ネクラで眼鏡でキモオタな優等生は“受け”るとイイよ!

委員長、地味な真面目くん、オタク少年…そんな“優等生受け”BLが大好きな腐男子のブログです~。

 

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[新刊レビュー]貴族出身の若き海軍少尉が悪党水夫の罠に落ち… 矢萩貴子『奴隷船』


Category: レビュー 小説単行本   Tags: 受け-王子さま・貴族  ●ヤ行-矢萩貴子  特徴-海外もの  特徴-歴史もの  
奴隷船 (KAREN文庫 Mシリーズ)奴隷船 (KAREN文庫 Mシリーズ)
(2007/11)
矢萩 貴子

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 懐かしい感じの1冊です。
 最近は、この矢萩貴子先生のような作風の作家さんは、とんと見かけなくなりました。
 昔で言うと、『ロマンJUNE』の巻頭を飾っていたような…。
 BLというにはハードすぎるけど、決してゲイ小説ではないという、この微妙な立ち位置。
 何だかずいぶん久しぶりに読んだ気がします。
 こーゆーの。

 というわけで、矢萩貴子先生の最新刊『奴隷船』は、3本の作品が収められた短編集になってます。
 じつはどの作品も、それなりに“優等生受け”の匂いを醸しだしているのですが、中でもちーけんの心を捉えてくれた表題作『奴隷船』を今回はご紹介したいと思います~。

 作中、はっきりと書かれてはいませんが、舞台は18世紀ごろのイギリスです。
 まだ蒸気船が発明されておらず、どんな遠洋航海でも帆船が主力だったこの時代、英国の海軍士官学校を卒業したばかりの新任少尉エリックは、英国の植民地・インドへ武器を輸送する任務についていました。

 大西洋を南下し、灼熱の赤道地帯を越え、南アフリカ喜望峰を回ってインドへとたどり着く長い航海です。
 荷物が詰め込まれた船倉の奥で、エリックは一緒に士官学校を卒業し、同じこの船に着任した新任少尉ジョンと、秘め事にふけっていました。
 じつは2人は士官学校時代からの恋仲。
 長い航海に我慢できなくなった2人は、こうして船倉で落ち合っては、互いの欲望を慰め合っていたのです。
 この時代、海軍の将校には貴族の子弟しかなれませんでした。
 エリックもジョンも上流階級出身のお坊ちゃん。
 とくにエリックは、青い瞳に陶器のような肌、ほっそりした幼げな体つきに、控えめでおとなしい性格という典型的な優等生クン。
 そんな2人の“セックス”は、下層階級の人間たちの獣じみたそれとは、まったく異なるものでした。

「…久しぶりだな…。…二人きりになるの…」

「…うん…」

 積み荷の陰で、彼らは互いの身体に腕を回して抱き合った。

「…キスしても…、…いいか?」

 ジョンが耳元でささやく。
 語尾が震えている。
 黙ってエリックはうなずいた。その、エリックの子供らしさを残した薄い肩に手を置いて、ジョンはいささか性急に、だが、充分にそっと、唇を重ねた。

(中略)

 ああ、と、エリックの鼻腔から、声にならない声が漏れる。

「…ジョニー…」

 ジョンが唇を重ねてくる。その、執拗な、だが、あくまでも優しさと自制を失わぬソフトな口づけを受けながら、微かな苛立ちを、エリックは感じ始めていた。
 肉体の、いや、精神の奥の、最奥の深部から、海底から立ちのぼる無数の泡のように、その苛立ちは湧き上がり、次第に膨らみながら、心の表面に浮かび上がって弾ける。

『…こうじゃない…』

 と、その声は、ひどく冷酷に言い放っている。

『…こんなんじゃなく、…もっと強く吸って欲しい! もっと強引に、もっと荒々しく僕を扱って欲しい! …服を引き裂き、裸にして身体を弄って、…そして…、僕を…、ジョニー…、ああ…』

 うむうむ。
 貴族のおぼっちゃん優等生が主人公で、お上品に話が展開するかと思いきや、早くも生々しくなってきましたよ(笑)。
 ふだんは貴族出身の海軍将校として取り澄ました顔しか見せないエリックですが、上流階級だろうと男は男。
 その内奥に、強い肉欲を――しかも同性にひどく扱われたいという被虐性の強い欲望を――隠し持っていたのでした。
 でも、お育ちがよすぎて、それを表に出せないエリックと、気付こうともしないジョン。
 エリックは苛立ちを隠したまま、ジョンとの穏やかな“セックス”(といってもキス程度)を続けていたのでした。

 そこに現れるのが、高い背丈にたくましい肩、浅黒い肌を持った黒髪の男、マクルーアです。
 前の寄港地で流れ者の水夫として雇われ、船に乗り込んできた彼に、エリックは強い印象を持っていました。
 そのマクルーアに、ジョンとの逢瀬を盗み見られていたのです。
 同性愛が強いタブーだったこの時代、事が露見しては、エリックの人生は全てが終わってしまいます。
 ふてぶてしく笑いながら「船長に報告してほしくないのか?」と嗤うマクルーアに、エリックは見逃してくれるよう懇願するのでした。

「仕方ねえ、それじゃ、脱いでもらおうか」

 一瞬、何を言われたのか、理解できなかった。
 男が、また、笑った。

「何て顔してる。…わからねェのか? 金がないなら身体で払ってもらおう…と言ってるんだよ。火遊びの口止め料」

 身分違いも甚だしい水夫の男に脅迫され、羞恥に震えるエリックですが、拒否権はないも同然。
 目を閉じると、服を脱ぎはじめたエリックは、裸で男の前に立つのでした。

 …だが。
 異様な感覚を覚えて、エリックはうろたえた。白く、平らな下腹部。その、下方の、蜜色の恥毛の中から…。
 性器が、勃起しはじめている。
 小さく、彼は息を呑んだ。
 男が、勃起したソレを視ている。
 視線が、灼けつくように熱い。

(中略)

 裸で、他人の目にさらされる屈辱。
 なのに、それを喜ぶ性が、エリックの心の底には、あるのであった。
 肉体の、あるいは、言葉を換えれば、精神の、最奥の、ほの暗い底のあたりから、思いもかけぬほどの不可解な、鋭い狂熱が、激しい喜びが湧き上がってきていた。
 熱い闇の中で、男の視線にさらされて、彼は微かにあえいだ。

 そのままマクルーアに何も知らない身体を凌辱されるエリックは、痛みに耐えかね泣き出します。
 だが、知らず快感を覚えてしまったエリックは、夢中であえぎ、耐えきれるように身体をよじらせ、尻を振って悶えます。
 それでも、貴族の子弟らしく、口に出しては「いい…」と言えないエリック。
 ところが、そのまま快感の渦に身体を押しつぶされ、初めて自分の身体の中に男の精液を受け止めさせられた彼は、ついにその軍門に下るのでした。

「…ねぇ…」

 と、つぶやいて、彼は浅黒い男の腕に頬をすり寄せた。

「なんだ?」

 と、男が訊く。

「…して…」

 と、うつむいたままでエリックは言った。

「…ねえ…。もう一度…」

 男が笑った。
 顎に指をかけ、顔を上げさせて、薄青の瞳を覗き込む。

「とんだ坊やだ。…フフ…。そんなに良かったのか?」

「…ああ…。よかった…。マクルーア…。最高だった…。あのまま…死んでしまうかと思った」

「そうかい。それじゃ…俺をその気にさせてみな。あんたの言葉と、その可愛い舌で…よ」

 からかうように言って、立ち上がったマクルーアの足下に、エリックはひざまずいた。

「…マクルーア、お願いだから…。…して…」

 言いながら、男の陽根に、おずおずと手を這わせる。

「言葉が違うだろうが? マクルーア様、お願いです。僕を犯してください…と言うんだよ」

「…ああ…そん…な…」

 いくら年若いとはいえ、彼は将校。マクルーアは一介の水夫である。立場が、身分が、違う。

 だが、やがて、微かに唇を震わせて、彼はその言葉を口にした。

「…マクルーア…様…。おねがいです。…僕…を、…犯…して下さい…」

 ああ、優等生クンが淫乱少年に堕とされていく~!
 ……素晴らしすぎ!(笑)
 誇り高い英国貴族の子弟が、一介の水夫にこの屈辱!
 たまらなすぎます、矢萩先生。
 エリック坊やが味合わされる屈辱感、矢萩先生の筆はこれを描ききってあまりあるわけですが、この後がまた凄いんです。

 背後から、男が、エリックの膝の下に手を差し入れ、小児に小用を足させる時のような格好に抱える。
 男の膝の上で、男の怒張を飲み込まされたまま、エリックは恥ずかしい格好で揺すられ、擦られ、突き上げられて、再び絶頂に追い上げられてゆく。
 凄い…と、思った。
 これこそ、男だ…と、思った。
 神のように、黒髪の水夫は若い将校を犯していく。
 エリックの身体がよじれ、あえぎが切迫する。膝をぐいと引き付けて、マクルーアは思いっきり、下から肛口を突き上げた。腕の中の白い身体が細かくけいれんし、のけぞろうとする。さらに、それを強く引き付けて、狭い壁口を突き上げてゆく。

(中略)

 初めての、二度の性交で、エリック・もトンは、トーマス・マクルーアに夢中になってしまった。

 はあぁ(ため息)。
 神描写ですね、このあたり。
 とくに「これこそ、男だ…と、思った」という一文、凄すぎます。
 男としてこれ以上の屈辱はない台詞ですね。
 これまで上流階級出身の若き将校としてもてはやされてきたエリックが、自分を圧倒する存在と出会って身も心も奪われてしまう瞬間ですよ。
 これこそが“優等生受け”の醍醐味、キモなのです。
 この瞬間、エリックが凄まじい屈辱感を味わい、しかも自分の意思ではどうにもならない次元でそれを快感に変えさせられていたのだろうと思うと、ちーけんヨダレが口の端から津波のように湧き出てとどまることを知りません!
 じゅるうー、じゅるじゅるうー。
 なんと読者を興奮させてくれる描写!
 これ、書けそうでなかなか書けないシーンですよ。

 さあ、悪党マクルーアの手に落ちたエリック少尉の運命やいかに…。
 このあとエリック坊やには、まだまだ過酷な運命が待ち受けているのですが、そこはぜひご自分の目で確かめていただくといたしましょう。
 もちろんエロス的にも、さらに度合いは高まっていきます(笑)。

 ただ、最初に書いたとおり、矢萩先生はBL小説の作家さんでは決してありません。
 エリックとマクルーアの2人が幸せになるかは、まったく予断を許しませんので、ハッピーエンドしかダメ! という人は読まない方がいいかもです。
 “優等生受け”なら何でもいい! というちーけんの心の友の方々は、一食抜いてでも買ってよむべきだと思います(笑)。

 ちーけんとしては、もっと矢萩貴子先生のような作家さんが活躍されてほしいのですけれどね。
 なかなか商業的には、今の時代に矢萩先生のような作風の方を使おうという編集部はないだろうなぁと思います。
 その意味で、今回新刊を出した日本文芸社はGJ!
 昔、『ロマンJUNE』で書いていたような作家さんたちを、もっと取り上げていっていただきたいものですなぁ。

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