ネクラで眼鏡でキモオタな優等生は“受け”るとイイよ!

委員長、地味な真面目くん、オタク少年…そんな“優等生受け”BLが大好きな腐男子のブログです~。

 

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[新刊レビュー]最後まで女装したままという神展開! 遠野春日『花嫁は貴族の愛に奪われる』


Category: レビュー 小説単行本   Tags: 受け-王子さま・貴族  受け-女装  受け-高潔な優等生  ●タ行-遠野春日  
花嫁は貴族の愛に奪われる (SHY NOVELS 196)花嫁は貴族の愛に奪われる (SHY NOVELS 196)
(2007/10/26)
遠野 春日

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 ちーけんが大好きな作家さんの1人である遠野春日先生。
 いいところはいっぱいありますが、無理矢理ひとつ挙げるとすれば、「女装ものBLで、主人公が最後に男に戻ったりしないこと」というのがあります。
 意外に多いんですよ、せっかく(?)受けキャラが女装して登場して、攻めキャラとニャンニャン(死語)できたのに、最後の最後で「男の姿に戻った君も可愛いよ」とか「本当の君にようやく会えた…!」とか言われちゃって、女装をやめちゃうというBL。
 その点、遠野春日先生の小説は、もちろん例外はありますが、女装させられた主人公は最後までというか死ぬまでその格好でラブラブしていきそうな勢いなものが多く、ちーけんは非常に評価しております(笑)。

 で、最新刊『花嫁は貴族の愛に奪われる』も、この超美麗な北畠あけ乃先生の表紙が全てを語っているとおり、見事に主人公(受)が女装させられてます。
 しかも優等生!
 いやー言うことナス(死語)ですな!

「今日は何を読んだの?」

「…夏目漱石の『こころ』です」


 軽井沢の別荘を、例年どおり避暑のため訪れていた主人公・伊深彩人(いぶか・あやと)は、母とこんな会話を過ごす穏やかな日々を過ごしていましたが、ある日、窓の外を通り過ぎる青年紳士の堂々とした物腰に心を奪われてしまいます。
 華族の庶子として生まれた彩人は、母と東京の外れの家でひっそりと過ごす存在でした。
 父である倉光子爵には、もちろん正妻と嫡男がおり、妾であった母のもとに、倉光子爵は今でも通ってくることはあるものの、年に一度あるかないかのこと。
 それでも母は文句ひとつ言いません。
 16歳になっていた彩人ですが、いくぶん内向的だという自覚もあり、幼い頃から部屋で絵本を眺めて空想を巡らすのが好きな子供だったせいか、今でも手足はほっそりしたまま。
 初対面の人間には、女子と間違われることもたびたびです。
 軽井沢に来たはいいものの、いつも彩人は別荘で好きな本を読んで過ごすのが常でした。
 そんな日々に飛び込んできたのが、青年紳士との出会いだったのです。

 毎日同じ時間に別荘の前を通り過ぎる青年紳士の姿に、彩人はいつしか憧れを覚えます。
 彼が通り過ぎるのを、じっと本を読みながら待ってしまう彩人。 
 一度は視線が合ったこともありましたが、青年紳士は彩人に何の感慨も見せず、そのまま通り過ぎていったのでした。

 意識していたのは自分だけだと思い知らされ、彩人は彼が行きすぎた後、にわかに気恥ずかしくなった。
 (略)
 それなのに、いったい何を浮ついて、足音を耳にするやいなや窓の外を覗きに行ったのか。はしたないまねをしてしまったと赤面した。

 コナン・ドイルの『シャーロック・ホームズ』にも、こんな場面があったなぁと思い出すシーンですが、お互いに言葉を交わすことのない、窓という仕切られた空間を通しての出会いは、謎めいていて、それでいて人の心をドキドキさせてくれますよね。

 ところが。
 東京に戻った彩人は、父・倉光子爵の急な訪問を受けます。
 子爵は、庶子である彩人を本家の戸籍に入れると言い出したのです。
 母とも二度と会えなくなると言われ、抵抗する彩人でしたが、その母から「お父様の言うことには従いなさい」と諭され、本家入りを承諾します。
 ところが、それには大きな裏があったのでした。

 冷たく当たる正妻やその息子たちとの気詰まりな生活を本家で送る彩人のもとに、ある日、一人の男が訪ねてきます。
 興津伯爵家の次男、興津孝雅(おきつ・たかまさ)と名乗るその男こそ、軽井沢で彩人が胸を高鳴らせてしまったあの青年紳士その人でした。
 会うなり、孝雅は有無を言わせぬ態度で彩人に命令します。

「これからは、自分のことを言うときは、『僕』ではなく『わたし』と言うように」

「……あの。申し訳ありません。僕は男なのですが」

 ところが、慌てて孝雅の勘違いを訂正する彩人に、孝雅は落ち着いてこう言うのでした。

「もちろんそれは承知している」

 なんと、孝雅は彩人に自分の婚約者として振る舞うように命じてきたのです。
 両親から意に沿わぬ結婚相手を押しつけられそうになった孝雅は、彩人を女装させ、自分の婚約者として紹介し、難を逃れようと計画していたのでした。
 すでに倉光子爵も承諾していると聞かされた彩人は、さらに驚愕させられます。

「きみはもう、戸籍上は女子として登録されている」

「え…?」


 本家に転籍させられる際、彩人は女性として登録させられていたというのです!
 いやー、女装BLは多いとはいえ、戸籍まで女にしちゃうのは、あんまりないですよね(笑)。
 魔鬼砂夜花先生の『イミテーション・ウェディング』はそうでしたが、少ないはずです。
 とまれ、今後、公的には女として生きていかなければいけないと知った彩人は、目の前が真っ暗になります。
 追い打ちをかけるように、「これからは君は『倉光彩』として生きていくのだ」と告げる孝雅。
 じつは経済的に苦しくなっていた倉光子爵に、代償として孝雅から大きな金銭的な援助が与えられる約束になっていたのです。
 否も応もなく、彩人はドレスに身を包み、孝雅の“婚約者”としての教育を受けさせられることになったのでした――。

 むはは!
 このまったく男性らしさが感じられない主人公・彩人ったらどうですか!
 最高です!(笑)
 夏目漱石の「こころ」を読み、両親の言うことには絶対服従、最後には父親の借金のカタになるように女にさせられるも、怒り一つみせない彩人。
 もろ優等生ですがな。
 でも、女性読者にはこーゆーキャラの造形は嫌う人も多そうですねぇ。
 ま、このへんは好きずきということで。

 さて、気になるストーリーに戻りましょう。
 いよいよ“婚約者”教育を受け始めた彩人は、ついに孝雅の両親と女として対面する日を迎えます。
 緊張に震えて倒れそうになる彩人に、「上がらない薬をやろう」と言って、孝雅がくれたものが、みんながいる前での熱烈なキスでした。

 二度目の口づけだ。
 彩人の頭の中は真っ白になり、怖さも恥ずかしさも気後れも、全部吹き飛んだ。
 口唇をぴったりと塞がれ、遠慮なく吸い上げられる。
 声にならない声を漏らして彩人は喘いだ。
 こんな風にかんじていいのかどうか悩むが、気持ちがいい…。


 はい、もう彩人はメロメロです(笑)。
 受けキャラが攻めキャラにすでに恋しちゃってるのに、攻めキャラが徹底的に冷たい態度を取るというのは、いつもの遠野春日流のストーリー展開。
 で、そんな冷たい攻めキャラが時たま見せる思いやりのある態度に、受けキャラが「この人は悪い人じゃない…!」なんてもっともっとヨロめいちゃうのも、遠野春日先生の定番です。
 この場面、「こんな風に感じていいのかどうか悩む」なんて言っちゃう彩人が可愛いですよね~。
 それは、事ここに至っても「自分は男なのに…」という思いが彩人の中にあるからなのですが、でも身体も心もすでに孝雅の“婚約者”であることを受け入れてしまってるのを、このキスの場面が証明しているわけです。
 そのことがもっともわかるのが、孝雅と彩人のHシーンですよ。
 “婚約者”のフリをすればいいと思っていた彩人が、「君を本当の妻にする」と言われて“初夜”を迎えさせられてしまう名シーンをちょっとご紹介します。

 孝雅は飽きずに両の乳首を弄ぶ。
 充血してしこった乳首を爪の先で弾かれると、彩人は楽器になったように声を上げ、シーツの上で全身をのたうたせた。

「やめて、お願い、やめてくださいませ! イヤ、イヤッ」


(略)

 彩人は居たたまれない気持ちになり、両手で顔を隠して啜り泣いた。羞恥と屈辱感に胸が張り裂けそうだ。物心ついて以来、誰の目にも触れさせないできた恥ずかしい部分を、孝雅は己のものだとばかりの無遠慮さで弄ぶ。
 手だけでなく口に含んで吸引されたり舌を這わされたりしだしたときには、彩人は身を捩って抵抗した。

「いやっ、いやっ、お願い許して、許してくださいませっ!」


(略)

 十日ほどした頃、いつものように勃起した孝雅の雄芯を根本まで迎え入れた彩人は、孝雅に腰を抱え直された途端、脳髄を痺れさせるような強い快感を得、艶めいた声を上げて悶えていた。

「アアッ、いい…っ」

「彩」

 大きく顎をのけ反らせて気持ちよさに喘ぐ彩人を見下ろした孝雅は、続けざまに腰をゆすってさらに彩人を惑乱させた。

「やめてっ、イヤッ!」

 よすぎて意識が吹き飛びそうな不安に駆られ、彩人は髪を振り乱して嫌だと叫んだ。

「あ、あああっ、どうしよう、出るっ、出てしまいますっ」

 むはー。
 遠野春日先生一流の文体ですなー。
 こんなこと書くと怒られそうですが、ちーけんが今までに出会っていろいろさせていただいたベッドの中の女の子たちより、この彩人のほうが可愛いと思わされてしまう勢いですよ(笑)。
 しかも彩人クン、完全に言葉遣いが女言葉になってます。
 なりきってますなー。
 BLとはファンタジー要素を強く含むものですが、ここまでの展開で、彩人がこんな風に女性になることを受け入れてしまうことを、読者に自然と受け入れさせてしまうのが、遠野先生の筆力だと思うわけですよ。
 そーゆーファンタジー世界を見事構築してしまっているということです。
 こーゆーとことん従順な優等生というのも、なかなかいそうでいないものです。
 いやー、ヨダレがじゅるじゅる止まりませんことよ(笑)。

「ヒイイ…ッ、ァ、ァッ…!」

 一瞬失神するくらいの法悦に打たれ、彩人はこれまで放ったことのない激しい嬌声を上げた。上体が弓形に浮き上がり、指がひきつれるほど足を突っ張らせる。
 気がつくと、腹の上に白濁をあふれさせて達していた。直接触られもしないのに射精したのは初めてで、彩人はその事実だけで取り乱した。

「これが感じるということだ。彩。覚えておきなさい」


(略)

「…孝雅さま」

 なんだか甘えたくなって、彩人は孝雅の胸に顔を埋めた。
 汗に混じって孝雅がいつもつけている香水の香りが微かにする。
 安堵して心が落ち着いてくる。

「彩」

 そっと髪を撫でられ、彩人は心地よさにうっとりした。

 それにしても彩人は女であることに慣れすぎ! と喜んでしまう驚いてしまうのは、ちーけんだけでありましょうか(笑)。
 うーむ、今までは優等生が心ならずも女装させられて、それに屈辱を感じるのが醍醐味と思ってきましたが、こんな風にまったく屈辱とかを感じないで従順に受け入れちゃう受けキャラってのもイイですなぁ。
 新発見。

 お話しはこの後、彩人が男性であることを知る脅迫者が登場し、それがもとで孝雅と彩人の仲も壊れそうになる大トラブルに見舞われます。
 2人はそんな危難を乗り越えられるのか、そして冷たい態度を崩さない孝雅の本当の気持ちは――というのが、見どころ読みどころとなってるわけですな!

 さて、遠野春日先生のBL小説は受けキャラが最後まで女装したままなのがとても良いと書きましたが、覚えておいででしょうか。
 なんで遠野先生だけが、そーゆー展開で話を終わらせられるかといえば、遠野先生が描く受けキャラというのは、今回ご紹介した彩人のように、攻めキャラに非常に従順という設定なのが非常に多いからなのですね。
 そーゆー従順なキャラが、冷たい態度を崩さない攻めキャラに心を痛めながら愛を成就させるというのは、先ほども書いたとおり、遠野先生の定番ストーリーなのですが、じつはそーゆーストーリーを書ききるのは、生易しいことじゃないんですね。
 
 受けキャラなんてのは、だいたいが攻めキャラにいつもツンツンしていて反抗してるほうが、作家さんとしては絶対にラクなわけですよ。
 攻めキャラが迫る→受けキャラが「俺を女扱いすんな!」と反発→めげずに迫る→「また怒る」……誰とは言いませんが、こんな繰り返しだけでストーリーを作っている作家さんやマンガ家さんって結構多いですよね。
 遠野先生のようなキャラ設定で、しかも読者を飽きさせずに最後までぐいぐい引っ張っていくというのは、じつは大変難しいことなのです。
 女装しろ→はい→婚約者のフリをしろ→はい→キスしろ→はい→セックスしろ→はい――これを見ただけでも、どこでドラマの盛り上がりを作ればいいか途方にくれますよね(笑)。
 受けキャラを怒らせれば簡単なんですよ。
 それだけでワンエピソードできちゃうわけですから。
 それをせずに、濃密な受けキャラの心理描写を話の核に据えて話をひっぱっていくことの難しさは大変なものだと思いますが、いざそれをやったときの段違いのうまさは、遠野春日先生の大きな特徴のひとつだとちーけんは常々思っています。
 ハッキリ言って、この作家さんと同じ時代に生まれて良かったと思った方がいいくらいの稀有な才能だと思いますよ。

 遠野先生の作品は、どれも“優等生受け”の香りが高く、早く昔の作品もご紹介したいのですが、なかなか時間が取れません。
 ただ、唯一、ちーけん的に遠野春日先生の悪癖と思っているのは、三角関係がお好きなのか、受けキャラが複数の相手に好きにされちゃうようなお話しがたまにあること!
 いえ、これは完全に好みの問題なので、いい悪いじゃないんですけどね(笑)。

 本作もラストは孝雅の妻として生きていくことを誓った彩人の幸せなシーンで終わります。
 いいんですよ、ファンタジーなんですから(笑)。
 読者はそのラストシーンを読むまでに、遠野先生の筆の魔力で、そんな彩人と孝雅のあり方を受け入れさせられてしまってるので、まったく不思議に思わないのです。
 こんな糞レビューを読んでるヒマがあったら、すぐに本屋に行って本書を買われることをオススメしますです(笑)。

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