ネクラで眼鏡でキモオタな優等生は“受け”るとイイよ!

委員長、地味な真面目くん、オタク少年…そんな“優等生受け”BLが大好きな腐男子のブログです~。

 

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[新刊レビュー]魂の萌えセリフ…「俺のことぜったい置いてけぼりにしないで…!」 遙々アルク『ビター×スイート』


Category: レビュー コミックス   Tags: 受け-いじめられっ子  受け-ネクラ  ●ハ行-遙々アルク  
ビター×スイート (ビーボーイコミックス)ビター×スイート (ビーボーイコミックス)
(2007/11/10)
遙々 アルク

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 ついに出ました、遙々アルク先生の初コミックス。
 主人公が自己否定バリバリの“ネクラっ子”だったり、自信皆無の“いじめられっ子”だったりすることが多い遙々アルク先生のマンガは、本ブログ的には最重要ウォッチ対象です。
 もう待望の発売です。
 発売2~3日前から、もう読むのが楽しみで楽しみで。
 ですが、このマンガの良さについては、たぶん他のブログやamazonのレビューでみんな褒めてると思うので、発売から1ヶ月近く経ってからの記事ということもありますし、あまり力を入れずにあくまで“優等生受け”“ネクラ受け”という視点から、内容をご紹介しようと思います~。

 ふだんなら胸キュン“優等生受け”マンガなんか見つけた瞬間にご紹介してしまう本ブログですが、なぜ1ヶ月近く記事も書かずに放置してたかといいますと、何を書けばいいか全然思いつかなかったのです。
 内容が素晴らしいことは、たぶんいろんなところで書かれるだろうし、ならばウチのブログでは何を書こうかなぁという。
 で、何回か読み返すうちに、心に引っかかる場所が出てきたんですね。
 そこをいきなりご紹介しても、読んでない方には皆目わからない話になってしまうと思いますから、ごく簡単にストーリーをご紹介しておくとしましょう。

 倉庫会社で働く寡黙な青年・三日月は他人恐怖症。
 人と接するのがイヤで、あまり会話をする必要のない倉庫管理の仕事に就いています。

(この地球上の人間がみんな死んでしまえばいい。そう思った)
(そしたら誰とも口をきかずにすむ。子供のころからどこでも嫌われた)
(人付き合いができず暗かったからだ)


 仕事中もほとんど口を開かず、飲み会に誘われても返事もしない三日月は、今の会社でもやっぱり嫌われ者。

 唯一楽しみにしているのが、近くのコーヒー屋の窓際の明るい席で本を読みながら一人の時間を過ごすことでした。
 ある日、いつものようにコーヒーを飲みながら本を読んでいた三日月に、向かいに座った男が声をかけてきました。

「桜 きれいですよ」

(こっ…この人…お…俺に話しかけてんのか…な…)

「そう思いませんか?」

 突然、甘いルックスの二枚目にそんなことを話しかけられてパニくる三日月は、無視を決め込みます。
 数日後――。
 先日の男がまたコーヒー店で自分の近くに座るのを見ながら、三日月は物思いにふけります。

(あ…こないだのへらへら男…)
(こんな二枚目には俺の悩みなんか 絶対にわかんないだろうな)
(友だちもたくさんいてきっと美人な彼女がいて カッコイイ恋愛してんだろ…)
(恋愛か… 恋なんて俺にはきっと一生 手が…)
(手が届かない…もの なんだ…)

 その瞬間でした。
 男は三日月の腕をガッと掴むと、きつい視線で話しかけてきたのです。

「さて…なにから話したらいいか。ひとがせっかく勇気を出して話しかけたのに君は無視した」

「ご……す すいませ…!」

「おっと? ちょっと待てよ。逃がすかコラ」

 心の中で「なんでいつも俺って人に嫌われるようなことばかりして…」と狼狽する三日月は、必死で男に謝ります。
 その時、男は三日月の目をじっと見据えて言うのでした。

「ひとめぼれなんだ」

 その瞬間、店の窓から吹き込む春の嵐。

(俺だって誰かに好きだと言われたい。そう思ってた)
(だけどそんなのありえない)
(この人 俺のことからかってるんだ。そうなんだ)
(なのになんで俺のこと そんな苦しそうな目で見るの――)

 自己否定の塊として人生を過ごしてきた主人公・三日月が、謎の男・村山から突然の愛の告白を受けることから始まるのが『ビター×スイート』のストーリーです。
 三日月本人は、他人と触れあうのが苦手なだけで、仕事はちゃんとやるし、真面目で人思いな好青年です。
 でも、それが表に出ないし、出そうともしていないのが三日月なのですね。
 「自分はこのまま一生ひとりで生きていくんだ――」と思いこんでいた三日月に前にあらわれたのが、この村山というわけです。
 「俺だって誰かに好きだと言われたい。そう思ってた」――このモノローグは、“優等生受け”スキーにとっては、金科玉条のような言葉です(笑)。
 孤高の存在として他人に興味がないふりをしているけど、本当は誰かに愛されたいと思ってる――それはBLに描かれる優等生クンたちの心の叫びなのですよ!

 物語は、村山に告白されたはいいものの、「こんな自分が好かれるはずがない」という思いから抜け出せず、徹底的に村山の愛の言葉を拒絶する三日月と、彼を追い続ける村山の二重奏で進んでいきます。
 ところが三日月に受け入れられる望みがないと思いこんだ村山が、日本を捨てて海外に写真家としての仕事のために旅立っていってしまうところが第一の山場。

「今日…傘を忘れてさ。俺…よく傘を忘れちゃうんだよね。雨のなか君のことを考えながら歩いたよ」
「そしたら雨上がりに今にも消えそうな薄い虹が出てさ。気がついた」
「この恋はもう終わりだ」
「冗談にまぎらせてきたけど もう終わりにするよ」
「これ以上 かないもしない片思いを続ける自信がない」
「迷惑かけてすまなかった。でも最後の頼みくらいきいてほしい」
「俺の心を返してくれ――」

(あの男は 俺を いつまでも好きでいるのだと 思っていた)
(いつまでも続くものなんてないのだと 初めて知った)

 呆然としつつ、村山のことを止められなかった三日月は、初めてそこで人間的な成長を遂げます。
 コーヒー店をオーナーから譲り受け、自分の手でやってみることにしたのです。
 不得意な客づきあいもこなし、人気も上がっていく三日月の店。
 でも、村山が去ってひとりぼっちになった三日月の心は晴れません。

(秋の夜更け 夜空に北極星が輝くころ)
(自分がこの星でいちばんいらない人間だと気付く)
(俺を置き去りにしたまま 凍てついた夜が)
(何百回も過ぎていった)

 ――1年後。
 店に一人の男が現れます。
 帰国した村山その人でした。

「どちら様ですか」

 精一杯の虚勢でそう言い放つ三日月。

「君にかなわない恋をしていた男さ。懐かしいな その憎まれ口。…まさか君がここの店長とはね」

「それ飲んだら早く帰れ」

「パタゴニアって知ってる? 南米大陸の先。そこに仕事で一年滞在していた。地の果てみたいなところなんだ。青空が生まれたてのように青くて この地球に自分がいることがただもう不思議で…」
「そしたら君とこの惑星で出会ったことが奇跡だと思った。日本に帰ったら君を抱きしめてもう離さないと決めた」
「うまく言えないな。俺は君が好きだ。あれからも今もずっと。どれだけ君が嫌がろうとも」

「勝手にふられていなくなったくせに あきらめるって言ったくせに 今さら迷惑だ」

 そう強がる三日月ですが、いつしか目から涙がこぼれ落ちます。

「俺はずっとひとりでやってきたんだから! これからもひとりでやっていくんだから!」

「なんだそれは? なんの涙? …今やっとわかった。――君は俺が好きだろ」

 そう言うと三日月を抱きしめる村山に、三日月は涙でぐちょぐちょになった顔を押しつけて言うのでした。

「ぜ…ぜったいっ ぜったい… 俺のこと… 置いてけぼりに…しないで…ね…」

 ぐはーん!
 なんつー素晴らしい場面でしょう…。
 ネクラで人付き合いができなくて性格ねじ曲がってた青年が、心をむき出しにされてもう全面降伏!
 いやもう、ちーけんは読んでてたまらない気持ちにさせられてしまったわけですが、最初に書いた“心に引っかかる場所が出てきた”とゆーのは、この場面のことです。

 イヤ別にどうでもいい話なんで、以上のストーリー紹介を読み終わった方は、黙ってこのページを閉じて本屋にコミックスを買いに行かれたほうがいいと思うのですが(笑)、「ぜったい俺のこと置いてけぼりにしないでね」というこのセリフですよ!

 じつは今年読んだBLマンガの中で、ちーけん的にもっとも心が震えたシーンは、鈴木ツタ先生のコミックス『あかないとびら』に収められた短編『みにくいアヒルと王子様』のある場面です。
 本作の三日月と同じく、ネクラで自己否定の塊な大学生・田山が、みんなのアイドルで超イケメンな“王子様”こと立花(じつは腹黒)にハズミで抱かれちゃったものの、わざと冷たい態度を取る立花の策略で「ごめん、あれはなかったことにして」なんて言われて落ち込んでしまい、最後の最後で立花に抱かれながら「俺のこと好きなんでしょ?」と聞かれて、「好きだよ…! だからもう、な、なかったことに、しないで」と泣きながら告白するシーンです。

 この優等生(&ネクラっ子orいじめられっ子)が素直に「好き」と言えなくて、相手に捨てられそうになっちゃって、でも最後の最後で元通りの鞘におさまったところで泣きながら「俺のこと捨てたりしないでね…」とすがりつくこの構図。
 妙に女の子っぽい「しないでね」というこの語尾。
 なんかものすごくちーけんの心を震わせてくれることに気付いてしまいましたですよ。

 もちろん遙々アルク先生のこの場面も、雑誌掲載時から大好きなシーンで、それまでツンツンしていた三日月が「ぜったい俺のこと置いてけぼりにしないでね」と可愛くなっちゃうこの場面は、何回も反芻して楽しんでいたんですが、その後、鈴木ツタ先生の件のシーンを見て、“優等生受け”BLをさらに楽しませてくれる重要要素として、この「しないで…」とすがりつくネクラっ子というモチーフを、明確に認識することとなりました。

 えー、こんなに熱く語っても、たぶん“優等生受け”好きじゃない人には、どーでもいいと思うんですが、すいません(悲)。
 でも、目を開かされたわけですよ!
 ああ、“優等生受け”の新たな地平が見えた…と!
 孤高の存在として、はたまた嫌われ者として人生を送ってきた優等生クン、ネクラっ子が、全てを投げ出して屈服してしまう瞬間が「●●しないで…!」とすがりつく瞬間なんですよね。
 ●●は何でもいいんです(笑)。
 「捨てないで…!」でもいいし、「他の人のこと好きになったりしないで…!」でもいいし。
 お高く止まってた優等生クンが、こんなになっちゃうというのが重要なのですなぁ。

 でも、そんなようなことを頭の中で考えていた途中で気付いたんですが、以前、本ブログでもご紹介したことのある山藍紫姫子先生の超名作“優等生受け”小説『虜』でも(記事はこちら)、白皙の美貌を誇る生徒会長・環が、後輩に秘密を握られ身体を自由にされる中で、異物を挿入されて喘ぐシーンがありました。

「も、もうしないでッ……」

 
と…。
 当時もこの場面、超萌えた思い出があるのですが、やっぱり優等生にこのセリフは似合うんですなぁ。
 あるいは、“優等生受け”“ネクラっ子”受けを追求した作家さんだけがたどり着く、“最終境地”かもしれませんな(笑)。
 その意味で、以前ご紹介したBLマンガ『台風13号』など、ネクラっ子受け、いじめられっ子受けの名作を次々書かれる遙々アルク先生のマンガに、このセリフが登場したのも、歴史の必然なのでありましょう。
 ……話大きすぎですか。

 さて、『ビター×スイート』に話を戻しましょう。
 長々と、三日月が発した「俺のこと置いてけぼりにしないで…!」について講釈を垂れてきましたが、じつはこのセリフ、萌え萌えにさせてくれるだけでなくて、物語上も重要なんですね。
 じつは三日月が村山に対して発した初めての「お願い」なんですね。
 それまで、人と関わりを持つことを避け、他人に何も期待しようとしなかった三日月が、他者に対して初めて持った“望み”がコレなわけですよ。
 ストーリーはこの後、村山が海外にまた仕事に行くことになり、日本で留守を預かることになった三日月に次々と不幸が襲いかかって…という展開になりますが、そこでさらに人間的な成長を遂げる三日月は、他者への希望を持つことからさらに一歩進み、自分が動くことで他者へ“幸せ”をもたらそうと頑張るようになります。
 こんな三日月の成長と、村山との恋愛とが複雑に絡み合うことで、すごく読み応えのあるストーリーが出来上がっているんですが、本ブログ的には、やはり先ほどご紹介した「置いてけぼりにしないで…!」のシーンを持って、『ビター×スイート』全場面中の白眉とすることにいたしましょう。
 その後は、三日月がどんどんしっかり者になっていって、“優等生受け”視点からはちょっと寂しかったりするストーリー展開になったりするので…。(←贅沢言うな)
 でも、この2人、最後どういう結末を迎えると思います?
 絶対にご自分で読まれたほうがいいと思いますよ。
 「やっぱり…!」と納得する部分と、「ええ!」と驚かされる部分と、「おお!」と意表を突かれてしまう部分と、かなりのBLを読んできたつもりのちーけんですが、かなり一筋縄ではいかないエンディングだなぁと思いましたから。

 さて、今回引用させていただいた三日月のモノローグなどでもわかるように、本作はこの主人公のモノローグが中心になってストーリーが進んでいきます。
 マンガのほぼ全ページに、三日月のモノローグが入ってます。
 なので、ものすごく密度が濃いんですねー。
 ストーリーは二転三転などという言葉では足らず、ほぼ2ページごとぐらいで大事件が起こったりしてしまうのですが、そうした急な場面転換も、三日月のモノローグにより背景説明がされたりして、無理なくおこなわれていきます。
 今までにあまりBLマンガではなかった面白い手法ですねー。

 今回のコミックスには、『ビター×スイート』の他にも、いくつかマンガが載っていますが、そのうちの一作『君は間違っている』は、以前の雑誌掲載時に本ブログにてレビューを書いていますので、必要でしたら、左の「ブログ内検索」から探してみてください。
 もう一作載っている『雑巾姫』というマンガも、大変すばらしい“ネクラっ子”受けの傑作で、一読の価値があります。
 しかも、『ビター×スイート』ではエッチシーンはほとんどありませんが、『雑巾姫』では大変赤裸々なそういうシーンもありますので(笑)。

 ああ、また長い記事を書いてしまった…。
 たぶんここまでちゃんと読んでる人はいないと思いますが、いいんだ別に…。

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Comments

面白い! 
三日月どんな時もとっても可愛いですね。村山、彼はそんな三日月が好きで好きでしょうがない。両思いになって本当に良かったです。ちーけんさんのレビュー読んだことがこの漫画を購入 するきっかけになったんですが、期待以上の作品で今まで読んだなかで一番面白い作品でした。
 
 
私は村山の『俺の心を返してくれ――』にグハーーー!!っとやられたんですけどねえ。
三日月よりも村山っていう。
やっぱりちーけんさんとは萌えドコロが違う(笑)
ちなみに私と真逆の感性を持つ友人に、ここを教えてあげたら「紹介されてる本、全部あたりー!!!」って言うてました(;´∀`)
やっぱりかと。

たぶんコッソリ読んでいると思うので、友人のためにもちーけんさんオススメをどんどん紹介してやってくださいまし~。
私はまた別の視点でコメさせていただきますよ、フフフ。

あ、読んでますよ最後まで♪
 
 
沙来さん、こんにちは!
『ビター×スイート』、一回目読んだときも面白いですけど、その後読み返してもつくづく心にしみいる面白さがありますよね。
物語の最初の三日月と、最後の三日月とでは別人かというくらい成長を遂げてますが、沙来さんのおっしゃるとおり、最初から最後まで「可愛い」という一点は変わらないところが…。

昨日発売の今月号のマガジンBE×BOYで、遙々アルク先生の新連載が始まりましたよ!
パッと読んだところでは、まったく『ビター×スイート』とはテイストの違う感じのお話でした。
第一回を読んだだけでは、出てきた主人公2人のどっちが受けでどっちが攻めかもよくわからないくらいのゆっくりした出だしのお話しでしたが、今後の展開が超期待です~。

僕のレビューがコミックスを買うきっかけになられたと言っていただいて、大変励みになりました(^^)
今後ともよろしくお願いいたします~!
 
 
乱菊さん、お久しぶりです~!
そうですか、三日月よりも村山ですかw
ホントに萌えどころが違うなぁw
いやたしかに村山も魅力的ですけどね!
それにしても乱菊さんから突然こんな古い記事にコメントをいただいてビックリしましたよ!
というか、私の目から見ると、乱菊さん本人が三日月より村山というか攻め素質たっぷりの“漢”に見えますけどね!(爆
なんかいちいち言うことが男らしいしw
大学時代のクラスメイトとか含め、これまで関西人というとちょっと大嫌いだったこの私ですが(暴言)、乱菊さんのおかげでやっと好きになれそうです!(><) ←超失礼
『夢をかなえるゾウ』、僕もちょこっとだけ読みましたが、あれで象×主人公を妄想する乱菊さんの男らしさには、つくづく感服いたしましたw
 

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