ネクラで眼鏡でキモオタな優等生は“受け”るとイイよ!

委員長、地味な真面目くん、オタク少年…そんな“優等生受け”BLが大好きな腐男子のブログです~。

 

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[レビュー]ガリ勉眼鏡な日本史オタクくんが突然キスされ… 小川いら『大好きがとまらないっ!』


Category: レビュー 小説単行本   Tags: 受け-眼鏡  受け-ガリ勉  特徴-高校生  ●ア行-小川いら  
大好きがとまらないっ! (ショコラノベルス)大好きがとまらないっ! (ショコラノベルス)
(2003/02)
小川 いら

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 小川いら先生といえば、押しも押されもしないBL界の人気作家ですね。
 作風は、BL界では珍しく“何でも来い”というタイプ。
 学園ものからサラリーマンもの、ヤクザにファンタジーまですべてをこなし、しかもそのどれもが高いレベルにあるという素晴らしい作家さんです。

 その小川いら先生が、ちーけんの記憶にある限りで、唯一書いた“眼鏡っ子受け”BLがこれ。
 03年発行のショコラノベルス『大好きがとまらないっ!』です。

 後書きで、先生ご自身がこんなことを書かれてます。

「実はわたし、某マンガ家さんと『メガネ受同盟』という、メガネをかけた子を愛する回を結成しているんです。が、実際は書いたことがなかったことに気付き、慌てて書いたのが雑誌掲載時の『大好きがとまらないっ!』でした」

 ぐすん…。
 じつはこの作品、最初の“眼鏡っ子受け”というだけでなく、小川いら先生の最後の“眼鏡っ子受け”に現状なってしまってます。
 もったいない…。
 もっと小川いら先生の才能を、こっちの方面に活かしていただきたいのですが…。
 もう『メガネ受同盟』も解散されちゃったのでしょうか…。

 いやいや、泣き言を言っててもしょうがないので、内容の紹介にまいりましょう!

 本作は、ただの“眼鏡っ子受け”ではありません。
 主人公(受)の小田三智郎(おだ・みちろう)は、小柄でやせっぽちで見るからにガリ勉くんという眼鏡の高校生1年生。
 “日本史オタク”と呼ばれるほどの歴史好きで、暇さえあれば図書館に行っては分厚い歴史書を読み込んだりしてる、本物の優等生クンです。

 三智郎には、幼い頃から兄妹のように育ってきた従妹がいました。
 性格はものすごくいいけど、容姿のほうは、そばかすだらけの頬にすきっ歯、一重まぶたに上向き加減の鼻と、可愛いというよりは愛嬌のあるタイプ(笑)の従妹・夏美が、なんと超美少年の高校生・俊文(としふみ)と付き合い始めたことから、ストーリーは始まります。
 “彼氏を紹介したいの”と言われて出向いた三智郎は、俊文が真剣に夏美のことを好きなことを知り一安心するのですが、別れ際、物陰で「俊文の奴、あんなブスのどこがいいんだっ」と、夏美に失礼なことを口走る男の姿を見つけてしまったのでした。

 甘くセクシーな顔をしたその男の正体は、俊文の親友・佐伯慎也(さえき・しんや)。
 じつはゲイで、親友の俊文のことを密かに狙っていた慎也は、夏美に横から掻っさらわれた格好になって歯がみをしたいたところだったのです。

「あんた、夏美になんか恨みでもあんの?」

 妹同然に育った夏美のことを罵られて頭に血が上った三智郎は、体格の差も忘れて、慎也に詰め寄ってしまいます。
 それを平然と「だってブスはブスだろ」とあしらう慎也。

「あ、謝ってくれないなら、ち、力ずくでも謝ってもらうからね!」

 激高した三智郎は、喧嘩などしたこともないのに、そう叫ぶと相手に飛びかかろうとしますが、「アッ!」と叫んで、飛びかかるのを中止します。

――いったい何が!?

 なんと三智郎は、本屋で買ったばかりの歴史書『日本中世史論』が汚れないようにと、いそいそと鞄に入れ始めたのです(笑)。

「待ってね。この本、汚したくないんだ」

 喧嘩しようという気もどこへやら、そんなことを言い出して本をしまいはじめた三智郎に、呆気にとられて笑ってしまう慎也――。

 これが主人公2人のファーストコンタクト。
 いいでしょ~。
 三智郎のこのガリ勉くんっぽいエピソード(笑)。
 しかもラブストーリーの定番中の定番ですが、最初に出会った2人は思いっきり反発しあってしまうという。
 フフフ…。
 甘いマスクでカッコイイ慎也と、冴えない眼鏡のガリ勉クンの三智郎が、どうやってくっついちゃうか、考えるだけでもドキドキしちゃいますよ(笑)。

 で、なかなか俊文のことを諦めず、何とか俊文と夏美を別れさせようとする慎也に考えを改めてもらおうと何度も顔を合わせているうちに、三智郎は慎也といると心がウキウキする自分に気付くのです。
 じつは、慎也の父親は有名な日本史学者で、慎也自身も甘いルックスとは裏腹に日本史に造詣が深い知性的な男だったのでした。
 お互いに好きな日本史のことで話も盛り上がる2人。
 慎也のほうも、三智郎のことを面白がって、何かと構ってきます。

「君って、やっぱりなかなかおもしろいね。そうだ、君が僕の退屈しのぎに付き合ってくれるなら、彼女への非礼をわびてもいいかな。気が済むまで付き合ってもらうよ」

 そんな“退屈しのぎ”の一環で、慎也の家に呼ばれることになった三智郎ですが、俊文と楽しそうにじゃれあって話す慎也の姿を見て、心の中に小さな翳りを覚えます。
 美少年の俊文と、甘いマスクの慎也が並ぶと、それはまるで一幅の絵のようにお似合いなのでした。

(やっぱり、僕とは違うよね…)

 自嘲気味に、心の中でそう呟く。
 自分はあんな風には構ってもらえないんだと思うと、寂しいような、悲しいような、言葉にならない気分。
 そして、次の瞬間、そんな風に思っている自分に驚いて、戸惑ってしまった。

 優等生クンに“恋の自覚”キターッ!
 ずーっと“日本史オタク”とか言われて一人でガリ勉していた三智郎が、初めて会った話の合う相手が、じつは慎也なのですね。
 そんな年上の男を独り占めしたくなってる三智郎。
 でも、慎也が好きなのは、俊文なんですね。
 しかも、俊文の美少年ぶりは、とても三智郎の敵う相手ではありません。
 落ち込むしかない可哀想な三智郎…。

 じつは、出会った最初のころ、慎也がゲイだと知った三智郎が、「悪いけど、僕には男色の趣味はないからね」と失礼なことを言った途端、慎也にこんなセリフを言い放たれたことがあるのです。

「ああ、それなら安心してくれ。俺の好みはあくまでも俊文だから」

 はい!
 このセリフがすごく本作では重要になってます!
 「お前なんか間違っても好きになったりしない」――平たく言えば、そーゆー意味のことを三智郎は言われたわけですね。
 もちろん、この時点では三智郎は慎也に恋しているわけでもなく、何気なく言った一言に過ぎなかったのですが、返されたこの言葉は、以後ずーっと三智郎の心の奥にトゲのようにささったままになるのです。

 さて、いよいよ慎也の家に本当に遊びに行くことになった三智郎。
 ところが、慎也の家に着き、父親秘蔵の歴史書を2人でわいわい読みあってると、話題が2人の進学のことになるのです。

「慎也さん、大学で日本史をやるの?」

「そのつもりだよ。三智郎もそうじゃないの?」

「もちろん、僕もっ!」

 そう言ったあと、三智郎はなんだか猛烈にワクワクしてきた。
 今まではたった一人で夢中になっていた世界。でも、これからは慎也と一緒にもっと深く、もっと広く勉強できるかもしれない。

「じゃ、同じ大学へ進めるといいね」

 何気なく言った慎也の言葉を三智郎が繰り返す。

「えっ…、同じ大学…?」

「ああ。なんだか三智郎となら、ずっと一緒にうまくやっていけそうな気がするんだ」

 そのとき、三智郎の心の中で甘い感情が弾けた。

「ずっと一緒に…」

 それは、今までのように俊文の代わりじゃなくて、本気で友だちだと認めてくれるってこと。慎也の言葉を聞いて、心から嬉しくなってしまった三智郎は、思わず彼の腕をぎゅっと握るとこう言った。

「ぼ、僕もっ! 僕もそうした。慎也さんと同じ大学へ行きたいよっ。毎日こうして一緒に話ができたら、最高に楽しいと思うもん」

 むはー!
 なんと可愛い恋の告白ですか!
 ウブなガリ勉くんだけに、慎也への憧れの気持ちと恋とをちゃんと見分けられていないんですね!
 でも、もう心の中は慎也と一緒にずっといたいという思いでいっぱいになっている三智郎。
 それがほとばしってしまったのが、この場面というわけですよ。
 可愛すぎ…。

 すっかりハイになってしまった三智郎は、さらに慎也が秘蔵の歴史絵巻物の写真集を出してきてくれたことで、気分も最高潮になります。
 慎也が出してくれたコーヒーから出る湯気にもきずかず、写真集に見入る三智郎。

「あっ、メガネがくもっちゃった」

 一口飲んだだけのマグカップを机に戻した三智郎がメガネを外す。
 いつも普段着のときはそうしているので、今も自分のTシャツの裾を引っ張ってレンズを拭いた。そして、きれいになったメガネをかけようとして顔を上げたら、すぐそこに慎也の顔があって驚いた。

「うわっ、な、何っ?」

 メガネをかけなくても、はっきりと目鼻立ちがわかるくらい近くにあるその端正な顔。
 ちょっとドキドキして身を引こうとしたら、慎也の手が伸びてきて、三智郎からメガネをそっと取り上げた。

「あっ、返してよ。それがないと見えないんだから」

「どのくらい悪いの? このくらい近づいたら、ちゃんと俺の顔も見える?」

 そう言いながらメガネを机の上に置いてしまった。そして、三智郎の頬に両手を添え、上を向かせたかと思うと、さらに顔を近づけてくる。

「メガネの顔も可愛いけど、取ると本当に幼くなるね」

 彼の微かな吐息が額にかかっている。
 頬に当てられていたその手が少しずつずれていき、片手が額に触れてから髪をすいていく。そして、もう片方の手は耳から一度首筋を撫でて、額へともどってくる。
 そのくすぐったい感触に、三智郎の膝が小さく震えた。大きくて乾いた手は優しく、心地よくて、なんだかとても妙な気分。

(これって…何?)

 そんな三智郎が、なんだかわからなくなって、思わず目を閉じてしまった瞬間だった。
 唇に暖かな感触が触れた。

 急展開!
 キスですよ、キス!
 まだ恋も知らないお子ちゃまなガリ勉クンに突然のキス!
 ところが、慎也が言った一言に、三智郎はショックを受けてしまうのです。

「ごめんね。メガネを取った三智郎なんて初めて見たから、つい…。そんなつもりじゃなかったんだけど…」

 はい!
 ここで、三智郎の心の隅でトゲのように刺さっていたあの一言が甦ってくるわけですよ!

「ああ、それなら安心してくれ。俺の好みはあくまでも俊文だから」

 三智郎は、心の中で泣きながら、慎也の家を後にするのでした。

「そんなつもりじゃないんなら、暇つぶしでからかわないでよっ!」

 最初から三智郎なんか好みじゃないって言った慎也。
 三智郎のことなんか歯牙にもかけていなかったくせに。それなのに、こんな風に触れて、キスするなんて…。

 切ないですねぇ。
 だいたい慎也はホントどういうつもりでこの場面キスしたんでしょーね!
 と、2人の関係がこんがらがってきたところで、後はどうぞご自分で読まれてみてくださいませ(笑)。

 …というのも殺生なので、あとちょっとだけ。

 じつはこの後、家に帰った三智郎は、ベッドに横になるとキスを思い出して“ひとりH”に励んでしまったりします。
 この場面が、また“優等生受け”好きにはたまらんシーンになってます!

 こんなこと、間違ってる。でも、やめられない。

「あっ…んっ」

 ジーンズの前を開いて、潜り込ませた手が自分のモノを握りしめる。ゆっくりと動かしていくうちに、ダメだと思う気持ちはどんどん遠くへ押しやられていく。
 もう止められない。たまらずベッドの上で身悶えて、頬をクッションに押しつける。その耳元に慎也の囁きが聞こえたような気がした。

『三智郎は素直でいい子だね…』

 小川いら先生、うまいっ!
 好きな人から褒められたことを思い出しながらチンコをいじる優等生!
 なんというガリ勉くんっぽいシーンでしょう!(感涙)
 同世代の男どもが、「アイドルの○○ちゃんのおっぱいが…」とか言いながらマスを掻いているのに比べ、どうです、この美しさ(笑)。
 褒められた場面を思い出してイクとは、なんという優等生!
 このパターンは、あまり他の“優等生受け”BLでも見たことがありません。

 さーて、この三智郎のせつない想いは、ちゃんと慎也の心に届くのでしょうかね。

 じつはこのノベルスには、表題作のほかに、その後の2人&俊文・夏美カップルが描かれた続編が掲載されています。
 むふ。
 じつは全般的にエロ充実(笑)。
 すっかり可愛くなっちゃった眼鏡っ子・三智郎が、慎也に喘がされまくってます。
 しかも、そこでの三智郎は、またもや「僕なんか慎也さんにホントは好きになってもらえるはずがないんだ…」という卑屈さを発揮して、自分が慎也に捨てられるんじゃないかとビクビクしながら暮らしてます。
 最初に書いたとおり、とにかく最後まで、あの心のトゲになったセリフが効いてるわけですな。
 そこを慎也がでっかい愛で包み込んで…という、ホントに“優等生受け”好きにはたまらない展開になってます。

 本作では、主人公2人が日本史オタクという設定のせいもあって、作中、けっこうディープな歴史の話題が出てきたりしてます。
 というか、デートの舞台は鎌倉の史跡巡りだったりしてます(笑)。
 真面目に鎌倉幕府三代将軍実朝暗殺の謎を議論するBL小説の主人公というのは、寡聞にしてちーけんの記憶には他にありません。
 あまりBL小説で女の子のキャラが活躍することは多くはないですが、本作は、夏美という女の子キャラの可愛さ、元気さと、そんな主人公2人の日本史オタクぶりとが相まって、他のBLにはない独特のカラーがあります。
 ということはつまり、単純なラブストーリーじゃなくて読んでいて面白い一作になってるってことですよ。
 本ブログ的には、大変オススメの一冊となってます。

 作中、ガリ勉クンの眼鏡っ子という設定の三智郎ですが、表紙では見にくいですが眼鏡は外して手に持ってます。
 本作の出た03年1月は、まだまだ“眼鏡男子ブーム”なんてものは影も形も見えないころでした。
 たぶん編集サイドが、表紙に眼鏡っ子がイラストで登場すると売れ行きがにぶると判断して、こーゆー構図にしたんでしょうね。
 しかも三智郎にかけさせていないだけでは飽きたらず、先ほどのキスシーンでもわかるとおり、眼鏡は作中すごく重要なアイテムなのに、見事に表紙のタイトルで半分消されてます(笑)。

 そんな“眼鏡っ子受け”“優等生受け”不毛の時代に飛び出した素晴らしい一冊が、この『大好きがとまらないっ!』なのでありました。
 あー、やっぱりこの小説、俺好きだなぁ~。

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