ネクラで眼鏡でキモオタな優等生は“受け”るとイイよ!

委員長、地味な真面目くん、オタク少年…そんな“優等生受け”BLが大好きな腐男子のブログです~。

 

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[新刊レビュー]花のお江戸を舞台に…姫として育てられた鈴に嫁入り話が!? 『Dear+』07年12月号より、山中ヒコ『丸角屋の嫁とり』


Category: レビュー コミックス   Tags: 特徴-歴史もの  受け-女装  受け-王子さま・貴族  ●ヤ行-山中ヒコ  
Dear+ (ディアプラス) 2007年 12月号 [雑誌]Dear+ (ディアプラス) 2007年 12月号 [雑誌]
(2007/11/14)
不明

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 山中ヒコ先生がなんだか一皮むけてます!
 今月発売の『Dear+』07年12月号で!
 今まで何度も本ブログでもご紹介したとおり、ちーけんは山中ヒコ先生の描くマンガが大好きで、同人誌も現在絶賛収集中です。
 人と人の間を揺れ動く“想い”とでもいうような、言葉では言い表しにくいすごくふわふわした切ないものを、マンガという表現手段の中で紙の上に写し取らせたら山中ヒコ先生は天下一品だと、ちーけんはこれまでも思ってました。
 実際、山中ヒコ先生が描かれるマンガは、もう胸がキュンキュンするという表現では足らないくらい、読者の感情を根底から絞ってくれちゃうんです。
 人間はこういう“色”の感情を持つことができるのか! という新鮮な驚きを、ちーけんは山中ヒコ先生のマンガを読むたびに感じてきました。
 ただ、そんな素晴らしい山中ヒコ先生のマンガの中に、ちょっとだけですが“気取り”とでもいうべき雑念を感じることがあり、ちーけんはその点だけを残念だなぁとじつは思っておりました。

 少し高いところからマンガを描かれているような。
 それが今回ご紹介する新作読み切り『丸角屋の嫁とり』を読んだら、そういう少し説教臭いところが一掃されていたんです~。
 商業誌の編集者の手が入ったことで、ずいぶん良い変化が起こっているような感じとでも言うのでしょうか。
 完全に一皮むけた感じがあります。
 放っておいても、もちろん大人気作家への階段を駆け上がっていた山中ヒコ先生だとは思いますが、何だかもっともっと大きくなる作家さんのような気が、ちーけんにはしてまいりました。
 次作を読むのが、すんごく楽しみです。

 では肝心の『丸角屋の嫁とり』の内容を、簡単にご紹介しておきましょう!

 舞台は江戸中期。
 江戸の町の主役が、徳川幕府創立当初の武士たちから、商業経済の勃興によって商人たちへと移り変わろうとしていたころのお話しです。

 当時の武士は、一部の富裕な大名家を除いては、みなひどく困窮していました。
 徳川幕府成立からすでに百有余年。
 武士たちの“給料”は、その間、まったく上がっていなかったからです。
 家のご先祖様が家康公からもらった給料が千石だったら、100年後の子孫も同じく千石。
 もちろん物価は上がってます。
 多くの武家は、家格にあった体面を保つことに汲々とし、いつしか莫大な借財を商人たちに負うようになっていたのでした。

 幕府の旗本で書院番組頭を務める大野彦十郎の家も例に漏れません。
 大野家は一千石をもらっていましたから、決して大身の旗本ではありませんが、なかなかの家柄といってよいでしょう。
 家内の財政は逼迫していましたが、当主の彦十郎は側室を持つ余裕もありました。
 ところが正室の奥方は大の悋気持ち。
 おかげで側室が生んだ男の子は、生まれたときに「女子」として届け出されたのです。
 前例と形式に縛られていた江戸城の宮廷政治の中では、一度そんな届け出を出そうものなら、それを訂正するなどということは、悪くすればお家取りつぶしもありうる大スキャンダルでありました。

「――うばや」

「はい 鈴様、いかがなさいました」

「母上にもうばやにもついていないものが 私と荘太のおまたについておる。これは何じゃ」

 大野家の側室の子・鈴姫が“それ”に気付いてしまったのが5歳の時。

 でも、だからといって鈴が男に戻れるわけでもなく…。
 母亡き後、鈴はそのまま姫として、ばあやの手で大事に育てられていきます。
 その美しさは、ばあやの孫として鈴の身の回りの世話をしている荘太が「江戸で一番の姫」と自慢するほどでした。

 さて、正室への遠慮もあるのか、母の死んだ後には、父・彦十郎が鈴のもとを訪れることは滅多になくなっていました。
 そんな鈴の少女(少年?)時代は、早くに逝った母と、縁薄い父から十分に与えられなかった愛情に飢えたものでした。

 象徴するようなこんなシーンが出てきます。

 荘太を驚かして木の上から落っことし、大怪我をさせてしまった鈴は、泣きながらばあやに問いかけます。

「怒ったか ばあや」

「鈴様…」

「もう鈴のことなど嫌になったか……もう鈴と」

「鈴様…」

「一緒にいてはくれぬか――」

 なんという悲しいシーンでしょう。
 こういう感情の交錯する場面を描かせたら、本当に山中ヒコ先生の右に出る者はいないですね…。

 ある日、美しい姫に成長した鈴は、荘太に連れられ、江戸の町にお忍びで出かけます。
 朝顔市を周り、ひとしきり遊んだところで、粋がった下級武士たちに囲まれる鈴と荘太。
 窮地をすくってくれたのが、颯爽と現れた男・新三郎でした。
 商人の息子の身でありながら、武士たち相手に一歩もひかないどころか鮮やかに彼らを叩きのめした新三郎の姿は、自分が本当は男のくせに姫として生きねばならない運命をあきらめつつ受け入れていた鈴の目に焼き付きます。

 あらためて、父に自分は男として生きてみたいと頼んでみようと思い立つ鈴。
 ところが、3年ぶりに鈴のもとを訪れた父・彦十郎が鈴に言い渡したのは、豪商・丸角屋の跡継ぎとの結婚話でした。
 財政が破綻しかけていた大野家は、ご他聞に漏れず丸角屋に4千両という莫大な借財を背負っていました。
 武家の娘を嫁に貰い、家格を上げたかった丸角屋と彦十郎の思惑が一致して、大野家の側室の“娘”である鈴に白羽の矢が立ったのです。

「父上…私は男ですよ…」

「そんなことはわかっておるわ。からだが不自由な娘じゃと断ったが引きさがらなんだ。結婚と言っても形だけのこと。そなたの暮らす離れを用意して、子もよそで作るとまで言っておる」

「お…恐れながら殿様…。それではあまりに鈴様が不憫でございます! それでは幽閉されに行くようなもの…!」

「そなたを嫁にやれば、4千両を棒引きにすると言っておる。頼む、鈴…」

 父に頭を下げられ、承諾する鈴。
 ここ、また悲しいシーンが始まりますよ…。

(私は家のためを思って、とか 親のためとか そんなことを考えたのではなく ただ やさしい言葉一つを…)

 そう心中呟く鈴に、彦十郎は懐から取り出した短刀を手ずから渡し、こう言い放つのです。

「もし万が一 男子と露見するようなことがあれば その時は…わかっておるな」
「大野家の恥を晒してはならぬ」

 うう、いま読み返しても泣きそう。
 短刀を前にした鈴は、真っ暗な心象風景の中で、それだけを言い捨てて帰って行く父の後ろ姿に平服します(涙)。

「……生まれてはじめて 父上にいただくものにございますれば 喜んで…」

(ただ やさしい言葉を 一つ…)

 幼いころから追い求めた両親からの愛。
 ついにそれは満たされることなく、鈴は家を追い出されるような形で後にすることになるのでした――。

 真っ白な花嫁衣装に身を包み、丸角屋へ輿入れする日がやってきました。
 新居となる離れへ通され、“新郎”の訪れを待つ鈴。
 ところが、そこに現れたのは、あの日、鈴の窮地を救ってくれた男・新三郎だったのです。

「さぞ驚かれたでしょう。お恥ずかしい話ですがね…。朝顔市で御姫さんに一目ボレいたしました。お付き合いのある大野様のご息女とわかりまして…。少々無理を通しやした」

「婚儀は…形だけのものと…」

「そりゃ…ウソも方便って奴で」

 そう言われて、ダダッと走って逃げようとする鈴でしたが、すぐに新三郎に掴まってしまいます。

「イヤだ! あ…! やめよ…!」

「何でェ…。そんなにイヤがらなくたっていいじゃねェか…」

(ばれてしまう…!)

 ついに寝所へ追い詰められ、花嫁衣装をはがされてしまう鈴。
 泣きながら、鈴は新三郎に告白します。

「う……。私は……男なのだ……」

 だが新三郎の答えは、鈴の想像を上回っていました。

「だから何でェ」

「え…」

「んなこたァ 先刻承知だ。……男だろうが 女だろうが お前ェさんが欲しかった」

 なんというせつないシーン!
 愛してほしかった父に見捨てられ、鈴が嫁いだ先で出会ったのは、憧れを感じていた男・新三郎でした。
 それでも父のことを裏切れず、必死に自分が男であることを隠そうとする鈴。
 それを新三郎はいとも簡単にぶち壊し、乗り越えてきてしまうのです。
 でも、それでも鈴には新三郎を素直に受け入れられない理由があるわけです。
 男として憧れていた存在である新三郎に、自分が女にされなければいけないというこの屈辱!
 でも、「男だろうが 女だろうが お前ェさんが欲しかった」――こんな殺し文句を言われて、鈴はその屈辱を受け入れてしまうわけですよ!
 このアンビバレンツな鈴の心情!
 いよいよ新三郎に本当に抱かれるシーン、鈴の表情と態度は、めまぐるしく変化して描かれています――揺れる鈴の心情を映すかのように。
 山中ヒコ先生の筆が躍るまさに独壇場ですよ!
 新三郎に身体ごと愛され、泣きながらすがりつかされる鈴。
 もう壮絶に美しく可愛いシーンです。

 さあ、この2人の“結婚”の行く手はどうなってしまうのでしょう。
 なんと46ページという長編読み切りになっている本作。
 いま一番新作を読みたい作家である山中ヒコ先生に、こんな読み応えのあるのを描かせてくれるとは、『Dear+』の編集さん、GJ!って感じです(笑)。
 山中ヒコ先生が、よくマンガの中で使われる目の表現に、

(∩ ∩)

 こんなのがありますが、本作でももちろんこの“ヒコ目”は全開しています(笑)。
 なごむんですよね、この“ヒコ目”(勝手に命名)。
 それにしても、山中ヒコ先生が描く女装お姫様・鈴のキレイなこと。
 新三郎は歌舞伎の絵のようにカッコイイですしね。
 家のためにすべてを我慢して生きてきた優等生なお姫様は、果たして幸せを手に入れられるのでしょうか。
 ぜひご自分の目でたしかめてみてください!
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Comments

むけたのですね! 
こばわ~。また来てしまいました。ちよこです。


雑誌は買わない派(コミックスになるまで待つ派)のワタシですが
この号は買わずにおれませんでした。

一度は買わずに帰宅したのですが
どうにも辛抱たまらんくなって
翌日書店へ走りました^^。

いまだに単行本が出てないので、あの日の自分にGJ!v-218です。




そうそう、それまでにもテニスアンソロとかでヒコさんの作品は目にしていたのですが
この作品ほどの衝撃はありませんでした。

ところどころイイコマもあるけど
全体的に雑な印象のマンガだな~という感じ?



ところが!
ハマってからはこの雑ささえも好印象というか
かえって隅から隅まできっちりした作品よりも
「軽井沢シンドローム」(古っ!)方式つーか
数ページに一コマくらいが美麗キャラのコマで
あとは略式のキャラで動かしたほうが
描く方も楽だろうけど
読む方も実は読みやすいし
マンガの手法としてとても有効、というかむしろその方が優れているんでは???とすら。


劇画タッチの細かい線で描かれた作品は
イラストとしては美麗でも
マンガとしてはストレスで
脳内処理作業上はそちらに容量をとられてしまって
お話はお留守になってしまうんでしょうかね><。(脳内容量の少ないワタシだけ?)





この作品はわずか40pほどの作品でありながら
セリフのひとつ、コマ一つにも無駄がないというか
鈴姫の幼少期を描いた冒頭の4pだけでも
コミックスにして1冊以上を割いてもおかしくない濃密さですよね!




BLにおいては「男花嫁」はジャンルとして成り立ってる?らしく
ワタシも何冊も読みましたが
この作品ほどの説得力を持った作品には出会えませんでした。



すべてが完璧です。



とくに初夜陵辱(キャー!!^^)のシーンの間合いというか
セリフまわしから台割りまで。
カメラアングル。ポーズっていうか体位?(帯を解くところがたまらん)(日本に生まれてよかった・・!)
新三郎の表情、鈴姫のモノローグ・・・

あああ・・・完璧です。








あとで「丸角屋の手代」という続編があることをコミックスの帯で知ったのですがタッチの差で入手しそびれてしまいました。(泣)

まさかあれほど見事にまとめて
非の打ち所のない作品に続編が描けるなんて思ってなかったので
気をぬいてました><。


最近やっと切り抜きで手に入れたのですが
新婚話かと思ったら5年後で。

でもすごくイイ話で
読めてよかったです。^^

・・・ちょっとエッチが薄かったかな?
(というか、ちょんまげ同士のエッチは違和感i-202


かわいい弟のような荘太があんなイカス年下攻め?に育つなんて^^。

姫様が男と受け入れられなくて自我が崩壊するところ(肉食の仏様と~)と
荘太が進路を親に分かってもらえないところ(デザイン校に進みたいんだよ!)の比喩表現が端的でありながら絶妙!と思いました。







これからのヒコさんのご活躍が楽しみでしょうがないですe-420


てゆうか早くコミックスにして欲しい。
沢山の人に読んで欲しい。



そんなほとばしりを吐き出させてもらっちゃいましたv-467

ありがとうございました!^^


 
ついに・・!ついに・・!!! 
この夏、ヒコさまのセカンドコミックスとして
「丸角屋の嫁とり」が発行される由。

・・待ってたんだよおおおお!

しかも「新しい武器」も収録とな!


すばらしすぎる。



アタクシ、全マンガ界で一番エライのは
手塚治虫センセエがはかなくなられた今、
萩尾望都さまを最高峰の現人神とあがめている一人ですが、
山中ヒコさまはそれに近い位置に行ける(or超える)お人と信じております。


このコミックスは歴史に残る一冊になると思います。

これが売れないようならマンガ界に明日は無いと思います。


出来れば通常版のDEAR+コミックスじゃなくて
大判で出してほしいなー。
いっそ、豪華愛蔵版で。^^




・・・もー、なんでもいいや。

citacitaで連載中の「王子と小鳥」も早くまとめて読みたいんです。><
 

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