ネクラで眼鏡でキモオタな優等生は“受け”るとイイよ!

委員長、地味な真面目くん、オタク少年…そんな“優等生受け”BLが大好きな腐男子のブログです~。

 

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[レビュー]口下手な天才スポーツ少年が、眼鏡で真面目な「読書研究部」部長に一目惚れ! 三季貴夜『耳をふさいで 瞳をとじて』


Category: レビュー 小説単行本   Tags: 受け-眼鏡  受け-真面目・カタブツ  受け-生徒会長・委員長  特徴-高校生  特徴-年下攻め  ●マ行-三季貴夜  
耳をふさいで瞳をとじて耳をふさいで瞳をとじて
(1996/10)
三季 貴夜

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 昔の“優等生受け”BLは、主人公が眼鏡クンでも、なかなかそのままでは表紙に登場させてくれませんでした。
 よくて、眼鏡を外して手に持ってる状態。
 ちーけんは一人で怒っていたものですよ。

「眼鏡優等生が表紙だと売れないなんて誰が決めたんだよ! チクショウ! チクショウ…」(やや大げさ)

 眼鏡男子ブームとか言われて、まったく“表紙眼鏡”がタブーじゃなくなった今では考えられないことでしたが、ホントに昔のBLでは表紙に眼鏡クンが登場すること自体、極端に少なかったわけです。
 今回ご紹介するこの本、三季貴夜先生のBL小説『耳をふさいで瞳をとじて』(ショコラノベルス)も、そんなころの作品。
 96年10月の発行日になってますから、商業作品としてはかなり早い段階での“優等生受け”BLだったわけですが、当時の状況を考えると、そもそもこんな“優等生受け”な内容で本が出たこと自体が奇跡。
 やっぱり表紙では、主人公である北都学院高校3年生の読書研究部部長・桜井公彦(さくらきみひこ)は、ストーリー中ではずっとかけている眼鏡を外されての登場になっていますが、それもしょうがないことと言えましょう。

 …それにしても「読書研究部」ですよ!(笑)。
 地味~~~~。
 キャラ立たねぇえええ。
 よく編集者はこんなプロット通したなぁぁあああ。
 ま、おかげで当時の“優等生受け”に飢えていたちーけんは、大いに救われたものですが!

 ただ、受けキャラが超地味なぶん、攻めキャラがかなり華やかなスーパースポーツ高校生という設定になっており、そこに鮮やかなコントラストが際だつとともに、暗い優等生がカッコイイスポーツ少年に愛されちゃうという、“優等生受け”としてはかなりヨダレじゅるじゅるなストーリーになっています。
 …しかも攻めキャラは高校1年生という設定です。
 そうです、年下攻め!

 でもこう書くと、攻めキャラである北都学院高校の新入生・玄武春生(げんぶはるみ)は年上の先輩を余裕で転がしちゃうようなワガママでイヤミな天才スポーツ高校生で、そんな華やかな後輩のことを好きになっちゃったネクラ読書少年・公彦が、春生を必死で追いかけるなんてストーリーかと思われそうですが、じつはまったく違います。

 春生が運動万能なのはその通り。
 中学時代には、とても中学生とは思えないその運動能力を発揮して、幅跳びや200メートルハードルの中学記録を塗り替えたり、サッカー部に助っ人として参加して都大会の決勝でハットトリックを決めて全国大会にチームを導いたり、持ってる武道の段を合計すると18段にもなったりという数々の伝説を持って高校に入学してきたのが春生です。
 ですから、春生が入学するや、北都学院の運動部連中は色めき立ち、入学式早々、“玄武春生争奪戦”が大々的に巻き起こってしまったのでした。
 ところが、じつは春生自身は運動能力は別としてごくごく普通の少年、いや、どちらかというと人と会話をしたりするのが苦手で口下手な性格という設定なのです。
 ほら、ずいぶん最初に持ったイメージと違う感じの攻めキャラでしょ?
 そして、運動部の先輩に追われて校内を走り回った春生が偶然飛び込んでしまったのが、主人公・公彦が一人静かに本を読んでいた読書研究部の部室というわけだったのでした。

 突然、誰かが部室に飛び込んできた。

「えっ?」

 急に現れた少年を見て、公彦は釘付けになる。
 玄武春生の綺麗過ぎる容姿に。

「玄武君!」

「返事は? 玄武君!」

 後から後から春生獲得を狙った勧誘員たちが、読書研究部の部室に入ってきた。その傍若無人ぶりに、公彦はムッときた。
 ふと春生を見ると、面立ちが綺麗過ぎるため、怒っているのか困っているのかわからない無表情に近い顔つきをしていたが、少なくとも喜んではいないと窺えて公彦はますます腹を立てた。
 春生は追い詰められて行き場を失い、たまたま目の前にあった読書研究部の部室に逃げ込んできただけなのだろう。が、勧誘員に囲まれ、立ちつくす春生を見ていると、この少年は自分に助けを求めているのではないかと公彦には思えてくるのだ。

「ねえ、玄武君頼むよ、うちへ入ってくれよ」

「入れないです…」

 春生は、またもぼそぼそとした声で呟き、勧誘員たちの顔をまじまじと見渡した。

「その、どこの部にも入る気は…」

 ややうつむいて春生は精一杯の声を出す。

 はい、これが春生と公彦の出会いのシーンです。
 パッと読むと、「面立ちが綺麗過ぎる」とか、気弱そうにぼそぼそ話す様子とか、春生のほうが受けキャラ設定っぽい感じですが(笑)、もちろんこっちが攻めキャラです。
 そうです、公彦が目を奪われてしまったように、攻めキャラ・春生はとんでもなく美形という設定なのです。
 で、運動万能のスーパー高校生なのですが、口下手で社交性ゼロ。
 そのため、中学時代もバツグンの成績を残しながら、チームメイトに誤解されて「冷たいヤツ」と思われたりして、ますます無口になるという悪循環を繰り返してきたのでした。
 この場面でも、「どこの部にも入らない…」とぼそぼそ喋る春生の態度に怒り、勧誘員たちの何人かは、「やっぱりお前はそういう奴なのか! 噂通りに人を人とも思わない冷たい奴なんだな!」と怒ってしまいます。
 そのとき、春生は心の中でこんなことを呟いていたのでした。

 人を人とも思ってないなんて嘘だ。
 春生はそう叫びたかったが、口下手が災いして叫べない。下手に叫ぶと、怒っている、怒鳴っているとしか相手が感じないだろうということを、子供の頃からの経験で知っていたのだ。
 だからこそますます無口になり、無愛想になっていったのだが、またそれがもめ事を起こす原因となり、そのせいで誰ともうまくいかず、部活を転々としてきたのだ。
 本当は誰とでも普通に話して、うまくやっていきたいと思っている春生にとって、それはつらいことだった。
 自分もつらいし、きっと周りもつらいだろう。そう思ったからこそ、高校ではどの部活にも属さないで過ごそうと決めていたのだ。
 そんな自分の思いを彼らに説明したい。説明したいけれどできない。

 相当に内向的な少年ですね、春生は(笑)。
 見かけは超美形で、しかもスポーツ万能。
 なのに、性格はめちゃくちゃ内向的で言いたいことさえうまく言えないという。
 でも、気持ちは男らしいし、人を傷つけるのも嫌なので、こうやってみんなから責められてもじっと耐えるわけですよ。
 ――言ってみれば、無口な高倉健?
 って、高倉健はもともと無口キャラか(笑)。
 内向的な高倉健?
 いやべつに高倉健がBL的な美形キャラとは毛ほども思いませんが(笑)、まーそんな感じの攻めキャラが春生なわけです。

 で、読書研究部部長という地味で暗そうな設定の受けキャラ・公彦は、突然部室に現れた春生をどう受け入れたのか。

「いい加減にしろ!」

 滅多なことで大声を出さない公彦だったが、そう怒鳴って、春生を庇うように立ちはだかっていた。

「一人に対してよってたかって、これじゃいじめと同じだろう!」

 居合わせた全員が、初めて公彦の存在に気付いたようだった。驚いて、大声を出す公彦を見つめた。

「だいたいここはうちの部室なんだから、部員以外の人間は出て行ってくれ!」

「いや、その…」

 公彦のけんまくに一人が恐縮したように頭をかく。

「とにかく早く出て行ってくれ!」

 おおー、読書研究部部長なくせに男らしい!(偏見)
 公彦は最初に書いたとおり、思いっきり眼鏡がトレードマークの真面目で地味な文化系少年ですが、この時は、困って立ちつくす春生を見て、居ても立っても居られなくなってしまったんでしょう。
 勧誘員たちを一喝して引き揚げさせてしまったのです。
 そんな公彦の姿を見て、春生はこんな思いを抱くのでした。

 春生はそう怒鳴る公彦のことをどこか感動して見ていた。
 なぜ、はっきりと自分の意見が言えるのだろうかと、春生は不思議でならない。今怒鳴っているのが、体格もよく、男らしい風貌の人物だったら、春生はこうも驚かない。
 眼鏡をかけた、どう見てもおとなしげな風貌の公彦が怒鳴っているから、目を見張っているのだ。人を外見だけで判断してはいけないことくらい春生にもわかっていた。けれども、このほっそりとした気弱そうな人からはっきりとした言葉や大声を聞こうとはと、とまどっていたのだ。
 とまどいであり、驚きであり、感激であり、そしてショックでもあり、それらすべてをひっくるめて、春生は公彦にこの瞬間恋心を抱いた。
 あまりにも唐突で、あまりにも強烈な恋だった。
 一目惚れ、と言ってしまえばそれまでだ。けれども、だからこそ激しい、初恋だった。

 というわけで、本作は外見だけを見ると、天才スポーツ少年×読書研究部の部長というコントラストの利いたカップリングであることは間違いないのですが、じつは2人の性格的な部分に目を向けると、無口で内向的な巨大ワンコ×華奢で眼鏡だけどしっかり者の優等生という一風変わったカップリングのBLとして読者の前に現れてきます。
 ここが本作の一番の特徴というか“売り”の部分だと思うんですが、でもよく考えると、無口で内向的な攻め×優等生で読書好きで地味な受けという、何だかBLっぽくない大人しいカップリングにもなってるんですよね(笑)。
 ホント、よく編集者はこのプロットでOK出したなと感激しきりですよ。

 とまれ、こうして天才スポーツ少年・春生は、読書研究部部長・公彦に恋に落ちてしまったのでした。

 そして、春生はそのまま読書研究部に入部すると、みんなの前で宣言してしまいます。
 びっくりした公彦ですが、もちろん嫌と言うわけがありません。
 じつは読書研究部は部員が公彦しかおらず、廃部の危機にさらされていたからです。
 こうして部長1人、部員1人で読書研究部は新たな活動を始めることになったのでした。

 以後、もちろん2人の恋の模様が学園生活と絡めて描かれていくわけですが、攻めキャラ・春生は、ホントに無口で自分の気持ちを表すのが下手なので、読んでいる時、ちーけんの頭の中では“裸の大将”のイメージとかぶってしょうがありませんでした(笑)。
 作中、文学好きの公彦が、放課後2人きりの部室で、平安時代の「あいうえお」の発音は現代とまったく違うという話を春生に熱っぽく語るシーンが出てきます(笑)。
 公彦の優等生っぽさが現れていてとても良いシーンなわけですが、ここでも春生は片言しか反応を返しません。

「あっ。ごめん。ずっとこんな話しちゃって…」

 じっと自分を見つめる春生の視線が恥ずかしくて、公彦はほんのりと頬を染め、うつむく。

「どこから話がそれたんだろう。玄武の原稿の話をしてたのに…」

 春生は答えない。答える代わりに、首を縦に振る。

「ほんと、ごめん。こんな話つまらないだろう。興味ないよね」

「そんな、ことない…」

 春生は短く言って、今度は首を横に振る。

「俺、好き…」

「えっ?」

 公彦はかっと身体を火照らせる。
 何だか恋の告白をされたような気になったからだ。
 春生は自分が言葉の話をしていても平気だ、聞くのが好きだ、と言ってくれているのだろう。そうに違いないとわかっていても、ドキドキと胸を鳴らしてしまう。
 春生も告白のようだと感じたのか、真っ赤な顔になり、落ちつかなげに視線をあっちこっちに廻らせている。

 そしてなんと!
 このあと2人は、コロコロと机から転がり落ちた赤ペンを同時に拾おうとして手が重なってしまい、思わず「あっ!」と顔を赤くして手を引っ込めあってしまうのです!
 ――って、なんという乙女BL!(笑)
 さすが96年発行の小説ですなぁ(笑)。
 でも、その情景を想像すると、とってもキュンキュンさせられちゃうんですけれどね!
 それにしても、春生が全然喋らないで“裸の大将”みたいになってるのをお分かりいただけたと思います。

 さて、斯様にゆっくりと進む2人のラブストーリーですが、この後、公彦は春生が勢いで読書研究部に入ったわけでなく、本当に本が好きなことを感じ、春生に“読書感想文コンクール”に応募してみるように勧めます。
 毎日熱心に感想文の書き方を指導し、面倒を見る公彦と、そんな公彦を信じきって生まれて初めての感想文を仕上げる春生は、だんだん距離を縮めていきます。
 で、見事入賞した春生は、朝礼の壇上から公彦への感謝の言葉をとつとつと、でもはっきりと自分の言葉で語るのです。

「先輩…」

 スピーカーから春生の声が流れた。公彦はいきなり呼ばれて、ドキリとして目を見開く。
 生徒たちの誰もが、先輩とは誰だろう、玄武春生はどこを見ているのだろうかと、きょろきょろと探し出す。

「ありがとうございます…。先輩のおかげです…」

「先輩? 読書研究部の?」

 要領を得ない挨拶だと思ったのだろう、校長が横から口を挟む。春生はそれにこくりと頷く。

「桜井…先輩です…。先輩のおかげです…。とても…感謝してます…」

「玄武!」

 公彦は声を出していた。さっきから涙でかすんでいた視界がますますきかなくなり、睫毛が濡れていくのがわかった。


 そして公彦も、口下手だけれど、自分のことを一心に慕ってくれる春生の心を感じ、後輩である春生への思いを抑えられなくなります。
 でも、口下手な美形×真面目な優等生ですからね。
 ゆっくりゆっくり、2人の恋が進んでいくわけですよ。
 むふふー。
 今ご紹介したところで、全体のまだ3分の1くらいです。
 あとの2人の恋の進展は、ぜひ本書を手に入れて実際に読んでみてください!

 ――って、じつはこんなに無口で口下手な攻めキャラ春生ですが、最後のほう、あるシーンでは結構饒舌になってたりします。
 ええ、もちろんアレですよ(笑)。

「先輩、欲しい…」(ワンコ攻めらしく公彦に甘えながら)

「先輩、すごくHだ。さっきより勃ってる…」(感じまくる公彦にさらなる攻撃中)

「じゃあ言って…、俺がいいって、俺が欲しいって…」(大好きな公彦に好きと言わせようとする攻めワンコ)

「ああ、先輩、先輩、好き…。大好き…」(もちろん腰フリながら)

 うーむ、“優等生受け”を紹介する本ブログですから、本来ならここで公彦の喘ぎ声を抜粋しなければいけないのでしょうが、あんまりに面白いので、春生のほうを紹介してしまいました。
 ふだん喋らないくせに、眼鏡で優等生な先輩を攻め立てるときだけこんなに喋るとは、ムッツリよのう(笑)。
 もちろん96年発行のBLなので、そんなにエロ場面は長くないですが、しっかりあります!

 最近、三季貴夜先生のお名前をあまり見ないような気がするのは、本当に残念です。
 かつては『小説アドニス』でメインの作家として連載など多数やられていた人気作家さんだったのですが…。
 今も同人誌などでは書いておられるのでしょうか?
 どなたかご存じの方がいたら教えてください~。
 『小説アドニス』で書かれていた作品もそうですが、BLではあるものの、どちらかというとアクションやファンタジー色が強い小説を書かれる方だったので、本作『耳をふさいで 瞳をとじて』が出たときには、思いっきり恋愛に軸足を置いた作品だったので、イメージが違って驚いた思い出があります。
 本当に初期の商業誌の中では得難い“優等生受け”作品がこれでした。
 今でもアマゾンなどでは日数はかかりますが入手は可能なようです。
 古い作品ではありますが、今読んでもすんごく面白いですし、実際、ちーけんは折に触れて読み返す大好きな作品です。
 ぜひ本作の魅力をみなさんに知っていただきたいです。
 三季貴夜先生の他の作品も、機会があればぜひ手にとってみてください――“優等生受け”は少ないですが。
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