくのか――。
 ホントはここでご紹介したいのですが、やっぱりこの最後の温泉出張のシーンこそは、実際に本書を買って読んでみていただきたいと思うわけですよ。
 広大に愛されて、最初の“嫌なヤツ”キャラもどこへやら、花が開くように可愛くなっていく、でも優等生らしさは失わずにウブでおぼこい知憲の変化をぜひその目で確かめてみてください。
 冒頭でご紹介したエッチ場面は、その温泉出張から帰ってきて、すっかりデキあがってしまっている2人の甘甘シーン。
 じつは本書では、その後にも最後のエッチシーンが出てきまして、なんとそこでは知憲が「からだが溶けるぅ」なんてこと言ってます(笑)。
 読みたいでしょ?
 読みたいでしょ?
 つーか、素直になれよ!!!
 読みたいんだろ!!!!!!!

 …ハッ!
 ブログを読みにきてくださるお客様がたに何て言葉を…。
 すいません、優等生受けのこととなると、つい頭に血が上っちゃって…。

 なんか今回も、うまく作品の魅力を伝えられなかった気がして、残念でたまりませんが、本書はちーけんのBL蔵書数千冊の中でも、間違いなく“優等生受け”TOP10に入ってくる名作です。
 ぜひ一度読んでみていただけるよう、切に願ってます!

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