ネクラで眼鏡でキモオタな優等生は“受け”るとイイよ!

委員長、地味な真面目くん、オタク少年…そんな“優等生受け”BLが大好きな腐男子のブログです~。

 

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[新刊レビュー]秋山みち花『雪花の契り』


Category: レビュー 小説単行本   Tags: 受け-美人の優等生  受け-王子さま・貴族  特徴-歴史もの  特徴-軍隊もの  ●ア行-秋山みち花  
雪花の契り (CROSS NOVELS)雪花の契り (CROSS NOVELS)
(2007/08)
秋山 みち花

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 ボーイズラブ小説に出てくる優等生や貴公子なんてのは、“じつは淫乱”と相場が決まっているようなものですが(偏見?)、それが文字通りの誰彼構わずという“淫乱”だったりすると、優等生の魅力も半減です。
 好きな男に抱きしめてほしい…でもホントは一度も経験がないから、“やり方”なんかわからない。
 そんなウブさが“優等生受け”の魅力だと言ったら言いすぎでしょうか。で、攻めに馬鹿にされてつい口走ってしまうわけですよ。
「しょうがないじゃないか…! こんなことをするのは君とが初めてなのに」――で、いざエッチをすると、好きな男にだけはド淫乱になってしまうわけですよ!
 ぐはぁっ! たーまーらーんー。

 そんなテイストを満喫できる一作の登場です。
 発売されたばかりの8月クロスノベルス新刊、秋山みち花先生の『雪花の契り』を読了しました。
 大正です。
 華族です。
 学習院の同級生同士です。
 受けは校内でも評判の美貌で、上級生からは「薫姫」と呼ばれています。

 さらりと切り揃えた漆黒の髪に、完璧に整った顔立ち。
 きれいな鼻筋や艶やかな唇もさることながら、冴え冴えと澄み切った黒い瞳がことに印象的だ。
 裾が長く伸びた黒の上着はほっそりとした肢体を引き立てている。
 ウィングカラーの真っ白なシャツに白のタイを形よく結び、上から同じく白のドレスベスト。
 上着の襟は光沢のある生地で、そこにも白い薔薇の蕾が挿してある。
 すっきりと品がよく、非の打ち所のない格好は、臈長けた美貌をさらに際立たせるものだった。
(本文9ページより)

 
これが主人公(受)・花房薫の描写です。
 平安時代から続く公家華族、花房伯爵家の嫡男として、父親から受けついだ貿易会社を切り盛りしています。
 とても友人思いのやさしい性格です。

 ところが、薫の会社は危機に瀕していました。
 米国帰りの男が急成長させた新興商社に、取引先をことごとく奪われていたのです。
 花房家と薫に復讐するために、学習院時代のかつての同級生、桂木堯弘(攻)の手によるものでした。

 6年前のこと。
 旧大名の武家華族として同じ伯爵に列せられていた桂木家でしたが、薫と堯弘の学習院在学中に、花房伯爵(父)の商略により破産させられ、爵位も返上していたのです。
 堯弘は、自家は没落しようとも薫との友情は変わらないはずと、単身、花房家を訪れましたが、薫にすげなく追い返され、単身米国に渡った後、財産と友情を一挙に失った復讐に燃えて帰国していたのでした。

 ところが、学習院を退学するしかなくなった堯弘を米国に留学させたのは、じつは薫だったのです。
 教授に頼み、匿名での奨学金を堯弘に渡すことで、彼の学業を続けさせるようにしたのでした。
 もちろん資金を出したのは、父の花房伯爵です。
「どうしても援助したいというのなら、そうすればいい。だが、二度と桂木君とは会うべきではない。援助のことを秘密にしておくためにも」
 薫が堯弘を追い返したのも、その言葉に従い、堯弘の将来のためにも…と涙ながらにやったことだったのです。

 ところが、そんなこととは知らない堯弘は、もう全身これ復讐の鬼。
 だがもとは親友として睦みあった2人は、お互い誤解しあったまま運命の糸に弄ばれ…というのが、本書の読みどころです。

 自分の一家を破滅させたのは花房家、そして薫だと信じ込んで、薫をいじめ抜く堯弘と、けなげに耐える薫の心の行き違いが、まずはポイントです。
 で、さらに堯弘は、薫と先輩の陸軍大尉の仲を邪推して、「お前は商売のためなら男に平気で身体を売るのか」と勝手な誤解をするわけですよ。
 何を言われても、華族の貴公子として、「そんなことは君の知ったことではない…!」と気高くはねつける薫。
 これがまた美しいんです。
 凛として。
 でも、心の中では、好きな男・堯弘に誤解されていて涙を流している薫。もう耐えられないほどに、薫は頑張り抜くんです。
 どうです、この優等生ぶり…。

 物語の後半、堯弘の手回しでついに会社が立ちゆかなくなり、日露戦争後の海軍増強での大量の艦船建造を請け負うことで起死回生を図ろうと、薫は先輩の陸軍大尉についに身体を差し出す決心をします。
 でも、堯弘への思いは断ち切りがたく、他の男に抱かれる前に…と、桂木家を単身訪れるのです。

「なんの用でここまで来た?」

「君は…わたしに興味があるのではなかったのか? 何度も身体を差し出せと言ったし…この前だって、うちの夜会であれだけ無体なマネをしたではないか。あ、あそこはいつ人が来てもおかしくなかった。だから…」

 言えば言うほど、どんどん自分が惨めになる。桂木に触れてほしい。抱きしめてほしいのだ。この身が他の男に汚される前に。

 誇り高い華族の嫡男が、高潔な性格と美貌で“姫”と呼ばれた薫が、ついに膝を屈するの瞬間です。
 汚される優等生というモチーフが、大正時代の華族社会という舞台設定の中で、これでもかというくらい効いてますよ!
 堯弘は、すでに先輩の手で薫は身体を開かれていると思っています。
「それなら俺をその気にさせてみたらどうだ」と冷たく言い放つ堯弘。
 そこで飛び出すのが、薫のモノローグから始まるこのシーンです。
 最後に出てくるセリフにご注目!

 男に抱いてほしくて媚びを売る。
 最低で惨めで…それでもこの男がほしければ、自分でやるしかないのだ。
 恐る恐る膝に触れてみると、桂木がぴくりと反応する。
 しかしこの先どうしていいかがわからない。
 誘惑した経験など皆無だ。
 何をどうすればその気になってくれるのか。
 薫は途方に暮れ、再び桂木を見上げた。

「どうすればいいかな…わたしは経験がなくてわからないんだ」

 はぁぁあああ。なんという優等生受け! 受け! 受け!
 そして堯弘に犯され、初めて男の味を知った薫は、あまりの快感に堯弘にしがみついて頂点を極めてしまうわけです。
 その場面の美しさ、いやらしさはもう筆舌に尽くしがたいものがあります。
 さすが王子様受けを多く書かれている秋山先生!

 物語の最後、もつれまくった2人の関係がどうなるかは、実際にお読みいただくとして、最後まで意地を張る薫のいじましさと、そこを突き破ろうとする堯弘のやりとりには、ti-ken思わずちょっと涙が出ちゃいました。
 北畠あき乃先生のイラストがまたベタハマリな本作(口絵のイラストの美しいこと、幸せなことといったら!)、とてもオススメです。
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