ネクラで眼鏡でキモオタな優等生は“受け”るとイイよ!

委員長、地味な真面目くん、オタク少年…そんな“優等生受け”BLが大好きな腐男子のブログです~。

 

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[レビュー]眼鏡を取ると超美人!? ステレオタイプの優等生が上級生に「可愛い」と言われ続けるもまったく信用せず… 姫野百合『ひみつをあげる』


Category: レビュー 小説単行本   Tags: 受け-眼鏡  受け-ガリ勉  特徴-高校生  ●ハ行-姫野百合  
ひみつをあげる (オヴィスノベルズ)ひみつをあげる (オヴィスノベルズ)
(2001/10)
姫野 百合

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 まったく人気がないと思っていた、過去の名作“優等生受け”をご紹介するこの「珠玉の一冊」コーナー。
 拍手コメントで、最近、「好きです」と仰ってくださる方が何人かいらっしゃったので、現金なブログ主は嬉しくなっちゃって、現在書庫から着々と候補作を選び出し中です。
 あとは書く時間さえあれば…。
 うぐぐぐぐ。

 で、まずはこの作品から参りましょう!
 懐かしいなぁ。
 姫野百合先生の『ひみつをあげる』(オヴィスノベルズ)です!
 比較的どんなストーリーでも描かれる姫野百合先生ですが、じつは“優等生受け”の宝庫。
 他にも、『GO!GO!ハダカ天国』という素晴らしい“優等生受け”を書かれてます。
 そちらは社会人ものということで、今回は王道である学園ものの“優等生受け”作品『ひみつをあげる』からご紹介いたしましょう。

 じつはこの小説は、シリーズの3作目。
 名門進学校である「翠巒高校」(すいらんこうこう)を舞台にした学園ものです。
 というと、みなさんが一番心配なのは、シリーズの最初から読む必要があるんじゃないの?…ということだと思いますが、そこはまったく心配ご無用。
 第3作である本作だけ読んでもまったく大丈夫です。
 もちろん、前2作のキャラも登場しますので、読んであればなお面白く読めること請け合いですが…。

 で、本作の主人公(受)・能勢永(のせはるか)は、外見は華奢で小さくてお目々パッチリという昔ながらのBL版カワイコちゃんなんですが(笑)、中身はアレすぎていっそ清々しいほどの優等生キャラです。
 なんせ定期試験で800点満点で795点を取りダントツの学年一位に輝いても、永はこんな感想しか漏らさないほどですから。

「795点…」

 永は呆然とした。
 なぜ? なぜ、満点じゃないのだろう?
 いったい、どこで五点取りこぼしたのか?

「なんでだよ…」

 永は苦々しくつぶやいた。
 悔しい。
 ショックのあまり、黒ブチの眼鏡もズリ落ちてしまったくらいだ。
 自信あったのに。満点だと思ってたのに。

 で、そこに現れたクラスメイトたちに「すごいね、また一位だね!」と声をかけられても、こんなセリフで毒づくのです。

「山根くん。人のことなんかより、自分の心配したら?」

「え?」

「たまには貼り出されるくらいの成績取ってみたらどうかって言ってるんだよ」

「……」

「恋愛なんかにうつつを抜かしているから、いい成績が取れないんだ。そんなことじゃ、きみの人生、先が知れてるよ」

 いいでしょー、このステレオタイプな優等生ぶり(笑)。
 こういう戯画化されたタイプの優等生キャラは、最近のBLではリアリティがないのか、あまり見かけなくなってしまいました…。
 寂しい限りですなー。
 こういう成績のことしか考えてない優等生が、後でどうにかなっちゃうんだろうなぁと考えると、ちーけんなどはとても堪らないモノを感じるわけですが(笑)。

 で、永は見た目も華奢で可愛い優等生くんのハズなのですが、いまご紹介した文章でも書かれていたとおり、ダサイ黒ブチ眼鏡を常にかけていて、それが「魅力を半減」させているんですね。
 そう、眼鏡を取ると絶世の美少年なのに、みんなが(もちろん永自身も)それに気付いていないという…。
 このあたりもステレオタイプな設定といえばそうですが(笑)、本ブログで何度も書いてますとおり、BLというのはこういう“よくある設定”をいかに新鮮に料理するかが作家の腕なワケでして、そして本作の場合、それは見事に成功しています。
 きっちりした形式にのっとった古典主義的なBLではありますが、姫野百合先生がとてもうまい作家さんなので、読者がすごく胸をキュンキュンさせられる一作に仕上がってるわけですよ。

 で、先ほど永が罵倒した相手の名前を覚えておられるでしょうか。
 「山根くん」と言われていたこの少年こそが、本シリーズ第一作の主人公だった山根皓太。
 永がおバカな皓太を罵倒していると、どこからともなく上級生2人が現れます。
 彼らこそが、山根皓太の“彼氏”。
 可愛い皓太のピンチに登場してきたわけですね。
 しかも彼らは生徒会長と評議会議長という学園の要職にある2人だったりします。
 そんな2人から反撃を受けた永は、満点を取れなかったショックもあり、繊細な優等生らしく、気分が悪くなってうずくまると、そのまま吐いてしまうのです。
 そんな永を介抱してくれたのが、同じく生徒会で副会長を務める学園の有名人・斯波匡臣(しばただおみ)だったのでした。
 実際には多少場面が前後していますが、気がつくと保健室に寝かされていた永は、ずっと斯波が横についていたことに気づき問いかけます。

「なんで、こんなに親切なんですか…?」

 メタル・フレームの奥で、斯波の瞳が、ふと笑う。
 とても、おもしろそうに。とても、愉快そうに。

「俺はかわいい子には誰にでも親切だよ」

 かわいい子?
 まさか、僕が?
 こんな、チビで、ガリで、ひ弱な自分が、かわいい?

(そんな冗談、聞きたくない)

 思いは視線に表れたのだろう。斯波が言い訳するように付け加える。

「お節介なんだよ。困ってる子とか、悩んでる子を見ると、なんだかほうっておけなくてね」

 どうしてこの作品には、こんなにも“優等生受け”スキーの心を震わす設定が出てくるのでしょうか(笑)。
 ホントは可愛いのに、自分でそれに気付いてなくて、「僕は可愛くなんかない!」って卑下しちゃう優等生キター!
 繰り返しますが、本当に最近はこういう“お約束”的な優等生が少なくなってて…。
 しかも、先ほどもご紹介しましたが、永はかなり嫌なタイプの優等生として、ここまで作中描かれています。
 そんなガリ勉優等生が、カッコイイ先輩に優しくされて、しかも「かわいい子」なんて言われちゃって、「自分なんか可愛いはずがない!」と卑下しちゃうのがこの場面。
 ちーけん的にはヨダレじゅるじゅるの名場面ですよ!(笑)

 で、じつは永と斯波の出会いは、もっと以前にさかのぼるのです。
 入学直後、桜の木の下でつい寝入ってしまった永は、前後不覚のところを斯波に起こされ、しかも先生に怒られそうなところをうまい言い訳で逃げさせてもらい、「内申点が下がるのを防いでもらった」過去があったのです。
 そのときの斯波との思いでは、桜の木の下で起こされたという夢のような印象とあいまって、ガリ勉優等生・永の唯一の心の支えにじつはなっていました。
 そんな斯波に優しくされて…。
 優等生・永の心は揺れ動きます。

 でも、自分を卑下することしか知らないガリ勉くんは、心の中でこんなことをつぶやき、その思いを止めてしまうのでした。

 思いがけず、今日は、斯波とかかわりを持ってしまったけれど、また、明日から、斯波は遠い人だ。
 これをきっかけに親しくなれるはずもないし、また、親しくなりたくもない。
 あの人は永とは違う世界に住んでいる人。同じ人種とは思えない。
 斯波は永にはまぶし過ぎる。
 例えば、月のように遠くから見つめているほうがいい。


 よいBLとはよい心理描写に満ちているものだと思いますが、ここの文章なんか、まさにそれですよね~。
 多く“優等生受け”を読んできましたが、ここまで卑屈な優等生キャラの心の中を書いた文章は、そう多くありません。
 なんと悲しい独白でしょうね…。

 ところがですよ。
 先ほどの介抱の場面では、単に優しい良い先輩に見えた斯波ですが、じつはひと度学校の外に出れば、年齢を誤魔化してクラブを遊び歩く“危険な男”でもありました。
 斯波とのことや成績のことを思い患い、夜も寝れなくなってしまった永を見て、ある日、斯波は永にこんなことを言います。

「きみの病気がなんなのか、俺がきみに教えてあげるよ」

 そんなこと、ほんとうにできるのだろうか?
 医者でもないくせに。

「そんなことできるもんか」

 否定的につぶやいた言葉に、斯波が答える。

「できるよ。きみが俺の言うとおりにちゃんとできたらね」

「うそ」

「うそじゃないさ。だまされたと思って、俺の言うことを聞いてごらん。きっと、楽になれるよ」

 永は思わず顔を上げていた。
 魅入られたように目が離せなくなる。
 もう、斯波しか見えない。
 世界に斯波と永のふたりしかいないみたいに、すべてが永の中から遠ざかる。

「聞くね?」

 斯波が念を押すように繰り返した。
 それは、絶対の呪文。
 逆らうことなんて考えられない。
 まるで魔法――。
 気がついた時には、永は、疼き続ける吐き気も忘れ、がくがく、とうなずいていた。

「いい子だ」

 背中を抱いた斯波の手に力がこもる。

「それじゃ、支度をしておいで。今日は一緒に帰ろう」

「でも…」

「もう、逃げられないよ」

 そして、永が連れて行かれたのが、夜のクラブでした。
 ガンガンに響く音楽の渦の中に斯波に連れ込まれた永は、そこで生まれて初めて会うような人たちと次々顔を合わせます。
 スタイルのいい美人のお姉さん、声をかけてくるガラの悪い男たち――。

「…うそつき…」

 つぶやきは小さかったのに、斯波にはしっかり届いたようだ。

「うそつき? 俺が? なぜ?」

「…教えてくれるって言った…」

 だから、母親を裏切って、塾までサボって、斯波に従った。
 なのに…。

「こんなところへ来たってなんにもわかるわけない。僕のこと、だました…」

 でも、斯波は恨み言をぶつけられても飄々としたもの。

 永は、二本目のタバコに火を付け、煙を吐き出す斯波をじっと凝視した。
 あるいはこれが本物の斯波なのだろうか?
 永が知っている、やさしくてよく気の回る元副会長は、ただの仮面なのだろうか。

「そんな顔しないで、少しは笑って見せたら?」

 ふと斯波が言った。

「せっかくのかわいい顔がもったいないよ」

 にっこり。
 そんなふうに笑うといつもの斯波だ。
 けおされて、永は、ぷい、とそっぽを向く。
 『かわいい』なんて言われたからって、真に受けたりなんかするものか。心の中では強くそう感じているのに、なぜか頬は熱かった。斯波の言葉に胸をドキドキさせている自分が、ひどく情けない。

 むはは~。
 この“いきなりクラブに連れてこられて面食らう優等生”ってのも、非常に定番な設定でありますね(笑)。
 でも、ビシッと小説全体の中にはまっていて、しかも「かわいい」と言われてそれを必死に自分で否定する永が可愛いいので、まったく違和感なく読めてしまうわけですよ。
 そして、この後、美人のお姉さんに“ファーストキス”を強引に奪われてしまった永は、「もう嫌だ!」と斯波に詰め寄ります。

「あのくらい、どうってことないじゃない。ほんのちょっと唇が触れただけだろ。あんなのキスのうちにも入らないよ。あの程度で騒ぐほうがどうかしてる」

「どうってことある!」

 永は鋭く言い返していた。

「納得できないって顔だね」

 斯波の手が、永の顎を掴んだ。

「だったら。いいよ。俺が教えてあげる。キスってのはね、こういうもんだよ」

 そのまま、きつく抱き寄せられる。
 逃げることも、抵抗することもかなわない。
 あっと思うまもなく、唇をふさがれる。

(中略)

 次第に、永の身体からは力が抜けていった。
 頭の芯がぼうっとする。自分でも、自分がわからない。自分の指がどこにあるのか、そしてその指が何を掴んでいるのか知覚できないほど。
 熱い。熱い。
 熱くて、痛い。
 これが、キス。
 これが、斯波のキス――。

 で、さらに斯波は永を“教育”しちゃうんですなー。
 そこで明らかになる、優等生とはいえあまりにも初心な永の姿――。

「どうしたの?」

「あ…」

「感じ過ぎちゃって言葉も出ない?」

「え…?」

 斯波の手が、するり、と伸びて、思いもしなかった場所に触れた。

「わかってないの? きみ、勃起してるじゃない」

「あっ」

「そんなに気持ちよかった? 俺のキス」

(あ―――)

 カーッと頭が熱くなる。

「う、うそ…。こんなの、うそだ…」

 もがくと、なおさら強い力で引き寄せられた。

「恥ずかしがることないよ。気持ちよければ誰だってこうなる。普通だろ。自分でしないの? ほら。こんなふうに…」

 斯波の指先が、形を変えた永をなぞるように滑りおりる。

「しないよっ。僕はそんなことしないっ」

 返した声は、ほとんど悲鳴だ。

「一度も?」

「うん」

「本気で?」

「あ、あんなこと…、あんな…いやらしいこと…、なんで、僕が…」

 自分でする――つまり、自分で自分を慰めるってこと。
 そういう行為があること自体は、永だって知らないわけではない。だが、しかし、いまだかつて、一度たりとも、実行してみたことはなかった。

 うーむ。
 たまにBL読んでると、こーゆー“自分で一回もやったことない主人公”が出てきますが、元男の子の身からすると、ちょっと信じがたいですけどねー(笑)。
 BLはあくまでファンタジーですから、別に全然構わないんですけど(笑)。
 とくにこのシーンなんか、ここまで読み進めてきて、永が一度もオナニーしたことないと言われても「そりゃそうだろ」って言いたくなる雰囲気がちゃんと出来てるので、まったく問題ナッシングです。

「なんて手のかかる子だ。ひとりじゃ自慰もできないんだな。永は」

 言うが早いか、斯波の手がレザーパンツの前を開いて中に潜り込んでくる。

「え…? な、なに…?」

 抵抗する暇もなく、育ったものを直に握られて、永はすくみ上がった。

(略)

 だが、斯波はかまわず永を追い上げた。

「ああっ…。いやっ…。いやあっ…」

 足が、肩が、背中が、がくがくと震え出す。自分でも、それを止められない。

「やだっ…。変になっちゃう…。やだ…。も…、や…」

「おやおや。もう、いっちゃいそうなの?」

「わかんないっ…。わかん、ない…」

 だって、『いっちゃう』ことがどんなことなのか、永は知らない。

「あっ…。ああっ。あああああ…」

 そして、斯波に抱きかかえられたまま吐精した永に、斯波はこんなことを言うのでした。

「きみが何を思い悩んでいるのかは知らないけどね。もう少し、自分の欲望には忠実になったほうがいいんじゃない?」

 自分に自信のないガリ勉優等生が、経験の少ない身体を感じさせられちゃうこのシーン、とにかく永が真面目で一途なだけに、とってもエロい仕上がりになってますね(笑)。
 斯波は鬼畜気味だし。
 でも、もちろんですが、一見わかりにくいものの、鬼畜先輩・斯波は、しっかり永のことを愛しちゃってます。
 それはこの先で大爆発していくのですが、そこはぜひともみなさんにご自分の目で読んでいただくといたしましょう。
 「僕なんて…」と卑下しまくりの優等生・永を、どうやって斯波がかたくなな心を溶かして自分の手に入れてしまうのか、そこが見どころ読みどころになってます。
 とにかく永という子は、頭でっかちですからね。
 そんな子が身体から陥落していっちゃうサマは、優等生スキーからすれば、まあそれだけで御飯何杯でも食えちゃうってなものですよ(笑)。

 なんだか散漫なレビューになっちゃいましたが、ずっと書いてきましたとおり、本作は「いつはBL小説から直木賞作品を…」とか訳のわからないことを言っているタイプの人には、「陳腐」と一刀両断されてしまいそうな“定番設定”が散りばめられた作品になってます。
 でも、ちーけんの目から見れば、それが姫野百合先生の素晴らしい構成力で、ひとつのファンタジーとして成立しており、エンタテインメントとしては最高に楽しめる作品になってます。
 これこそBLの王道ですからね。
 これを馬鹿にする人は、そこがわかっていませんよ!
 バッハやモーツァルトの時代、音楽は厳格な形式が定められ、それに従って作らねばなりませんでした。
 でも、バッハやモーツァルトの書いた曲は、他の作曲家にはない魅力があるのと同じで、姫野百合先生の描かれる作品も、定番といわれる素材を扱っているのに、そこから湧き出てくるのは他の作家さんとはまったく違うものになってます。
 これぞプロ作家。
 なので、安心して読んでみてください。
 永のルックスが可愛すぎて、それだけがキモオタ好きのちーけんには残念ですが(笑)、冒頭でもちょっと名前を出した姫野百合先生の別作品『GO!GO!ハダカ天国』には、キモオタな研究員がしっかり登場してくれます。
 近々そちらもご紹介しますので、どうぞお楽しみに~。
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